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KEGG DRUG データベース

KEGG DRUG は、日本、米国、欧州の医薬品情報を化学構造と成分の観点から一元的に集約し (日米欧の新薬 参照)、治療標的(ターゲット)や代謝酵素をはじめとした分子間相互作用ネットワークの情報を付加したデータベースです。KEGG DRUG からは日本と米国のすべての添付文書が医薬品の有効成分に基づきリンクされています (詳細は KEGG MEDICUS を参照)。

KEGG DRUG のエントリは D 番号で識別され、化学薬品は化学構造をベースに、混合物や生薬等は成分をベースに、エントリ化がなされています。各エントリには以下の情報が蓄積されています (例えば、D01441 を参照)。
  • 一般名 (化学構造を反映した名称、詳細は下記参照)
  • 日本の商品名 (JAPIC が提供する添付文書へのリンクがつけられています)
  • 米国の商品名 (DailyMed が提供する添付文書へのリンクがつけられています)
  • 化学構造、混合物などの化学成分、ペプチドやポリケチドなどの配列
  • KEGG DGROUP で定義された医薬品クラス
  • 薬効分類番号、ATC コード、KEGG DGROUP で定義された Chemical グループ
  • 効能、適応疾患
  • ターゲット分子 (関連する KEGG PATHWAY 情報が提供されています)
  • 薬物代謝に関与する酵素、トランスポーター
  • その他の相互作用分子として、代謝酵素・トランスポーターの誘導や阻害薬など
  • 薬物間相互作用 (添付文書より抽出した薬物間相互作用のデータを検索できます)
  • 薬開発の歴史など医薬品化学者の知識を化学構造変化パターンで表現した構造マップ
  • BRITE 機能階層としての医薬品分類情報
  • 外部データベースへのリンク

KEGG DGROUP データベース

KEGG DGROUP は構造的・機能的に類似の医薬品グループを、とくに医薬品相互作用ネットワークの観点で定義したデータベースです。KEGG のパスウェイマップが個々の生物種情報を一般化した KEGG Orthology (KO) グループをノードとして表現されているのと同様に、医薬品ネットワークでも個々の医薬品情報を一般化した DGROUP をノードとして表現し、新規医薬品がどのグループに属すかで相互作用を予測できるようにすることが目的です。医薬品相互作用ネットワークとしては、標的分子との相互作用ネットワーク、基質・誘導・阻害を含む薬物代謝ネットワーク、代謝酵素や標的分子の遺伝子多型・変異との間接的な相互作用ネットワークなどが重要です。KEGG DGROUP は上の検索ボックスでの一括検索に含まれています。

Chemical グループと医薬品クラス
KEGG DGROUP のエントリは大きく Chemical グループとそれ以外に分けられます。Chemical グループは塩や水和状態などの違い以外は同一の化学構造をもつグループで、例えば DG00710 はイマチニブです。それ以外は薬効その他の観点から医薬品クラスとして分類を行っています。例えば DG01918 のチロシンキナーゼ阻害薬は抗悪性腫瘍薬の1つです。

医薬品分類

KEGG では医薬品を様々な観点で分類し体系化して、BRITE データベースの一部として提供しています。まず、国や国際機関が提供する分類 (生薬等は KEGG 独自の分類) に KEGG DRUG のD番号エントリを割り当てたものは以下の通りです。ここで追加情報を含むバージョンは、KEGG が提供するターゲット・薬物代謝酵素の情報や、JAPIC が提供する添付文書の情報を、医薬品分類の階層にのせて検索・閲覧できるようにしたもので、情報は追加のカラムまたは追加の階層に表示されます。
区分 分類 追加情報 備考
医療用医薬品
(日米欧)
日本の薬効分類 ターゲット 代謝酵素 添付文書 商品 JP17 (H28.3.7)
WHO の ATC 分類 ターゲット 代謝酵素 添付文書 商品 ATC 2018
米国 USP の分類 ターゲット 代謝酵素 v6.0 (March 2014)
一般用医薬品
(日本のみ)
一般用医薬品のリスク区分 添付文書 H28.11.1
一般用医薬品の分類 添付文書
生薬等
(日本のみ)
漢方方剤・生薬の効能分類 KEGG ENVIRON 参照 局方 (JP17)
局外生規 (non-JP)
(H28.4.1)
生薬の由来に基づく分類
添加物
(日本のみ)
医薬品添加物 薬添規 1998
(H24.12.4)
これらを補完するために KEGG 独自のものも含め以下の分類が提供されています。
また分類ではありませんが、以下の情報も提供しています。

blue Join and

g Join and

医薬品相互作用データベース

KEGG DRUG 医薬品相互作用データベースは、併用禁忌や併用注意に伴う医薬品間の相互作用を我が国のすべての医療用医薬品添付文書から抽出し、CYP 代謝酵素やターゲットの重複といったアノテーションを付加したものです。現在 4,000以上の医薬品 (D番号) が関与する 20万以上の相互作用 (D番号ペア) が蓄積されています。D番号レベルではなく個々の商品レベルで相互作用を確認するには KEGG MEDICUS のページを利用してください。

KEGG DRUG 構造マップ

多くの医薬品はリード化合物や既存の医薬品を起点に構造展開を行うことで、すなわち基本骨格を維持しながら化学構造を変化させることで、新製品の開発が行われてきました。このような医薬品開発に伴う化学構造変化パターンの知識をグラフィカルなマップとして表現したのが KEGG DRUG 構造マップで、KEGG PATHWAY データベースの一部として提供されています。

一般名と商品名

薬の化学構造は標準化された一般名と対応づけられていますが、この名称は国によって、また国際機関等によって異なります。同じ構造が違う名前になっていたり、同じ名前が違う構造になっていたりします。これを明確にするために、KEGG DRUG には以下の名称が記載され、括弧内のコードで区別が示されています。
  • JAN - 日本医薬品一般名称
  • USAN - United States Adopted Name
  • NF - National Formulary drug name
  • INN - International Nonproprietary Name
  • BAN - British Approved Name
  • DCF - Dénomination commune française
とくに日本と米国の医薬品についてはそれぞれ日本薬局方と米国薬局方に収載されているかの区別もされています。 JP17 は JAN の、USP は USAN の名称であることも意味します。さらに日本の生薬については
  • non-JP - 日本薬局方外生薬規格
も含まれています。

商品名については、英語表示の KEGG DRUG エントリでは代表的なものしか記載されていません。米国の商品名は FDA が承認した医薬品の添付文書を蓄積した DailyMed への外部リンクをたどって調べてください。日本語表示の KEGG DRUG エントリでは、JAPIC が提供する医薬品添付文書データベースと統合され、日本で販売されているすべての医療用医薬品添付文書への直接リンクが提供されています。この統合化は KEGG MEDICUS の一部として行われています。

Last updated: October 9, 2018
KEGG GenomeNet Kanehisa Laboratories