医療用医薬品 : メトプロロール酒石酸塩

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医薬品情報


総称名 メトプロロール酒石酸塩
一般名 メトプロロール酒石酸塩
欧文一般名 Metoprolol Tartrate
薬効分類名 高血圧・狭心症・不整脈治療剤
薬効分類番号 2123 2149
ATCコード C07AB02
KEGG DRUG D00601 メトプロロール酒石酸塩
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2013年12月 改訂 (第10版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」 (後発品) METOPROLOL TARTRATE 辰巳化学 2149010F1149 7.4円/錠 劇薬 , 処方せん医薬品
メトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」 (後発品) METOPROLOL TARTRATE 辰巳化学 2149010F2218 7.5円/錠 劇薬 , 処方せん医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分及び他のβ-遮断剤に対し過敏症の既往歴のある患者

糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[本症でみられる心筋収縮力抑制を増強するおそれがある。]

高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全の患者[心筋収縮力を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

低血圧症の患者[降圧作用により症状を悪化させるおそれがある。]

重症の末梢循環障害(壊疽等)のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

未治療の褐色細胞腫の患者([用法及び用量に関連する使用上の注意]の項参照)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能又は効果

本態性高血圧症(軽症〜中等症)

狭心症

頻脈性不整脈

用法及び用量

本態性高血圧症(軽症〜中等症)

通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60〜120mgを1日3回に分割経口投与する。効果不十分な場合は240mgまで増量することができる。なお、年齢、症状により適宜増減する。

狭心症・頻脈性不整脈

通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60〜120mgを1日2〜3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α-遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα-遮断剤を併用すること。

使用上の注意

慎重投与

気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[喘息等の症状を誘発・悪化させるおそれがあるので、気管支拡張剤を併用するなど慎重に投与すること。]

うっ血性心不全のおそれのある患者[心筋収縮力を抑制し、症状を誘発するおそれがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。]

低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]

重篤な肝障害・腎障害のある患者[代謝又は排泄が遅延するおそれがある。]

徐脈、房室ブロック(I度)のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがあるので心機能に注意すること。](【禁忌】の項参照)

異型狭心症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

甲状腺中毒症の患者[頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。](「重要な基本的注意」の項参照)

末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症等)のある患者[症状を悪化させるおそれがある。](【禁忌】の項参照)

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

小児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること。また、必要に応じアトロピンを投与するなど対症療法を行うこと。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。
狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること。

甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。

手術前24時間は投与しないことが望ましい。

めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2D6で代謝されることから、本酵素の活性に影響する薬剤との併用には注意すること。

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

併用注意

交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
レセルピン、β-遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)等
過剰の交感神経抑制を来し、徐脈、血圧低下等があらわれるおそれがあるので、用量に注意すること。共に交感神経抑制作用を有するため。
血糖降下剤
インスリン、グリベンクラミド等
血糖降下作用を増強することがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。本剤のβ-遮断作用により、低血糖からの回復が遅れることがあり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル、ジルチアゼム等
相互に作用が増強され、過度の降圧又は心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。共に陰性変時・変力作用、降圧作用を有するため。
クロニジンクロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強するおそれがある。クロニジンの投与を中止する場合には、本剤を数日前に中止し、経過を観察してから行うこと。クロニジンの投与中止により血中ノルアドレナリンが増加した場合、本剤のβ-遮断作用によりα-刺激作用(血管収縮作用)が優位となるため。
ClassI抗不整脈剤
ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等
ClassIII抗不整脈剤
アミオダロン等
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。共に心機能抑制作用を有するため。
抗不整脈剤
キニジン、プロパフェノン、アミオダロン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ミラベグロン本剤のAUCが3.29倍上昇したとの報告があり、本剤の作用が増強するおそれがある。ミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
麻酔剤
セボフルラン等
過剰の交感神経の抑制を起こす可能性があるので心機能等に注意すること。共に交感神経抑制作用を有するため。
ジギタリス製剤房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。共に刺激伝導速度の抑制作用を有するため。
非ステロイド性抗炎症剤
インドメタシン等
本剤の降圧作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの合成・遊離を阻害し血圧を上昇させることがある。
降圧作用を有する他の薬剤
ニトログリセリン、タダラフィル等
過度の降圧を来すおそれがあるので、用量に注意すること。共に降圧作用を有するため。
シメチジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
選択的セロトニン再取込み阻害剤
パロキセチン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ヒドララジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。ヒドララジンは肝血流量を増加させ、本剤の初回通過効果を減少させると考えられる。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。リファンピシンの肝代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
リドカインリドカインの血中濃度を上昇させることがあるので、用量に注意すること。本剤による肝血流量の減少及び肝代謝酵素活性阻害によりリドカインの代謝を遅延させると考えられる。
フィンゴリモドフィンゴリモドの投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

以下のような副作用があらわれることがある。これらの副作用を疑わせる臨床検査所見及び症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

心原性ショック

うっ血性心不全、房室ブロック、徐脈、洞機能不全

喘息症状の誘発・悪化

肝機能障害、黄疸

その他の副作用

 頻度不明
注1)視覚障害(霧視等)、涙液分泌減少、結膜炎
過敏症注1)発疹(乾癬型等)、そう痒、光線過敏症
血液血小板減少
循環器心室性期外収縮、起立性低血圧注2)、低血圧、動悸、末梢循環障害(四肢の冷え・しびれ等)
呼吸器息切れ、鼻閉、鼻炎、気管支痙攣
精神神経系めまい・ふらつき、頭痛、不眠、眠気、抑うつ、悪夢、不安、幻覚、感覚異常、注意力障害、神経過敏、健忘、錯乱
消化器悪心・嘔吐、腹痛、食欲不振、便秘、下痢、胸やけ、口渇、腹部膨満感
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
その他倦怠感、胸部圧迫感、浮腫、トリグリセライドの上昇、疲労感、耳鳴、性欲減退、発汗、CK(CPK)の上昇、筋痙直、勃起障害、味覚異常、脱毛、難聴、関節痛、体重増加、乾癬悪化
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。注2)失神を伴うことがある。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]

休薬を要する場合は、徐々に減量する。(「重要な基本的注意」の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳婦

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

徴候・症状

過量投与により、重度の低血圧、洞性徐脈、房室ブロック、心筋梗塞、心不全、心原性ショック、心停止、気管支痙攣、意識障害(又は昏睡)、痙攣、悪心、嘔吐、チアノーゼなどの症状が起こるおそれがある。

処置

過度の徐脈

アトロピンを静注する。効果不十分な場合にはβ-刺激剤(ドブタミン等)を投与する。又は一時的にペースメーカーを使用する。

過度の低血圧

低血圧には昇圧剤(アドレナリン、ドパミン、ドブタミン等)を投与する。

心不全

利尿剤、ジギタリス製剤を投与する。

気管支痙攣

β2-刺激剤(サルブタモール等)又はアミノフィリンを静注する。

これらの処置の間は患者を常に観察下におくこと。
また、過度の徐脈、過度の低血圧、心不全の処置には、グルカゴンが有効な場合もある。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

β-遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告がある。

薬物動態

生物学的同等性試験

メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メトプロロール酒石酸塩20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について95%信頼区間法にて統計解析を行った結果、±20%の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)

 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→12hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」112.19±56.9422.46±10.581.43±0.653.28±0.57
標準製剤
(錠剤、20mg)
112.00±62.1921.56±10.061.68±0.673.19±0.48
(Mean±S.D.,n=14)

メトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メトプロロール酒石酸塩40mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について95%信頼区間法にて統計解析を行った結果、±20%の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)

 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→24hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
メトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」263.9±175.548.7±20.91.4±0.43.3±0.8
標準製剤
(錠剤、40mg)
267.5±189.551.8±26.91.4±0.43.1±0.8
(Mean±S.D.,n=14)

血清中及び血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

溶出挙動

メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」及びメトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」は、日本薬局方医薬品各条に定められた溶出規格に適合していることが確認されている。2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名メトプロロール酒石酸塩
一般名(欧名)Metoprolol Tartrate
化学名(2RS)-1-Isopropylamino-3-[4-(2-methoxyethyl)phenoxy]propan-2-ol hemi-(2R,3R)-tartrate
分子式(C15H25NO3)2・C4H6O6
分子量684.81
性状白色の結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。
KEGG DRUGD00601

取扱い上の注意

安定性試験

加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」及びメトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。3)

包装

メトプロロール酒石酸塩錠20mg「TCK」

100錠(PTP)

メトプロロール酒石酸塩錠40mg「TCK」

100錠(PTP)

主要文献


1. 辰巳化学株式会社:生物学的同等性試験
2. 辰巳化学株式会社:溶出試験
3. 辰巳化学株式会社:安定性試験

作業情報


改訂履歴

2012年2月 改訂
2013年12月 改訂 (第10版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましては下記にご請求下さい。
辰巳化学株式会社
921-8164
金沢市久安3丁目406番地
076-247-2132

業態及び業者名等

製造販売元
辰巳化学株式会社
金沢市久安3丁目406番地


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/9/16 版