医療用医薬品 : マイロターグ

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医薬品情報


総称名 マイロターグ
一般名 ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)
欧文一般名 Gemtuzumab Ozogamicin(Genetical Recombination)
製剤名 ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)製剤
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤, 抗腫瘍性抗生物質結合抗CD33モノクローナル抗体
薬効分類番号 4239
KEGG DRUG D03259 ゲムツズマブオゾガマイシン
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
マイロターグ点滴静注用5mg MYLOTARG Injection 5mg ファイザー 4239400D1030 247984円/瓶 生物由来製品 , 毒薬 , 処方箋医薬品

警告

臨床試験において本剤に関連したと考えられる死亡例が認められている。本剤の投与は、白血病患者のモニタリングと治療に対応できる十分な設備の整った医療施設及び急性白血病の治療に十分な経験をもつ医師のもとで行うこと。「禁忌」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項を慎重に考慮し、治療が適切と判断された患者にのみ本剤を投与すること。なお、本剤の使用にあたっては、添付文書を熟読すること。

他の抗悪性腫瘍剤との併用下で本剤を使用した場合の安全性は確立していない。本剤は他の抗悪性腫瘍剤と併用しないこと。[「その他の注意」の項参照]

本剤の使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

本剤を投与したすべての患者に重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、その結果、致命的な感染症及び出血等が惹起されることがあるので、本剤の使用にあたっては、感染症及び出血等に十分に注意すること。また、臨床試験において血小板数の回復が比較的遅延することが認められているので、特に注意すること。[「重要な基本的注意」の項参照]

本剤の投与により、重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む)のほか、重症肺障害を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、致命的な過敏症及び肺障害も報告されている。ほとんどのinfusion reactionの症状は本剤投与開始後24時間以内に発現している。本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始すること。本剤投与中及び投与終了後4時間はバイタルサインをモニターすること。その後も必要に応じ、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。呼吸困難、臨床的に重大な低血圧、アナフィラキシー、肺水腫又は急性呼吸窮迫症候群があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。末梢血芽球数の多い患者は肺障害及び腫瘍崩壊症候群を発症するリスクが高いと考えられるため、本剤投与前に末梢血白血球数を30,000/μL未満に抑えるよう、白血球除去を考慮すること。[「重要な基本的注意」の項参照]

本剤の投与により重篤な静脈閉塞性肝疾患(VOD)を含む肝障害が報告されている。造血幹細胞移植(HSCT)の施行前又は施行後に本剤を投与する患者及び肝障害のある患者は、VODを発症するリスクが高く、肝不全及びVODによる死亡例が報告されているため、VODを含む肝障害の症状に対して患者を注意深く観察すること。[「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照]

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

再発又は難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病

効能効果に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。また、本剤の使用は他の再寛解導入療法の適応がない以下のいずれかの患者を対象とすること。

再寛解導入療法(シタラビン大量療法等)に不応あるいは抵抗性があると予測される難治性の患者

高齢者(60歳以上の初回再発患者)

再発を2回以上繰り返す患者

同種造血幹細胞移植後の再発患者[「警告」の項参照]

急性前骨髄球性白血病患者で、再寛解導入療法(トレチノイン療法等)に不応あるいは抵抗性があると予測される患者

下記の患者群に対して、本剤の有効性及び安全性は確立していない。

骨髄異形成症候群から進行した急性骨髄性白血病患者(使用経験が少ない)
骨髄異形成症候群に本剤を用いた海外の臨床試験において、本剤の有効性が示されず、かつ、致死的な転帰に至る重篤な副作用の発現等の安全性上に極めて重大な懸念があることが示されている。

抗悪性腫瘍剤に関連して発症した二次性の急性骨髄性白血病患者(使用経験がない)

60歳以上の高齢者において、第2再発以降の患者での再寛解導入療法

本剤を投与した後の再発患者

本剤の使用にあたっては、フローサイトメトリー検査により患者の白血病細胞がCD33陽性であることを確認すること。

用法用量

通常成人には、ゲムツズマブオゾガマイシン1回量9mg/m2(たん白質量として表記)を2時間かけて点滴静脈内投与する。投与回数は、少なくとも14日間の投与間隔をおいて、2回とする。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤投与時にあらわれることがあるinfusion reaction(発熱、悪寒、呼吸困難等)を軽減させるために、本剤投与の1時間前に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)及び解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)の前投与を行い、その後も必要に応じ解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)の追加投与を考慮する。さらに、本剤投与前に副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)を投与するとinfusion reactionが軽減されることがある。本剤投与中及び投与終了後4時間はバイタルサインをモニターすること。その後も必要に応じ、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。なお、本剤は前投与を実施しない場合の安全性は確立していない。

高尿酸血症を予防するため、必ず適切な処置(水分補給又はアロプリノール投与等)を行うこと。

本剤の投与にあたっては、孔径1.2μm以下の蛋白結合性の低いメンブランフィルター(ポリエーテルスルフォン製等)を用いたインラインフィルターを通し末梢静脈又は中心静脈ラインを使用すること。同一の点滴ラインで他の薬剤を使用しないこと。

本剤は末梢静脈又は中心静脈より2時間かけて点滴投与し、静脈内への急速投与は行わないこと。

本剤は3回以上投与した場合の有効性・安全性は確立していない。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。なお、総ビリルビンが2mg/dLを超す患者を対象とする試験は実施されていない。(「警告」の項参照)]

腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。なお、腎障害患者を対象とする試験は実施されていない。]

感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪することがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]

肺疾患のある患者[肺障害が増悪することがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]

重要な基本的注意

本剤の投与により、重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む)のほか、重症肺障害を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、致命的な過敏症及び肺障害も報告されている。ほとんどのinfusion reactionの症状は、本剤投与開始後24時間以内に発現している。本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始すること。呼吸困難、臨床的に重大な低血圧、アナフィラキシー、肺水腫又は急性呼吸窮迫症候群があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。末梢血芽球数の多い患者ではこれらの副作用の発現するリスクが高いと考えられるため、本剤投与前に末梢血白血球数を30,000/μL未満に抑えるよう、白血球除去を考慮すること。

ほとんどのinfusion reactionは、本剤投与開始後24時間以内に悪寒、発熱、低血圧及び呼吸困難等の症状として発現している。また、血液障害以外の重篤なinfusion reactionとしては、悪寒、発熱、低血圧、高血圧、高血糖、低酸素症及び呼吸困難等が報告されている。これらを軽減させるために、本剤投与前に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)及び解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)を投与し、必要に応じて追加投与する。本剤投与前に副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)を投与するとinfusion reactionが軽減されることがある。本剤投与中及び投与終了後4時間はバイタルサインをモニターすること。その後も必要に応じ、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。

本剤の投与により肺障害を発現し死亡に至った症例が報告されている。肺障害の臨床所見として、呼吸困難、肺浸潤、胸水、非心原性肺水腫、呼吸不全、低酸素症及び急性呼吸窮迫症候群等が報告されている。これらの副作用はinfusion reactionに続発して生じるものであり、末梢血白血球数が30,000/μL以上の患者ではこれらの副作用の発現するリスクが高いと考えられるので、本剤投与前に末梢血白血球数を30,000/μL未満に抑えるよう、白血球除去を考慮すること。また、肺疾患のある患者も重篤な肺障害を発症するリスクが高いと考えられる。なお、infusion reactionの続発症とは考えにくい間質性肺炎等の肺障害も報告されている。[「警告」及び「副作用」の項参照]

本剤を投与したすべての患者に重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、特に血小板数の回復が比較的遅延することが認められているので、頻回に臨床検査(血液検査)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。全身感染症や出血があらわれた場合には適切な治療を行うこと。なお、本剤の使用にあたっては、無菌状態に近い状況下(無菌室、簡易無菌室等)で施行するなど、十分に考慮すること。

本剤の投与により重篤な静脈閉塞性肝疾患(VOD)を含む肝障害(急激な体重増加、右上腹部痛、肝脾腫大、腹水、ビリルビン増加、肝機能検査値異常等)が報告されている。造血幹細胞移植(HSCT)の施行前又は施行後に本剤を投与する患者及び肝障害のある患者は、VODを発症するリスクが高く、肝不全及びVODによる死亡例が報告されているため、VODを含む肝障害の発現に注意し、肝機能検査を実施するなど患者の状態を十分に観察すること。なお、海外の第II相臨床試験の結果では、本剤投与前にHSCTを施行した患者におけるVOD発症リスク19%(5/27)及び本剤投与後にHSCTを施行した患者におけるVOD発症リスク16%(8/50)は、移植を施行していない患者におけるVOD発症リスク1%(2/200)よりも高かった。また、使用成績調査におけるVODの発現率は5.6%(42/753)であり、本剤投与前にHSCTを施行した患者においては、11.6%(15/129)、本剤投与後にHSCTを施行した患者においては5.9%(2/34)、移植を施行していない患者においては3.6%(21/577)であった。[「警告」及び「副作用」の項参照]

生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

CD33抗原を発現していないラット及びカニクイザルを用いた反復投与毒性試験において、ゲムツズマブオゾガマイシンの非特異的な取り込みによるカリケアマイシン誘導体の細胞毒性に由来するものと考えられる毒性が報告されている。

相互作用

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

本剤はCYP3A4により代謝される可能性が示唆されているため、CYP3A4により代謝を受ける又は阻害作用を有する薬剤と相互作用を生じる可能性がある。
副腎皮質ホルモン
メチルプレドニゾロン等
マクロライド系抗生物質
ジョサマイシンプロピオン酸エステル等
ケトライド系抗生物質
テリスロマイシン
ストレプトグラミン系抗生物質
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
抗真菌剤
イトラコナゾール等
臨床症状については不明である。本剤はCYP3A4により代謝される可能性が示唆されているため、これらの薬剤が本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

<国内臨床試験成績>

第I/II相臨床試験において、安全性評価対象症例40例全例に副作用が発現した。主な副作用は、発熱38例(95.0%)、血小板減少38例(95.0%)、白血球減少37例(92.5%)、ヘモグロビン減少36例(90.0%)、悪心35例(87.5%)、AST(GOT)上昇35例(87.5%)、LDH上昇34例(85.0%)、リンパ球減少32例(80.0%)、倦怠感31例(77.5%)、ALT(GPT)上昇29例(72.5%)、食欲不振28例(70.0%)、フィブリンDダイマー増加27例(67.5%)、嘔吐26例(65.0%)、悪寒25例(62.5%)、好中球減少25例(62.5%)、フィブリン分解産物増加23例(57.5%)、AL-P上昇23例(57.5%)、頭痛20例(50.0%)、血中フィブリノゲン増加19例(47.5%)、高血糖17例(42.5%)、血中アルブミン減少17例(42.5%)、鼻出血15例(37.5%)、体重減少15例(37.5%)、感染14例(35.0%)、APTT延長14例(35.0%)、頻脈13例(32.5%)、血中ビリルビン増加12例(30.0%)であった。(承認時[1]

<国内使用成績調査結果(全例調査)>

市販後の一定期間に投与症例の全例を登録して実施した調査において、安全性評価対象753例中663例(88.0%)に副作用が認められ、その主なものは、発熱性好中球減少症252例(33.5%)、血小板減少232例(30.8%)、発熱203例(27.0%)、好中球減少170例(22.6%)、白血球減少147例(19.5%)、敗血症118例(15.7%)等であった。(国内使用成績調査(全例調査)終了時)

<海外臨床試験成績>

第II相臨床試験において、安全性評価対象症例277例中、主な有害事象(本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した事象)は、発熱(82%)、悪心(68%)、悪寒(66%)、嘔吐(58%)、血小板減少(50%)、白血球減少(47%)、頭痛(37%)、脱力感(36%)、下痢(32%)及び腹痛(32%)であった。
主な臨床検査の異常変動(グレード3又は4注))は、血小板減少(99%)、好中球減少(98%)、白血球減少(96%)、血色素減少(52%)、総ビリルビン変動(29%)、AST(GOT)変動(18%)及びALT(GPT)変動(9%)であった。(承認時[1]

注:グレード分類はNCI-CTCver.1.0を基準とした。

「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、承認時の国内臨床試験成績及び市販後の国内使用成績調査結果(全例調査)の合計より算出した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

infusion reaction(47.9%)

悪寒、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、低血圧、高血圧、低酸素症、呼吸困難、高血糖及び重症肺障害等があらわれることがある。[「警告」の項参照]
バイタルサインのモニタリングや自他覚症状の観察など、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

重篤な過敏症(0.5%)

重篤な過敏症(アナフィラキシーショックを含む)があらわれることがあるので、バイタルサインのモニタリングや自他覚症状の観察など、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

血液障害(骨髄抑制等)(67.8%)

汎血球減少、白血球減少、好中球減少(発熱性好中球減少症を含む)、リンパ球減少、無顆粒球症、血小板減少、貧血等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「警告」の項参照]

感染症(35.7%)

日和見感染症、敗血症(敗血症性ショックを含む)、肺炎、口内炎(カンジダ性口内炎を含む)及び単純ヘルペス感染等の感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

出血(17.0%)

脳出血、頭蓋内出血、肺出血、消化管出血、眼出血(強膜、結膜、網膜)、血尿及び鼻出血があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

播種性血管内凝固症候群(DIC)(7.4%)

播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

口内炎(3.0%)

重篤な口内炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝障害(43.0%)

静脈閉塞性肝疾患(VOD)、黄疸、肝脾腫大、高ビリルビン血症、肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、AL-P上昇等)、腹水があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

腎障害(4.4%)

腎障害、腎機能検査値異常(クレアチニン上昇、BUN増加等)があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

腫瘍崩壊症候群(TLS)(2.1%)

腫瘍崩壊症候群(TLS)があらわれることがあるので、血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。なお、TLSに続発して腎不全が発現することが報告されている。

肺障害、間質性肺炎(4.5%)

呼吸困難、肺浸潤、胸水、非心原性肺水腫、呼吸不全、低酸素症、急性呼吸窮迫症候群及び間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 10%以上注)5〜10%未満5%未満頻度不明
皮膚  発疹、皮下出血、そう痒、毛包炎、爪囲炎 
消化器悪心食欲不振、嘔吐下痢、便秘、腹痛、歯肉出血、歯周炎、メレナ、しゃっくり、口渇、胃炎、腹部膨満、血腫(口唇、口腔内)、吐血、消化不良、口唇炎 
精神・神経  めまい、不眠、抑うつ、しびれ、浮遊感不安
呼吸器  咳嗽、咽頭炎、嗄声、呼吸音の変化喉頭炎、ラ音、鼻炎
循環器  不整脈(頻脈等)、低血圧、高血圧、心不全、動悸、心拍数減少、心電図異常、心筋虚血 
血液凝固線溶系異常 点状出血、紫斑斑状出血
代謝異常LDH上昇低カリウム血症、低アルブミン血症低蛋白血症、低ナトリウム血症、高血糖、低カルシウム血症、尿酸減少、尿酸増加、低リン酸血症、低クロール血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高カリウム血症、低コレステロール血症、高ナトリウム血症、BUN減少、高カルシウム血症、高クロール血症、低血糖、低トリグリセリド血症、高リン酸塩血症低マグネシウム血症
生殖器  腟出血不正子宮出血
その他発熱(30.5%)、悪寒倦怠感体重増加、頭痛、浮腫、体重減少、関節痛、筋痛、味覚異常、投与部位反応(炎症、感染、出血)、胸痛、疼痛(耳痛、四肢痛、肛門周囲痛)、ほてり、背部痛、冷感、顔面腫脹脱力感
注:発現率が30%以上の症状には発現率を記載した。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)で胎児の外表・内臓・骨格異常、胎児毒性(体重増加抑制、初期死亡胎児数の増加等)及び母体毒性(体重減少、摂餌量の低下)が報告されている。従って、妊婦に投与すると胎児に障害が生じるおそれがある。]

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。なお、ヒトIgGは母乳中へ移行することが知られている。]

生殖可能な年齢の婦人に投与する場合には妊娠を避けるよう指導すること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

成人への単回投与としては9mg/m2を超える試験は実施されていない。
過量投与時には、血圧測定や血液検査を行うなど観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。なお、本剤は透析によって除去できない。

適用上の注意

調製時

本剤の調製は、安全キャビネット内で行うことが望ましい。なお、本剤は光による影響を受けやすいため、日光を避け、安全キャビネット内の蛍光灯を遮蔽すること。本剤の溶液は溶解しているたん白質の光拡散により濁って見えることがある。

溶解方法

1バイアルに日局注射用水5mLを加え、泡立てないように静かに回転させながら溶解する。本剤が完全に溶解していることを確認した後、速やかに希釈すること。

希釈方法

必要量を日局生理食塩液100mLで希釈する。溶液を混和する際は点滴バッグを激しく振とうしないこと。希釈後、異物及び変色がないことを確認し、速やかに点滴バッグを遮光すること。なお、保存を必要とする場合、遮光下常温で16時間以内に投与を開始すること。

投与時

本剤は光による影響を受けやすいため、遮光した点滴バッグを用いて投与すること。

その他の注意

がん原性試験は実施していないが、in vivoのマウス骨髄小核試験の遺伝毒性試験において陽性の結果が報告されている。

イヌ循環器系に対してゲムツズマブオゾガマイシン4mg/m2の静脈内投与では影響は認められなかったが、13mg/m2では心拍数増加及び心電図への影響が認められ、また、40mg/m2では、血圧低下、心拍数の増加傾向、心拍出量減少及び心電図への影響が認められたとの報告がある。

18歳から60歳までの未治療の急性骨髄性白血病患者を対象とした海外第III相臨床試験において、標準的な初回寛解導入療法(ダウノルビシン塩酸塩とシタラビンの併用療法)への本剤の上乗せ投与時の有用性、並びに、地固め療法(大量シタラビン療法)後の本剤追加投与時の有用性を検討したところ、本剤の寛解導入療法への上乗せ投与、並びに、地固め療法後の追加投与による有効性は認められず、寛解導入期に生じた治療との関連が否定できない致死的有害事象の発現率は、本剤上乗せ群で有意に高かったため、当該試験が早期中止された(本剤上乗せ群5.7%(16/283)、対照群1.4%(4/281)、p=0.01、2010年4月データ固定時)。

薬物動態

血漿中濃度[2]

CD33陽性の再発又は難治急性骨髄性白血病患者11例に本剤9mg/m2を2時間静脈内持続投与したときの総カリケアマイシン誘導体、非結合カリケアマイシン誘導体及びhP67.6濃度を測定した。血漿中hP67.6濃度推移及びその薬物動態パラメータを以下に示す。

投与回数Cmax
(mg/L)
tmax
(hr)
AUC0〜∞
(mg・hr/L)
t1/2
(hr)
1回目3.248±1.1952.02(中央値)133.4±94.051±25
2回目3.640±0.8593.02(中央値)223.1±135.959±36
平均±標準偏差(1回目:n=11,2回目:n=6)

代謝と排泄注)

CD33陽性の初回再発急性骨髄性白血病患者4例について本剤9mg/m2の2時間静脈内持続投与後の尿中代謝物を調査した結果、主要尿中代謝物は不活性なカリケアマイシンの誘導体であった[3]

注:日本人のデータではない。

臨床成績

再発又は難治性の急性骨髄性白血病を対象として、本剤と他の治療法と、臨床症状の改善や生存期間の延長などについて比較した試験はない。

国内で実施されたCD33陽性の再発又は難治急性骨髄性白血病に対する第I/II相臨床試験のII相部分において9mg/m2投与症例の完全寛解率は、25%(5/20)であった。

海外で実施されたCD33陽性の初回再発急性骨髄性白血病に対する第II相臨床試験の完全寛解率は13%(35/277)であった。

薬効薬理

抗腫瘍作用

in vitro試験[4][5]

CD33陽性のヒト急性前骨髄球性白血病HL-60細胞に対して、殺細胞活性が認められている。また、CD33を発現しているその他のヒト白血病細胞であるNOMO-1、NB4、NKM-1細胞に対しても殺細胞活性が認められている。

in vivo試験

HL-60細胞をヌードマウスに皮下移植した異種移植モデルにおいて静脈内投与により抗腫瘍効果を示した。

作用機序

本剤はヒト化抗CD33抗体hP67.6と抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体を結合した抗悪性腫瘍薬で、CD33抗原を発現した白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれた後に、遊離したカリケアマイシン誘導体が殺細胞活性を発揮して抗腫瘍作用を示す。
なお、CD33抗原を発現していないラット及びカニクイザルを用いた反復投与毒性試験において、ゲムツズマブオゾガマイシンの非特異的な取り込みによるカリケアマイシン誘導体の細胞毒性に由来するものと考えられる毒性が報告されている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)
一般名(欧名)Gemtuzumab Ozogamicin(Genetical Recombination)
化学名Immunoglobulin G4(human-mouse monoclonal hP67.6 γ4-chain anti-human antigen CD33),disulfide with human-mouse monoclonal hP67.6κ-chain,dimer,conjugate with methyl(1R,4Z,8S,13E)-13-[2-[[2-[[[p-(3-carbamoylpropoxy)-α-methylbenzylidene]hydrazino]carbonyl]-1,1-dimethylethyl]dithio]ethylidene]-8-[[4,6-dideoxy-4-[[[2,6-dideoxy-4-S-[4-[(6-deoxy-3-O-methyl-α-L-mannopyranosyl)oxy]-3-iodo-5,6-dimethoxy-o-toluoyl]-4-thio-β-D-ribo-hexopyranosyl]oxy]amino]-2-O-[2,4-dideoxy-4-(N-ethylacetamido)-3-O-methyl-α-L-threo-pentopyranosyl]-β-D-glucopyranosyl]oxy]-1-hydroxy-11-oxobicyclo[7.3.1]trideca-4,9-diene-2,6-diyne-10-carbamate
本質ヒト免疫グロブリンG4の不変領域(κ鎖及びγ4鎖)及び可変領域フレーム配列並びにマウス抗CD33モノクローナル抗体の相補性決定領域からなるヒト化マウス抗CD33モノクローナル抗体に由来するcDNAの発現によりマウス骨髄腫細胞(NS0細胞)で産生される1,322個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量:約150,000)とMicromonospora echinospora ssp.Calichensis菌から単離された細胞傷害性抗腫瘍抗生物質カリケアマイシンとの抱合体(分子量:約153,000)
KEGG DRUGD03259

承認条件

国内での治験症例が極めて限られており、また、治験において感染症、出血、肝機能障害等の重篤な副作用の発生が認められていることから、市販後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を登録した使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、安全性及び有効性に関するデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

マイロターグ点滴静注用5mg

1バイアル

主要文献


1. 社内資料:副作用集計
2. 社内資料:血漿中濃度
3. 社内資料:代謝と排泄
4. Hamann Philip R.et al.,  Bioconjug Chem,  13 (1),  47,  (2002)
5. Naito K.et al.,  Leukemia,  14 (8),  1436,  (2000)

作業情報


改訂履歴

2010年6月 改訂
2011年2月 第7版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/6/22 版