医療用医薬品 : ドンペリドン |
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総称名 | ドンペリドン |
一般名 | ドンペリドン |
欧文一般名 | Domperidone |
製剤名 | ドンペリドンドライシロップ |
薬効分類名 | 消化管運動改善剤 |
薬効分類番号 | 2399 |
ATCコード | A03FA03 |
KEGG DRUG |
D01745
ドンペリドン
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」 (後発品) | Domperidone | 日医工 | 2399005R1201 | 6.5円/g |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
消化管出血,機械的イレウス,消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある。]
プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す。]
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心,嘔吐,食欲不振,腹部膨満,腹痛)
小児
周期性嘔吐症,乳幼児下痢症,上気道感染症
抗悪性腫瘍剤投与時
小児
通常,ドンペリドンとして1日1.0〜2.0mg/kgを用時水で懸濁し,1日3回食前に分けて経口投与する。
なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。
ただし,1日投与量はドンペリドンとして30mgを超えないこと。また,6歳以上の場合はドンペリドンとして1日最高用量は1.0mg/kgを限度とすること。
慎重投与
小児(「小児等への投与」の項参照)
肝障害又は腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
心疾患のある患者[QT延長があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
本剤の投与により,間脳の内分泌機能調節異常,錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので,本剤の投与に際しては,有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。
眠気,めまい・ふらつきがあらわれることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させること。
相互作用
相互作用序文
本剤は主にCYP3A4で代謝される。
薬物代謝酵素用語
併用注意
フェノチアジン系精神神経用剤 プロクロルペラジン, クロルプロマジン, チエチルペラジン等 ブチロフェノン系製剤 ハロペリドール等 ラウオルフィアアルカロイド製剤 レセルピン等 | 内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなる。 | フェノチアジン系精神神経用剤,ブチロフェノン系製剤は中枢性の抗ドパミン作用を有し,ラウオルフィアアルカロイド製剤は中枢でカテコールアミンを枯渇させる。一方,本剤は血液−脳関門を通過しにくいが強い抗ドパミン作用を有する。 |
ジギタリス製剤 ジゴキシン等 | ジギタリス製剤飽和時の指標となる悪心,嘔吐,食欲不振症状を不顕化することがある。 ジギタリス製剤の血中濃度のモニターを行う。 | 本剤は制吐作用を有する。 |
抗コリン剤 ブチルスコポラミン臭化物, チキジウム臭化物, チメピジウム臭化物水和物等 | 本剤の胃排出作用が減弱することがある。 症状により一方を減量,中止する。又は必要に応じて間隔をあけて投与する。 | 抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する。 |
制酸剤 H2受容体拮抗剤 シメチジン, ラニチジン等 プロトンポンプ阻害剤 オメプラゾール等 | 本剤の効果が減弱するおそれがあるので,両剤の投与時間を考慮する。 | 胃内pHの上昇により,本剤の消化管吸収が阻害される。 |
CYP3A4阻害剤 イトラコナゾール, エリスロマイシン等 | 本剤の血中濃度が上昇する。また,エリスロマイシンとの併用においては,QT延長が報告されている。 | 左記薬剤の強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
ショック,アナフィラキシー
ショック,アナフィラキシー(発疹,発赤,呼吸困難,顔面浮腫,口唇浮腫等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
錐体外路症状
後屈頸,眼球側方発作,上肢の伸展,振戦,筋硬直等の錐体外路症状があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には,投与を中止すること。なお,これらの症状が強い場合には,抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
意識障害,痙攣
意識障害,痙攣があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸
AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
肝臓 | 肝機能異常(AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇,ビリルビン上昇,Al-P上昇,LDH上昇等) |
内分泌 | 女性化乳房注),プロラクチン上昇,乳汁分泌,乳房膨満感,月経異常 |
消化器 | 下痢,便秘,腹痛,腹部圧迫感,口渇,胸やけ,悪心,嘔吐,腹部膨満感,腹部不快感,腹鳴,腸痙攣 |
循環器 | 心悸亢進,QT延長 |
皮膚 | 蕁麻疹,発疹,そう痒 |
その他 | 口内のあれ,発汗,眠気,動揺感,めまい・ふらつき |
高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で骨格,内臓異常等の催奇形作用が報告されている。]
授乳中の婦人には大量投与を避けること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児において錐体外路症状,意識障害,痙攣が発現することがあるため,特に1才以下の乳児には用量に注意し,3才以下の乳幼児には7日以上の連用を避けること。
また,脱水状態,発熱時等では特に投与後の患者の状態に注意すること。
過量投与
錐体外路症状,めまい,見当識障害が起こるおそれがある(特に小児では起きやすい)。過量服用時には活性炭投与等適切な処置を行い,一般的な支持・対症療法を実施する。錐体外路症状に対しては抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行う。
その他の注意
外国において本剤による重篤な心室性不整脈及び突然死が報告されている。特に高用量を投与している患者又は高齢の患者で,これらのリスクが増加したとの報告がある。
生物学的同等性試験
ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」及び標準製剤を,クロスオーバー法によりそれぞれ2g(ドンペリドンとして20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について統計解析を行った結果,両剤の生物学的同等性が確認された。1)
(注意:本剤は小児用製剤である。)
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC0→24
(ng・hr/mL) | Cmax (ng/mL) | Tmax (hr) | t1/2
(hr) | |
ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」 | 74.76±18.75 | 21.06±6.63 | 0.55±0.21 | 10.03±1.93 |
標準製剤 (シロップ用,1%) | 77.41±25.03 | 22.41±7.46 | 0.52±0.17 | 9.15±1.59 |
血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
溶出挙動
ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」は,日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたドンペリドンドライシロップの溶出規格に適合していることが確認されている。2)
ドパミンD2受容体遮断薬である。胃運動の生理的調節において,胃壁内の神経叢ではD2受容体は抑制性の役割を演じているので,D2受容体遮断によって胃運動特異的な促進作用が期待され,消化管運動機能調整薬として用いられる。また,中枢の化学受容器引き金帯でのD2受容体は嘔吐に関与しているので,この部位でのD2受容体抑制による制吐作用も現す。同効薬の中では,ドンペリドンは後者の中枢性制吐作用が強い。3)
安定性試験
長期保存試験(25℃,相対湿度60%)の結果より,ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。4)
ドンペリドンドライシロップ小児用1%「日医工」
600g(バラ)
1. | 日医工株式会社 社内資料:生物学的同等性試験 |
2. | 日医工株式会社 社内資料:溶出試験 |
3. | 第十六改正日本薬局方解説書, C-3231, (2011) 廣川書店,東京 |
4. | 日医工株式会社 社内資料:安定性試験 |
改訂履歴 |
2013年6月 作成 |
文献請求先 |
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業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/4/20 版 |