医療用医薬品 : オキシコンチン

List   Top

医薬品情報


総称名 オキシコンチン
一般名 オキシコドン塩酸塩水和物
欧文一般名 Oxycodone Hydrochloride Hydrate
製剤名 オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠
薬効分類名 持続性癌疼痛治療剤
薬効分類番号 8119
ATCコード N02AA05
KEGG DRUG D05462 オキシコドン塩酸塩水和物
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 原則禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オキシコンチンTR錠5mg OXYCONTIN 塩野義製薬 81190A0G5024 劇薬 , 麻薬 , 処方箋医薬品
オキシコンチンTR錠10mg OXYCONTIN 塩野義製薬 81190A0G6020 劇薬 , 麻薬 , 処方箋医薬品
オキシコンチンTR錠20mg OXYCONTIN 塩野義製薬 81190A0G7027 劇薬 , 麻薬 , 処方箋医薬品
オキシコンチンTR錠40mg OXYCONTIN 塩野義製薬 81190A0G8023 劇薬 , 麻薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な呼吸抑制のある患者,重篤な慢性閉塞性肺疾患の患者[呼吸抑制を増強する。]

気管支喘息発作中の患者[呼吸を抑制し,気道分泌を妨げる。]

慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]

痙攣状態(てんかん重積症,破傷風,ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]

麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制する。]

急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]

アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者

出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では,症状の悪化,治療期間の延長を来すおそれがある。]

原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること

細菌性下痢のある患者[治療期間の延長を来すおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法用量

通常,成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として1日10〜80mgを2回に分割経口投与する。
なお,症状に応じて適宜増減する。

用法用量に関連する使用上の注意

初回投与

本剤の投与開始前のオピオイド鎮痛薬による治療の有無を考慮して,1日投与量を決め,2分割して12時間ごとに投与すること。

オピオイド鎮痛薬を使用していない患者には,疼痛の程度に応じてオキシコドン塩酸塩として10〜20mgを1日投与量とすることが望ましい。

モルヒネ製剤の経口投与を本剤に変更する場合には,モルヒネ製剤1日投与量の2/3量を1日投与量の目安とすることが望ましい。

経皮フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には,経皮フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから,剥離直後の本剤の使用は避け,本剤の使用を開始するまでに,フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに,本剤の低用量から投与することを考慮すること。

疼痛増強時

本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は,直ちにオキシコドン塩酸塩等の即放性製剤の追加投与(レスキュー薬の投与)を行い鎮痛を図ること。

増量

本剤投与開始後は患者の状態を観察し,適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。5mgから10mgへの増量の場合を除き増量の目安は,使用量の25〜50%増とする。

減量

連用中における急激な減量は,退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は,患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。

投与の中止

本剤の投与を必要としなくなった場合には,退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。

食事の影響により本剤のCmax及びAUCが上昇することから,食後に投与する場合には,患者の状態を慎重に観察し,副作用発現に十分注意すること。また,食後又は空腹時のいずれか一定の条件下で投与すること。[「薬物動態」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

心機能障害あるいは低血圧のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]

呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]

肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]

ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]

代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こしたときアシドーシスを増悪させるおそれがある。]

甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]

副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている。]

薬物・アルコール依存又はその既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]

薬物,アルコール等による精神障害のある患者[症状が増悪するおそれがある。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

衰弱者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている。]

前立腺肥大による排尿障害,尿道狭窄,尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある。]

器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]

痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]

胆嚢障害,胆石症又は膵炎の患者[オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。]

重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合,巨大結腸症を起こすおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤は徐放性製剤であることから,急激な血中濃度の上昇による重篤な副作用の発現を避けるため,服用に際して割ったり,砕いたり,あるいはかみ砕かないよう患者に指導すること。

本剤は乱用防止を目的とした製剤であり,水を含むとゲル化するため,舐めたり,ぬらしたりせず,口に入れた後は速やかに十分な水でそのまま飲み込むよう患者に指導すること。嚥下が困難な患者及び消化管狭窄を伴う疾患を有する患者では,嚥下障害及び消化管閉塞のリスクが高まるため,本剤以外の鎮痛薬を使用することを考慮し,やむを得ず本剤を使用する際には,患者の状態を慎重に観察し,副作用の発現に十分注意すること。

連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。[「副作用」の項参照]

眠気,眩暈が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

本剤を投与する場合には,便秘に対する対策として緩下剤,嘔気・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を,また,鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には,過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど,本剤投与時の副作用に十分注意すること。

本剤を増量する場合には,副作用に十分注意すること。

本剤の医療目的外使用を防止するため,適切な処方を行い,保管に留意するとともに,患者等に対して適切な指導を行うこと。[「適用上の注意」の項参照]

相互作用

相互作用序文

本剤は,主として薬物代謝酵素CYP3A4及び一部CYP2D6で代謝される。[「薬物動態」の項参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

併用注意

中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体,バルビツール酸誘導体等
吸入麻酔剤
MAO阻害剤
三環系抗うつ剤
β遮断剤
アルコール
臨床症状:呼吸抑制,低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。
措置方法:減量するなど慎重に投与すること。
相加的に中枢神経抑制作用を増強させる。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがあるので投与量を調節するなど慎重に投与すること。機序は不明
抗コリン作用を有する薬剤臨床症状:麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こることがある。相加的に抗コリン作用を増強させる。
ブプレノルフィン,
ペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させることがある。また,退薬症候を起こすことがある。ブプレノルフィン,ペンタゾシン等は本剤の作用するμ受容体の部分アゴニストである。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
ボリコナゾール,イトラコナゾール,フルコナゾール,リトナビル,クラリスロマイシン等
本剤の血中濃度が上昇し,副作用が発現するおそれがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。CYP3A4を介する本剤の代謝が阻害される。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
リファンピシン,カルバマゼピン,フェニトイン等
本剤の血中濃度が低下し,作用が減弱する可能性がある。なお,これらの薬剤の中止後に,本剤の血中濃度が上昇し,副作用が発現するおそれがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。CYP3A4を介する本剤の代謝が促進される。

副作用

副作用発現状況の概要

オキシコンチン錠の承認時における安全性評価対象例302例中,副作用は231例(76.5%)に認められた。主なものは眠気160例(53.0%),便秘116例(38.4%),嘔気116例(38.4%),嘔吐56例(18.5%),食欲不振12例(4.0%),眩暈10例(3.3%),そう痒感10例(3.3%)等であった。

オキシコンチン錠の再審査終了時における安全性評価対象例1189例中,副作用は446例(37.51%)に認められた。主なものは,便秘256例(21.53%),悪心158例(13.29%),傾眠71例(5.97%),嘔吐63例(5.30%)であった。

(副作用の発現頻度は承認時,再審査終了時の成績に基づく。)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック,アナフィラキシー(頻度不明※)

ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,顔面蒼白,血圧低下,呼吸困難,頻脈,全身発赤,血管浮腫,蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

依存性(頻度不明※)

連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。また,連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,あくび,くしゃみ,流涙,発汗,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,散瞳,頭痛,不眠,不安,譫妄,痙攣,振戦,全身の筋肉・関節痛,呼吸促迫,動悸等の退薬症候があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,1日用量を徐々に減量するなど,患者の状態を観察しながら行うこと。

呼吸抑制(0.1〜1%未満)

呼吸抑制があらわれることがあるので,息切れ,呼吸緩慢,不規則な呼吸,呼吸異常等があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお,本剤による呼吸抑制には,麻薬拮抗剤(ナロキソン,レバロルファン等)が拮抗する。

錯乱(頻度不明※),譫妄(0.1〜1%未満)

錯乱,譫妄があらわれることがあるので,このような場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫(頻度不明※)

無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。

麻痺性イレウス(0.1〜1%未満),中毒性巨大結腸(頻度不明※)

麻痺性イレウスがあらわれることがある。また,炎症性腸疾患の患者に投与した場合,中毒性巨大結腸があらわれるとの報告があるので,これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

肝機能障害(0.1〜1%未満)

AST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

※:自発報告又は国外において報告されている副作用のため頻度不明

その他の副作用

 5%以上5%未満頻度不明
過敏症注1  発疹蕁麻疹
循環器  不整脈,血圧変動,低血圧,起立性低血圧,失神
精神神経系眠気,傾眠眩暈,発汗,幻覚,意識障害,しびれ,筋れん縮,頭痛,頭重感,焦燥,不安,異夢,悪夢,視調節障害,不眠,抑うつ,感情不安定興奮,縮瞳,神経過敏,感覚異常,痙攣,振戦,筋緊張亢進,健忘,多幸感,思考異常,構語障害
消化器便秘,嘔気,嘔吐下痢,食欲不振,胃不快感,口渇,腹痛,鼓腸おくび,味覚異常,嚥下障害
その他 そう痒感,発熱,脱力感,倦怠感,胸部圧迫感,血管拡張(顔面潮紅,熱感),排尿障害,尿閉,脱水,呼吸困難悪寒,頭蓋内圧の亢進,無月経,性欲減退,勃起障害,浮腫,皮膚乾燥
注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。※:自発報告又は国外において報告されている副作用のため頻度不明

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しており,特に呼吸抑制の感受性が高いため,患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること。なお,薬物動態において高齢者と非高齢者成人には差がなかった。[「薬物動態」の項参照]

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[オキシコドンでは催奇形作用は認められていないが,類薬のモルヒネの動物試験(マウス)で催奇形作用が報告されている。]

分娩前に投与した場合,出産後新生児に退薬症候(多動,神経過敏,不眠,振戦等)があらわれることがある。

分娩時の投与により,新生児に呼吸抑制があらわれることがある。

授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

徴候・症状

呼吸抑制,意識不明,痙攣,錯乱,血圧低下,重篤な脱力感,重篤な眩暈,嗜眠,心拍数の減少,神経過敏,不安,縮瞳,皮膚冷感等を起こすことがある。

処置

過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。

投与を中止し,気道確保,補助呼吸及び調節呼吸により適切な呼吸管理を行う。

麻薬拮抗剤投与を行い,患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお,麻薬拮抗剤の作用持続時間はオキシコドンのそれより短いので,患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。

必要に応じて,補液,昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。

適用上の注意

患者等に対する指導

本剤の投与にあたっては,具体的な服用方法,服用時の注意点,保管方法等を十分に説明し,本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに,本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

本剤が不要となった場合には,病院又は薬局へ返納するなどの処置について適切に指導すること。

薬物動態

血漿中濃度

健康成人

健康成人男性24例を対象に,オキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態を検討した[1]

図1 経口投与時の血漿中オキシコドン,ノルオキシコドン並びにオキシモルフォンの濃度推移

表1 薬物動態パラメータ

 nCmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-48(ng・hr/mL)T1/2(hr)
オキシコドン2423.3±3.12.5±1.4303.5±61.85.7±1.1
ノルオキシコドン14.3±2.83.8±1.8246.7±55.87.0±1.3
オキシモルフォン0.3±0.12.0±1.14.2±2.016.8±8.9
(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.)

オキシコドン及びその代謝物の血漿中濃度はCmax,AUC共にオキシコドン>ノルオキシコドン>オキシモルフォンの順であり,オキシモルフォンは他に比べてかなり低かった。(図1)

ノルオキシコドンの活性は弱く,また,活性の強いオキシモルフォンは微量にしか生成しないため,投与時の薬力学的評価項目(瞳孔径,呼吸数,鎮静作用等)はオキシコドンの血漿中濃度と相関した。また,オキシコドンのCmax並びにAUCはほぼ投与量に比例して上昇した。

生物学的同等性

健康成人においてオキシコンチン錠10mg又はオキシコンチンTR錠10mgそれぞれ1錠をクロスオーバー法にて空腹時に単回経口投与し,薬物動態を比較した。Cmax及びAUCの対数の平均値の差について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり,オキシコンチンTR錠はオキシコンチン錠と生物学的同等性の判定基準を満たした[2]

表2 10mg錠 空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ

製剤・用量nCmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-last(ng・hr/mL)T1/2(hr)
オキシコンチン錠10mg2910.6±3.761.97±1.3986.67±25.704.86±1.26
オキシコンチンTR錠10mg289.81±2.743.43±1.4388.73±26.034.87±0.748
(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.)

図2 10mg錠 空腹時経口投与時の血漿中オキシコドンの濃度推移

健康成人においてオキシコンチン錠40mg又はオキシコンチンTR錠40mgそれぞれ1錠をクロスオーバー法にて空腹時及び食後(高脂肪食)に単回経口投与し,薬物動態を比較した。空腹時投与では,Cmax及びAUCの対数の平均値の差について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり,オキシコンチンTR錠はオキシコンチン錠と生物学的同等性の判定基準を満たした[3]。食後(高脂肪食)投与においてCmaxの対数の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲に含まれず,生物学的同等性の判定基準を満たさなかった[3]

表3 40mg錠 空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ

製剤・用量nCmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-last(ng・hr/mL)T1/2(hr)
オキシコンチン錠40mg2835.3±7.572.48±1.15435.5±89.345.52±2.26
オキシコンチンTR錠40mg2840.2±10.83.46±1.06403.5±102.14.15±0.422
(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.)

図3 40mg錠 空腹時経口投与時の血漿中オキシコドンの濃度推移

表4 40mg錠 食後(高脂肪食)単回経口投与時の薬物動態パラメータ

製剤・用量nCmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-last(ng・hr/mL)T1/2(hr)
オキシコンチン錠40mg3145.8±7.124.11±1.64512.5±118.04.91±1.05
オキシコンチンTR錠40mg3162.9±10.74.60±1.38518.5±130.94.24±0.447
(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.)

図4 40mg錠 食後(高脂肪食)経口投与時の血漿中オキシコドンの濃度推移

食事の影響

健康成人16例においてオキシコンチンTR錠10mgを高脂肪食摂取後に投与したとき,空腹時に比較してオキシコドンのCmaxが73%,AUCが38%増加した[2]

健康成人においてオキシコンチンTR錠40mgを高脂肪食摂取後(34例)に投与したとき,空腹時(28例)に比較してオキシコドンのCmaxが60%,AUCが28%増加した[3]

バイオアベイラビリティ

オキシコドン塩酸塩の健康成人9例でのバイオアベイラビリティは約60%であった[4]。また,癌患者12例でのバイオアベイラビリティは平均87%であった[5]。(外国人によるデータ)

男女差

健康成人男女各14例にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,女性では,Cmax並びにAUCが,いずれも男性より約1.4倍高かった[6]。(外国人によるデータ)

高齢者

健康高齢者(65〜79歳),健康非高齢者(21〜45歳)各14例にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,薬物動態に関しては高齢者と非高齢者との間に差は認められなかった[6]。(外国人によるデータ)

肝障害者

肝障害者12例にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,AUC並びにCmaxはそれぞれ健康成人の約2倍及び約1.5倍と有意に高く,薬力学的評価項目を増強させる傾向がみられた[7]。(外国人によるデータ)

腎障害者

腎障害者12例(クレアチニンクリアランス:60mL/min未満)にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,AUC並びにCmaxはそれぞれ健康成人の約1.6倍及び1.4倍であった。腎障害者の鎮静作用は健康成人に比べて増加傾向を示した[8]。(外国人によるデータ)

分布

体組織への移行(参考)

[3H]-オキシコドン塩酸塩水和物をラットに投与したとき,速やかに全身に分布し,ほとんどの組織で投与約1時間後に最高濃度を示し,その後速やかに低下した。作用部位である脳内における消失は,他の組織に比べて緩やかであった。なお,投与72時間後すべての組織において残留することはなかった[9]

母乳中への移行

オキシコドン塩酸塩とアセトアミノフェンの合剤を授乳婦に経口投与したとき,母乳への移行が認められ,そのときの投与0.25〜12時間後におけるオキシコドン塩酸塩濃度の乳汁/血漿中濃度の平均比率は3.4であった[10]。(外国人によるデータ)

代謝

ヒトにおけるオキシコドンの主代謝経路は,N-脱メチル化反応によるノルオキシコドンへの代謝であり,O-脱メチル化反応によるオキシモルフォンへの代謝及びグルクロン酸抱合代謝を受けることが知られている。ノルオキシコドンのAUCはオキシコドンの約80%程度である。薬理活性を示すオキシモルフォンのAUCはオキシコドンの約1.4%である[1][11]

オキシコドンの代謝についてヒト肝ミクロソームを用いて検討した結果,ノルオキシコドンへの代謝についてはCYP3A4が,オキシモルフォンへの代謝についてはCYP2D6が主に関与していることが確認された[11]

排泄

健康成人にオキシコドン塩酸塩0.28mg/kgを経口投与したとき,投与後24時間までの尿中に投与量の5.5±2.5%(mean±S.D.)が未変化体として,また,2.3±5.5%がオキシコドンの抱合体として排泄された。また,尿中にはノルオキシコドンとオキシモルフォン抱合体も排泄された[4]。(外国人によるデータ)

薬物相互作用

ボリコナゾール(100〜200mg/日,経口投与)とオキシコドン塩酸塩(24〜48mg/日,持続皮下投与)を4日間併用した症例(1例)の定常状態時におけるオキシコドンの血漿中濃度は,測定した全症例の平均の3.57倍であった[12]。(国内におけるオキシコドン注射剤の臨床試験成績)
また,ボリコナゾール〔400mg/日(2日目のみ600mg/日)〕の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,オキシコドンのCmaxが1.72倍,AUCが3.61倍上昇したとの報告がある[13]。(外国人によるデータ)

リトナビル(600mg/日)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,オキシコドンのCmaxが1.74倍,AUCが2.95倍上昇したとの報告がある[14]。(外国人によるデータ)

クラリスロマイシン(1000mg/日:承認外用量)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,若年者群(19〜25歳)のオキシコドンのCmaxが1.45倍,AUCが2.02倍上昇し,また,高齢者群(70〜77歳)のオキシコドンのCmaxが1.68倍,AUCが2.31倍上昇したとの報告がある[15]。(外国人によるデータ)

リファンピシン(600mg/日)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩を単回静脈内投与(0.1mg/kg)した場合でAUCが1/2.2に,単回経口投与(15mg)した場合でAUCが1/7.1に減少したとの報告がある[16]。(外国人によるデータ)

臨床成績

オキシコンチン錠の承認時における一般臨床試験での中等度から高度の癌疼痛に対する臨床試験成績の概要は下表のとおりであった[17]

本剤投与による疼痛コントロール達成状況から有効性を評価した。

表5 臨床成績

対象の前治療薬剤疼痛コントロール達成例数/評価対象例数疼痛コントロール率(%)
オピオイド鎮痛剤非使用例18/2090.0
オピオイド鎮痛剤使用例27/3090.0
非使用例5/5
疼痛コントロール率(%)=疼痛コントロール達成例数/評価対象例数×100

本剤投与による全般改善度から有効性を評価した。

表6 臨床成績

対象の前治療薬剤改善例数/改善度評価対象例数改善率(%)
モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠使用例66/8082.5
オピオイド鎮痛剤非使用例37/4190.2
改善率(%)=(著明改善+改善)/全般改善度評価対象例数×100モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠使用例に対しては,2/3量の本剤に切り替えた。

薬効薬理

薬理作用

鎮痛作用

鎮痛作用についてモルヒネ硫酸塩を対照薬として検討した。
マウスのHot plate法,Tail pressure法,酢酸ライジング法及びラットのTail flick法(いずれも経口投与)を用いて検討した結果,オキシコドン塩酸塩はモルヒネ硫酸塩よりED50値で3〜6倍,効力比で3〜5倍強い鎮痛作用を示した[18]

表7 鎮痛作用

試験法動物種ED50(95%信頼限界)mg/kg
オキシコドン塩酸塩モルヒネ硫酸塩
Hot plate法マウス3.2(0.9-5.3)15.6(8.6-21.9)
Tail pressure法マウス3.5(2.7-4.5)8.9(4.8-12.7)
酢酸ライジング法マウス2.3(1.6-4.0)7.0(4.6-15.6)
Tail flick法ラット3.8(1.8-5.5)21.6(19.2-24.2)

作用機序

モルヒネと同様にμオピオイド受容体を介して鎮痛作用を示すものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名オキシコドン塩酸塩水和物
一般名(欧名)Oxycodone Hydrochloride Hydrate
化学名(5R)-4,5-Epoxy-14-hydroxy-3-methoxy-17-methylmorphinan-6-one monohydrochloride trihydrate
分子式C18H21NO4・HCl・3H2O
分子量405.87
性状白色の結晶性の粉末である。
水,メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,無水酢酸に溶けにくい。
光によって変化する。
KEGG DRUGD05462

包装

オキシコンチンTR錠5mg

PTP20錠(10錠×2),PTP100錠(10錠×10)

オキシコンチンTR錠10mg

PTP20錠(10錠×2),PTP100錠(10錠×10)

オキシコンチンTR錠20mg

PTP20錠(10錠×2),PTP100錠(10錠×10)

オキシコンチンTR錠40mg

PTP20錠(10錠×2),PTP100錠(10錠×10)

主要文献


1. 社内資料(単回投与試験)
2. 社内資料(10mg錠の生物学的同等性試験)
3. 社内資料(40mg錠の生物学的同等性試験)
4. Poyhia,R.et al.,  Br.J.Clin.Pharmacol.,  33 (6),  617,  (1992) »PubMed
5. Leow,K.P.et al.,  Clin.Pharmacol.Ther.,  52 (5),  487,  (1992) »PubMed
6. 社内資料(高齢者における薬物動態)
7. 社内資料(肝機能障害者における薬物動態)
8. 社内資料(腎機能障害者における薬物動態)
9. 社内資料(ラットにおける組織分布)
10. Marx,C.M.et al.,  Drug Intell.Clin.Pharm.,  20,  474,  (1986)
11. 社内資料(肝代謝酵素)
12. 社内資料(国内第3相試験,有効性及び安全性の概要(注射剤))
13. Hagelberg,N.M.et al.,  Eur.J.Clin.Pharmacol.,  65 (3),  263,  (2009) »PubMed
14. Nieminen,T.H.et al.,  Eur.J.Clin.Pharmacol.,  66 (10),  977,  (2010) »PubMed
15. Liukas,A.et al.,  J.Clin.Psychopharmacol.,  31 (3),  302,  (2011) »PubMed
16. Nieminen,T.H.et al.,  Anesthesiology,  110 (6),  1371,  (2009) »PubMed
17. 社内資料(第3相試験,MSコンチン錠との交叉比較試験)ほか
18. 社内資料(マウス,ラットにおける鎮痛作用)

作業情報


改訂履歴

2017年8月 第1版 作成

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
塩野義製薬株式会社
541-0045
大阪市中央区道修町3丁目1番8号
0120-956-734

業態及び業者名等

提携
ムンディファーマB.V.

製造販売元
塩野義製薬株式会社
541-0045
大阪市中央区道修町3丁目1番8号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/10/18 版