医療用医薬品 : コホリン

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医薬品情報


総称名 コホリン
一般名 ペントスタチン
欧文一般名 Pentostatin
製剤名 ペントスタチン注射剤
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4291
ATCコード L01XX08
KEGG DRUG D00155 ペントスタチン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG02018 代謝拮抗薬
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2018年7月 改訂 (第14版)


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
コホリン静注用7.5mg Coforin KMバイオロジクス 4291404D1038 95782円/瓶 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤の投与は、緊急時に十分な措置ができる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し、下記の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行うこと。

本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

腎不全の患者(クレアチニンクリアランスが25mL/分未満の患者)

水痘又は帯状疱疹の患者

ビダラビン注射剤(販売名:アラセナ-A)を投与中の患者

シクロホスファミド又はイホスファミドを投与中の患者[ペントスタチンとシクロホスファミドとの併用により、心毒性が発現し死亡した症例が報告されているので、本剤とシクロホスファミド又はイホスファミドを併用しないこと1)。]

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

外国においてペントスタチンとビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、神経毒性等の重篤な副作用を発現したとの報告があるので併用しないこと2)

フルダラビンリン酸エステル製剤との併用により致命的な肺毒性が報告されているので併用しないこと3)

なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

腎不全の患者(クレアチニンクリアランスが25mL/分未満の患者)[腎不全が増悪するおそれがある。]

水痘又は帯状疱疹の患者[免疫抑制作用により水痘又は帯状疱疹が増悪するおそれがある。]

ビダラビン注射剤(販売名:アラセナ-A)を投与中の患者[「3.相互作用」の項参照]

シクロホスファミド又はイホスファミドを投与中の患者[「警告」、「3.相互作用」の項参照]

フルダラビンリン酸エステル製剤を投与中の患者[「警告」、「3.相互作用」の項参照]

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解

用法用量

成人T細胞白血病リンパ腫の場合

通常、ペントスタチンとして4〜5mg/m2(体表面積)を1週間間隔で4回静脈内投与する。この方法を1クールとし、2〜3クール繰り返す。

ヘアリーセル白血病の場合

通常、ペントスタチンとして4〜5mg/m2を1〜2週間に1回静脈内投与する。

いずれの場合にも、腎障害がある患者には、クレアチニンクリアランスを測定し、59〜40mL/分の場合には2〜4mg/m2に、39〜25mL/分の場合には1〜3mg/m2に減量し、それぞれ低用量から始めて安全性を確認しながら慎重に投与する。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[肝障害が増悪するおそれがある。]

腎障害のある患者(クレアチニンクリアランスが59〜25mL/分の患者)[腎障害が増悪するおそれがある。]

心機能異常のある患者[心機能異常が増悪するおそれがある。]

感染症を合併している患者[免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]

アロプリノール投与中の患者[「3.相互作用」の項参照]

高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

腎障害、肝障害等の副作用が起こることがあるので、適宜臨床検査(血液検査、腎機能・肝機能検査等)を行うなど、患者の状態を観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等適切な処置を行うこと。

感染症の発現又は増悪に十分注意すること。

免疫抑制作用が起こることがあるので十分注意すること。

腎障害の患者(2例、うち1例は高カルシウム血症)で溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)又は腎不全で死亡した症例が報告されているので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等適切な処置を行うこと。
なお、高カルシウム血症の患者では腎機能が低下しているおそれがあり、本剤の排泄が遅れる可能性があるので、高カルシウム血症の治療を行った後、本剤を投与すること。

食欲不振、嘔気・嘔吐等の消化器症状があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。

相互作用

併用禁忌

ビダラビン注射剤
(アラセナ-A等)
外国においてビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、けいれん発作、昏睡、脳浮腫、肺浮腫、代謝性アシドーシス、急性腎不全(いずれもグレード4)を発現したとの報告がある2)ビダラビンの代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼ(ADA)を本剤が阻害することによって惹起されると考えられる。
シクロホスファミド
(エンドキサン)
イホスファミド
(イホマイド)
骨髄移植の患者で、シクロホスファミド投与中にペントスタチンを単回投与したところ、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告がある1)。また、動物実験(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とシクロホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるイホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき、それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた4)機序は不明。
フルダラビンリン酸エステル
(フルダラ)
致命的な肺毒性が発現することがある3)機序は不明。

併用注意

アロプリノール外国においてアロプリノールとの併用により、皮疹の頻度が増加する傾向はみられていないが、因果関係不明の過敏性血管炎で死亡したとの報告(1例)がある5)機序は不明。
ビダラビン軟膏(アラセナ-A軟膏等)外国においてビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、けいれん発作、昏睡、脳浮腫、肺浮腫、代謝性アシドーシス、急性腎不全(いずれもグレード4)を発現したとの報告がある2)ビダラビンの代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼ(ADA)を本剤が阻害することによって惹起されると考えられる。
ネララビン本剤との併用により、ネララビンの作用が減弱するおそれがある。
なお、併用した場合の安全性は確認されていない。本剤とネララビンとの併用は避けることが望ましい。
in vitroにおいて本剤との併用によりネララビンからara-Gへの変換が阻害されることが示されている。

副作用

副作用発現状況の概要

<概要>

総症例359例(承認時56例、使用成績調査303例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は60.4%であり、主なものは、白血球数減少(19.5%)、食欲不振(12.8%)、発熱(12.5%)、嘔吐(11.4%)、倦怠感(8.4%)、血小板数減少(7.8%)、悪心(7.5%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加(7.2%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(6.1%)、貧血(4.2%)であった。〔再審査終了時〕

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

重篤な腎障害

腎障害の患者で溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)又は腎不全で死亡した症例が報告されているので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

骨髄抑制(頻度不明)

汎血球減少、白血球減少(顆粒球減少、好中球減少、リンパ球減少)、血小板減少、貧血があらわれる又は増悪することがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 5%以上5%未満
心臓 頻脈、心電図異常
肝臓肝障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、総ビリルビン上昇等) 
腎臓腎障害(クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、BUN上昇、蛋白尿等) 
消化器食欲不振、嘔気・嘔吐下痢、腹痛、口内炎
皮膚 紅斑そう痒、紅斑性皮疹、皮膚炎、アレルギー性皮疹
血液白血球減少、血小板減少、貧血 
呼吸器 咳嗽、PaO2減少
精神神経系 意識障害、頭痛
抵抗機構 感染症(帯状疱疹、肺炎、腹膜炎)
その他全身倦怠感、発熱結膜炎、筋肉痛、背部痛、腹水、CRP上昇

高齢者への投与

本剤は、主として腎臓から排泄されるため、高齢者では腎機能が低下していることが考えられ、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量又は投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(マウス)で催奇形性作用、胚・胎児毒性がみられている6)7)。]

授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(マウス)で乳汁中への移行が認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

適用上の注意

投与経路

静脈内注射にのみ使用すること。

調製後

調製した注射液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。

投与時

本剤はpH6以下では安定性が低下するので、点滴静注の場合は、調製後2時間以内に投与すること。

本剤の尿中への排泄を促進するため、投与前後にそれぞれ500〜1000mLの輸液を行うことが望ましい。

薬物動態

血中濃度

成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)及びその他の悪性腫瘍患者15例に本剤の3〜7mg/m2を静脈内投与した場合、二相性の減衰を示し、α相の半減期は7〜10分、β相の半減期は3〜4時間であった。

投与量:5mg/m2(患者4例)の場合

t1/2α 9.6±3.6分
t1/2β 4.1±0.9時間
AUC1851.0±651.7ng・時間/mL

代謝と排泄

ATL及びその他の悪性腫瘍患者15例に本剤の3〜7mg/m2を静脈内投与した場合、速やかに腎より排泄され、尿中排泄量は24時間で72〜85%であった。

臨床成績

本剤における臨床試験成績の概要は次のとおりである。

病型奏効率
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)急性型23.5%(4/17)
リンパ腫型33.3%(1/3)
慢性型33.3%(2/6)
くすぶり型75.0%(3/4)
小計33.3%(10/30)
ヘアリーセル白血病(HCL)8) 100%(10/10)

薬効薬理

抗腫瘍作用

in vivoにおいて、P388、L1210などのマウス実験腫瘍に対する効果は認められていないが、ラットの実験腫瘍に対する効果が報告されている9)

作用機序

ペントスタチンは、アデノシンデアミナーゼを強力に阻害する。ペントスタチンを生体に投与すると、アデノシンデアミナーゼの阻害の結果としてデオキシアデノシンなどの抗腫瘍効果を有するアデノシン誘導体が出現し、これらの誘導体が抗腫瘍作用を発揮すると推察されている10)

有効成分に関する理化学的知見

一般名ペントスタチン
一般名(欧名)Pentostatin
慣用名2'-デオキシコホルマイシン、DCF
化学名(R)-3-((2R,4S,5R)-4-hydroxy-5-(hydroxymethyl)tetrahydrofuran-2-yl)-3,6,7,8-tetrahydroimidazo[4,5-d][1,3]diazepin-8-ol
分子式C11H16N4O4
分子量268.27
性状ペントスタチンは、白色〜微黄褐色の粉末である。
KEGG DRUGD00155

包装

7.5mg 1バイアル(溶解液7.5mL添付)

主要文献


1. Gryn,J.et al,  Bone Marrow Transplantation,  12,  217,  (1993) »PubMed
2. Miser,J.S.et al,  Am.J.Clin.Oncol.,  15,  490,  (1992) »PubMed »DOI
3. Cheson,B.D.et al,  J.Clin.Oncol.,  12,  2216,  (1994) »PubMed »DOI
4. 社内資料:相互作用に関する動物実験
5. Steinmetz,J.C.et al,  Am.J.Med.,  86,  499,  (1989) »PubMed
6. 渕上 勝野他,  基礎と臨床,  25,  3977,  (1991)
7. Airhart,M.J.et al,  TERATOLOGY,  47,  17,  (1993) »PubMed »DOI
8. 下山 正徳他,  Jpn.J.Clin.Oncol.,  22,  406,  (1992) »PubMed
9. Annual Report,FDA,  (1988)
10. Smyth,J.F.et al,  Can.Chem.Pharm.,  5,  93,  (1980) »PubMed »DOI

作業情報


改訂履歴

2017年4月 改訂
2018年7月 改訂 (第14版)

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/12/15 版