医療用医薬品 : デポスタット

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医薬品情報


総称名 デポスタット
一般名 ゲストノロンカプロン酸エステル
欧文一般名 Gestonorone Caproate
製剤名 ゲストノロンカプロン酸エステル注射液
薬効分類名 前立腺肥大症治療剤
薬効分類番号 2479
ATCコード G03DA01
KEGG DRUG
D01159 ゲストノロンカプロン酸エステル
KEGG DGROUP
DG02004 プロゲステロン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
デポスタット筋注200mg Depostat intramuscular injection 富士製薬工業 2479401A1035 1956円/管 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]

4. 効能または効果

前立腺肥大症

6. 用法及び用量

ゲストノロンカプロン酸エステルとして、通常成人1週1回200mgを臀筋内に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

投与期間は、8〜12週間を基準として以後漫然と投与を継続しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病の患者
耐糖能の低下があらわれることがある。
9.1.2 気管支喘息の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 てんかんの患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4 片頭痛の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5 心障害又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。症状を悪化させるおそれがある。[2.参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜5%未満1%未満頻度不明
過敏症そう痒発疹 
肝臓  肝機能異常
腎臓  BUN上昇、クレアチニン上昇
血液  貧血
呼吸器 呼吸困難
循環器  動悸
生殖器性欲減退 乳腺腫脹、一過性の精子減少症
消化器食欲不振、胃痛下痢、嘔吐悪心
精神神経系 全身倦怠感、脱力感、意欲減退 
投与部位硬結、疼痛、腫脹  
その他発熱発汗、冷感 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 臀筋内に注射すること。
14.1.2 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため以下の点に注意すること。
・同一部位への反復投与を避け、左右臀筋に交互に注射すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康男子に3H-ゲストノロンカプロン酸エステル100mg又は200mgを筋肉内に投与すると、投与後4時間で血中濃度が上昇しはじめ、最高血中濃度(223.4〜319.4ng/mL)は、投与量と関係なく3日目に認められた1)(外国人データ)。
16.5 排泄
投与後1週間までに投与量の57〜69%、14日目までに82〜89%、28日目までに86〜95%が排泄され、総排泄量の約80%が糞便中に認められた1)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
ステージI及びステージIIの前立腺肥大症患者を対象とした10施設における対照薬(L-グルタミン、L-アラニン、アミノ酢酸配合カプセル剤)との二重盲検試験(109例)の結果、排尿状態、夜間排尿回数及び前立腺の大きさの改善度については、両製剤間に有意差はみられなかった。残尿量、膀胱尿道所見及び尿流計測定所見においては、本剤群は、対照薬群に比し、有意に優れていた。
排尿状態、排尿回数、残尿量、尿道膀胱造影、尿流計測等に関する総合改善度は、著明改善15.6%(17/109例)、中等度改善23.9%(26/109例)、やや改善37.6%(41/109例)であった。
副作用発現頻度は、本剤群で19.8%(23/116例)であった。主な副作用は、食欲不振8.6%(10/116例)、発熱3.4%(4/116例)、胃痛3.4%(4/116例)、注射部位の発赤・腫脹2.6%(3/116例)、注射部位の疼痛2.6%(3/116例)、脱力感1.7%(2/116例)、下痢1.7%(2/116例)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ゲストノロンカプロン酸エステルは、主として直接前立腺に作用し、前立腺腺腫の縮小又は前立腺腺腫の成長を抑制する。すなわちゲストノロンカプロン酸エステルは、血中のテストステロンが前立腺細胞内に取り込まれるのを阻害し、さらにテストステロンが、5α-還元酵素によって活性型5α-DHTへ転換するのを阻害する3)4)5)6)
また、ゲストノロンカプロン酸エステルは、マイルドなゴナドトロピン分泌抑制作用も認められている2)7)8)9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ゲストノロンカプロン酸エステル

一般的名称 ゲストノロンカプロン酸エステル
一般的名称(欧名) Gestonorone Caproate
化学名 17-hydroxy-19-nor-4-pregnene-3,20-dione hexanoate
分子式 C26H38O4
分子量 414.58
融点 127〜131℃
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶または結晶性の粉末である。
においはない。
アセトン、クロロホルム、酢酸エチルまたは安息香酸ベンジルに溶けやすく、メタノールまたはエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルまたはヒマシ油にやや溶けにくく、石油エーテルまたはヘキサンに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01159

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

2mL 10アンプル

23. 主要文献

  1. Kolb,KH, 社内資料, (1967)
  2. 吉田 修ほか, 臨床評価, 8 (2), 481-516, (1980)
  3. Altwein J E,et al., Dtsch Med Wschr., 100 (12), 626-629, (1975) »PubMed
  4. Altwein J E,et al., Urologe., A13, 41-46, (1974)
  5. Orestano F,et al., Urologe., A13, 289-292, (1974)
  6. Orestano F,et al., J Steroid Biochem., 6, 845-851, (1975) »PubMed
  7. 新島端夫ほか, 泌尿器科紀要, 16 (9), 508-522, (1970)
  8. 松本圭史ほか, 薬物療法, 11 (4), 377-379, (1978)
  9. 林 正ほか, 薬物療法, 11 (3), 363-369, (1978)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
電話:0120-956-792
FAX:076-478-0336
製品情報問い合わせ先
富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
電話:0120-956-792
FAX:076-478-0336

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版