医療用医薬品 : アルダクトン

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医薬品情報


総称名 アルダクトン
一般名 スピロノラクトン
欧文一般名 Spironolactone
製剤名 スピロノラクトン細粒・錠
薬効分類名 抗アルドステロン性利尿・降圧剤
薬効分類番号 2133
ATCコード C03DA01
KEGG DRUG D00443 スピロノラクトン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アルダクトンA細粒10% Aldactone-A Fine Granules 10% ファイザー 2133001C1097 92.2円/g 処方箋医薬品
アルダクトンA錠25mg Aldactone-A Tablets 25mg ファイザー 2133001F1522 20.7円/錠 処方箋医薬品
アルダクトンA錠50mg Aldactone-A Tablets 50mg ファイザー 2133001F2057 43.5円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

無尿又は急性腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。]

高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]

アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。]

タクロリムス、エプレレノン又はミトタンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]

本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

高血圧症(本態性、腎性等)

心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、特発性浮腫、悪性腫瘍に伴う浮腫及び腹水、栄養失調性浮腫

原発性アルドステロン症の診断及び症状の改善

用法用量

スピロノラクトンとして、通常成人1日50〜100mgを分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、「原発性アルドステロン症の診断及び症状の改善」のほかは他剤と併用することが多い。

使用上の注意

慎重投与

心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]

重篤な腎障害のある患者[「禁忌」、「副作用」の項参照]

減塩療法時[水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる(「副作用」の項参照)。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

肝障害のある患者[高カリウム血症が発現するおそれがある。]

乳児[乳児は電解質バランスがくずれやすい(「副作用」の項参照)。]

重要な基本的注意

連用する場合、高カリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。高齢者、腎機能が低下している患者、高カリウム血症を誘発しやすい薬剤を併用している患者では特に注意すること。[「禁忌」、「慎重投与」、「相互作用」、「副作用」、「高齢者への投与」の項参照]

降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

相互作用

併用禁忌

タクロリムス
(プログラフ)
エプレレノン
(セララ)
高カリウム血症が発現することがある。相加・相乗作用により血清カリウム値が上昇する。
ミトタン
(オペプリム)
ミトタンの作用を阻害する。ミトタンの薬効を本剤が阻害するとの報告がある。

併用注意

降圧剤
ACE阻害剤
カルシウム拮抗剤
β-遮断剤
利尿降圧剤等
降圧作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意する。これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用
カリウム製剤
塩化カリウム
グルコン酸カリウム
アスパラギン酸カリウム等
ACE阻害剤
カプトプリル
エナラプリル
リシノプリル等
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
ロサルタンカリウム
カンデサルタンシレキセチル
バルサルタン等
アリスキレン
カリウム保持性利尿剤
トリアムテレン
カンレノ酸カリウム
シクロスポリン
ドロスピレノン
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
危険因子:腎障害患者、高齢者
ノルエピネフリンノルエピネフリンの血管反応性を低下させるとの報告がある。本剤が心血管反応性を低下させる機序は完全には解明されていない。
危険因子:麻酔施行患者
乳酸ナトリウム乳酸ナトリウムのアルカリ化作用を減弱することがある。本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。
塩化アンモニウム
コレスチラミン
代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用
ジゴキシン
メチルジゴキシン
血中ジゴキシン及びメチルジゴキシン濃度が上昇することがある。本剤がジゴキシン及びメチルジゴキシンの腎からの排泄を低下させるため、血中ジゴキシン及びメチルジゴキシン濃度を上昇させることがある。
ジギトキシンジギトキシンの作用を増強又は減弱するおそれがあるので、併用する場合にはジギトキシンの血中濃度の測定を行うなど、観察を十分に行い慎重に投与すること。[1] [2] 本剤の肝酵素誘導によりジギトキシンの血中濃度半減期が短縮すると考えられる報告がある。また、機序は不明であるが、ジギトキシンの血中濃度半減期が延長したとの報告がある。
リチウム製剤
炭酸リチウム
利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
インドメタシン等
カリウム保持性利尿剤との併用により、その降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
危険因子:腎機能障害

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度について文献、自発報告等を参考に集計した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、代謝性アシドーシス等)

高カリウム血症、低ナトリウム血症、代謝性アシドーシス等の電解質異常があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
また、電解質異常に伴い、不整脈、全身倦怠感、脱力等があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全

急性腎不全(電解質異常を伴うことがある)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満頻度不明
内分泌女性型乳房注1)、乳房腫脹、性欲減退、陰萎、多毛、月経不順、無月経、閉経後の出血、音声低音化乳房腫瘤、乳房痛
過敏症注2)発疹、蕁麻疹そう痒
精神神経系 眩暈、頭痛、四肢しびれ感、神経過敏、うつ状態、不安感、精神錯乱、運動失調、傾眠
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇
腎臓 BUN上昇
消化器食欲不振、悪心・嘔吐、口渇、下痢、便秘 
血液 白血球減少、血小板減少
その他倦怠感、心悸亢進、発熱、肝斑筋痙攣、脱毛
注1:減量又は中止によって通常減退ないしは消失するが、まれに持続する例もみられる。注2:投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

高齢者では急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。

特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]

高齢者では腎機能又は肝機能が低下していることが多いため、高カリウム血症があらわれやすい。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

ヒト母乳中へ移行することがあるので、授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない。また、乳児については「慎重投与」の項参照]

過量投与

症状

本剤の過量投与により悪心、嘔吐、傾眠状態、精神錯乱、斑状丘疹、紅斑、下痢、電解質失調、脱水を起こす可能性がある。

処置

本剤の投与を中止し、食事を含むカリウムの摂取を制限すること。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

ラットに24カ月経口投与した癌原性試験において内分泌臓器の腫瘍及び肝臓の増殖性変化がみられたとの報告がある。
また、長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。

薬物動態

血漿中濃度[3]

健常成人(男子)にアルダクトンA錠4錠(スピロノラクトンとして100mg)を1回経口投与したときの血漿中濃度の推移は以下のとおりであり、血漿中からの消失は二相性を示した。

注:本剤の承認された用量は「1日50〜100mgを分割経口投与」である。

tmaxCmax消失半減期
2.8時間461ng/mLα相:1.8時間
β相:11.6時間

代謝・排泄[4]

〔参考〕

健常成人(男子)(外国人)に[20-3H]スピロノラクトン200mgを1回経口投与したところ、5日間に放射活性の31.6%が尿中に、22.7%が糞中に排泄された。尿中の主な代謝物は、カンレノン、6β-ヒドロキシ-7α-メチルスルフィニル体及びカンレノ酸のグルクロン酸抱合体であった。

臨床成績

再評価申請時における各種疾患に対する有効率は以下のとおりであった。

注:本剤の承認された用量は「1日50〜100mgを分割経口投与」であるが、本集計では、投与量が50〜400mg/日の症例も含む。

疾患名有効率
原発性アルドステロン症100%(5/5)
高血圧症58.2%(53/91)
心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫等70.5%(31/44)

薬効薬理

[5][6]

スピロノラクトンは、主として遠位尿細管のアルドステロン依存性ナトリウム-カリウム交換部位にはたらき、アルドステロン拮抗作用により、ナトリウム及び水の排泄を促進し、カリウムの排泄を抑制する。

アルドステロンを負荷した副腎摘出ラットを用いた実験で、スピロノラクトンの用量に比例した抗アルドステロン作用(尿中Na/K比を指標)が認められている。

実験的腎性高血圧家兎を用いた実験で、血圧の下降、尿中ナトリウム排泄量と尿量の増加、尿中カリウム排泄量の軽度の減少が認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名スピロノラクトン
一般名(欧名)Spironolactone
化学名7α-Acetylsulfanyl-3-oxo-17α-pregn-4-ene-21,17-carbolactone
分子式C24H32O4S
分子量416.57
融点198〜207℃ 125℃の浴液中に挿入し、140〜185℃の間は1分間に約10℃、その前後は1分間に約3℃上昇するように加熱を続ける。
性状白色〜淡黄褐色の微細な粉末である。
クロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00443

包装

アルダクトンA細粒10%

100g(瓶)

アルダクトンA錠25mg

100錠、140錠、300錠、1,000錠、3,000錠(PTP)

100錠、1,000錠(瓶)

アルダクトンA錠50mg

100錠(PTP)

主要文献


1. Carruthers,S.G.et al.,  Clin Pharmacol Ther,  27 (2),  184,  (1980) »PubMed
2. Wirth,K.E.et al.,  Eur J Clin Pharmacol,  9,  345,  (1976)
3. 社内資料:健康成人における血漿中濃度
4. Karim,A.et al.,  Clin Pharmacol Ther,  19 (2),  158,  (1976) »PubMed
5. Kagawa,C.M.,  Endocrinology,  67,  125,  (1960) »PubMed
6. Fukuchi,S.et al.,  Tohoku J Exp Med,  76,  195,  (1962) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2011年9月 改訂
2012年10月 第6版 改訂

文献請求先

「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ファイザー株式会社
151-8589
東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467

業態及び業者名等

製造販売
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/11/22 版