医療用医薬品 : 笑気ガス

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医薬品情報


総称名 笑気ガス
一般名 笑気ガス
欧文一般名 Laughing Gas
製剤名 亜酸化窒素製剤
薬効分類名 全身麻酔剤
薬効分類番号 1116
ATCコード N01AX13
KEGG DRUG D00102 亜酸化窒素
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効・薬理 理化学的知見 取扱上の注意 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
笑気ガス(住友精化) 住友精化 1116700X1037 3.1円/g 処方箋医薬品

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

全身麻酔・鎮痛

用法・用量

本剤は酸素と併用し、酸素の吸気中濃度は必ず20%以上に保つこと。
使用目的、患者の状態に応じ、適宜酸素濃度を増加させること。

使用上の注意

慎重投与

ビタミンB12欠乏症の患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。][1][2]

造血機能障害のある患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。][1][2]

耳管閉塞、気胸、腸閉塞、気脳症等、体内に閉鎖腔のある患者[閉鎖腔内容量及び内圧が変化する。][3][4][5]

重要な基本的注意

ビタミンB12の不活性化により造血機能障害や神経障害を起こすことがあるので、患者の観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合にはビタミンB12を投与するなど適切な処置を行うこと。[1][2]

麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食させておくこと。

麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。

麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。

麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。

タンポナーデに用いられた気体(パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄等)が硝子体内に存在している眼手術後の患者には、本剤を使用しないこと。本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により眼圧が急激に上昇し、失明するおそれがある。[6][7][8]

相互作用

併用注意

プロポフォール麻酔作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧及び心拍出量が低下することがあるので、併用する場合には、プロポフォールの投与速度を減速するなど慎重に投与すること[9]相互に作用(麻酔作用)を増強させる[9]

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、頻度は不明である(再審査対象外)。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

造血機能障害(顆粒球や血小板の減少等)

顆粒球や血小板の減少等、造血機能障害があらわれることがあるので、長期にわたって連用する場合には血液検査を行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

その他の副作用

 頻度不明
消化器(覚醒時)嘔気・嘔吐[10]
精神神経系末梢神経障害[1] [2]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦(3ヶ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている[11]

適用上の注意

麻酔開始時

吸気中酸素濃度は30%を越えることが望ましい。

麻酔開始のときには、亜酸化窒素の肺内残気による希釈を防ぐために十分な脱窒素を行う。

麻酔終了時

麻酔終了と同時に空気呼吸を開始すると、酸素欠乏症に陥ることがあるので、5分以上の100%酸素を吸入させることが望ましい。

その他の注意

亜酸化窒素は反復摂取の体験により、依存性が生じることがあるので注意が必要である[12]

本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により、中耳内圧の上昇が起こり、鼓膜破裂に至ったとの報告がある[3]

亜酸化窒素の長期間(3ケ月〜数年)の摂取下で、亜急性脊髄変性様の神経障害が観察されている[1][2][13]

仰臥位での開頭術において、本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により術後に緊張性気脳症が発症したとの報告がある。[5]

ヒトにおいては持続吸入開始4日目に顆粒球や血小板の減少等の骨髄機能障害が認められるが[14]、吸入を中止すれば3〜4日で寛解がみられるとの報告がある[15]
総じてヒトにおける連続吸入は、48時間以内にとどめるのが望ましいとされている[15][16][17]

薬物動態

吸収[18][19]

本剤の吸収は他の麻酔剤より大きい。吸入開始直後は大量(約1L/分)に吸収されるが、時間の経過とともに急減し、20〜30分でほぼ飽和に達し、以後はごくわずかしか吸収されない(手術患者)。

排泄[18][19]

吸収と同じパターンをとる。最初大量の呼気への排泄があり、10分以内に約半分に減少する。その後長時間排泄は続く(手術患者)。

薬効・薬理

麻酔・鎮痛作用[20]

血液/ガス分配係数が0.47と小さいため、麻酔の導入・覚醒が速やかである。MAC104と麻酔効果は弱い(手術患者、マウス)が、聴覚、視覚、触覚や特に痛覚を抑制する(手術患者、サル)。鎮痛効果の発現は早く強力なので術後の鎮痛を得るために用いられる[16]
単独使用では、手術刺激により麻酔深度が浅くなる(手術患者)傾向があるので、他の静脈麻酔薬[21][22]または吸入麻酔薬と併用されている[22]

呼吸器系への影響[20]

嗅覚を抑制する。鼻喉頭気管の感受性を低めるので、喉頭けいれんの危険も少ない。気管支粘膜の分泌腺は刺激されず気管支せん毛運動を抑制しない。

循環器への影響[20]

低酸素症や高炭酸ガス血症がない限り、心拍数、心拍出量、血圧に変化はなく、心筋層感応性エピネフリンに対する感受性亢進もない(手術患者)。

消化器への影響[20]

麻酔導入初期には唾液の分泌が増加するが、麻酔が深くなるに伴い減少する。また低酸素症がない限り、食道と胃腸の蠕動は影響を受けず消化液の分泌も影響を受けない(ウサギ)。

泌尿器系への影響[20]

腎機能、尿管蠕動、膀胱緊張力及び尿形成は影響を受けない。

有効成分に関する理化学的知見

一般名笑気ガス
一般名(欧名)Laughing Gas
化学名亜酸化窒素,Nitrous Oxide
分子式N2O
分子量44.01
融点−102.3℃(1.013×105Pa)
溶解性本剤1mLは温度20℃、大気圧で水1.5mL又はエタノール0.4mLに溶け、エーテル又は脂肪油にやや溶けやすい。
比重1.53(空気=1)
沸点−88.5℃(1.013×105Pa)
理化学知見その他臨界温度:36.5℃
理化学知見その他臨界圧力:7.26MPa
理化学知見その他ガス1Lの重量:1.968g(15℃)
理化学知見その他ガス1kgの容積:(理想気体として)
温度(℃)010202530容積(L)509528546556565
理化学知見その他燃性:本剤は不燃性で室温では安定であるが、高温(520℃以上)で熱分解して酸素を遊離し支燃性を有す。
理化学知見その他腐食性:化学的には不活性で、腐食性はほとんどない。
理化学知見その他蒸気圧:5.10MPa(20℃)
KEGG DRUGD00102

取扱上の注意

ガスの吸入にあたっての注意

本剤のカフ内への拡散によりカフ内圧が高まり、カフの変形、破裂、その他のトラブルが生じる[23][24]ことがあるので十分注意すること。

ガスの暴露にあたっての注意

職業的に、数年にわたり本剤に暴露された女性で、自然流産率が高いことが報告されている[25][26]ので、本剤の使用に際しては換気等に十分注意すること。

ガスの使用にあたっての注意

亜酸化窒素が高濃度で存在し、かつ可燃物が存在する部位では、電気メス、レーザーメス等の火気を使用しないこと[27][28]

使用にあたっては換気に注意すること。

使用時は必ず容器を直立させ、転倒しないように固定すること。

容器バルブのガス取り出し口、その他ガスの直接触れる所には油脂、有機物等が付着しないように注意すること。

圧力調整器の取付部、および配管設備等ガス洩れの恐れのある箇所は使用に先立って石鹸水・発泡液(スヌープ)等で必ず漏れチェックをすること。

容器バルブのネック部あるいは安全弁からガスが洩れている場合は、直ちに使用を中止して火気のない通風のよい安全な場所に容器を移動し、販売店に連絡すること。

容器の取扱いにあたっての注意

衝撃を与えたり、転倒させないこと。

容器は炉、ラジエーター、暖房等の高温にさらされるような熱源の近くに置かないこと。

パッキン類は必ず所定のものを使用すること。

容器バルブの開閉操作は静かに行い、全開状態で使用すること。

使用後は容器バルブをしっかり閉め、アウトレットキャップ、バルブ保護キャップを取付けて空容器置場に保管すること。

容器の貯蔵にあたっての注意

容器置場の周囲2m以内には、火気又は引火性もしくは発火性の物を置かないこと。

貯蔵場所内は関係者以外の立ち入りを禁止すること。

充填容器と使用済容器とは、明確に区別して保管すること。

容器は常に40℃以下(望ましくは室温)で保ち、直射日光、裸火、暖房、ボイラーの近くをさけ、特に夏季は容器温度の上昇に注意すること。

容器は転倒を防止する措置(チェーン、ロープ等による緊縛、あるいは容器立てに収納)及び容器バルブの損傷を防止する措置を講じること。

容器置場には、作業に必要な用具以外の物を置かないこと。

麻酔器への容器の脱着にあたっての注意

容器バルブのガス取り出し口のキャップを取り外し、容器を立てたまま麻酔器に取り付けること。容器を横にして使用すると、液体が容器バルブから流れ出て流量が不安定になるだけでなく、液体を浴びて凍傷になるおそれがある。

容器への取り付けに際して、必ず新しいパッキンを用いること。
この場合、パッキンに油、ワセリン等を絶対に付けないこと。

容器バルブは徐々に開き、必ず全開にすること。全開しないときはグランドよりガスの漏れることがある。

使用後麻酔器から容器を取り外すときは、容器バルブをしっかり閉めてから行うこと。取り外した後はガス取り出し口にキャップを付けること。

包装

耐圧金属製密封容器(2.5kg、7kg、7.5kg、30kg)

笑気ガス(住友精化)の容器には、上部を「国際色の青色」に、下部を「ねずみ色」とし胴部にガス名(『液化亜酸化窒素』)を白文字で表示している。

主要文献


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作業情報


改訂履歴

2013年9月 第4版 改訂
2015年4月 第5版 改訂

文献請求先

住友精化株式会社
541-0041
大阪市中央区北浜4丁目5番33号(住友ビル 4階)
06-6220-8555

業態及び業者名等

製造販売業者
住友精化株式会社
兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/11/21 版