医療用医薬品 : ラミシール |
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総称名 | ラミシール |
一般名 | テルビナフィン塩酸塩 |
欧文一般名 | Terbinafine Hydrochloride |
薬効分類名 | アリルアミン系抗真菌剤 |
薬効分類番号 | 2659 |
ATCコード | D01AE15 |
KEGG DRUG |
D02219
テルビナフィン塩酸塩
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ラミシール外用スプレー1% | Lamisil Spray 1% | サンファーマ | 2659710R1049 | 48.5円/g |
次の患者には使用しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重要な基本的注意
本剤を乳児寄生菌性紅斑に使用する場合、アルコール性基剤(エタノール等)が局所刺激作用を有するため、注意して使用すること。
副作用
副作用発現状況の概要
総症例8,910例中何らかの副作用が報告されたのは、161例(1.81%)であった。主な副作用は接触皮膚炎82件(0.92%)、そう痒感36件(0.40%)、発赤35件(0.39%)、刺激感31件(0.35%)等であった。(ラミシールクリーム1%・外用液1%の承認時まで及び再審査終了時までの集計)
その他の副作用
頻度不明 | 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | |
過敏症 | 発疹、蕁麻疹、血管浮腫 | そう痒症、紅斑 | − |
適用部位 | 湿疹、皮膚乾燥、疼痛、色素沈着、皮膚灼熱感 | 接触皮膚炎、発赤、刺激感 | 鱗屑、落屑、皮膚亀裂 |
妊婦、産婦、授乳婦等への使用
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。〕
小児等への使用
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
点鼻用として鼻腔内に使用しないこと。
顔面、頭部等、吸入する可能性のある患部には注意して使用すること。
誤って眼に入った場合は、刺激症状があらわれることがあるので、流水で十分に目をすすぐこと。
吸収・血中濃度
健康成人の内腿部にテルビナフィン塩酸塩1%液を1日1回反復塗布し、投与7日目の塗布直前と2時間後の血漿中濃度を測定したところ、いずれの測定時点においても測定限界(8ng/mL)以下であった。(外国人のデータ)
ケラチンへの吸着性1)
角質層の主要構成成分であるヒトケラチンへのテルビナフィン塩酸塩の吸着性を検討したところ、73〜98%の吸着率が得られた。一方、一旦ケラチンに吸着された本剤は、緩衝液で洗浄することにより遊離され、ほぼ100%の薬剤活性が回収されたことから、ケラチンが本剤の貯蔵器として活性型薬剤の濃度維持に役立っていると考えられる(in vitro)。
1日1回塗布による臨床試験成績は次のとおりである(ラミシール外用液1%)。
疾患・病型 | 有効率 | |
白癬 | 足白癬 | 69.7%(46/66) |
体部白癬 | 75.0%(9/12) | |
股部白癬 | 100.0%(7/7) | |
皮膚カンジダ症 | 指間びらん症 | 100.0%(3/3) |
間擦疹 | 81.8%(9/11) | |
癜風 | 71.4%(5/7) |
その他
健康成人の無傷背部皮膚表面にテルビナフィン塩酸塩1%液及び基剤を用いたパッチテスト並びに光パッチテストの結果では、皮膚感作性は認められていない。4)
テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す。5)6)皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する。6)7)また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす。8)
抗真菌作用(in vitro)
テルビナフィン塩酸塩は広い抗真菌スペクトルをもち、皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して優れた抗真菌活性が認められている。9)10)11)12)
テルビナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(T.rubrum、T.mentagrophytes)に対して0.001〜0.01μg/mLの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。12)また、T.mentagrophytes発芽分生子に対し低濃度で明らかな殺真菌作用を示す。10)
テルビナフィン塩酸塩はC.albicansに対して0.098μg/mL以上の濃度で酵母形から菌糸形への変換を阻止し13)、1μg/mL以上の濃度では酵母形増殖に対し静真菌作用を示す。8)
実験的白癬に対する作用
ラミシール外用スプレー1%
10g×10
1. | 内田勝久ほか, 日本医真菌学会雑誌, 34 (2), 207, (1993) »DOI |
2. | テルビナフィン液剤研究班, 西日本皮膚科, 58 (4), 676, (1996) »DOI |
3. | テルビナフィン液研究班, 西日本皮膚科, 58 (4), 684, (1996) »DOI |
4. | 庄司昭伸ほか, 西日本皮膚科, 58 (4), 629, (1996) »DOI |
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7. | 西山彌生ほか, 日本医真菌学会雑誌, 32 (2), 165, (1991) »DOI |
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10. | 平谷民雄ほか, 日本医真菌学会雑誌, 32 (4), 323, (1991) »DOI |
11. | 内田勝久ほか, 日本医真菌学会雑誌, 32 (4), 343, (1991) »DOI |
12. | Schuster,I.et al., "Preclinical characteristics of allylamines.";in Berg,D.et al.eds.Sterol Biosynthesis Inhibitors:Pharmaceutical and Agrochemical Aspects., 449-470, (1988) Pbl.:Ellis Horwood Ltd.,Chichester(UK) |
13. | Schaude,M.et al., Mykosen, 30 (6), 281, (1987) »PubMed »DOI |
14. | 内田勝久ほか, 日本医真菌学会雑誌, 32 (4), 333, (1991) »DOI |
15. | 内田勝久ほか, 日本医真菌学会雑誌, 34 (2), 199, (1993) »DOI |
改訂履歴 |
2015年3月 改訂 |
文献請求先 |
田辺三菱製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売 販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/2/17 版 |