医療用医薬品 : リスモダン

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医薬品情報


総称名 リスモダン
一般名 ジソピラミドリン酸塩
欧文一般名 Disopyramide Phosphate
製剤名 ジソピラミドリン酸塩製剤
薬効分類名 不整脈治療剤
薬効分類番号 2129
KEGG DRUG D00637 商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
リスモダンP静注50mg Rythmodan サノフィ 2129401A1070 408円/管 劇薬 , 処方せん医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導障害が悪化し、完全房室ブロック、心停止を起こすおそれがある。]

重篤なうっ血性心不全のある患者[催不整脈作用により心室頻拍、心室細動を起こしやすい。]

スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩、アミオダロン塩酸塩(注射剤)又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者[「3.相互作用」の項(1)参照]

緑内障、尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用により緑内障、尿閉を悪化させるおそれがある。]

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能又は効果

緊急治療を要する下記不整脈

期外収縮(上室性、心室性)

発作性頻拍(上室性、心室性)

発作性心房細・粗動

用法及び用量

通常成人1回1〜2アンプル(ジソピラミドとして50〜100mg、1〜2mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液などに溶解し、5分以上かけ緩徐に静脈内に注射する。年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

心筋症、心筋炎、高度の心拡大のある患者[心不全をきたすおそれがある。]

刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導障害が悪化するおそれがある。]

心房粗動のある患者[房室内伝導を促進することがある。]

うっ血性心不全の患者[心不全を悪化させるおそれがある。]

腎機能障害のある患者[本剤の排泄が遅延するおそれがある。]

肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化するおそれがある。]

治療中の糖尿病患者[低血糖を起こすおそれがある。]

重症筋無力症の患者[重症筋無力症を悪化させるおそれがある。]

血清カリウム低下のある患者[催不整脈作用の誘因となるおそれがある。]

高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

心電図の連続監視ができる場合にのみ使用すること。

頻回の血圧測定を行うこと。

投与中に血圧低下や新たな伝導障害等の異常な変動が観察された場合には、減量あるいは投与の中止等の適切な処置を行うこと。

本剤には陰性変力作用及びキニジン様作用があるので、十分に注意して投与すること。

高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意すること。特に透析患者を含む重篤な腎障害のある患者では、意識混濁、昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。これらの患者に投与する場合は、投与後、血糖値その他患者の状態を十分観察すること。[「4.副作用」の項参照]

本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、複視等があらわれることがあるので注意して投与すること。

不整脈停止後の維持療法は、できるだけ速やかに経口投与に切り替えること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。[【薬物動態】の項参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

スパルフロキサシン
スパラ
モキシフロキサシン塩酸塩
アベロックス
トレミフェンクエン酸塩
フェアストン
心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
アミオダロン塩酸塩(注射剤)
アンカロン注
Torsades de pointesを起こすことがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
フィンゴリモド塩酸塩
イムセラ
ジレニア
併用によりTorsades de pointes等の重篤な不整脈を起こすおそれがある。フィンゴリモド塩酸塩の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。

併用注意

エリスロマイシン
クラリスロマイシン
本剤の作用を増強させることがある。エリスロマイシン、クラリスロマイシンは肝ミクロソームCYP3Aを阻害することが知られている。本剤はCYP3Aで代謝されるため、併用により本剤の代謝が抑制される。
β-遮断剤
アテノロール等
過度の心機能抑制作用があらわれることがある。両剤の陰性変力作用と変伝導作用により相互に心機能抑制作用を増強するおそれがある。
アテノロールとの併用により本剤のクリアランスが減少すると考えられている。
フェニトイン本剤の作用を減弱させ、代謝物による抗コリン作用が増強するおそれがある。フェニトインにより肝代謝酵素の産生が誘導され、本剤の代謝が促進すると考えられている。
リファンピシン本剤の作用を減弱させ、代謝物による抗コリン作用が増強するおそれがある。リファンピシンにより肝代謝酵素の産生が誘導され、本剤の代謝が促進すると考えられている。
糖尿病用薬
インスリン
スルホニル尿素系薬剤等
低血糖があらわれるおそれがある。動物実験において本剤がインスリン分泌を促進するとの報告があり、併用によって血糖降下作用が増強される可能性がある。
バルデナフィル塩酸塩水和物QT延長を起こすことがある。QT延長を起こすことがあり、併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

副作用

副作用発現状況の概要

総症例2,543例中、138例(5.43%)166件に副作用が認められた。主な副作用は、心室頻拍、血圧低下、心室細動、房室ブロック、洞停止等の循環器系障害82件(3.22%)、口渇等の消化器系障害38件(1.49%)、排尿障害等の泌尿器系障害9件(0.35%)、肝機能障害5件(0.20%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

心停止、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室粗動、心房粗動、房室ブロック、洞停止、失神、呼吸停止、心房停止、心室性期外収縮、血圧低下

これらの症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

低血糖

低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、嘔気、不安、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。低血糖症が認められた場合にはブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。(高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者に発現しやすいとの報告がある。)

ショック

ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
循環器注2)脚ブロックQRS幅増大ブロックを伴う発作性心房性頻拍、PQ延長、QT延長
消化器 口渇注3)、嘔吐口内異常感、便秘
肝臓注1)黄疸AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等 
泌尿器注3) 尿閉、排尿障害乏尿
精神神経系 頭痛、しびれ感 
過敏症注1)  発疹等
その他 しゃく熱感頸部異和感、倦怠感、胸部不快感
注1)副作用が認められた場合には投与を中止すること。注2)「2.重要な基本的注意」の項(3)参照注3)「2.重要な基本的注意」の項(6)参照

高齢者への投与

高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので用量に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。また、男性の高齢者では、抗コリン作用による排尿障害があらわれやすいので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

妊婦に投与した例において子宮収縮が起こったとの報告がある。

授乳中の婦人にやむを得ず投与する場合には、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

過量投与

本剤の過量投与により、呼吸停止、失神、致死的不整脈が起こり死亡することがある。過度のQRS幅増大及びQT延長、心不全悪化、低血圧、刺激伝導系障害、徐脈、不全収縮等の過量投与の徴候がみられた場合には適切な対症療法を行うこと。

適用上の注意

投与準備時

本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭し、カットすることが望ましい。

その他の注意

本剤により心房細動・粗動から洞調律に回復したとき、塞栓を起こすことがある。その可能性が予測されるときにはヘパリンの併用が望ましい。

薬物動態

血中濃度

健康成人男子5名にジソピラミドリン酸塩(ジソピラミドとして50mg)を単回静脈内投与した場合の血漿中濃度パラメータを次に示す[1]

t1/2α(分)t1/2β(時間)
3.78±2.314.35±1.15

有効血中濃度(社内資料) 2〜3μg/mL付近

代謝

ジソピラミドは肝ミクロソームCYP3A4により脱イソプロピル化され[2]、主代謝物であるMono-isopropyl disopyramide(MIP)を生じる[3]

排泄

健康成人男子6名にジソピラミドリン酸塩(ジソピラミドとして50mg)を静脈内投与した場合、投与量の約50%が約6時間、約90%が24時間で尿中に排泄された[4]

分布(参考)

ラットに14C-ジソピラミドリン酸塩1mg/kgを静脈内投与し、各臓器への分布放射能を測定した。その結果、投与後の臓器への移行は速やかであり、投与直後の放射活性は肝臓が一番高く、以下小腸、腎臓、胃、肺、心臓、脳の順であった。脳は測定した組織のうちで一番濃度が低かった[5]

臨床成績

国内延べ68施設において実施された臨床比較試験及び一般臨床試験の結果、907例を対象とした各種頻脈性不整脈に対する有効率は76.2%であった。(社内資料)

対象疾患有効率
期外収縮心室性期外収縮88.1%(215/244)
上室性期外収縮93.3%(70/75)
心室性・上室性期外収縮66.7%(2/3)
頻拍心室性頻拍64.4%(56/87)
発作性上室性頻拍76.2%(179/235)
細・粗動心房細動66.7%(30/45)
発作性心房細動63.9%(117/183)
心房粗動62.9%(22/35)
合計76.2%(691/907)

薬効薬理

薬理作用

ラット、ウサギ、イヌに惹起させた実験的不整脈(アコニチン、カテコラミン、電気刺激等)に対して、抑制作用及び予防作用を示す[6][7][8][9][10][11]

イヌの冠動脈狭窄並びに結紮による実験的心筋梗塞後の不整脈に対して抑制作用を示す[6]

ウサギ及びイヌの心房と心室、房室結節での不応期を延長する[11][12]

イヌの房室結節、ヒス−プルキンエ系伝導時間を延長させるが、その作用はキニジンより弱い[12]

モルモットにおけるWheal法で、リドカインと同等の局所麻酔作用を示し、持続時間はむしろ長い[13]

ラットの摘出回腸における抗コリン作用は、アトロピンよりはるかに弱い[6]が、イヌにおける膀胱収縮反応に対する抑制作用はアトロピンよりも強い[14]

ラットを使用した実験で、100、200、400mg/kgの投与量で用量相関性の血糖低下作用が認められている。

作用機序

心筋への直接作用により、活動電位のphase 0立上がり速度を減少させるが、その作用はキニジンより弱い。また洞結節細胞並びにプルキンエ線維においてはphase 4の緩徐拡張期脱分極相の抑制を示す(ウサギ、イヌ)[9][12]

有効成分に関する理化学的知見

一般名ジソピラミドリン酸塩
一般名(欧名)Disopyramide Phosphate
化学名α-(2-Diisopropylaminoethyl)-α-phenyl-2-pyridineacetamide phosphate
分子式C21H29N3O・H3PO4
分子量437.47
融点約204℃(分解)
性状本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は水又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00637

包装

5mL×10アンプル

主要文献


1. 楠岡英雄 他,   臨床薬理 , 11 (1) , 49 , (1980) »J-STAGE
2. 千葉 寛,   薬物動態 , 11 (3) , 294 , (1996) »J-STAGE »J-GLOBAL
3. 加藤和三 他,   Ther.Res. , 2 (1) , 121 , (1985) »J-GLOBAL
4. 藤井諄一 他,   薬理と治療 , 9 (Suppl.1) , 55 , (1981)
5. 森本雍憲 他,   医薬品研究 , 12 (2) , 620 , (1981)
6. 島田 瞭 他,   実中研・前臨床研究報 , 6 (2) , 123 , (1980)
7. 林 栄一 他,   応用薬理 , 8 (5) , 663 , (1974)
8. 橋本敬太郎 他,   薬理と治療 , 9 (Suppl.1) , 45 , (1981)
9. 戸田 昇 他,   現代の臨床 , 3 (12) , 727 , (1969)
10. 中村種治 他,   Jap.Circ.J. , 39 (4) , 497 , (1975) »PubMed
11. 田嶋経躬 他,   第3回ペースメーカーに関する公開研究会 , 63 , (1979)
12. 平岡昌和 他,   治療学 , 5 (2) , 253 , (1980)
13. Baines,M.W.,et al.,   J.Int.Med.Res. , 4 (Suppl.1) , 5 , (1976) »PubMed
14. 土田正義 他,   泌尿紀要 , 27 (2) , 223 , (1981) »J-GLOBAL

作業情報


改訂履歴

2012年7月 改訂
2012年10月 第18版 改訂

文献請求先

サノフィ株式会社
163-1488
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル 0120-109-905

業態及び業者名等

製造販売
サノフィ株式会社
163-1488
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2014/03/19 版