医療用医薬品 : バイアグラ

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医薬品情報


総称名 バイアグラ
一般名 シルデナフィルクエン酸塩
欧文一般名 Sildenafil Citrate
製剤名 シルデナフィルクエン酸塩錠
薬効分類名 勃起不全治療剤
薬効分類番号 2590
KEGG DRUG D02229 商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
バイアグラ錠25mg VIAGRA Tablets ファイザー 259000AF1024 処方箋医薬品
バイアグラ錠50mg VIAGRA Tablets ファイザー 259000AF2020 処方箋医薬品

警告

本剤と硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること[「禁忌」の項参照]。

死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること[「禁忌」の項及び「副作用」の項参照]。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の患者[「警告」、「相互作用」の項参照]

心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者

重度の肝機能障害のある患者

低血圧の患者(血圧<90/50mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧の患者(安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)

脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者

網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼの遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]

塩酸アミオダロン(経口剤)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)

用法用量

通常、成人には1日1回シルデナフィルとして25mg〜50mgを性行為の約1時間前に経口投与する。
高齢者(65歳以上)、肝障害のある患者及び重度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者については、本剤の血漿中濃度が増加することが認められているので、25mgを開始用量とすること。
1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。

使用上の注意

慎重投与

陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者[性行為が困難であり痛みを伴う可能性がある。]

持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者

PDE5阻害薬又は他の勃起不全治療薬を投与中の患者[併用使用に関する安全性は確立していない。]

出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者[ニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。]

高齢者(65歳以上)[高齢者では血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること(「高齢者への投与」の項参照)。]

重度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者[血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。]

肝障害のある患者[血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。]

α遮断剤を投与中の患者[「相互作用」の項参照。]

チトクロームP450 3A4を阻害する薬剤を投与中の患者[本剤の血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。]

カルペリチドを投与中の患者[「相互作用」の項参照。]

多系統萎縮症(Shy-Drager症候群等)のある患者[本剤の血管拡張作用により、原疾患による低血圧を増悪させることがある。]

重要な基本的注意

投与に際しては、勃起不全及びその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定すること。

性行為は心臓へのリスクを伴うため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤の降圧作用を増強することがある。

脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者は禁忌であるが、それ以前に脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴のある患者に投与する場合には心血管系障害の有無等を十分確認すること[「禁忌」の項参照]。

4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国市販後有害事象で少数例報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。

本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない。

臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので自動車の運転や機械の操作に従事する場合には注意させること。

食事と共に本剤を投与すると、空腹時に投与した場合に比べ効果発現時間が遅れることがある。

本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[「その他の注意」の項参照]

相互作用

相互作用序文

本剤は主にチトクロームP450(CYP)3A4によって代謝されるが、CYP2C9もわずかではあるが関与している[「薬物動態」の項参照]。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

併用禁忌

硝酸剤及びNO供与剤
(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)
[「警告」の項参照]
併用により、降圧作用を増強することがある[1] [2] [3] [4]NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
塩酸アミオダロン
(アンカロン錠)
塩酸アミオダロンによるQTc延長作用が増強するおそれがある。機序不明。
類薬と塩酸アミオダロンの併用により、QTc延長があらわれるおそれがあるとの報告がある[5]
sGC刺激剤
リオシグアト(アデムパス)
併用により、症候性低血圧を起こすことがある[6]リオシグアト投与によりcGMP濃度が増加し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの細胞内濃度が増大し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。

併用注意

チトクロームP450 3A4阻害薬(リトナビル、サキナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等)リトナビル、サキナビル、エリスロマイシン、シメチジンとの併用により、本剤の血漿中濃度が上昇し、最高血漿中濃度(Cmax)がそれぞれ3.9倍、2.4倍、2.6倍、1.5倍に増加し、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)がそれぞれ10.5倍、3.1倍、2.8倍、1.6倍に増加した[7] [8] [9] [10] [11] [12]。[「慎重投与」の項参照。]代謝酵素阻害薬によるクリアランスの減少
チトクロームP450 3A4誘導薬(ボセンタン、リファンピシン等)本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。代謝酵素誘導によるクリアランスの増加
降圧剤アムロジピン等の降圧剤との併用で降圧作用を増強したとの報告がある[3] [13]本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用による降圧作用を増強することがある。
α遮断剤ドキサゾシン等のα遮断剤との併用でめまい等の自覚症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある[14]
降圧作用が増強することがあるので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。
本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用による降圧作用を増強することがある。
カルペリチド併用により降圧作用が増強するおそれがある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用による降圧作用を増強することがある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時の国内臨床試験157例において、65例(41.40%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)17例(10.83%)、頭痛17例(10.83%)、CK(CPK)増加9例(5.73%)等であった。

外国で実施された第II相試験及び第III相試験823例において、261例(31.71%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)125例(15.19%)、頭痛109例(13.24%)、消化不良28例(3.40%)等であった。

市販後の使用成績調査3152例(再審査終了時)において、166例(5.27%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)97例(3.08%)、頭痛34例(1.08%)、動悸13例(0.41%)等であった。

その他の副作用

 1%以上0.1〜1%未満0.1%未満頻度不明注1)
循環器血管拡張(ほてり、潮紅)胸痛、動悸、頻脈高血圧、不整脈、不完全右脚ブロック、末梢性浮腫心筋梗塞注2)、低血圧、失神
精神・神経系頭痛めまい、傾眠、昏迷異常感覚、下肢痙攣、記憶力低下、興奮、緊張亢進、錯乱、思考異常、神経炎、神経過敏、神経症、不安、不眠症、無気力 
肝臓 AST(GOT)増加ALT(GPT)増加、LAP上昇、LDH増加、血中トリグリセリド増加、γ-GTP増加、血清リン脂質上昇、血中アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、血中ビリルビン増加、総蛋白減少 
消化器 悪心、胃腸障害、口渇、消化不良、腹痛おくび、胃炎、胃不快感、下痢、口唇乾燥、舌障害、白舌、腹部膨満、便秘、嘔吐、嚥下障害 
泌尿・生殖器  陰茎痛、射精障害、朝立ちの延長、半勃起持続勃起の延長、持続勃起、尿路感染、前立腺疾患
呼吸器 鼻炎呼吸障害、鼻閉、咽頭炎、喘息鼻出血、気道感染症、副鼻腔炎
筋・骨格系 関節痛、筋肉痛骨痛、背部痛 
皮膚 発疹そう痒症、眼瞼そう痒症、脱毛症、男性型多毛症、発汗、皮膚乾燥、皮膚障害、紅斑 
血液  ヘマトクリット減少、ヘマトクリット増加、ヘモグロビン減少、リンパ球減少症、リンパ球増加症、好酸球増加症、赤血球減少症、赤血球増加症、白血球増加症 
感覚器 眼充血、結膜炎、彩視症、視覚障害眼乾燥、眼痛、屈折障害、光視症、味覚異常、味覚消失、流涙異常、羞明霧視、視力低下、網膜出血、網膜静脈閉塞、突発性難聴
その他 CK(CPK)増加、疼痛、熱感BUN増加、インフルエンザ症候群、リンパ節症、血中ナトリウム減少、血中リン増加、体重増加、血中尿酸増加、ウロビリノーゲン陽性、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽性、尿中蛋白陽性、疲労、無力症過敏性反応、感染症
発現頻度は承認時の国内臨床試験、外国で実施された第II相/第III相試験、及び使用成績調査の結果に基づいている。注1:自発報告等のため頻度不明。注2:因果関係は明らかではないが、市販後において本剤投与後に心筋梗塞が発症したとの報告がある(「外国市販後有害事象」の項参照)。

その他の副作用

外国市販後有害事象

外国における市販後の自発報告により、以下の有害事象(因果関係不明のものも含む)が報告されている(頻度不明)。これらには100mg投与例も含まれている。

心血管系

心原性突然死、心筋梗塞、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作と高血圧などの重篤な心血管系障害が本剤投与後に発現している。すべてではないが、これらの多くが心血管系のリスクファクターをすでに有している患者であった。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例ではあるが、性行為なしに本剤投与後に認められたものもあった。その他は、本剤を投与し性行為後の数時間から数日後に報告されている。これらの症例について、本剤、性行為、本来患者が有していた心血管系障害、これらの要因の組み合わせ又は他の要因に直接関連するかどうかを確定することはできない。

その他の事象

精神・神経系

発作、不安

泌尿・生殖器

勃起の延長、持続勃起、血尿

複視、一時的な視力喪失/視力低下、眼の充血、眼の灼熱感、眼球の腫脹/圧迫感、眼圧の上昇、網膜血管の障害又は出血、硝子体剥離/牽引、黄斑周囲の浮腫

高齢者への投与

高齢者では本剤のクリアランスが低下するため、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

女性に対する適応はない。

小児等への投与

小児等に対する適応はない。

過量投与

症状

外国において、健常被験者に800mgまで単回投与した場合、有害事象は低用量で認められたものと同様であったが、その頻度と重症度は上昇した。200mg投与ではより高い有効性を示すことはなかったが有害事象(頭痛、潮紅、めまい、消化不良、鼻炎、視覚異常)の発現率は増加した。100mgの有害事象発現率は、承認用量である25mg及び50mgより高かった。

処置

過量投与の際の特異的な薬物療法はないが、適切な対症療法を行うこと。なお、本剤は血漿蛋白結合率が高く、尿中排泄率が低いため腎透析によるクリアランスの促進は期待できない。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている]。

その他の注意

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害薬投与中に、まれに、視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されている。これらの患者の多くは、NAIONの危険因子[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]を有していた。
外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害薬の投与から半減期(t1/2)の5倍の期間内(シルデナフィルの場合約1日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている[15]

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害薬投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている。

本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない。

ラットの経口1ヵ月毒性試験では45mg/kg及び200mg/kg群で腸間膜動脈炎がみられたとの報告があるが、6ヵ月試験及びがん原性試験では認められなかった。また、ビーグル犬の経口長期毒性試験(6ヵ月、12ヵ月)の最高用量50mg/kg群において、雄動物に特発性若年性多発性動脈炎がみられたとの報告がある。しかし、これらの病変のヒトへの外挿性は低いものと判断されている。

動物実験で、メラニン色素に富む網膜との親和性が高いとの報告があるので、長期間投与する場合には眼科的検査を行うなど注意して投与すること。

薬物動態

血中濃度

単回投与

健常成人20名にシルデナフィル25,50,100及び150mgを単回経口投与した時のCmaxはそれぞれ105,192,425及び674ng/mLであった。AUC0-tはそれぞれ231,504,1148及び1977ng・hr/mLであり、投与量に比例して増加した。血漿中のシルデナフィルは終末相における半減期(T1/2)3.23〜3.31時間で速やかに消失した[16]

投与量(mg)Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)T1/2(hr)
250.8±0.6105±62231±103
500.9±0.4192±102504±202
1000.8±0.4425±1471148±2741190±3013.31±0.81
1500.9±0.5674±2391977±7332044±7213.23±0.73
平均値±標準偏差(n=20)Tmax:最高血漿中濃度到達時間Cmax:最高血漿中濃度AUC:血漿中濃度・時間曲線下面積T1/2:血漿中濃度半減期

連続投与

健常成人6名にシルデナフィル50及び100mgを1日1回7日間反復経口投与した時のCmin(投与後24時間値)は試験期間中を通して定量限界値(1ng/mL)付近であった。Tmax及びT1/2は7日間の反復投与により変化はしなかった[17]

(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg〜50mgである。)

代謝・排泄

健常成人6名にシルデナフィル10,25,50,75,100及び150mgを単回経口投与した時の投与後48時間までの投与量に対する未変化体の累積尿中排泄率は、0.3〜0.6%と僅かであり、投与量に関係なくほぼ一定の値を示した[18]

健常成人6名にシルデナフィル50又は100mgを1日1回7日間反復経口投与した時の投与量に対する未変化体の24時間毎の尿中排泄率は0.2〜0.9%の間で推移し、単回投与時と同程度であり反復投与による変化はなかった[17]

シルデナフィルは主として肝臓で代謝され、その主要代謝物N-脱メチル体の生成速度はCYP3A4が最も速く、次いでCYP2C9であった[19]

(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg〜50mgである。)

食事の影響

健常成人16名にシルデナフィル50mgを食後又は空腹時に単回経口投与し、体内動態に及ぼす食事の影響を検討した。シルデナフィルのTmaxは食後及び空腹時投与でそれぞれ3.0及び1.2時間であり、食後投与により吸収速度が有意に減少し、Tmaxが1.8時間延長することが認められた。Cmaxは食後投与で149ng/mL、空腹時投与で255ng/mLであり、AUC0-∞はそれぞれ697.5及び806.2ng・hr/mLであった。食後投与によりCmax及びAUC0-∞は空腹時に比べてそれぞれ42%及び14%有意に減少した[20]

高齢者

外国人のデータ

健常高齢者(65歳以上)15名及び健常若年者(18〜45歳)15名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時のTmaxは高齢者及び若年者でそれぞれ1.2時間及び1.1時間となりほぼ同様であった。Cmaxは高齢者で302.5ng/mL、若年者で178.2ng/mLであり、高齢者は若年者より60〜70%高い値を示した。AUC0-∞は高齢者及び若年者でそれぞれ1077.0ng・hr/mL及び586.0ng・hr/mLとなり、高齢者が若年者の約2倍高い値を示した。T1/2は高齢者で3.8時間、若年者で2.6時間であり、高齢者において長かった。高齢者ではクリアランスが有意に減少することが示された[21]

腎機能障害患者

外国人のデータ

健常者8名及び腎機能障害患者16名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時、腎機能の低下が軽度(クレアチニンクリアランス:Ccr=50-80mL/min)及び中等度(Ccr=30-49mL/min)の障害者では血漿中シルデナフィルのCmax及びAUC0-∞は健常者における値と有意差がなかったが、重度障害者(Ccr<30mL/min)ではCmax及びAUC0-∞ともに健常者に比べて約2倍と高い値を示した[21]

肝機能障害患者

外国人のデータ

健常者12名及び肝機能障害患者12名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時のシルデナフィルのCmax及びAUC0-∞の平均値は健常者に比較して、それぞれ約47%及び85%増加し、シルデナフィルのクリアランス(CL/F)は46%減少した[21]

臨床成績

臨床効果

主として臨床効果はIIEF(International Index of Erectile Function:国際勃起機能スコア)質問票(15質問)のうち、挿入の頻度に関する質問「ここ4週間、性交を試みた時、何回挿入することができましたか?」及び勃起の維持に関する質問「ここ4週間、性交中、挿入後何回勃起を維持することができましたか?」により行い、以下のスコアで評価した。

 スコア
性交の試み一度もなし0
毎回又はほぼ毎回(10回中9回以上)5
おおかた毎回(半分よりかなり上回る回数:10回中7回程度)4
時々(10回中5回)3
たまに(半分よりかなり下回る回数:10回中3回程度)2
全くなし又はほとんどなし(10回中1回以下)1

国内の後期第II相試験[22]、欧州及び米国の第III相試験では、「挿入の頻度」及び「勃起の維持」ともに全体として群間に有意差が認められた。さらに、本剤の各用量群とプラセボ群の間に有意差が認められた。

「挿入の頻度」と「勃起の維持」のスコアの推移
プライマリーエンドポイント統計量実施国投与前投与後ANCOVA
プラセボ群シルデナフィル群
25mg50mg
挿入の頻度平均値±SE(例数)日本1.65±0.08(243)2.17±0.19(60)3.52++±0.19(60)3.82++±0.19(58)p<0.001
平均値±SE(例数)欧州2.20±0.08(481)2.17±0.14(117)3.18±0.14(121)3.65±0.14(123)p<0.001
平均値±SE(例数)米国1.98±0.07(481)2.31±0.15(190)3.27±0.19(95)3.65±0.19(100)p<0.001
勃起の維持平均値±SE(例数)日本1.30±0.06(243)1.72±0.19(60)2.97++±0.19(60)3.53++±0.19(58)p<0.001
平均値±SE(例数)欧州1.83±0.07(474)1.96±0.15(115)2.99±0.14(119)3.40±0.14(122)p<0.001
平均値±SE(例数)米国1.58±0.06(480)2.20±0.16(189)3.15±0.20(95)3.51±0.20(100)p<0.001
投与前の値は単純平均値で、投与後の値は調整済平均値(LS mean)である。++:プラセボとのDunnett型の多重比較 p<0.001+ :プラセボとの比較(多重性の調整なし) p<0.001〔日・欧・米の各試験は100mg群を含む4群比較で実施されたことから、調整済平均値ならびにANCOVAの結果は、4群全体での解析結果を示した。本剤の日本での承認用量は1日1回25mg〜50mgである。〕

薬効薬理

PDE5阻害作用

ヒト陰茎海綿体のcGMP分解酵素であるPDE5の活性を、選択的かつ競合的に阻害した(IC50値:3.5nmol/L)[23]

陰茎海綿体内cGMP増大作用

NO供与体であるニトロプルシドナトリウム(SNP)との併用により、cAMP量に影響を及ぼすことなく、摘出ウサギ海綿体内のcGMP量を増大した(EC50値:0.43〜0.52μmol/L)[24]

海綿体弛緩増強作用

摘出ヒト海綿体の経壁神経刺激による弛緩反応を10nmol/L以上で増強し、100nmol/L以上で弛緩反応の持続時間を延長した。また、SNP及び海綿体内皮細胞に作用してNOを遊離させるメサコリンによる摘出ウサギ海綿体の弛緩反応を10nmol/L以上で増強した。

海綿体内圧増強作用

血圧及び心拍数に影響を及ぼすことなく、骨盤神経刺激及びSNPによる麻酔イヌの陰茎海綿体内圧の上昇を増強した(ED50値:12.0μg/kg神経刺激、16.2μg/kg SNP;静脈内投与)[25]

有効成分に関する理化学的知見

一般名シルデナフィルクエン酸塩
一般名(欧名)Sildenafil Citrate
化学名1-[[3-(6,7-dihydro-1-methyl-7-oxo-3-propyl-1H-pyrazolo[4,3-d]pyrimidin-5-yl)-4-ethoxyphenyl]sulfonyl]-4-methylpiperazine monocitrate
分子式C22H30N6O4S・C6H8O7
分子量666.70
性状シルデナフィルクエン酸塩は白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUGD02229

包装

25mg錠

10錠(PTP)×2

50mg錠

10錠(PTP)×2、10錠(PTP)×10

主要文献


1. 社内資料:トリニトログリセリンとの薬物相互作用の検討
2. 社内資料:一硝酸イソソルビドとの薬物相互作用の検討
3. Webb,D.J.et al.,   Am J Cardiol , 83 (5A) , 21C , (1999) »PubMed
4. Webb,D.J.et al.,   J Am Coll Cardiol , 36 (1) , 25 , (2000) »PubMed
5. Morganroth,J.et al.,   Am J Cardiol , 93 (11) , 1378 , (2004) »PubMed
6. Galie N,et al.,   Eur Respir J , 45 (5) , 1314 , (2015) »PubMed
7. Wilner,K.et al.,   Br J Clin Pharmacol , 53 (Suppl.1) , 31S , (2002) »PubMed
8. 社内資料:エリスロマイシンとの薬物相互作用の検討
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2016/06/22 版