医療用医薬品 : ミリス

List   Top

医薬品情報


総称名 ミリス
一般名 ニトログリセリン
欧文一般名 Nitroglycerin
製剤名 貼付型ニトログリセリン製剤
薬効分類名 経皮吸収型・心疾患治療剤
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA02 C05AE01
KEGG DRUG D00515 ニトログリセリン
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2014年8月 改訂 (11)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミリステープ5mg Millistape 5mg 日本化薬 2171701S4048 40.1円/枚 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な低血圧又は心原性ショックの患者[血管拡張作用により、さらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]

閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

頭部外傷又は脳出血の患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

高度な貧血の患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。(「3.相互作用」の項参照)]

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

狭心症急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)

効能・効果に関連する使用上の注意

本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、このような目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法・用量

通常、成人は1回1枚(ニトログリセリンとして5mg)を1日2回、12時間ごとに胸部、上腹部、背部、上腕部又は大腿部のいずれかに貼付する。なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

低血圧の患者[血管拡張作用により、さらに血圧を低下させるおそれがある。]

原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下し、ショックを起こすおそれがある。]

閉塞性肥大型心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

狭心症に対し本剤を用いる場合には、次の事項に留意すること。

本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。

心不全の急性期に対し本剤を用いる場合には、必ず血行動態指標(血圧、心拍数等)を観察しながら行うこと。

本剤の貼付により過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を剥離し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。

本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用により頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。

本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがある。このような場合には、貼付部位を変更しステロイド軟膏等を投与するか投与中止するなど適切な処置を行うこと。

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)
タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物
Ca拮抗剤
ACE阻害剤
β遮断剤
利尿剤
三環系抗うつ剤
メジャートランキライザー 等
血圧低下が増強されることがある。血圧低下作用が相加的に増強される。
他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤頭痛、血圧低下等の副作用が増強されることがある。血管拡張作用が増強される。
非ステロイド性抗炎症剤
アスピリン等
本剤の作用が減弱されるおそれがある。プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、血管拡張作用が減弱される可能性がある。
アルコール摂取血圧低下が増強されることがある。血圧低下作用が相加的に増強される。

副作用

副作用発現状況の概要

<概要>

ニトログリセリン貼付剤(剤形サイズ変更前)における副作用の概要は以下のとおりである。
総症例6,687例(承認時445例、使用成績調査6,242例)における副作用発現率は4.8%であった。主な副作用は頭痛1.4%、貼付部位のかゆみ1.2%、発赤1.0%等であった。〔再審査終了時〕

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満
循環器動悸、血圧低下めまい、熱感、起立性低血圧、心拍出量の低下、徐脈
精神神経系頭痛、頭重 
消化器 悪心、嘔吐
皮膚
(貼付部位)
かゆみ、発赤、かぶれ、発疹、皮膚刺激感 
その他 全身倦怠感、口渇

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、血圧低下等が発現するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

適用上の注意

貼付部位

皮膚刺激を避けるため、毎日貼付部位を変えること。ただし、足底部への貼付は避けること。

創傷面に使用しないこと。

本剤は電気抵抗が大きいので、心電図測定、電気除細動等の妨げにならないよう貼付部位を考慮すること。

自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。

その他の注意

本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
なお、労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。1)

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤の投与によって、低酸素血症があらわれたとの報告がある。

薬物動態

健康な成人男子(20例)に本剤を12時間貼付したときのニトログリセリン血漿中濃度を下図に示した。

臨床成績

ニトログリセリン貼付剤(剤形サイズ変更前)における臨床試験成績の概要は次のとおりである。

狭心症2)3)4)5)6)7)8)9)

狭心症患者192例において59.4%(114/192例)の有効率が得られ、運動耐容能の改善、狭心発作回数の減少、患者の印象等の自覚症状の改善が認められた。

本剤を1回1枚1日2回、2週間連続貼付し、運動耐容能を指標とした試験において、第1日目に得られた効果は14日目まで持続した。また、狭心発作回数を指標とした長期投与(12週間)試験において、12週まで効果の持続が確認された。

急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)10)11)12)13)14)

急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)患者119例において45.4%(54/119例)の有効率が得られ、肺動脈楔入圧等の心臓に対する前負荷の持続的な軽減及び呼吸困難等の自覚症状の改善が認められた。

薬効薬理

血圧、心拍数、ダブルプロダクトに対する作用(麻酔ラット、1枚8時間貼付)15)

降圧効果は貼付開始後30分から発現し、8時間持続した。また、心拍数は減少傾向を示し、ダブルプロダクトは貼付開始1時間から7.5時間まで有意に減少した。

血行動態に対する作用(麻酔開胸犬、5枚5時間貼付)16)

静脈還流量の減少(心臓に対する前負荷の軽減)及び全末梢血管抵抗の増加抑制(後負荷の軽減)を示した。
一方、心臓、腎臓、脳等の重要臓器の血流低下は認められなかった。

冠血管収縮抑制作用(麻酔開胸犬、5枚2時間貼付)17)

アンジオテンシンII誘発による冠血流量の減少及び左房圧の上昇が抑制された。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ニトログリセリン
一般名(欧名)Nitroglycerin
化学名glyceryl trinitrate又は1,2,3-propanetriol trinitrate
分子式C3H5N3O9
分子量227.09
性状常温では無色澄明の粘稠性液体で、味は甘く灼熱感があり、衝撃により爆発する。
KEGG DRUGD00515

取扱い上の注意

直射日光や高温の場所を避けて保存すること。

開封後は直ちに使用すること。

小児の手の届かない所に保存するよう注意すること。

包装

140枚

1枚(4.05cm×4.50cm)×140

700枚

1枚(4.05cm×4.50cm)×700

主要文献


1. Demots H.et al.,  J.Am.Coll.Cardiol.,  13,  786,  (1989) »PubMed
2. 廣澤弘七郎他,  新薬と臨牀,  35,  2063,  (1986)
3. 野田省二他,  臨床薬理,  18,  419,  (1987) »J-STAGE
4. 廣澤弘七郎他,  薬理と治療,  14,  5775,  (1986)
5. 廣澤弘七郎他,  臨床薬理,  17,  707,  (1986) »J-STAGE
6. 松山栄一,  薬理と治療,  14,  5791,  (1986)
7. 新田順一他,  薬理と治療,  14,  6493,  (1986)
8. 梶山梧朗他,  薬理と治療,  14,  5805,  (1986)
9. 廣澤弘七郎他,  医学と薬学,  20,  1159,  (1988)
10. 廣澤弘七郎他,  呼吸と循環,  35,  305,  (1987)
11. 廣澤弘七郎他,  循環器科,  20,  67,  (1986)
12. 平井寛則他,  薬理と治療,  14,  5811,  (1986)
13. 田中啓治他,  ICUとCCU,  10,  1113,  (1986)
14. 治田精一他,  新薬と臨牀,  34,  2135,  (1985)
15. 古田康彦他,  応用薬理,  32,  873,  (1986)
16. 古田康彦他,  応用薬理,  32,  879,  (1986)
17. 古田康彦他,  応用薬理,  32,  885,  (1986)

作業情報


改訂履歴

2009年9月 改訂 (10)
2014年8月 改訂 (11)

文献請求先

日本化薬株式会社
100-0005
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
0120-505-282(フリーダイヤル)

業態及び業者名等

製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版