医療用医薬品 : ハイトラシン

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医薬品情報


総称名 ハイトラシン
一般名 テラゾシン塩酸塩水和物
欧文一般名 Terazosin Hydrochloride Hydrate
製剤名 テラゾシン塩酸塩水和物錠
薬効分類名 持続型α1ブロッカー排尿障害改善剤, 持続型α1ブロッカー降圧剤
薬効分類番号 2149
ATCコード G04CA03
KEGG DRUG D00610 テラゾシン塩酸塩水和物
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2017年2月 改訂 (第13版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハイトラシン錠0.25mg Hytracin マイランEPD 2149023F1022 10.6円/錠 処方箋医薬品
ハイトラシン錠0.5mg Hytracin マイランEPD 2149023F2029 17.7円/錠 処方箋医薬品
ハイトラシン錠1mg Hytracin マイランEPD 2149023F3025 32.6円/錠 処方箋医薬品
ハイトラシン錠2mg Hytracin マイランEPD 2149023F4021 60.3円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

本態性高血圧症,腎性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症

前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法用量

本態性高血圧症,腎性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症

テラゾシンとして通常,成人1日0.5mg(1回0.25mg1日2回)より投与を始め,効果が不十分な場合は1日1〜4mgに漸増し,1日2回に分割経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日最高投与量は8mgまでとする.

前立腺肥大症に伴う排尿障害

テラゾシンとして通常,成人1日1mg(1回0.5mg1日2回)より投与を始め,1日2mgに漸増し,1日2回に分割経口投与する.
なお,症状により適宜増減する.

使用上の注意

慎重投与

重篤な肝・腎機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある.〕

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(PDE5阻害剤)を服用している患者〔「併用注意」の項参照〕

高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

重要な基本的注意

起立性低血圧があらわれることがあるので,臥位のみならず立位又は坐位で血圧測定を行い,体位変換による血圧変化を考慮し,坐位にて血圧をコントロールすること.

投与初期又は用量の急増時等に,めまい,立ちくらみ,動悸,頭痛等があらわれることがある.
その際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講ずること.
また,必要に応じて対症療法を行うこと.

降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.

アレルギー体質の患者では副作用発現率が高くなる傾向があるので,このような患者に投与する場合には十分に注意すること.

本剤による前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する治療は原因療法ではなく,対症療法であることに留意し,本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等,他の適切な処置を考慮すること.

相互作用

併用注意

降圧作用を有する他の薬剤降圧作用が増強することがあるので,減量するなど適切な処置を行う.相加的に降圧作用を増強させる.
ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5阻害剤)
シルデナフィルクエン酸塩
バルデナフィル塩酸塩水和物
タダラフィル
PDE5阻害剤との併用により症候性低血圧があらわれるおそれがあるので,本剤を低用量から投与開始すること.PDE5阻害剤は血管拡張作用を有するので,併用により降圧作用を増強させるおそれがある.

副作用

副作用発現状況の概要

<本態性高血圧症,腎性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症>

総症例10,626例中,292例(2.75%)に副作用が認められ,主な副作用はめまい(ふらつき感等を含む)58件(0.55%),立ちくらみ41件(0.39%),動悸(心悸亢進を含む)35件(0.33%),頭痛(頭重感等を含む)35件(0.33%)であった.(再審査終了時)

<前立腺肥大症に伴う排尿障害>

総症例5,761例中,336例(5.83%)に副作用が認められ,主な副作用はめまい(ふらつき感を含む)138件(2.40%),立ちくらみ111件(1.93%),貧血(赤血球減少等を含む)25件(0.43%),低血圧(血圧降下等を含む)21件(0.36%)であった.(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

意識喪失(頻度不明)

血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.

肝機能障害(0.1%未満),黄疸(頻度不明)

AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症注)発疹そう痒血管浮腫
精神神経系めまい,頭痛,倦怠感脱力感,発汗,不眠,冷感,肩こり,眠気,口渇,しびれ 
循環器立ちくらみ,動悸,低血圧浮腫,不整脈(期外収縮,心房細動等),胸痛,起立性低血圧,頻脈 
肝臓ALT(GPT)上昇AST(GOT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇,総ビリルビン上昇 
消化器腹痛下痢,便秘,悪心,嘔吐,食欲不振,消化不良 
泌尿器 頻尿,尿失禁 
腎臓 BUN上昇,血中クレアチニン上昇 
その他ほてり,貧血鼻閉,息切れ,目の違和感,インポテンス,抗核抗体の陽性羞明
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

高齢者への投与

高齢者では,一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので,低用量(例えば1回0.25mg,1日2回)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.〕

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させることが望ましい.〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている.〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない).

過量投与

本剤の過量投与により過度の血圧低下を起こす可能性がある.このような症状があらわれた場合には,体位を仰臥位にするほか,必要に応じて輸液,昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと.なお,血液透析は本剤の除去に有効ではない.

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕

その他の注意

類似化合物(プラゾシン塩酸塩)で腎及びその他の動脈狭窄,脚部及びその他の動脈瘤等の血管障害のある高血圧症患者で,急性熱性多発性関節炎がみられた1例報告がある.

ラットに250mg/kg/日(臨床最大用量の約1,800倍に相当)を2年間経口投与した試験で,雄のみに良性副腎髄質腫瘍の発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある.

薬物動態

血中濃度

健常成人(6名)に0.5〜2mgを単回経口投与した時の血漿中未変化体濃度は,投与約1時間後に最高血漿中濃度に達し,消失半減期はα相1.8〜2.7時間,β相10.1〜18.7時間であった1)

パラメータ\投与量0.5mg(n=6)1.0mg(n=6)2.0mg(n=6)
Tmax(hr)0.83±0.261.00±0.321.00±0.63
Cmax(ng/mL)17.3±3.440.4±9.867.1±22.9
α相半減期(hr)2.01±0.432.74±0.321.80±1.09
β相半減期(hr)12.76±5.4318.70±10.6010.11±2.67
AUC(ng・hr/mL)137.1±26.3404.1±131.3580.3±106.1
平均値±標準偏差

代謝・排泄

健常成人(6名)に0.5〜2mgを単回経口投与した場合の尿中未変化体排泄率は,投与72時間後までで投与量の13.5〜20.5%であった1).また,健常成人(12名)に2mgを単回経口投与した場合,尿中には投与後24時間までに未変化体として約12.9%,その他の代謝物として約12.4%が排泄された2)

臨床成績

高血圧症

承認時までに実施された臨床試験における,降圧効果を指標とした有効率は次のとおりであった.

対象疾患名有効率(%)〔下降以上〕
本態性高血圧症3) 4) 5) 6) 64.8(380/586)
腎性高血圧症7) 52.6(20/38)
褐色細胞腫による高血圧症8) 64.7(11/17)

なお,やや下降以上の有効率は,本態性高血圧症で84.6%(496/586),腎性高血圧症で76.3%(29/38),褐色細胞腫による高血圧症で100%(17/17)であった.
また,本態性高血圧症については,重症例においても有効であり,また1年以上の長期投与例においても安定した降圧効果を示した.また,二重盲検比較試験により単独投与及び降圧利尿剤との併用投与において,本剤の有用性が認められている.

前立腺肥大症に伴う排尿障害

承認時までに実施された臨床試験における,自覚症状及び尿流動態(最大尿流量率,平均尿流量率)を指標とした有効率は次のとおりであった9)10)11)12)

対象疾患名有効率(%)〔改善以上〕
前立腺肥大症に伴う排尿障害52.2%(181/347)

なお,やや改善以上の有効率は,81.3%(282/347)であった.

薬効薬理

α1受容体遮断作用(作用機序)

イヌ大動脈,脳を用いたin vitro受容体結合実験で,本剤はα1受容体を選択的に遮断し,シナプス前のα2受容体遮断作用は著しく弱い.このため,シナプス前のα2受容体を介するノルアドレナリン放出のネガティブフィードバック機構を阻害することなく,末梢血管を拡張させ,ノルアドレナリンの過剰放出を起こしにくいことが認められている13)14).また,ヒト肥大前立腺に対してもin vitro受容体結合実験でα1受容体を選択的に遮断し,収縮実験ではノルアドレナリンによる収縮反応を抑制した15)

抗高血圧作用

高血圧自然発症ラット,DOC-salt高血圧ラット,腎性高血圧ラット,腎性高血圧イヌのいずれにおいても,単回経口投与にて,明らかな降圧作用を示し,その作用は持続的であった16)17)

高血圧自然発症ラット,腎性高血圧イヌにおいて,長期反復経口投与により本剤は安定した降圧作用を示し,作用に耐性がないことが認められている16)17)

前立腺及び尿道に対する作用

イヌ及びヒトにおいて,単回投与により前立腺部尿道内圧を低下させ,尿道抵抗を減少させることが認められている18)19)

その他

高血圧自然発症ラット,腎性高血圧イヌ並びに本態性高血圧症患者において,全末梢血管抵抗の減少による降圧作用が認められ,心拍出量や脈拍数に与える影響は少なかった16)17)20)

本態性高血圧症患者において体位変換による血圧の変化に対し影響を及ぼさなかった3)

有効成分に関する理化学的知見

一般名テラゾシン塩酸塩水和物
一般名(欧名)Terazosin Hydrochloride Hydrate
化学名(±)-4-amino-2-[4-(tetrahydro-2-furoyl)-1-piperazinyl]-6,7-dimethoxyquinazoline hydrochloride dihydrate
分子式C19H25N5O4・HCl・2H2O
分子量459.93
融点約260℃(分解)
性状白色〜微黄白色の結晶性の粉末で,においはない.
水又は氷酢酸にやや溶けにくく,メタノール,エタノール又はクロロホルムに溶けにくく,無水酢酸に極めて溶けにくく,アセトン又はエーテルにほとんど溶けない.
水溶液(1→100)のpHは3.5〜4.5である.
KEGG DRUGD00610

包装

ハイトラシン錠0.25mg

(PTP)100錠,1,000錠

ハイトラシン錠0.5mg

(PTP)100錠,1,000錠

ハイトラシン錠1mg

(PTP)100錠,1,000錠

ハイトラシン錠2mg

(PTP)100錠

主要文献


1. 海老原昭夫,ほか,  臨床医薬,  3,  667,  (1987)
2. 内出政之,ほか,  薬理と治療,  15,  1513,  (1987)
3. 金子好宏,ほか,  臨牀と研究,  65,  242,  (1988)
4. 吉永 馨,ほか,  薬理と治療,  16,  1245,  (1988)
5. 武田忠直,ほか,  薬理と治療,  15,  2861,  (1987)
6. 吉永 馨,ほか,  薬理と治療,  15,  2835,  (1987)
7. 池田正男,ほか,  薬理と治療,  15,  2887,  (1987)
8. 吉永 馨,ほか,  医学と薬学,  17,  1242,  (1987)
9. 熊本悦明,ほか,  泌尿器外科,  5,  721,  (1992)
10. 熊本悦明,ほか,  泌尿器外科,  5,  823,  (1992)
11. 朴 英哲,ほか,  泌尿紀要,  38,  857,  (1992)
12. 熊本悦明,ほか,  泌尿器外科,  5,  841,  (1992)
13. Nagatomo,T.,et al.,  Chem.Pharm.Bull.,  35,  1629,  (1987) »PubMed
14. 花塚光男,ほか,  日薬理誌,  88,  433,  (1986) »PubMed
15. 森田 隆,ほか,  J.Smooth Muscle Res.,  27,  149,  (1991) »PubMed
16. 溝上 進,ほか,  応用薬理,  33,  81,  (1987)
17. 堀井大治郎,ほか,  応用薬理,  33,  165,  (1987)
18. 西沢 理,ほか,  J.Smooth Muscle Res.,  28,  55,  (1992) »PubMed
19. 近藤厚生,ほか,  泌尿器外科,  5,  441,  (1992)
20. 供田文宏, ほか,  循環の計測と制御,  5,  22,  (1986)

作業情報


改訂履歴

2015年11月 改訂
2017年2月 改訂 (第13版)

文献請求先

マイランEPD合同会社
105‐0001
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
フリーダイヤル 0120-938-837

業態及び業者名等

製造販売元
マイランEPD合同会社
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/9/16 版