医療用医薬品 : タミフル

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医薬品情報


総称名 タミフル
一般名 オセルタミビルリン酸塩
欧文一般名 Oseltamivir Phosphate
製剤名 オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ
薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤
薬効分類番号 6250
KEGG DRUG D00900 商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 保険給付上の注意 主要文献

商品情報 詳細

商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
タミフルドライシロップ3% TAMIFLU 中外製薬 6250021R1024 244円/g 処方せん医薬品

警告

本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。

10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。

インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、本剤の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではない。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

効能・効果に関連する使用上の注意

治療に用いる場合には、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること。

予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。

高齢者(65歳以上)

慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者

代謝性疾患患者(糖尿病等)

腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性及び有効性は確立していない(「小児等への投与」の項参照)。

本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。

本剤は細菌感染症には効果がない(「重要な基本的注意」の項参照)。

用法・用量

治療に用いる場合

成人

通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。

幼小児

通常、オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。

予防に用いる場合

成人

通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間、用時懸濁して経口投与する。

幼小児

通常、オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。

用法・用量に関連する使用上の注意

治療に用いる場合には、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。

予防に用いる場合には、次の点に注意して使用すること。

インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。

インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。

成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)。小児等の腎機能障害患者での使用経験はない。

クレアチニンクリアランス
(mL/分)
投与法
治療予防
Ccr>301回75mg 1日2回1回75mg 1日1回
10<Ccr≦301回75mg 1日1回1回75mg 隔日
又は
1回30mg 1日1回
Ccr≦10推奨用量は確立していない
Ccr:クレアチニンクリアランス

<参考>

国外では、幼小児における本剤のクリアランス能を考慮し、以下に示す体重群別固定用量が用いられている(「小児における薬物動態」の項参照)。

体重固定用量
15kg以下1回30mg
15kgを超え23kg以下1回45mg
23kgを超え40kg以下1回60mg
40kgを超える1回75mg
※用量(mg)はオセルタミビルとして治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回

使用上の注意

慎重投与

高度の腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「重要な基本的注意」の項参照)

重要な基本的注意

本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた<用法・用量に関連する使用上の注意>に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること(【薬物動態】の項参照)。

細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。

副作用

副作用発現状況の概要

ドライシロップ剤(1〜12歳の幼小児)の承認時までの臨床試験70例において、副作用は35例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0%)等であった。(承認時)

製造販売後の調査2,814例において、副作用は161例(5.7%)に認められた。主な副作用は、下痢63件(2.2%)、嘔吐40件(1.4%)、低体温23件(0.8%)、発疹22件(0.8%)等であった。[再審査終了時(治療)]

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー (頻度不明)

ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肺炎(頻度不明)

肺炎の発症が報告されているので、異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)

劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)

皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全(頻度不明)

急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

白血球減少、血小板減少(頻度不明)

白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

精神・神経症状(頻度不明)

精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて適切な処置を行うこと。

出血性大腸炎(頻度不明)

出血性大腸炎があらわれることがあるので、血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明0.1%以上0.1%未満
皮膚皮下出血発疹(0.8%)、紅斑(多形紅斑を含む)蕁麻疹、そう痒症
消化器口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍、腹部膨満、口腔内不快感、食欲不振下痢(2.8%)、嘔吐(2.0%)、腹痛、悪心口内炎(潰瘍性を含む)、便異常
精神神経系めまい、頭痛、不眠症、感覚鈍麻、悪夢 激越、嗜眠、傾眠、振戦
循環器上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸  
肝臓γ-GTP増加、Al-P増加ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加 
腎臓血尿、蛋白尿  
血液好酸球数増加  
呼吸器咳嗽鼻出血、気管支炎 
視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、眼痛 結膜炎
その他疲労、不正子宮出血、耳の障害(灼熱感、耳痛等)、浮腫、血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛低体温(0.8%)発熱
発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。

高齢者への投与

国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められていないが、一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多いため、状態を観察しながら投与すること(<用法・用量に関連する使用上の注意>、【薬物動態】の項参照)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]

授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していない(「その他の注意」の項参照)。

国外で実施されたドライシロップ剤による第III相治療試験において、体重8.1kg未満の幼小児に対する使用経験はない。

過量投与

過量投与時に、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等が発現することがある。このような場合は、投与を中止し適切な処置を行うこと。

その他の注意

国内で実施されたカプセル剤による第III相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例ある。また、国外で実施されたカプセル剤による第III相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7例にみられた。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない。

国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第III相治療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した。

国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合併小児を対象とした第III相治療試験において、有効性を検証するには至っていない。一方、安全性において特に大きな問題はみられていない。

シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。

国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与経験がある。

幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連した死亡が657mg/kg以上で認められた。しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった。

幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量におけるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった。

薬物動態

小児における薬物動態

<日本人における成績>[1]

国内第II相臨床試験において、本剤2mg/kg1日2回投与時の定常状態におけるオセルタミビル活性体の投与後4時間及び12時間における血漿中濃度を可能な患児において測定した。その結果、トラフに相当する血漿中活性体濃度12hr値はいずれの年齢層においても115ng/mL以上であり、抗インフルエンザウイルス効果を期待できる濃度を維持していた。

日本人患児における血漿中活性体濃度4hr値及び12hr値
血漿中活性体濃度
(ng/mL)
項目1〜4歳5〜8歳9〜12歳全体
4hr例数75416
平均264.0328.6354.8306.9
標準偏差56.030.881.266.7
中央値252.0330.0346.5308.5
最小−最大188.0-366.0280.0-355.0265.0-461.0188.0-461.0
CV21.29.422.921.7
90%信頼区間222.9-305.1299.3-357.9259.2-450.3277.6-336.1
12hr例数85215
平均170.4165.4240.5178.1
標準偏差31.640.713.440.4
中央値162.5167.0240.5167.0
最小−最大128.0-217.0115.0-216.0231.0-250.0115.0-250.0
CV18.624.65.622.7
90%信頼区間149.2-191.6126.6-204.2180.5-300.5159.7-196.4

日本人患児における定常状態での血漿中活性体濃度−時間プロット

<外国人における成績>[2][3][4]

健康な男女小児を対象とした2つの臨床試験において、1〜5歳を1〜2歳、3〜5歳の2グループ(各12例)及び5〜18歳を5〜8歳、9〜12歳及び13〜18歳の3グループ(各6例)に分け、本剤を食後に2.0〜3.9mg/kgを単回経口投与※したとき、1〜2歳における活性体のAUC0−∞は2,810ng・hr/mLで3〜5歳に比較して16%低かった。また、年齢5〜18歳において年齢5〜8歳のグループでは13〜18歳のグループに比較し活性体の消失は速く、結果として暴露量の低下が認められた。年齢5〜8歳のグループにおける活性体のAUC0−∞は年齢13〜18歳のグループに比較し60%であった。
これら小児グループにおける活性体の薬物動態パラメータをオセルタミビル75mg及び150mg反復投与※した成人における臨床試験より得られた薬物動態パラメータと比較したとき、年齢5〜8歳のグループにおけるAUCは成人の75mg(1mg/kgに相当)投与におけるAUCと同様であり、年齢9〜12歳のグループでは成人の75mg及び150mgの間にあり、年齢13〜18歳のグループでは成人の150mg(2mg/kgに相当)と同様であった。同様に、すべての年齢グループにおける投与12時間後における血漿中活性体濃度は成人における投与量150mgにおける値を越えるものでなく、抗インフルエンザウイルス活性を期待できる濃度を維持した。

各小児グループにおける活性体の薬物動態パラメータ(2mg/kg)
小児グループ(例数)AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
1〜2歳(12)2,810±871121±515.6±2.214.9±7.3
3〜5歳(12)3,350±678179±735.0±2.311.3±5.5
5〜8歳(6)2,746±368183±363.7±0.58.8±2.0
9〜12歳(6)3,208±394231±463.7±0.57.8±1.8
13〜18歳(6)4,534±929319±764.3±0.88.1±2.2
mean±SD#:各パラメータは1〜2歳30mg、3〜5歳45mg投与を2mg/kgに補正したもの

日本人及び白人における投与1日目の活性体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
75(日本人)2,107±374191±32.54.91±1.026.46±1.42
75(白人)2,274±1,105142±39.75.84±1.1610.0±6.86
150(日本人)5,189±1,187468±84.35.16±0.7546.30±1.95
150(白人)5,036±1,524383±98.64.42±1.117.81±5.23
mean±SD

小児の体重と総クリアランスの相関性

1〜18歳の小児に2mg/kgの用量で1日2回投与した場合、活性体の暴露量は、成人における安全性及び有効性が示された暴露量と同様であった。国外ではこれら小児での薬物動態の傾向から、活性体のクリアランス能が低年齢児で高く、年齢に伴い減少することを踏まえ、目標とする活性体の暴露量を得るため、年齢に相関する体重を基準とした体重群別固定用量として設定された。

国内小児と国外小児における血中濃度の比較(国内・国外成績)[1][2][3]

用量を2mg/kgに補正した日本人小児における定常状態での血漿中活性体濃度4hr値及び12hr値につき、3つの国外小児試験より用量(2mg/kg)及び定常状態への補正を行った4hr値及び12hr値と比較した。この結果、日本人小児における4hr値及び12hr値は国外小児における4hr値及び12hr値の分布の範囲内にあった。

剤形間の生物学的同等性(国外成績)[5]

カプセル剤及びドライシロップ剤は成人被験者による生物学的同等性試験成績より、両製剤は同等であることが示された。

ドライシロップ剤及びカプセル剤150mg経口投与※時の活性体の薬物動態パラメータ(n=18)
剤形AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ドライシロップ剤6,870±1,360546±1015.1±1.57.2±1.7
カプセル剤6,940±1,620615±1474.5±1.06.4±1.5
mean±SD

高齢者(80歳以上)における薬物動態

<日本人における成績>[6]

年齢80歳以上の高齢者5例にオセルタミビルとして75mgを単回経口投与(絶食時)したときの本剤の活性体の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

日本人高齢者(80歳以上)の活性体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
756,063±604439±295.0±0.07.0±0.6
mean±SD

腎機能障害者における薬物動態[7]

<外国人における成績>

クレアチニンクリアランス(Ccr)値により規定された腎機能障害者を含む20例を対象とし、オセルタミビルとして100mg1日2回を6日間反復投与※したときの活性体薬物動態は、以下の表のとおり腎機能に依存した。高度な腎機能障害者においては投与量の調整が必要であると考えられた。

投与開始6日目における活性体の薬物動態パラメータ
Ccr値
(mL/分)
AUC0-12
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Clr0-12
(L/hr)
Ccr≦3043,086±18,0684,052±1,5191.54±0.55
30<Ccr≦6015,010±4,1581,514±3924.19±0.67
60<Ccr≦909,931±1,6361,058±1837.25±1.15
Ccr>904,187±630494±8017.50±2.78
mean±SD

薬物相互作用[8]

<外国人における成績>

オセルタミビルは尿酸排泄促進薬のプロベネシドとの併用により腎クリアランスの低下、AUC0-∞及びCmaxの約2倍の増加が認められた。このことはアニオン型輸送過程を経て腎尿細管分泌されるオセルタミビルは同経路で排泄される薬剤との併用により競合的相互作用を生ずる可能性を示唆している。しかし、この競合による薬物動態の変化の割合は、投与量の調整が必要であるほど臨床的に重要ではない。
なお、インフルエンザウイルス感染症に伴う症状緩和のために併用される可能性がある薬物(抗ヒスタミン薬、マクロライド系抗生物質、NSAIDs等)及び心電図に影響を与える可能性のある薬剤(抗不整脈薬等)の多くの薬物との相互作用は検討されていない。

蛋白結合率[9]

オセルタミビル及びその活性体のヒト、ラット、ウサギ及びイヌ血漿蛋白との結合率は、オセルタミビルでは全ての種類において50%以下の結合であったが、活性体ではいずれの種類においても平均で3%以下の弱いものであった。(in vitro試験)

代謝・排泄[10][11][12][13]

<外国人における成績>[10][11]

本剤はヒトにおいて経口投与後速やかに主として肝臓で活性体に加水分解される。健康成人男子に対し本剤を(オセルタミビルとして37.5〜300mg)単回経口投与※したとき、未変化体及び活性体あわせて投与48時間後までに70〜80%が尿中に排泄された。
また、オセルタミビルはヒト肝ミクロゾームを用いた代謝試験により、P450による代謝は認められず、P450を介した薬物相互作用の検討により各種P450基質の代謝に対してもほとんど影響を与えなかった。

治療投与

成人に対して承認された用法・用量は、1回75mgを1日2回、5日間投与である。幼小児に対して承認された用法・用量は、1回2mg/kgを1日2回、5日間投与である。

予防投与

成人に対して承認された用法・用量は、1回75mgを1日1回、7〜10日間投与である。幼小児に対して承認された用法・用量は、1回2mg/kgを1日1回、10日間投与である。

(参考)動物実験の結果

分布[12]

雌雄ラットに[14C]-オセルタミビル20mg/kgを単回経口投与した際、放射能は各組織に速やかに分布し、雌雄で類似していた。消化管を除くと肝臓、腎臓で高濃度を示し、標的組織の1つと考えられている肺では血漿の約2倍であったが、中枢神経系への移行は少なかった。雌において胎児への移行が認められ、移行放射能は母体側血漿の約1/2であった。放射能は投与48時間後までに各組織からほぼ完全に消失した。

乳汁中移行[13]

授乳ラットに[14C]-オセルタミビル10mg/kgを単回経口投与した際、放射能は乳汁中に移行し、投与1時間後で最高濃度に達した。その後、血漿中とほぼ同様な推移で消失したが、乳汁中/血漿中濃度比は常に乳汁中において高かった。

臨床成績

治療試験成績[1][14][15]

<日本人における成績>[1]

国内で実施された小児(1〜12歳)を対象とした第II相臨床試験(JV16284)において、インフルエンザ感染が確認された59例(インフルエンザ感染はウイルス分離より判定した。)におけるインフルエンザ罹病期間(咳、鼻症状が改善し、体温37.4℃以下に回復するまでの時間)は72.5時間(中央値)であった。また、投薬中の体温が37.8℃未満に回復するまでの時間は21.3時間(中央値)であり、平熱(37.4℃以下)に回復するまでの時間は35.3時間(中央値)であった。

<外国人における成績>[14][15]

米国及びカナダにおいて1〜12歳の小児で実施されたプラセボを対照とした第III相臨床試験(WV15758)の5日間投与におけるインフルエンザ罹病期間(咳、鼻症状が改善し、体温37.2℃以下、罹患前の日常生活に回復するまでの時間)に対する有効性を以下に示す。

インフルエンザ罹病期間(時間)
薬剤投与期間症例数#1) インフルエンザ罹病期間中央値(95%信頼区間)
オセルタミビルリン酸塩5日間217例101.3時間#2)
(88.8-118.3)
プラセボ5日間235例137.0時間
(124.5-149.6)
注)オセルタミビルリン酸塩の用法・用量:オセルタミビルとして1回2mg/kgを1日2回#1)インフルエンザ感染はウイルス分離又は抗体反応により判定した。#2)p<0.0001(プラセボとの比較)

オセルタミビルリン酸塩により、罹病期間の短縮効果の他、重症度の低下、インフルエンザ二次症状の発現率低下が認められ、本剤の有効性が認められた。

国外において慢性喘息合併患児(5〜12歳)に対するプラセボを対照とした第III相臨床試験(WV15759/WV15871)は、目標症例数500例に対し登録例数は335例であった。このため、本剤の有効性を検証するには至っていないが、インフルエンザ罹病期間(中央値)は本剤123.9時間、プラセボ134.3時間であった。
また、本試験において、開始時と比較した努力性呼気1秒量(FEV1)の変化率は本剤10.8%、プラセボ4.7%であった。

予防試験成績[16][17][18][19][20]

<日本人における成績>[16]

国内において実施されたプラセボを対照とした第III相臨床試験(JV15824)の42日間投与※におけるインフルエンザ感染症の発症抑制効果を以下に示す。本試験は高齢者を含む健康成人308例(プラセボ:19歳-83歳、平均34.0歳、65歳以上の高齢者は10例、本剤:18歳-77歳、平均34.2歳、65歳以上の高齢者は11例)を対象とした。
国内二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群8.5%、本剤投与群1.3%であった。

インフルエンザ感染症発症例(発症率)
 プラセボオセルタミビルリン酸塩p=0.0032(95%信頼区間:2.4%-12.0%)
対象例数153155
感染症発症例(率)#1) 13(8.5%)2(1.3%)
注)オセルタミビルリン酸塩の用法・用量:オセルタミビルとして1回75mgを1日1回#1)発熱及び症状が2つ以上認められ、ウイルス分離又は抗体価の上昇により確認された症例

<外国人における成績>[17][18][19][20]

米国において実施されたプラセボを対照とした第III相臨床試験(WV15673/697)の42日間投与※におけるインフルエンザ感染症の発症抑制効果を以下に示す。
米国二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群4.8%、本剤投与群1.2%であった。

インフルエンザ感染症発症例(発症率)
 プラセボオセルタミビルリン酸塩p=0.0006(95%信頼区間:1.6%-5.7%)
対象例数519520
感染症発症例(率)#1) 25(4.8%)6(1.2%)
注)オセルタミビルリン酸塩の用法・用量:オセルタミビルとして1回75mgを1日1回#1)発熱及び呼吸器系、全身系症状が各1つ以上認められ、ウイルス分離又は抗体価の上昇により確認された症例

また、国外での高齢者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(WV15825、42日間投与※)、インフルエンザ感染症患者接触後のプラセボ対照二重盲検比較試験(WV15799、7日間投与)及びインフルエンザ感染症患者接触後の予防群と非予防群のオープン比較試験(WV16193、10日間投与)において、インフルエンザ感染症発症率は非予防群4.4%、12.0%、11.3%、オセルタミビルリン酸塩投与群0.4%、1.0%、1.8%であった。なお、高齢者を対象とした試験(WV15825)の、ワクチン接種者におけるインフルエンザ感染症発症率は、プラセボ投与群5.0%、オセルタミビルリン酸塩投与群0.5%であった。
国外で実施された発症抑制効果を検討した第III相臨床試験の患者背景を以下に示す。

季節的予防試験
試験番号WV15673/697
n=1039
WV15825
n=548
対象健康成人(18歳以上)高齢者(65歳以上)#1)
薬剤プラセボ
n=519
オセルタミビルリン酸塩
n=520
プラセボ
n=272
オセルタミビルリン酸塩
n=276
年齢(歳)
(平均)
18-64
(35.0)
18-65
(34.4)
64-96
(81.8)
65-96
(80.5)
#1)約80%の高齢者がワクチン接種を受け、約14%の高齢者が慢性閉塞性気道疾患を合併していた。

患者接触後予防試験
試験番号WV15799
n=955
WV16193
n=808
対象13歳以上1歳以上
薬剤プラセボ
n=461
オセルタミビルリン酸塩
n=494
非予防群
n=392
予防群
n=416
年齢(歳)
(平均)
12-85
(33.8)
13-82
(33.2)
1-83
(26.2)
1-80
(27.7)

上述のインフルエンザ感染症患者接触後の臨床試験(WV16193)では1〜12歳の小児が含まれており、この集団には本薬ドライシロップ剤が年齢別固定用量※で投与された。
発症抑制効果について、小児におけるインフルエンザ感染症発症率は非予防群で21.4%、予防群で4.3%であった。

インフルエンザ感染症発症例(発症率)
 非予防群予防群p=0.0206(95%信頼区間:22.0%-94.9%)
対象例数7047
感染症発症例(率)#1) 15(21.4%)2(4.3%)
#1)発熱及び咳/鼻症状が認められ、ウイルス分離又は抗体価の上昇により確認された症例

治療投与

成人に対して承認された用法・用量は、1回75mgを1日2回、5日間投与である。幼小児に対して承認された用法・用量は、1回2mg/kgを1日2回、5日間投与である。

予防投与

成人に対して承認された用法・用量は、1回75mgを1日1回、7〜10日間投与である。幼小児に対して承認された用法・用量は、1回2mg/kgを1日1回、10日間投与である。

薬効薬理

in vitro抗ウイルス作用[21]

オセルタミビルリン酸塩はプロドラッグであり、代謝により活性体に変換された後、抗ウイルス作用を示す。
オセルタミビルリン酸塩の活性体はin vitroでのA型及びB型インフルエンザウイルスの複製を低濃度(実験室株IC50:0.6〜155nM、臨床分離株IC50:<0.35μM)で阻害した。

in vivo抗ウイルス作用[22][23][24]

マウス及びフェレットのA型及びB型インフルエンザウイルス感染モデルでは、オセルタミビルリン酸塩の経口投与(0.1〜100mg/kg/日)により、用量に依存して生存数の増加、感染に伴う症状の減少、ウイルス力価の減少などの治療効果が認められた。また、ニワトリ感染モデルにおいてウイルス感染24時間前からの経口投与(10、100mg/kg、1日2回)で、生存率の上昇などウイルス感染に対する抑制効果が認められた。

作用機序[25]

オセルタミビルリン酸塩の活性体はヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し(IC50:0.1〜3nM)、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。

耐性

国外及び国内臨床試験における本剤に対する耐性ウイルスの出現率は成人及び青年では0.32%(4/1,245例)、1〜12歳の小児では4.1%(19/464例)であった。耐性ウイルスは全てA型ウイルスに由来し、B型では出現が認められなかった。耐性を獲得したウイルスでは、マウス及びフェレットにおいて感染性の低下が認められ、感染部位での増殖、伝播力は低いと考えられる。耐性を獲得したウイルスでは、ノイラミニダーゼのアミノ酸変異が認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名オセルタミビルリン酸塩
一般名(欧名)Oseltamivir Phosphate
化学名(−)-Ethyl(3R,4R,5S)-4-acetamido-5-amino-3-(1-ethylpropoxy)cyclohex-1-ene-1-carboxylate monophosphate
分子式C16H28N2O4・H3PO4
分子量410.40
融点192〜195℃(分解)
性状白色〜微黄白色の粉末又は塊のある粉末である。水及びメタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、N,N-ジメチルアセトアミドに溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
分配係数酸性〜中性領域で水相に分配し、アルカリ性領域で油相に分配する。
KEGG DRUGD00900

取扱い上の注意

使用期限内であっても開栓後はなるべく速やかに使用すること。

吸湿性があるので、開栓後は密栓し、湿気を避けて保存すること。

開栓後4週間以上保存する場合は、冷蔵庫又は冷所(10℃以下)で保存すること。なお使用時は、結露を避けて開栓すること。

包装

タミフルドライシロップ3%

30g

保険給付上の注意

本剤は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の発症後の治療」の目的で使用した場合にのみ保険給付されます。

主要文献


1. 社内資料:小児における第II相臨床試験(国内:JV16284)
2. 社内資料:小児における単回投与後の薬物動態試験(国外:NP15826,WV15758,PP16351)
3. 社内資料:国内小児と海外小児及び国内外の成人における血中濃度の比較
4. 社内資料:体重別単位用量を用いた健康小児における単回投与後の薬物動態試験(国外:PP16351)
5. 社内資料:ドライシロップ剤及びカプセル剤間の生物学的同等性(国外:WP16225)
6. Abe M.,et al.,   Ann.Pharmacother. , 40 , 1724 , (2006) »PubMed
7. 社内資料:腎機能障害を伴う被験者における反復投与後の薬物動態試験(国外:WP15648)
8. 社内資料:腎排泄型薬剤(シメチジン/プロベネシド)との薬物相互作用(国外:WP15728)
9. 社内資料:血漿蛋白質との結合(in vitro試験)
10. 社内資料:標識体Ro64-0796及びRo64-0802による薬物動態及び排泄バランス試験(国外:NP15718)
11. 社内資料:薬物相互作用(CYP450)
12. 社内資料:動物実験:分布(臓器、組織内濃度)
13. 社内資料:動物実験:乳汁中への移行
14. Whitley R.J.,et al.,   Pediatr.Infect.Dis.J. , 20 , 127 , (2001) »PubMed
15. 社内資料:慢性喘息合併小児における第III相治療試験(国外:WV15759/15871)
16. 柏木征三郎,他,   感染症学雑誌 , 74 , 1062 , (2000) »PubMed »J-STAGE »J-GLOBAL
17. 社内資料:成人に対する第III相予防試験(42日間投与)(国外:WV15673/15697)
18. 社内資料:高齢者に対する第III相予防試験(42日間投与)(国外:WV15825)
19. 社内資料:第III相予防試験(7日間投与)(国外:WV15799)
20. 社内資料:第III相予防試験(10日間投与)(国外:WV16193)
21. 社内資料:ヒトインフルエンザA型及びB型ウイルスにおけるin vitro増殖抑制作用
22. Sidwell R.W.,et al.,   Antiviral Res. , 37 , 107 , (1998) »PubMed
23. Mendel D.B.,et al.,   Antimicrob.Agents Chemother. , 42 , 640 , (1998) »PubMed
24. 社内資料:動物モデルにおける効果:ニワトリ感染モデル
25. 社内資料:ノイラミニダーゼ阻害作用

作業情報


改訂履歴

2013年6月 改訂
2013年11月 第25版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社
103-8324
東京都中央区日本橋室町2-1-1
0120-189706

業態及び業者名等

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東京都中央区日本橋室町2-1-1


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2014/08/20 版