医療用医薬品 : ホリゾン

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医薬品情報


総称名 ホリゾン
一般名 ジアゼパム
欧文一般名 Diazepam
製剤名 ジアゼパム散
薬効分類名 マイナートランキライザー
薬効分類番号 1124
KEGG DRUG D00293 商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効薬理 理化学的知見 包装 長期投与医薬品に関する情報 主要文献

商品情報 詳細

商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ホリゾン錠2mg Horizon Tablets 2mg 丸石製薬 1124017F2151 5.9円/錠 向精神薬 , 処方せん医薬品
ホリゾン錠5mg Horizon Tablets 5mg 丸石製薬 1124017F4162 9.2円/錠 向精神薬 , 処方せん医薬品
ホリゾン散1% Horizon Powder 1% 丸石製薬 1124017B1145 16.1円/g 向精神薬 , 処方せん医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

急性狭隅角緑内障のある患者[本剤の弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]

重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)を投与中の患者(「3.相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

神経症における不安・緊張・抑うつ

うつ病における不安・緊張

心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ

下記疾患における筋緊張の軽減

脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛

麻酔前投薬

用法・用量

通常、成人には1回ジアゼパムとして2〜5mgを1日2〜4回経口投与する。ただし、外来患者は原則として1日量ジアゼパムとして15mg以内とする。

また、小児に用いる場合には、3歳以下は1日量ジアゼパムとして1〜5mgを、4〜12歳は1日量ジアゼパムとして2〜10mgを、それぞれ1〜3回に分割経口投与する。

筋痙攣患者に用いる場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして2〜10mgを1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

麻酔前投薬の場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして5〜10mgを就寝前又は手術前に経口投与する。
なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

心障害、肝障害、腎障害のある患者[心障害では症状が悪化、肝・腎障害では排泄が遅延するおそれがある。]

脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれる。]

乳・幼児[作用が強くあらわれる。]

高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

衰弱患者[作用が強くあらわれる。]

中等度又は重篤な呼吸不全のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

相互作用

併用禁忌

HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
(ノービア)
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。チトクロームP450に対する競合的阻害作用による。

併用注意

中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等
モノアミン酸化酵素阻害剤
アルコール(飲酒)
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。相互に中枢神経抑制作用が増強することが考えられている。
シメチジン、オメプラゾール眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。本剤のクリアランスがシメチジンとの併用により27〜51%、オメプラゾールとの併用により27〜55%減少することが報告されている。
シプロフロキサシン眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。本剤のクリアランスがシプロフロキサシンとの併用により低下することが報告されている。
フルボキサミンマレイン酸塩眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。本剤の代謝が阻害されることにより本剤のクリアランスが低下することが報告されている。
マプロチリン塩酸塩(1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
(2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こる可能性がある。
(1)相互に中枢神経抑制作用が増強することが考えられている。
(2)本剤の抗痙攣作用により抑制されたマプロチリン塩酸塩の痙攣作用が本剤の減量・中止によりあらわれることがある。
ダントロレンナトリウム水和物筋弛緩作用を増強する可能性がある。相互に筋弛緩作用が増強することが考えられている。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については文献等を参考に集計した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

依存性(頻度不明)

大量連用により、薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与すること。また、大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)

統合失調症等の精神障害者に投与すると逆に刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

呼吸抑制(頻度不明)

慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満
精神神経系眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、頭痛、失禁、言語障害、振戦霧視、複視、多幸症
肝臓注1)黄疸 
血液注1) 顆粒球減少、白血球減少
循環器頻脈、血圧低下 
消化器悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、口渇 
過敏症注2)発疹 
その他倦怠感、脱力感、浮腫 
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者へ投与する場合は、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。[運動失調等の副作用が発現しやすい。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]

妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]

分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

授乳婦

授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中ヘ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。]

過量投与

本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

血中濃度(外国人データ)

ヒトにジアゼパム10mgを経口投与したとき、投与後1時間に最高血中濃度に達し、その濃度は0.18〜0.22μg/mLであった。また、血中濃度は投与後6時間以内に減少しつつ、0.04〜0.05μg/mLで定常状態に達し、12〜24時間持続した[1]

代謝・排泄

3Hで標識したジアゼパム10mgをヒトに経口投与したとき、尿中総排泄率は71%であった。また、経口投与時の尿中未変化体排泄率は1〜2%であり、尿中には未変化体以外に代謝物として、テマゼパム、デスメチルジアゼパム及びオキサゼパムが排泄された[2][3][4][5][6]

薬効薬理

薬理作用

ジアゼパムは、各種動物において他のベンゾジアゼピン系薬剤と同様に鎮静作用、抗不安作用、抗痙攣作用及び筋弛緩作用を示すことが認められている。

鎮静作用

マウス、ラット及びサル[7]において自発運動減少作用を示す。また、イヌ[8]及びサル[9]において自発脳波の抑制作用を示す。

抗不安作用

マウスの明暗箱試験[10]、ラットの高架式十字迷路試験[11]及びラットのコンフリクト試験[12]において抗不安作用を示す。

抗痙攣作用

マウスのペンテトラゾール誘発痙攣及び電撃誘発痙攣[13]並びにラットのペンテトラゾール誘発キンドリング[14][15]及び扁桃体キンドリング[16][17]に対して抗痙攣作用を示す。また、モルモットの有機リン誘発痙攣[18]に対して抗痙攣作用を示す。

筋弛緩作用

マウス及びラットにおいて筋弛緩作用を示す[13]

自律神経安定化作用

間脳に作用して自律神経支配下の諸臓器の異常状態を安定化する[19]

作用機序

ジアゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体に高い親和性を有する。ベンゾジアゼピン受容体は、GABAA受容体と複合体を形成しており機能的にも共役していることから、本薬がベンゾジアゼピン受容体に結合すると、ベンゾジアゼピン受容体とGABAA受容体との相互作用により、GABAのGABAA受容体への親和性が増加し、間接的にGABAの作用が増強すると考えられている。GABAは脳内抑制性神経伝達物質の一つであり、GABAA受容体を活性化させることにより、クロルイオンチャネルを介してクロルイオンを細胞内に流入させ、神経細胞の興奮を抑制する[20][21][22][23][24]
コリンエステラーゼ阻害薬により誘発された痙攣における本薬の抗痙攣作用の機序の一つとして、本薬が上記のように間接的にGABAの作用を増強させる結果、神経細胞の興奮を抑制し、脳内グルタミン酸等興奮性伝達物質遊離を抑制することが考えられる[25]

有効成分に関する理化学的知見

一般名ジアゼパム
一般名(欧名)Diazepam
化学名7-Chloro-1-methyl-5-phenyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
分子式C16H13ClN2O
分子量284.74
融点130〜134℃
性状白色〜淡黄色の結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
アセトンに溶けやすく、無水酢酸又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00293

包装

錠2mg

100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)、1,000錠(バラ)

錠5mg

100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)、1,000錠(バラ)

散1%

500g

長期投与医薬品に関する情報

本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回90日分を超える投薬は認められていない。

主要文献


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作業情報


改訂履歴

2012年10月 第1版 作成

文献請求先

丸石製薬株式会社
538-0042
大阪市鶴見区今津中2-4-2
0120-014-561

業態及び業者名等

製造販売元
丸石製薬株式会社
大阪市鶴見区今津中2-4-2


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2014/09/17 版