医療用医薬品 : ドキシル

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医薬品情報


総称名 ドキシル
一般名 ドキソルビシン塩酸塩
欧文一般名 Doxorubicin Hydrochloride, Doxorubicin
製剤名 ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4235
KEGG DRUG D01275 商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ドキシル注20mg DOXIL Injection ヤンセンファーマ 4235402A1025 99301円/瓶 劇薬 , 処方せん医薬品

警告

従来のドキソルビシン塩酸塩製剤の代替として本剤を投与しないこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。

本剤の卵巣癌患者への投与は、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の臨床試験成績等を踏まえて、有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。[「臨床成績」の項参照]

ドキソルビシン塩酸塩が有する心毒性に注意すること。ドキソルビシン塩酸塩の総投与量が500mg/m2を超えると、心筋障害によるうっ血性心不全が生じる可能性がある。ドキソルビシン塩酸塩の総投与量については、他のアントラサイクリン系薬剤や関連化合物による前治療又は併用を考慮すること。また、縦隔に放射線療法を受けた患者又はシクロホスファミドなどの心毒性のある薬剤を併用している患者では、より低い総投与量(400mg/m2)で心毒性が発現する可能性があるので注意すること。本剤投与開始前、及び本剤投与中は頻回に心機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]

心血管系疾患又はその既往歴のある患者には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]

重度の骨髄抑制が生じることがあるため、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]

ほてり、潮紅、呼吸困難、胸部不快感、熱感、悪心、息切れ、胸部及び咽喉の絞扼感、低血圧等を含む急性のinfusion reactionが認められている。これらの症状は、多くの患者で投与中止又は終了後、数時間から1日で軽快し、また、投与速度の減速により軽快することもある。一部の患者では、重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様のinfusion reactionが報告されている。緊急時に十分な対応のできるよう治療薬と救急装置を準備した上で投与を開始し、infusion reaction発現の危険性を最小限にするため投与速度は1mg/分を超えないこと。このようなinfusion reactionが生じた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]

禁忌

次の患者には投与しないこと

従来のドキソルビシン塩酸塩製剤又は本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

がん化学療法後に増悪した卵巣癌

エイズ関連カポジ肉腫

効能・効果に関連する使用上の注意

<卵巣癌>

本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の他の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。

用法・用量

がん化学療法後に増悪した卵巣癌

通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回50mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後4週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。

エイズ関連カポジ肉腫

通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回20mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後2〜3週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。

用法・用量に関連する使用上の注意

本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

本剤は、5%ブドウ糖注射液で希釈すること。希釈方法については、本剤の投与量に合わせ、以下の(1)、(2)いずれかの方法で行うこと。

本剤の投与量が90mg未満の場合

5%ブドウ糖注射液250mLで希釈する

本剤の投与量が90mg以上の場合

5%ブドウ糖注射液500mLで希釈する

急速な投与によりinfusion reaction発現の危険性が高くなるおそれがあるため、急速静脈内投与又は希釈しない溶液での投与は行わないこと。

他の薬剤等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。

副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。なお、減量を行った場合は、有害事象が軽快しても減量前の投与量に戻さないこと。

用量調節基準(卵巣癌)

<手足症候群>
Grade用量の変更
1
(日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑)
患者が以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
2
(正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
3
(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
Grade0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
4
(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
Grade0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。

<口内炎>
Grade用量の変更
1
(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
患者が以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
2
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
3
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
Grade0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
4
(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
Grade0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。

<骨髄抑制>
Grade好中球(/μL)血小板(/μL)用量の変更
11,500以上
2,000未満
75,000以上
150,000未満
投与を継続する。
21,000以上
1,500未満
50,000以上
75,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
3500以上
1,000未満
25,000以上
50,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
4500未満25,000未満好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。持続性の好中球数減少(好中球500/μL未満が7日以上継続するか、本剤投与後22日目までに軽快しない場合)又は血小板25,000/μL未満が認められた場合には、投与再開時、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。

<肝機能障害>
血清ビリルビン値用量の変更
1.2〜3.0mg/dL用量を25%減量の上、投与を再開する。
3.0mg/dLを超える本剤との因果関係が否定できない場合、本剤の投与を中止する。本剤との因果関係が否定される場合、用量を50%減量の上、投与を再開する。

<その他の副作用>

重度の副作用(Grade3以上)が発現した場合、Grade0〜2に軽快するまで最大2週間延期し、用量を25%減量する。

用量調節基準(エイズ関連カポジ肉腫)

<手足症候群>
Grade用量の変更
1
(日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑)
患者が以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
2
(正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
3
(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
4
(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。

<口内炎>
Grade用量の変更
1
(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
患者が以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
2
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
3
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
4
(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
Grade0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。

<骨髄抑制>
Grade好中球(/μL)血小板(/μL)用量の変更
11,500以上
2,000未満
75,000以上
150,000未満
投与を継続する。
21,000以上
1,500未満
50,000以上
75,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
3500以上
1,000未満
25,000以上
50,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
4500未満25,000未満好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。投与再開時には、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。

<肝機能障害>

肝機能障害のある患者に対する本剤の治療経験は限られている。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤での経験に基づき、血清ビリルビン値が次のように上昇した場合は、本剤を減量することが望ましい。

血清ビリルビン値が1.2〜3.0mg/dLの場合は、通常量の1/2

血清ビリルビン値が3.0mg/dLを超える場合は、通常量の1/4

使用上の注意

慎重投与

心血管系疾患又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある(「警告」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]

骨髄抑制のある患者(エイズ関連カポジ肉腫患者では、HIVや併用薬等により、また、卵巣癌患者では前治療等の影響により、本剤の投与開始前から骨髄抑制が認められる場合がある。)[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]

肝機能障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照)。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

大豆アレルギーのある患者[本剤の添加物に大豆由来の成分が含まれている。]

重要な基本的注意

本剤はドキソルビシン塩酸塩をリポソームに封入した製剤であることから、本剤の有効性、安全性、薬物動態等は従来のドキソルビシン塩酸塩製剤と異なる。本剤を従来のドキソルビシン塩酸塩製剤の代替として使用しないこと。また、本剤を従来のドキソルビシン塩酸塩製剤と同様の用法・用量で投与しないこと。

ドキソルビシン塩酸塩が有する心毒性に注意し、本剤投与開始前、及び本剤投与中は頻回に、心機能検査(心電図、心エコー、放射性核種スキャン、心内膜心筋生検等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止すること。[「警告」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]

骨髄抑制が生じた結果、感染症、発熱性好中球減少症又は出血がおこることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、他の骨髄抑制作用を有する薬剤との併用により、骨髄抑制が増強される可能性がある。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]

急性のinfusion reaction(ほてり、潮紅、胸部不快感、呼吸困難、悪心、熱感、背部痛、頻脈、そう痒症、鼻漏、腹痛、動悸、血圧上昇、顔面腫脹、頭痛、悪寒、胸痛、胸部及び咽喉の絞扼感、発熱、発疹、チアノーゼ、失神、気管支痙攣、喘息、無呼吸、低血圧、息切れ等を特徴とする)があらわれることがある。これらの症状は、投与中止又は終了後、数時間から1日で軽快することが多く、また、投与速度の減速により軽快することもある。一方、重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様のinfusion reactionがあらわれることがあるので、緊急時に十分な対応のできるよう治療薬と救急装置を準備した上で投与を開始し、infusion reaction発現の危険性を最小限にするため投与速度は1mg/分を超えないこと。このようなinfusion reactionが生じた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「警告」、「重大な副作用」の項参照]

肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は肝機能検査を定期的に行い、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止など、適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]

本剤を含め、トポイソメラーゼII阻害剤を投与した患者で、二次性急性骨髄性白血病が報告されている。

本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[「その他の注意」の項参照]

相互作用

相互作用序文

本剤は、従来のドキソルビシン塩酸塩製剤で相互作用が知られている薬剤と相互作用を示す可能性がある。

併用注意

本剤投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射
潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤
アントラサイクリン系薬剤等
心筋障害が増強されるおそれがある。心筋に対する蓄積毒性が増強される。
他の抗悪性腫瘍剤骨髄抑制等の副作用が増強することがある。副作用が相互に増強される。
放射線照射骨髄抑制等の副作用が増強することがある。本剤の投与で、放射線照射の前治療に起因する皮膚反応が再発することがある。副作用が相互に増強される。

副作用

副作用発現状況の概要

<再発卵巣癌:国内臨床第II相試験>

国内で行われた再発卵巣癌(ミューラー管を発生起源とした卵管癌、腹膜癌を含む)を対象とした臨床試験では、74例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は74例(100%)に認められた。主な副作用は、白血球数減少69例(93.2%)、好中球数減少69例(93.2%)、リンパ球数減少66例(89.2%)、ヘモグロビン減少63例(85.1%)、手足症候群58例(78.4%)、口内炎57例(77.0%)、赤血球数減少56例(75.7%)、血小板数減少45例(60.8%)、悪心45例(60.8%)、血中LDH増加38例(51.4%)、食欲不振37例(50.0%)、発疹37例(50.0%)、血中アルブミン減少36例(48.6%)、疲労34例(45.9%)、体重減少24例(32.4%)であった。(承認時)

<エイズ関連カポジ肉腫:外国臨床試験>

外国で行われたエイズ関連カポジ肉腫を対象とした4臨床試験では、720例中、血液学的検査での異常として血小板減少症439例(61.0%)、貧血399例(55.4%)、好中球減少症352例(48.9%)が認められた。有害事象(本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した事象)の情報は705例から得られ、83%に副作用が認められた。主な副作用(血液学的検査関連の副作用を除く)は、悪心119例(16.9%)、無力症70例(9.9%)、低色素性貧血69例(9.8%)、発熱64例(9.1%)、脱毛症63例(8.9%)、Al-P増加、嘔吐、下痢各55例(7.8%)、口内炎48例(6.8%)、口腔モニリア症39例(5.5%)であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

注)

心筋障害(頻度不明)

心筋症、うっ血性心不全があらわれることがあるので、本剤投与時には患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。特に、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量が500mg/m2を超えると急性左室不全が生じる可能性があるので注意すること。[「警告」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]

骨髄抑制(白血球数減少93.2%、好中球数減少93.2%、血小板数減少60.8%、ヘモグロビン減少85.1%、赤血球数減少75.7%)

白血球数減少、好中球数減少、血小板数減少、貧血(ヘモグロビン減少、赤血球数減少)があらわれることがある。また、骨髄抑制が生じた結果、感染症、発熱性好中球減少症又は出血が起こることがあるので、本剤投与時には頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]

infusion reaction(18.9%)

infusion reactionのうち重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様の症状があらわれることがあるので、投与中は患者の状態を十分に観察し、重篤なinfusionreactionが認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「警告」、「重要な基本的注意」の項参照]

手足症候群(78.4%)

腫脹、疼痛、紅斑、手足の皮膚の落屑を特徴とする手掌・足底の皮疹があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]

口内炎(77.0%)

口内炎があらわれることがあるので、本剤投与時には頻回に観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]

肝機能障害(頻度不明)

肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]

間質性肺疾患(間質性肺疾患1.4%、肺臓炎1.4%)

間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肺塞栓症(頻度不明)

致死的な肺塞栓症がまれに報告されているので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

深部静脈血栓症(1.4%)

深部静脈血栓症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注)発現頻度は、国内臨床試験における頻度を示す。

その他の副作用

 30%以上5%〜30%未満5%未満
感染症および寄生虫症 毛包炎、鼻咽頭炎上気道感染、外耳炎、口腔感染、体部白癬、膀胱炎、ウイルス性肝炎、帯状疱疹、ヘルペス性口内炎、感染、インフルエンザ、咽頭炎、皮膚感染、足部白癬、尿路感染、創傷感染、咽喉頭炎
血液およびリンパ系障害リンパ球数減少単球数減少、血小板数増加、白血球数増加、単球数増加リンパ球数増加、好酸球数増加、ヘマトクリット減少、平均赤血球ヘモグロビン濃度減少、好中球数増加
免疫系障害  季節性アレルギー、過敏症
代謝および栄養障害食欲不振 高カリウム血症、耐糖能障害
精神障害  不眠症
神経系障害 頭痛、味覚異常、末梢性感覚ニューロパシー嗅覚錯誤、浮動性めまい、感覚鈍麻、片頭痛
眼障害  眼の障害、白内障、結膜炎、眼乾燥、眼脂、角膜炎、流涙増加、硝子体浮遊物
耳および迷路障害  耳痛、耳鳴
心臓障害  第一度房室ブロック、動悸、洞性頻脈、大動脈弁閉鎖不全症、左脚ブロック、洞性不整脈、上室性期外収縮、心室肥大、駆出率減少、心電図ST部分下降、心拍数増加、心電図ST-T部分下降、心電図PQ間隔延長、心電図ST-T変化
血管障害 高血圧起立性低血圧、潮紅
呼吸器、胸郭および縦隔障害 咽喉頭疼痛、咳嗽咽頭不快感、鼻漏、咽頭の炎症、鼻出血、喀血
胃腸障害悪心便秘、下痢、嘔吐、消化不良、上腹部痛、痔核腹部膨満、腹痛、胃不快感、口唇炎、嚥下障害、肛門周囲痛、口唇びらん、腹部不快感、歯肉腫脹、歯肉炎、歯周病、小腸閉塞、舌変色、歯痛
肝胆道系障害LDH増加AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加、Al-P増加、血中ビリルビン増加、血中ビリルビン減少高ビリルビン血症、AST(GOT)減少、LDH減少、γ-GTP減少
皮膚および皮下組織障害発疹脱毛症、色素沈着障害爪の障害、紅斑、そう痒症、多汗症、過角化、点状出血
筋骨格系および結合組織障害 背部痛四肢痛、肩部痛、側腹部痛、筋痛、筋骨格硬直、関節痛
腎および尿路障害 蛋白尿、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、血中クレアチニン減少頻尿、尿道障害、尿道痛、尿中ブドウ糖陽性、尿pH上昇、尿中ケトン体陽性
生殖系および乳房障害  性器発疹、陰部そう痒症、女性外陰部潰瘍
全身障害および投与局所様態疲労、体重減少倦怠感、発熱、胸痛注射部位反応、胸部不快感、悪寒、熱感、低体温、インフルエンザ様疾患
臨床検査血中アルブミン減少総蛋白減少、CK(CPK)減少、血中Na減少、血中尿素増加、血中尿素減少、血中Cl減少、血中K減少、血中K増加、CK(CPK)増加、血中Cl増加、血中Na増加血圧上昇、総蛋白増加
傷害、中毒および処置合併症  凍瘡、熱傷
注)重大な副作用以外の事象を記載した。

その他の副作用

 5%以上注2) 1%〜5%未満1%未満
全身無力症、発熱頭痛、背部痛、感染、アレルギー反応、悪寒顔面浮腫、蜂巣炎、敗血症、膿瘍、放射線損傷、インフルエンザ症候群、モニリア症、低体温、注射部位出血、注射部位疼痛、クリプトコッカス症、腹水
心臓血管 胸痛、低血圧、頻脈血栓性静脈炎、心のう液貯留、出血、動悸、失神、脚ブロック、心拡大、心停止、片頭痛、血栓症、心室性不整脈
皮膚・付属器脱毛症単純ヘルペス、発疹、そう痒斑状丘疹状皮疹、皮膚潰瘍、皮膚変色、帯状疱疹、剥脱性皮膚炎、皮膚モニリア症、多形紅斑、結節性紅斑、せつ腫症、乾癬、膿疱性皮疹、皮膚壊死、蕁麻疹、小水疱性皮疹
消化器悪心、嘔吐、下痢、口腔モニリア症口腔内潰瘍形成、舌炎、便秘、アフタ性口内炎、食欲不振、嚥下障害、腹痛消化不良、胆汁うっ滞性黄疸、胃炎、歯肉炎、潰瘍性直腸炎、大腸炎、食道潰瘍、食道炎、胃腸出血、肝不全、口腔内白斑症、膵炎、潰瘍性口内炎、肝炎、肝脾腫大、食欲亢進、黄疸、硬化性胆管炎、しぶり、宿便
内分泌  糖尿病
血液及びリンパ低色素性貧血溶血、プロトロンビン時間延長好酸球増加症、リンパ節症、リンパ管炎、リンパ浮腫、点状出血、トロンボプラスチン減少
代謝・栄養Al-P増加ALT(GPT)増加、体重減少、低カルシウム血症、高ビリルビン血症、高血糖LDH増加、高ナトリウム血症、クレアチニン増加、BUN増加、脱水、浮腫、高カルシウム血症、高カリウム血症、高脂血症、高尿酸血症、低血糖、低カリウム血症、低脂血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、低蛋白血症、ケトーシス、体重増加
筋骨格  筋痛、関節痛、骨痛、筋炎
神経  錯感覚、不眠症、末梢神経炎、うつ病、ニューロパシー、不安、痙攣、筋緊張低下、急性脳症候群、錯乱、片麻痺、筋緊張亢進、運動低下、回転性めまい
呼吸器  胸水、喘息、気管支炎、咳嗽増加、過換気、咽頭炎、気胸、鼻炎、副鼻腔炎
特殊感覚  中耳炎、味覚倒錯、視覚異常、盲、結膜炎、眼痛、視神経炎、耳鳴、視野欠損
泌尿生殖  血尿、亀頭炎、膀胱炎、排尿困難、性器浮腫、糖尿、腎不全
その他 呼吸困難、アルブミン尿、肺炎、網膜炎、情動不安定、浮動性めまい、傾眠 
注1)外国で行われた4臨床試験の成績に基づき、重大な副作用以外の事象を記載した。注2)血液学的検査関連の副作用を除く。

高齢者への投与

高齢者では特に心毒性、骨髄抑制があらわれやすい。また、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット[1]、ウサギ[2])で胎児毒性及び流産誘発作用が報告されている。]

授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。

過量投与

徴候、症状

ドキソルビシン塩酸塩の短期間での過量投与により粘膜炎、白血球減少症及び血小板減少症の頻度が増加することがある。

処置

血小板及び顆粒球の輸血、抗菌剤投与等、適切な処置を行うとともに、粘膜炎に対する対症療法を行うこと。

適用上の注意

投与経路

静脈内にのみ投与すること。皮下、筋肉内投与は行わないこと。

調製時

本剤の取扱い及び調製にあたっては、手袋を使用するなど慎重に行うこと。本剤が皮膚又は粘膜に触れた場合には、直ちに石鹸でよく洗うこと。

投与時

本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。また、希釈後は2〜8℃で保存し、24時間以内に投与すること。

血管外漏出により、注射部位壊死が生じたとの報告があるので、静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。血管外漏出の徴候あるいは症状(刺痛感、灼熱感、紅斑等)が生じた場合には、投与を直ちに中止し、別の静脈で再開すること。なお、漏出部位を冷やすことで、症状が緩和される場合がある。

本剤投与の際は、インラインフィルターを使用しないこと。また、投与ラインの急速なフラッシュは避けること。

その他の注意

海外において、本剤を1年以上投与した患者又はドキソルビシン塩酸塩の総投与量が720mg/m2を超えた患者で、二次性口腔内腫瘍が報告されている。ただし、本剤投与後の二次性口腔内腫瘍の報告数は少なく、さらに、投与期間及び総投与量の情報は、一部の患者の情報に基づくものであり限られている。

動物実験でドキソルビシン塩酸塩及び関連化合物は遺伝毒性及び発癌性を有することが示されている。

ラットに反復静脈内投与した実験で、1mg/kg投与群において精巣小型化及び精巣内精子数減少が認められ[3]、イヌに反復静脈内投与した実験で、0.25〜1mg/kg投与群において精巣重量減少、精細管変性及び精子未形成が認められた[4]

ドキソルビシン塩酸塩の有する色により、尿が赤色となることがある。

薬物動態

<各種固形癌患者>

血漿中濃度[5]

各種固形癌患者15例を対象に、本剤30、40及び50mg/m2を4週ごとに静脈内投与したとき、血漿中ドキソルビシン濃度推移は同用量範囲において線形性を示した。また、コース間における血漿中ドキソルビシンの蓄積は認められなかった。

固形癌患者における本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの薬物動態パラメータ
用量(mg/m2304050
例数636
Cmax(μg/mL)19.3±2.525.6±2.934.1±3.3
AUC(μg・hr/mL)2513±7843228±7904663±1062
t1/2(hr)89.5±24.086.3±14.795.3±25.3
CL(L/hr/m20.013±0.0050.013±0.0040.011±0.002
Vc(L/m21.57±0.191.57±0.171.47±0.13
1-コンパートメントモデル解析、平均値±標準偏差

固形癌患者における本剤投与時の血漿中ドキソルビシン濃度推移(平均値±標準偏差)

<外国人エイズ関連カポジ肉腫患者>

血漿中濃度[6]

患者23例において、クロスオーバー法により3週間の休薬期間を設け、本剤10又は20mg/m2を30分間かけてそれぞれ単回静脈内投与したときの血漿中ドキソルビシンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

エイズ関連カポジ肉腫患者における本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの薬物動態パラメータ
パラメータ(単位)用量
10mg/m2 20mg/m2
Cmax(μg/mL)4.12±0.2158.34±0.49
CL(L/hr/m20.056±0.010.041±0.004
Vss(L/m22.83±0.1452.72±0.120
AUC(μg・hr/mL)277±32.9590±58.7
t1/2α(hr)4.7±1.15.2±1.4
t1/2β(hr)52.3±5.655.0±4.8
n=23、平均値±標準誤差

本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの薬物動態は、10〜20mg/m2の範囲で線形性を示した。本剤投与後の血漿中ドキソルビシン濃度は2相性の消失を示し、α相半減期(t1/2α)が約5時間、β相半減期(t1/2β)が約55時間であった。

分布[6]

ドキソルビシン塩酸塩投与時の分布容積(700〜1,100L/m2)と比較して、本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの分布容積(Vss)は約3L/m2と小さく、本剤のほとんどが血液中に存在していることが示唆された。本剤の血漿蛋白結合率は測定されていないが、ドキソルビシンの血漿蛋白結合率は約70%である。
患者11例において、本剤20mg/m2投与48及び96時間後に病変部位及び正常部位の皮膚を採取し、ドキソルビシン濃度を測定した結果、投与48時間後では病変部位のドキソルビシン濃度は正常部位に比べて中央値で19倍(範囲:3〜53倍)高値であった。しかし、この濃度は病変部位と正常部位に含まれる血液含量の差について補正しておらず、補正された比は1〜22倍であると推測された。以上より、正常部位に比べて病変部位に高濃度のドキソルビシンが分布することが示唆された。

代謝[6]

本剤10又は20mg/m2を投与したとき、ドキソルビシンの主代謝物であるドキソルビシノールが低濃度で血漿中に認められた(範囲:0.8〜26.2ng/mL)。

排泄[6]

本剤20mg/m2投与時の全身クリアランス(CL)は0.041L/hr/m2であり、ドキソルビシン塩酸塩投与時のCL(24〜35L/hr/m2)と比較して小さい。

臨床成績

<卵巣癌[7]

再発卵巣癌(ミューラー管を発生起源とした卵管癌、腹膜癌を含む)を対象に、本剤50mg/m2を4週ごとに静脈内投与した国内臨床第II相試験における有効性は以下のとおりであった。

卵巣癌患者における有効性(n=73)
奏効率
完全奏効(CR)+部分奏効(PR)21.9%(16例)
奏効率の95%信頼区間13.1-33.1%

白金製剤を含む化学療法の治療歴を有する再発卵巣癌を対象に本剤50mg/m2又はノギテカン塩酸塩1.5mg/m2(国内未承認)を4週ごと静脈内投与した外国臨床第III相臨床試験において、有効性について以下の探索的な情報が得られている。
全生存期間の中央値は本剤群(239例)62.7週、ノギテカン塩酸塩群(235例)59.7週、HRは1.216(95%信頼区間:〔1.000、1.478〕)であり、本剤群において全生存期間の延長傾向が示唆された。このうち、白金製剤を含む一次化学療法中に疾患進行がみられた患者、SDであった患者、又は治療終了後6ヵ月以内に疾患が再発した患者のサブグループでは全生存期間の中央値は本剤群(130例)38.3週、ノギテカン塩酸塩1.5mg/m2群(125例)42.1週、HRは1.069(95%信頼区間:〔0.823、1.387〕)であった。

<エイズ関連カポジ肉腫:外国臨床試験成績[8]

エイズ関連カポジ肉腫を対象に、本剤20mg/m2を2週又は3週ごとに静脈内投与したオープン多施設共同試験において得られた有効性は以下のとおりであった。

エイズ関連カポジ肉腫患者における有効性
 未治療例注1)
(n=214)
既治療例注2)
(n=35)
合計
(n=249)
奏効割合54.7%42.9%53.0%
臨床的完全奏効(CCR)3.3%2.9%3.2%
部分奏効(PR)51.4%40.0%49.8%
安定(SD)44.9%57.1%46.6%
進行(PD)0.5%0%0.4%
奏効までの期間(中央値)42日44日43日
奏効持続期間(中央値)126日119日119日
注1)未治療例:全身化学療法による前治療なし注2)既治療例:全身化学療法による前治療あり

薬効薬理

薬理作用

本剤は卵巣癌細胞株を移植した担癌マウスにおいて腫瘍の増大を抑制した[9][10]

本剤はエイズ関連カポジ肉腫患者から分離した初代培養カポジ肉腫細胞に対して増殖抑制作用を示した[11]

作用機序[12][13][14]

本剤の有効成分であるドキソルビシン塩酸塩は、細胞の2本鎖DNAを架橋することによって、DNA合成とRNA合成反応を阻害し、更にトポイソメラーゼII阻害作用により、DNA鎖を切断することによって抗腫瘍作用を示す。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ドキソルビシン塩酸塩
一般名(欧名)Doxorubicin Hydrochloride
一般名(欧名)Doxorubicin
化学名(2S,4S)-4-(3-Amino-2,3,6-trideoxy-α-L-lyxo-hexopyranosyloxy)-2,5,12-trihydroxy-2-hydroxyacetyl-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione monohydrochloride
分子式C27H29NO11・HCl
分子量579.98
性状赤だいだい色の結晶性の粉末
溶解性水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
KEGG DRUGD01275

承認条件

<エイズ関連カポジ肉腫>

国内での治験症例がないことから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、HIV感染症治療薬に関する共同調査等の方法を用いて、可能な限り全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

ドキシル注20mg

1バイアル(10mL)

主要文献


1. Dearlove,G.E.,   ドキシル注の生殖発生毒性試験(社内資料)
2. Holliday,D.E.,   ドキシル注の生殖発生毒性試験(社内資料)
3. Kiorpes,A.L.,   ドキシル注の反復投与毒性試験(社内資料)
4. Sullivan,T.M.,   ドキシル注の反復投与毒性試験(社内資料)
5. Fujisaka,Y.,et al.,   Jpn.J.Clin.Oncol. , 36 , 768 , (2006) »PubMed
6. 米国添付文書
7. Katsumata,N.,et al.,   Jpn.J.Clin.Oncol. , 38 , 777 , (2008) »PubMed
8. ドキシル注のエイズ関連カポジ肉腫患者に対する臨床試験(社内資料)
9. Minko,T.,et al.,   ドキシル注の卵巣癌異種移植モデルでの増殖抑制作用(社内資料)
10. Vaage,J.,et al.,   Cancer , 72 , 3671 , (1993) »PubMed
11. Sturzl,M.,et al.,   Res.Virol. , 145 , 261 , (1994) »PubMed
12. Di Marco,A.,   Cancer Chemother.Rep.,3 , 6 , 91 , (1975)
13. 根岸嗣治,他,   薬学雑誌 , 93 , 1498 , (1973) »J-STAGE
14. Potmesil,M.,et al.,   Cancer Res. , 48 , 3537 , (1988) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2012年12月 改訂
2014年2月 第5版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2014/07/23 版