医療用医薬品 : パニマイシン |
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| 総称名 | パニマイシン |
| 一般名 | ジベカシン硫酸塩 |
| 欧文一般名 | Dibekacin Sulfate |
| 製剤名 | 注射用ジベカシン硫酸塩 |
| 薬効分類名 | アミノグリコシド系抗生物質製剤 |
| 薬効分類番号 | 6134 |
| KEGG DRUG | D01753 商品一覧 相互作用情報 |
| JAPIC | 添付文書(PDF) |
| 商品名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 注射用パニマイシン100mg | PANIMYCIN 100mg FOR INJECTION | Meiji Seikaファルマ | 6134400D2033 | 698円/瓶 | 劇薬 , 処方せん医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
<適応菌種>
ジベカシンに感性の黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌
<適応症>
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、中耳炎
[筋注の場合]
通常、成人にはジベカシンとして、1日量100mg(力価)を1〜2回に分け、小児にはジベカシンとして、1日量1〜2mg(力価)/kgを1〜2回に分け、それぞれ筋肉内注射する。
[点滴静注の場合]
通常、成人にジベカシンとして、1日量100mg(力価)を2回に分け、100〜300mLの補液中に溶解し、30分〜1時間かけて点滴静注する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。(「慎重投与」及び【薬物動態】の項参照)
慎重投与
腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。【薬物動態】の項参照]
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用がある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。
相互作用
併用注意
| 腎障害を起こすおそれのある血液代用剤 デキストラン ヒドロキシエチルデンプン等 | 腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。 | 機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。 |
| ループ利尿剤 エタクリン酸 フロセミド アゾセミド等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。 |
| 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤 バンコマイシン エンビオマイシン 白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。 |
| 麻酔剤 筋弛緩剤 ツボクラリン パンクロニウム臭化物 ベクロニウム臭化物 トルペリゾン A型ボツリヌス毒素等 | 呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。 | 両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。 |
| 腎毒性を有する薬剤 シクロスポリン アムホテリシンB等 | 腎障害が発現、悪化するおそれがある。 | 両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
副作用
副作用発現状況の概要
筋注
全国の医療機関より寄せられた筋注での症例報告32,446例中副作用発現は、334例(1.03%)であった。その種類は神経系(0.22%)、腎(0.18%)、肝(0.07%)、皮膚(0.24%)、消化器(0.14%)、疼痛(0.12%)、その他(0.06%)であった。(注射用パニマイシン及びパニマイシン注射液の副作用頻度調査終了時)
点滴静注
点滴静注の市販後使用成績調査の結果は以下のとおりであった。
全国852施設より寄せられた症例報告9,320例中副作用発現症例数は、126例(1.35%)であり、副作用発現件数は163件であった。
主な副作用は、肝臓・胆管系障害(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)49例、泌尿器系障害(腎機能障害、BUN上昇、血中クレアチニン上昇等)34例、皮膚・皮膚付属器官障害(発疹等)17例、消化管障害(下痢等)15例であった。(注射用パニマイシン及びパニマイシン注射液の再審査終了時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
眩暈、耳鳴、難聴(0.1%未満)等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
その他の副作用
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 過敏症注2) | 発疹等 | 紅斑、浮腫性紅斑、そう痒、発熱等 |
| 腎臓 | 腎機能障害注3)(BUN、クレアチニンの上昇等) | 浮腫、蛋白尿、血尿、カリウム等電解質の異常 |
| 肝臓注3) | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇等 | |
| 消化器 | 下痢等 | 悪心・嘔吐、食欲不振等 |
| 血液 | 貧血、好酸球増多等 | |
| ビタミン欠乏症 | ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) | |
| 注射部位 | 注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時) | |
| その他 | 頭痛、口唇部のしびれ感 |
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい。[動物実験で新生児に第8脳神経障害が報告されている。]
小児等への投与
筋肉内注射の場合
低出生体重児、新生児における筋肉内注射での安全性は確立していない。
点滴静注の場合
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児における点滴静注での安全性は確立していないので、これらの患者には点滴静注で使用しないこと。
過量投与
徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。
適用上の注意
投与経路
筋肉内注射又は点滴静注にのみ使用すること。
調製時
カルベニシリン、スルベニシリン、チカルシリン、ピペラシリンと混合すると、両剤の反応によりアミドを形成し、本剤の活性低下を来すので、それぞれ別経路で投与すること。
溶解後
点滴静注に用いる場合は、溶解後は速やかに使用すること。
投与時
静脈内投与により、ときに血管痛を起こすことがあるので、注射液の調製、注射部位、注射方法に注意し、注射速度はできるだけ遅くすること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。
また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。(「小児等への投与」の項参照)
神経走行部位を避けるよう注意すること。
なお、注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
硬結をきたすことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。
その他の注意
クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
血中濃度
腎機能正常者[1]
腎機能正常成人男子(n=4)に、本剤100mgを筋注あるいは、50mg及び100mgを1時間かけて点滴静注した時の血清中濃度を検討した。100mg筋注の最高血清中濃度は投与後0.5時間に発現し、6.83μg/mLであった。50mg点滴静注の最高血清中濃度は点滴終了時に得られ、4.37±0.26μg/mL、血中濃度半減期は1.59±0.67hr(文献から算出)であった。また、100mg点滴静注の最高血清中濃度は点滴終了時に得られ、8.41±1.81μg/mL、血中濃度半減期は1.12±0.20hr(文献から算出)であった。
図1 腎機能正常成人でのパニマイシン投与時の血清中濃度
腎機能障害者
クレアチニン・クリアランス(Ccr)>60mL/minのいわゆる軽度障害(n=7)までとCcr30〜60mL/minの中等度障害(n=7)、並びにCcr<30mL/minの高度障害(n=1)に本剤50mgを1時間かけて点滴静注したところ、軽度障害者の血清中濃度ピーク値及び半減期(T1/2)は健康成人のそれと差がなかった。しかし、中等度障害者では血清中濃度ピークは健康成人の値とほぼ同じであったが、T1/2は延長傾向がみられた。高度障害者では更に、T1/2の延長がみとめられた。
体液、組織内濃度
筋注では、胆汁、のう水腫術後のリンパ液への移行はかなり高濃度であり、前房水内、喀痰への移行は低濃度であった。羊水中への移行はごく微量であった。
排泄
健康成人での、投与8時間までの累積尿中排泄率は100mgを筋注又は静注した場合、投与量の約60〜80%を示した。しかし、腎機能障害者では、尿中排泄は低値にとどまっていた。
腎機能障害患者への投与法[2]
腎機能障害患者では、血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続して、第8脳神経障害又は腎障害があらわれるおそれがあるので、腎機能障害度に応じて、次のような方法により投与量及び投与間隔を調節すべきである。
腎機能正常者と等しい初回量を用い、維持量を半減して使用間隔を延長する方法。
| 障害度 | 初回量 | 使用間隔(時間) |
| 30>Ccr>10 | 50mg※ | 12〜24 |
| 10>Ccr | 50mg※ | 24〜48 |
腎機能正常者と等しい使用間隔で、初回量も維持量も減量する方法。
Ccrを用い、図2及び計算式より求めた初回量及び維持量を投与する。
図2
血中濃度モニタリング
血中濃度は、年齢、体重、腎機能等に影響を受けるが、特に腎機能の影響が大きく、腎機能障害患者では半減期が延長し、血中濃度が高く持続する傾向がみられる。
12μg/mL以上の血中濃度が繰り返されると聴力障害や腎障害の危険性が大きくなるといわれているので血中濃度を測定して異常な高値を示す場合には、投与量や投与間隔を調整することが望ましい。例えば、異常に高い最高血中濃度が繰り返されている場合は投与量を減量し、異常に高い最低血中濃度が繰り返されている場合は投与間隔を延長するなど調整を行う。
図3 クレアチニン・クリアランス値毎に層別化した成人でのパニマイシン50mg1時間点滴静注時の血清中濃度と半減期[1]
| クレアチニン・クリアランス(Ccr) | 半減期(時間) | |
| A | 45<Ccr<50 | 5.33 |
| B | 55<Ccr<65 | 2.77 |
| C | 95<Ccr<115 | 2.09 |
| D | 125<Ccr<145 | 2.02 |
深在性皮膚感染症(せつ、蜂窩織炎)、扁桃炎、急性気管支炎及び慢性呼吸器病変の二次感染(気管支炎)、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、腹膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染(術後感染症)に対して筋注では総計766例中72〜100%の有効率を示し、点滴静注では総計356例中56〜100%の有効率を示した。
in vitro抗菌作用
ジベカシンの細菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)は表のとおりである[3]。
| 被験菌 | MIC(μg/mL) |
| Staphylococcus aureus 209-P JC | 0.05 |
| Escherichia coli NIH JC | 1.56 |
| Klebsiella pneumoniae | 0.2 |
| Proteus vulgaris OX-19 | 1.56 |
| Proteus mirabilis 1287 | 3.12 |
| Proteus morganiiKono | 1.56 |
| Pseudomonas aeruginosa No.12 | 0.78 |
| Pseudomonas aeruginosa ATCC 10145 | 1.56 |
作用機序
細菌の蛋白合成を阻害することにより抗菌作用を示し、その作用は殺菌的である。
1バイアル中 100mg(力価)含有
10バイアル
| 1. | 山作房之輔ほか, Chemotherapy , 29 (12) , 1393 , (1981) »J-STAGE »J-GLOBAL |
| 2. | 山作房之輔, 臨床成人病 , 6 (1) , 95 , (1976) |
| 3. | 中沢昭三ほか, Chemotherapy , 22 (5) , 779 , (1974) »J-STAGE |
| 改訂履歴 |
2011年4月 改訂 |
| 文献請求先 |
Meiji Seikaファルマ株式会社 |
| お問い合わせ先 |
Meiji Seikaファルマ株式会社 |
| 業態及び業者名等 |
製造販売元 |
| [ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2013/04/24 版 |