医療用医薬品 : トピナ

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医薬品情報


総称名 トピナ
一般名 トピラマート
欧文一般名 Topiramate
製剤名 トピラマート錠
薬効分類名 抗てんかん剤
薬効分類番号 1139
ATCコード N03AX11
KEGG DRUG D00537 トピラマート
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トピナ錠25mg TOPINA Tablets 協和発酵キリン 1139008F3020 65.6円/錠 処方箋医薬品
トピナ錠50mg TOPINA Tablets 協和発酵キリン 1139008F1027 107.8円/錠 処方箋医薬品
トピナ錠100mg TOPINA Tablets 協和発酵キリン 1139008F2023 176円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法

用法・用量

成人

通常、成人にはトピラマートとして1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始する。以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200〜400mgを2回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまでとする。

小児

通常、2歳以上の小児にはトピラマートとして1日量1mg/kgの経口投与で開始し、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kgに増量する。以後、2週間以上の間隔をあけて1日量として2mg/kg以下ずつ漸増し、維持量として1日量6mg/kgを経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は9mg/kg又は600mgのいずれか少ない投与量までとする。なお、いずれも1日2回に分割して経口投与すること。

用法・用量に関連する使用上の注意

海外では、成人てんかん患者を対象とした試験において1日量50mgで開始し、1週間ごとに50mgずつ増量するなど、開始用量及び増量幅を低減することで、投与初期の有害事象発現率が低下したとの報告があることから、本剤の投与開始にあたっては、患者の状態に応じて、成人には1日1回50mgから開始すること又は増量幅を1日100mgではなく1日50mgに低減することについても考慮すること。[「臨床成績」の項参照]

本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用すること。[国内臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はない。]

本剤は主として腎臓より排泄されるため、腎機能障害のある患者では、本剤のクリアランスが低下することがあるので、クレアチニンクリアランスが70mL/分未満の場合には、投与量を半量にするなど慎重に投与すること。[「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化するおそれがある。]

アシドーシスの素因を有する患者又はアシドーシスを来しやすい治療を受けている患者[高クロール性の代謝性アシドーシスが生じるおそれがある。]

腎機能障害、肝機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下することがある。(「薬物動態」の項参照)]

自殺企図の既往及び自殺念慮を有するうつ病の患者[症状が悪化するおそれがある。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

腎・尿路結石があらわれることがあるので、結石を生じやすい患者に投与する場合には十分水分を摂取するよう指導すること。[「重大な副作用」の項(2)、「小児等への投与」の項2)参照]

代謝性アシドーシスがあらわれることがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、重炭酸イオン濃度測定等の検査を患者の状態に応じた適切な間隔で実施することが望ましい。[「重大な副作用」の項(3)、「小児等への投与」の項2)参照]

発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温が上昇することがあるので、本剤投与中は体温の上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避けること。なお、あらかじめ水分を補給することにより症状が緩和される可能性がある。[「重大な副作用」の項(4)、「小児等への投与」の項2)参照]

体重減少を来すことがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、定期的に体重計測を実施するなど患者の状態を慎重に観察し、徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、発作頻度が増加する可能性があるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

本剤は血液透析により除去されるので、透析実施日は本剤の補充投与を考慮すること。[「薬物動態」の項参照]

投与開始に先立ち、主な副作用について患者に説明し、異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示すること。

相互作用

相互作用序文

本剤の代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3A4である。[「薬物動態」の項参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用を有する薬剤
フェニトイン
カルバマゼピン等
併用中の左記薬剤を減量又は中止する場合には本剤の血中濃度が上昇することがある。注) 左記薬剤により肝代謝酵素(CYP3A4)が誘導され、併用により本剤の血中濃度は非併用時に比べ低下する。
フェニトイン左記薬剤の血中濃度が上昇することがある。注) 本剤が左記薬剤の代謝を阻害することがある。
中枢抑制薬
バルビツール酸誘導体等
相互に作用が増強されることがある。本剤及び左記薬剤の中枢神経抑制作用による。
炭酸脱水酵素阻害剤
アセタゾラミド等
腎・尿路結石を形成するおそれがある。本剤は弱い炭酸脱水酵素阻害作用を有する。
リスペリドン左記薬剤の血中濃度が低下することがある。注) 左記薬剤のクリアランスが上昇することがある。
メトホルミン左記薬剤の血中濃度が上昇し、血糖降下作用が増強するおそれがある。注) 左記薬剤のクリアランスが低下することがある。
ピオグリタゾン左記薬剤のAUCが低下し、血糖降下作用が減弱するおそれがある。注) 左記薬剤のクリアランスが上昇することがある。
アミトリプチリン左記薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて用量を調節すること。注) 機序は不明である。
リチウム左記薬剤の血中濃度が上昇又は低下することがある。注) 機序は不明である。
ジゴキシンジゴキシンのAUCが低下することがある。注) 機序は不明である。
ヒドロクロロチアジド本剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて本剤の用量を調節すること。注) 左記薬剤により本剤の腎排泄が低下し、血中濃度が上昇すると考えられる。
経口避妊薬
エチニルエストラジオール等
左記薬剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。注) 機序は不明である。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の血中濃度が低下するおそれがある。左記含有食品により誘導された代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進することがある。

副作用

副作用発現状況の概要

<成人>

トピナ錠承認時までの国内第II/III相及び長期投与試験における安全性解析対象例303例中、副作用が228例(75.2%)に認められた。主な副作用は傾眠90例(29.7%)、体重減少75例(24.8%)、浮動性めまい44例(14.5%)、無食欲及び大食症候群32例(10.6%)等であった。また主な臨床検査値異常はγ-GTP増加24例(7.9%)、血中塩化物増加22例(7.3%)、血中重炭酸塩減少19例(6.3%)、血中リン減少16例(5.3%)等であった。[トピナ錠承認時]

<小児>

トピナ錠又はトピナ細粒の国内臨床試験における安全性解析対象例86例中、副作用が66例(76.7%)に認められた。主な副作用は傾眠28例(32.6%)、乏汗症13例(15.1%)、食欲減退12例(14.0%)、発汗障害11例(12.8%)、体重減少8例(9.3%)等であった。また主な臨床検査値異常は血中重炭酸塩減少26例(30.2%)であった。[小児用法追加承認時]

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

続発性閉塞隅角緑内障及びそれに伴う急性近視(頻度不明)

続発性閉塞隅角緑内障を伴う急性近視があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、視力の急激な低下、眼痛等の症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。なお、投与1ヵ月以内にあらわれることが多い。

腎・尿路結石(2.3%)

腎・尿路結石があらわれることがあるので、観察を十分行い、腎仙痛、腹部痛等の症状があらわれた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項1)、「小児等への投与」の項2)参照]

代謝性アシドーシス(1.8%)

高クロール性の代謝性アシドーシスがあらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、過換気、不整脈、昏睡等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、疲労、食欲不振等の症状があらわれた場合には必要に応じて重炭酸イオン濃度の測定を行うこと。[「重要な基本的注意」の項2)、「小児等への投与」の項2)参照]

乏汗症及びそれに伴う高熱(0.3%)

乏汗症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発汗減少、体温上昇等の症状があらわれた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項3)、「小児等への投与」の項2)参照]

その他の副作用

 10%以上5〜10%未満0.1〜5%未満頻度不明注)
精神神経系傾眠、めまい、摂食異常しびれ感、頭痛、思考力低下会話障害、不安、易刺激性、抑うつ、歩行異常、不眠、記憶力低下、妄想、幻覚、振戦、味覚異常、動作緩慢、眼振、けいれん・てんかん増悪、筋緊張、自殺企図、気分不良、平衡障害、感覚異常、躁状態、思考異常、協調運動異常、多動、昏迷、認知障害錯乱、離人症、興奮
消化器  腹痛、悪心、便秘、下痢、嘔吐、腹部不快感、口内炎、胃腸炎、歯肉腫脹鼓腸放屁、嚥下障害、唾液分泌過多、便失禁
代謝及び栄養血中重炭酸塩減少、電解質(カリウム、カルシウム、リン、クロール、ナトリウム)異常 トリグリセリド上昇、血中アンモニア値上昇、血中コレステロール増加、総蛋白減少低血糖
  複視、視覚異常、眼痛、視力低下、羞明、眼精疲労、涙液減少 
肝臓肝機能異常〔AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-P,LDHの上昇〕 ウロビリノーゲン陽性、胆石症 
血液  白血球分画異常、白血球減少、貧血、血小板減少、白血球増加プロトロンビン量増加、鼻出血
腎臓・泌尿器  尿沈渣陽性、血尿、尿蛋白陽性、頻尿、尿中リン増加、尿失禁 
循環器  胸痛、心電図異常、起立性低血圧、動悸徐脈、血圧上昇
呼吸器  呼吸困難、咳嗽、鼻炎 
皮膚 発汗減少発疹、脱毛、皮膚炎、多汗、多毛脂漏
感覚器  耳鳴、聴力低下 
筋骨格  筋肉痛、関節痛、四肢重感、筋痙攣 
内分泌  月経異常乳房痛
その他体重減少倦怠感発熱、CK(CPK)上昇、脱力、浮腫、口渇、熱感、四肢冷感、体重増加悪寒、性欲減退、体臭
注)承認時までの国内の臨床試験では発現が見られていない。

高齢者への投与

本剤は、主として腎臓より排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。[「薬物動態」の項参照]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤を投与された患者が奇形(口唇裂、口蓋裂、男児の尿道下裂)を有する児を出産したとの報告があり、動物実験(ラット、ウサギ)で胎児の欠指、口蓋裂、血管系の異常及び骨格異常等が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎盤を通過することが認められている。]

(参考)

ラット及びウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において、ラット400mg/kg/日、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で、外部、内部あるいは骨格異常が認められた。
また、同試験において、ラット30mg/kg/日の経口投与で胎児体重減少及び出生児体重増加抑制、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で胎児死亡率上昇及び内部・骨格異常が認められたことから、各試験の次世代の発生に関する無毒性量は、ラット2.5mg/kg/日、ウサギ35mg/kg/日であった。

授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

(参考)

ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、1mg/kg/日の経口投与で出生児体重増加抑制が認められたことから、本試験の次世代の発生に関する無毒性量は0.5mg/kg/日であった。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。

市販後の自発報告において、小児における腎・尿路結石、代謝性アシドーシス、乏汗症(発汗減少)の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので、観察を十分に行うこと。[「重要な基本的注意」の項1)、2)及び3)、「重大な副作用」の項(2)、(3)及び(4)参照]

過量投与

症状

痙攣、傾眠、精神障害、昏迷、激越、めまい、抑うつ、会話障害、代謝性アシドーシス、協調運動異常、霧視、複視、低血圧、腹痛等があらわれることがある。

処置

過量投与後早期の場合は、催吐、胃洗浄、活性炭投与、十分な水分補給による尿排泄の促進等の一般的な支持・対症療法を行う。また必要に応じて血液透析を行う。なお、in vitroでは、活性炭が本剤を吸着することが示されている。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

薬物動態

吸収

成人

単回投与

健康成人にトピラマート25〜400mgを絶食下単回経口投与した場合の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。

薬物動態パラメータ

用量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0〜∞
(μg・hr/mL)
250.25±0.032.4±1.6a) 1.7±2.2b)
500.84±0.251.4±0.946.7±10.940.9±7.7
1002.12±0.392.0±1.430.9±6.276.2±15.1
2005.10±0.470.8±0.325.3±2.2159.1±17.5
3006.20±2.042.3±1.428.9±7.4222.0±65.0
4008.27±1.273.0±1.128.5±4.3315.2±47.0
mean±S.D.,n=6a)算出せずb)AUC0〜t

反復投与

健康成人にトピラマート1回50mgを1日2回13日間(計25回投与)反復経口投与した場合、血漿中濃度は5日目以降ほぼ定常状態に達し、単回投与後の12時間値と最終回投与後の12時間値の比(蓄積率)は5.20であった。

腎機能障害患者(外国人データ)

中等度(クレアチニンクリアランス30〜69mL/min/1.73m2)及び重度(クレアチニンクリアランス<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者にトピラマート100mgを単回経口投与した。トピラマートの見かけの全身クリアランス(CL/F)は、腎機能が正常な患者(クレアチニンクリアランス≧70mL/min/1.73m2)と比べ、中等度の腎機能障害患者では42%、重度の腎機能障害患者では54%低下した。したがって、中等度若しくは重度の腎機能障害患者に対しては、通常用量の半量の使用が推奨される。

血液透析患者(外国人データ)

血液透析患者にトピラマート100mgを単回経口投与後、400mL/minの速度で血液透析を3時間行ったところ、3時間後の血漿中トピラマート濃度は約半分に低下した。トピラマートの透析時間中のCL/Fは約7.2L/hr(120mL/min)であり、これは健康成人におけるCL/F1.2〜1.8L/hr(20〜30mL/min)よりも大きく、血液透析によりトピラマートは血漿から急速に除去される。

肝機能障害患者(外国人データ)

中等度から重度(Child-Pughスコア5〜9)の肝機能障害患者では、健康成人と比較してAUC0〜∞は29%増加し、CL/Fは26%低下した。

高齢者(外国人データ)

健康高齢者(65〜81歳)にトピラマート100mgを単回経口投与した場合、健康高齢者では健康成人に比べCmax及びAUC0〜∞はそれぞれ23%及び25%増加し、T1/2が約13%延長した。

生物学的同等性[1]

トピナ細粒又はトピナ錠(それぞれトピラマートとして50mg)をそれぞれ絶食下にて水とともに単回経口投与した生物学的同等性試験では、Cmax及びAUC0〜tのトピナ錠に対するトピナ細粒の比の90%信頼区間はそれぞれ86.1〜103.5%及び96.0〜100.9%であり、両製剤の同等性が確認された。

小児

反復投与(1日2回)[2]

2〜15歳の症候性又は潜因性局在関連性てんかん患児に、トピナ細粒を1日2回開始用量1mg/kg/日から1週ごとに2mg/kg/日ずつ、9mg/kg/日まで漸増投与した。1及び5mg/kg/日投与における血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである。肝代謝酵素誘導作用を有する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール)と併用(誘導例)した場合に比べ、非併用(非誘導例)では、Cmaxで約1.6倍、AUC0〜12で約2.0倍(いずれも5mg/kg/日投与時)であった。

薬物動態パラメータ

投与量
(mg/kg/日)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0〜12 e)
(μg・hr/mL)
誘導(2〜15歳)
(n=22)
11.05±0.382.0±2.09.8±4.0a) 9.3±4.1
誘導(2〜15歳)
(n=16)
55.31±1.691.8±0.99.1±3.7b) 44.3±18.0
非誘導(12〜15歳)
(n=5)
11.95±0.272.4±1.517.3±4.4c) 19.9±3.3
非誘導(12〜15歳)
(n=3)
58.51±2.142.6±1.123.4d) 86.6±26.9
mean±S.D.a)n=13、b)n=10、c)n=2、d)n=1、e)血漿中濃度の0時間値を12時間値として算出

分布

体組織への分布(参考:ラットでのデータ)[3]

雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、大部分の組織では投与後30分に最も高い放射能濃度を示した。投与後30分では胃>膀胱>肝臓>腎臓>副腎>血液の順に放射能濃度が高かった。

通過性・移行性(参考:ラットでのデータ)[3]

血液−脳関門通過性雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、投与後4時間までの脳内(大脳・小脳)放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.4〜0.5倍であった。
血液−胎盤関門通過性妊娠ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、胎盤及び胎児への放射能の移行が認められ、胎盤及び胎児全身の放射能濃度は、ほぼ母体血漿中放射能濃度と同程度であった。
母乳中への移行性授乳期のラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、乳汁中放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.07〜0.73倍であった。

蛋白結合率(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)

添加濃度(μg/mL)0.510200
血漿蛋白結合率(%)412415

代謝・排泄

代謝酵素(ヒト発現系ミクロソーム)

トピラマートのヒト代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3A4である。

健康成人に14C-トピラマート100mgを単回経口投与後、10日目までに主に尿中に未変化体として(投与量の約60%)排泄される。血漿中、尿中及び糞中には6種の代謝物(水酸化体、加水分解体及びグルクロン酸抱合体)が認められたが、いずれも投与量の2.5%未満である。(外国人データ)

相互作用(外国人データ)

健康成人あるいはてんかん患者を対象にした薬物相互作用の検討について以下に示した。

フェニトイン

フェニトイン単剤(130〜300mgを1日2回若しくは360〜480mgを1日1回)で治療を受けている部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)に比べ48%低下した。一方、12例の患者のうち6例で、トピラマートの併用によりフェニトインのAUCが25%程度上昇した。

カルバマゼピン

カルバマゼピン単剤(300〜800mgを1日3回)で治療を受けている部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)に比べ40%低下した。一方、トピラマートはカルバマゼピンの体内動態に影響を及ぼさなかった。

リスペリドン

健康成人12例にリスペリドン(2mg)を単回投与したとき、リスペリドンのCmax及びAUC0〜∞は、トピラマート(50〜100mgを1日2回)の併用により、それぞれ29%及び23%低下した。

メトホルミン

健康成人25例にメトホルミン(500mgを1日2回)を反復投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUC0〜12は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ18%及び25%増加した。

ピオグリタゾン

健康成人26例にピオグリタゾン(30mg/日)を反復投与したとき、ピオグリタゾンのAUC0〜24は、トピラマート(16〜96mgを1日2回)の併用により15%低下した。一方、ピオグリタゾンはトピラマートの体内動態に影響を及ぼさなかった。

アミトリプチリン

健康成人18例にアミトリプチリン(25mg/日)を反復投与したとき、アミトリプチリンのCmax及びAUC0〜24は、トピラマート(25〜100mgを1日2回)の併用により、それぞれ12%及び13%増加した。

リチウム

健康成人12例にリチウム(300mgを1日3回)を反復投与したとき、リチウムのAUC0〜8は、トピラマート(50〜100mgを1日2回)の併用により12%低下した。一方、リチウムで治療を受けている双極性障害患者32例のリチウムのAUC0〜12は、低用量のトピラマート(200mg/日)の併用では影響を受けなかったが、高用量のトピラマート(600mg/日)の併用により26%増加した。

ジゴキシン

健康成人男性12例にジゴキシン(0.6mg)を単回投与したとき、ジゴキシンのCmax及びAUC0〜∞は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ16%及び12%低下した。

ヒドロクロロチアジド

健康成人24例にヒドロクロロチアジド(25mg/日)を反復投与したとき、ヒドロクロロチアジドの体内動態は、トピラマート(64〜96mgを1日2回)の併用により影響を受けなかった。一方、トピラマート(64〜96mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートのCmax及びAUC0〜12は、ヒドロクロロチアジド(25mg/日)の併用により、それぞれ27%及び29%増加した。

経口避妊薬

バルプロ酸単剤(375〜1250mgを1日2回)で治療を受けているてんかん女性患者12例にノルエチステロン(1mg/日)及びエチニルエストラジオール(0.035mg/日)を反復投与したとき、ノルエチステロンの体内動態は、トピラマート(100、200、400mgを1日2回)の併用により影響を受けなかったが、エチニルエストラジオールのAUC0〜24は、トピラマートの併用により18〜30%減少した。

臨床成績

国内における臨床成績

成人

第III相試験(二重盲検比較試験)[4]

既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分てんかん患者127例(プラセボ群65例、トピラマート群62例)を対象とした二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)において、トピラマート群(400mg/日)はプラセボ群と比較し、発作発現頻度の有意な減少が認められた。

発作発現頻度減少率a) プラセボ群
(65例b)
トピラマート群
(61例b)
優越性検定c)
中央値13.7%33.4%0.006
最小値〜最大値−102.2〜82.3%−178.3〜96.6%
a)発作発現頻度減少率は、観察期(12週間)と有効性評価期(漸増期3週間+固定期12週間)の期間中に発現した発作回数を、それぞれ28日あたりの発現頻度に換算して算出した。b)有効性評価症例c)Wilcoxonの二標本検定のp値を示した。

第II相試験(非盲検試験)

既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られないてんかん患者を対象として、非盲検試験3試験(他の抗てんかん薬との併用療法)を実施した。各試験の部分てんかん患者における最終全般改善度の改善割合(「中等度改善」以上)は以下のとおりであった。

試験用量
(mg/日)
投与例数最終全般改善度改善割合c)
前期第II相試験100〜4003941.2%(14/34例)
前期第II相試験その2200〜60018a) 50.0%(6/12例)
後期第II相試験[5] 100〜600122b) 41.1%(39/95例)
a)全般てんかん4例含むb)全般てんかん7例含むc)部分てんかん患者での有効性評価症例における最終全般改善度が「中等度改善」以上であった症例の割合

発作型別レスポンダー率

第II相試験及び第III相試験成績を統合した結果、部分発作を有するてんかん患者210例における発作型別レスポンダー率(発作発現頻度が50%以上減少した症例の割合)は以下のとおりであった。

発作型a) レスポンダー率
単純部分発作33.8%(27/80例)
複雑部分発作32.0%(58/181例)
二次性全般化強直間代発作27.8%(10/36例)
a)観察期に発現した発作型(重複あり)

長期投与試験

第II相試験終了後、継続投与が必要と認められたてんかん患者58例を対象として、長期投与試験(最高用量600mg/日、最長569週)を実施した。評価例数は1年目が51例、2年目が42例、3年目が27例、4年目が24例、5年目が19例であり、5年目の最終全般改善度が「中等度改善」以上であった症例の改善割合は84.2%(16/19例)であった。また、副作用発現率は72.4%(42/58例)であった。

第III相試験(延長投与を含む)における本剤の長期投与(最高用量600mg/日、最長233週)の有効性評価症例(124例)では、「投与開始〜6ヵ月目」は124例、「6ヵ月目〜1年目」は102例、「1年目〜2年目」は36例であり、「1年目〜2年目」の発作発現頻度減少率の中央値は47.15%であった。また、副作用発現率は97.6%(122/125例)であった。

小児

第III相試験(非盲検試験)[6]

既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない2歳から15歳のてんかん患児59例を対象とした非盲検試験(他の抗てんかん薬との併用療法)において、有効性評価期間(漸増期間8週間及び用量維持期間8週間)における観察期間からの4週あたりの部分発作発現頻度減少率の中央値[95%信頼区間]は34.0[16.3,50.3]%であり、部分発作発現頻度の減少が認められた。

長期投与試験[7]

第III相試験終了後、継続投与が必要と認められたてんかん患児48例を対象として、長期投与試験(最高用量9mg/kg/日又は600mg/日のいずれか低い投与量まで、最長36週)を実施した。各評価期間の部分発作発現頻度減少率の中央値は、12週後で46.2%、24週後で49.5%、36週後で55.6%であった。

海外における臨床成績(成人、参考)

海外で部分てんかん患者188例を対象として、通常の漸増法(開始用量100mg/日、1週ごとに200、400mg/日と増量)と緩徐な漸増法(開始用量50mg/日、1週ごとに50mg/日ずつ増量)とで目標用量を400mg/日とした二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施された。その結果、最終来院時点における発作発現頻度減少率の中央値は、通常の漸増法33.3%(92例)及び緩徐な漸増法42.0%(93例)であった。また、副作用発現率は通常の漸増法95.7%(89/93例)及び緩徐な漸増法88.4%(84/95例)であった。トピラマートの治療を変更(中止、中断又は減量)した有害事象発現率は、通常の漸増法37.6%(35/93例)及び緩徐な漸増法25.3%(24/95例)であり、変更までの投与期間を考慮したとき緩徐な漸増法で有意に低かった(p=0.048)。

海外で既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分てんかん患者263例を対象に、緩徐な漸増法(開始用量50mg/日、1週ごとに50mg/日ずつ増量)とより緩徐な漸増法(開始用量25mg/日、1週ごとに25mg/日ずつ増量)とで目標用量を200mg/日としたプラセボ対照二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施された。その結果、トピラマート群(168例)の発作発現頻度減少率の中央値はプラセボ群(91例)よりも有意に高く(p<0.001)、緩徐な漸増法(83例)とより緩徐な漸増法(85例)では有意差は認められなかった(p=0.065)。また、副作用発現率は緩徐な漸増法64.0%(55/86例)、より緩徐な漸増法58.8%(50/85例)であった。

薬効薬理

薬理作用[8][9][10][11][12][13]

最大電撃痙攣を抑制する(ラット、マウス)。

部分てんかんモデルのキンドリング痙攣を抑制する(ラット)。

遺伝性てんかんモデルの強直性痙攣及び欠神様発作(自然発症てんかんラット)、聴原発作(DBA/2マウス)を抑制する。

一過性全脳虚血及び出生後低酸素負荷誘発痙攣を抑制する(ラット)。

作用機序[14][15][16][17][18]

本剤により、持続性脱分極パルスによって起こる頻回発火の抑制、L型カルシウム電流の抑制、カイニン酸誘発内向き電流の抑制、GABAA受容体を介したGABAによるクロライドイオン流入の促進及びヒト炭酸脱水酵素(II型及びIV型)の阻害が認められた。これらの事実から、本剤の抗てんかん作用は電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用、電位依存性L型カルシウムチャネル抑制作用、AMPA(α-Amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionic acid)/カイニン酸型グルタミン酸受容体機能抑制作用、GABA存在下におけるGABAA受容体機能増強作用及び炭酸脱水酵素阻害作用に基づくと推定されている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名トピラマート
一般名(欧名)Topiramate
化学名(−)-2,3:4,5-Di-O-isopropylidene-β-D-fructopyranose sulfamate
分子式C12H21NO8S
分子量339.36
性状白色の結晶であり、においはなく、味は苦い。
溶解性メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
分配係数logP'OCT=0.59〔測定法:フラスコシェイキング法 n-オクタノール/pH7緩衝溶液〕
KEGG DRUGD00537

包装

トピナ錠25mg

[PTP]

100錠(10錠×10)

[バラ]

500錠

トピナ錠50mg

[PTP]

100錠(10錠×10)

[バラ]

500錠

トピナ錠100mg

[PTP]

100錠(10錠×10)

[バラ]

500錠

主要文献


1. 社内資料:細粒剤と錠剤の生物学的同等性試験
2. 大塚頌子,  てんかん研究,  32 (1),  13,  (2014) »J-STAGE
3. Oiwa H.,et al.,  Jpn.Pharmacol.Ther.,  36 (6),  493,  (2008)
4. 松田一己,他,  新薬と臨床,  56 (9),  1385,  (2007)
5. 大沼悌一,他,  新薬と臨床,  56 (10),  1659,  (2007)
6. 大塚頌子,  てんかん研究,  31 (1),  19,  (2013) »J-STAGE
7. 社内資料:部分発作を有する小児てんかん患者の長期投与試験
8. Shank R.P.,et al.,  Epilepsia,  35 (2),  450,  (1994) »PubMed
9. Wauquier A.,Zhou S.,  Epilepsy Res.,  24 (2),  73,  (1996) »PubMed
10. Kanda T.,et al.,  Life Sci.,  59 (19),  1607,  (1996) »PubMed
11. Nakamura J.,et al.,  Eur.J.Pharmacol.,  254 (1-2),  83,  (1994) »PubMed
12. Edmonds H.L.Jr.,et al.,  Life Sci.,  59 (10),  PL127,  (1996) »PubMed
13. Koh S.,Jensen F.E.,  Ann.Neurol.,  50 (3),  366,  (2001) »PubMed
14. DeLorenzo R.J.,et al.,  Epilepsia,  41 (Suppl.1),  40,  (2000) »PubMed
15. Zhang X.,et al.,  Epilepsia,  41 (Suppl.1),  52,  (2000)
16. Gibbs J.W.3rd.,et al.,  Epilepsia,  41 (Suppl.1),  10,  (2000) »PubMed
17. White H.S.,et al.,  Epilepsy Res.,  28 (3),  167,  (1997) »PubMed
18. Dodgson S.J.,et al.,  Epilepsia,  41 (Suppl.1),  35,  (2000) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2013年11月 改訂(用法・用量追加に伴う改訂)
2014年9月 第9版 改訂(薬事法改正に伴う改訂、他)

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/11/22 版