医療用医薬品 : フロセミド

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医薬品情報


総称名 フロセミド
一般名 フロセミド
欧文一般名 Furosemide
薬効分類名 利尿降圧剤
薬効分類番号 2139
ATCコード C03CA01
KEGG DRUG D00331 フロセミド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年8月 改訂 (第6版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フロセミド注射液20mg「日医工」 (後発品) Furosemide 日医工 2139401A2196 58円/管 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]

腎毒性物質又は肝毒性物質による中毒の結果起きた腎不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

肝性昏睡の患者[低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。]

体液中のナトリウム,カリウムが明らかに減少している患者[電解質失調を起こすおそれがある。]

著しい循環血液量の減少あるいは血圧の低下している患者[脱水,血栓塞栓症,ショックを起こすおそれがある。]

スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,脳浮腫,尿路結石排出促進

急性又は慢性腎不全による乏尿

用法用量

高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,脳浮腫,尿路結石排出促進の場合

通常,成人にはフロセミドとして1日1回20mgを静脈注射又は筋肉内注射する。なお,年齢,症状により適宜増減する。
腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。
ただし,悪性高血圧に用いる場合には,通常,他の降圧剤と併用すること。

急性又は慢性腎不全による乏尿の場合

フロセミドとして20〜40mgを静脈内投与し,利尿反応のないことを確認した後,通常,フロセミドとして100mgを静脈内投与する。
投与後2時間以内に1時間当り約40mL以上の尿量が得られない場合には用量を漸増し,その後症状により適宜増減する。ただし,1回投与量はフロセミドとして500mgまでとし,1日量はフロセミドとして1000mgまでとする。
本剤の投与速度はフロセミドとして毎分4mg以下とする。

使用上の注意

慎重投与

進行した肝硬変症のある患者[肝性昏睡を誘発することがある。]

重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮をきたし,血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]

重篤な腎障害のある患者[排泄遅延により血中濃度が上昇する。]

肝疾患・肝機能障害のある患者[肝性昏睡を誘発することがある。]

本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病のある患者[痛風発作を起こすおそれがある。糖尿病を悪化するおそれがある。]

下痢,嘔吐のある患者[電解質失調を起こすおそれがある。]

手術前の患者[1)昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることがある。2)ツボクラリン等の麻痺作用を増強することがある。(「相互作用」の項参照)]

ジギタリス剤,糖質副腎皮質ホルモン剤,ACTH又はグリチルリチン製剤の投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)

減塩療法時の患者[低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

小児等(「小児等への投与」の項参照)

全身性エリテマトーデスの患者[全身性エリテマトーデスを悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので,電解質失調,脱水に十分注意し,少量から投与を開始して,徐々に増量すること。

連用する場合,電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。

降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

相互作用

併用禁忌

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)低ナトリウム血症が発現するおそれがある。いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

併用注意

昇圧アミン
アドレナリン
ノルアドレナリン
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので,手術前の患者に使用する場合には,本剤の一時休薬等の処置を行うこと。併用により血管壁の反応性が低下するためと考えられている。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
麻痺作用を増強することがあるので,手術前の患者に使用する場合には,本剤の一時休薬等の処置を行うこと。利尿剤による血清カリウム値の低下により,これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられている。
他の降圧剤
β-遮断剤等
降圧作用を増強するおそれがあるので,降圧剤の用量調節等に注意すること。作用機序の異なる降圧剤との併用により,降圧作用が増強される。
ACE阻害剤
A-II受容体拮抗剤
本剤投与中にACE阻害剤又はA-II受容体拮抗剤を初めて投与もしくは増量した際に,高度の血圧低下や,腎不全を含む腎機能の悪化を起こすことがある。これらの薬剤を初めて投与する場合や増量する場合は,本剤の一時休薬もしくは減量等を考慮すること。本剤投与中は血漿レニン活性が上昇しており,これらの薬剤を投与することによりレニン−アンジオテンシン系をブロックする結果,急激な血圧低下を起こすと考えられる。
アミノグリコシド系抗生物質
ゲンタマイシン硫酸塩
アミカシン硫酸塩
第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがある。アミノグリコシド系抗生物質の内耳外有毛細胞内濃度が上昇し,最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし,永続的な難聴が起こる場合もある。
シスプラチン聴覚障害が増強するおそれがある。シスプラチンの内耳外有毛細胞内濃度が上昇し,最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし,永続的な難聴が起こる場合もある。
アミノグリコシド系抗生物質
ゲンタマイシン硫酸塩
アミカシン硫酸塩
セファロスポリン系抗生物質
セファロチンナトリウム
腎毒性を増強するおそれがある。近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い,抗生物質の再吸収も増加することにより,組織内濃度が上昇し腎毒性が増強する。
ジギタリス剤
ジギトキシン
ジゴキシン
ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので,血清カリウム値及び血中ジギタリス濃度に注意すること。利尿剤による血清カリウム値の低下により,多量のジギタリスが心筋Na-KATPaseに結合し,心収縮力増強と不整脈が起こる。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ヒドロコルチゾン
ACTH
グリチルリチン製剤
強力ネオミノファーゲンC
甘草含有製剤
過剰のカリウム放出により,低カリウム血症が発現するおそれがある。共にカリウム排泄作用を有する。
糖尿病用剤
スルホニルウレア剤
インスリン
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制,末梢でのインスリン感受性の低下をもたらす。
SGLT2阻害剤利尿作用が増強されるおそれがあるので,血圧,脈拍数,尿量,血清ナトリウム濃度等を確認し,脱水症状の発現に注意すること。必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること。利尿作用が増強されるおそれがある。
リチウム
炭酸リチウム
リチウム毒性を増強するおそれがあるので,血中リチウム濃度等に注意する。リチウムの腎での再吸収を促進し,リチウムの血中濃度が上昇する。
サリチル酸誘導体
サリチル酸ナトリウム
アスピリン
サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。腎の排泄部位において両剤の競合が起こり,サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
インドメタシン
本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎でのプロスタグランジン合成を阻害し,水,塩類の体内貯留を引き起こし利尿剤の作用と拮抗する。
尿酸排泄促進剤
プロベネシド
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。尿酸再吸収の間接的増大により,尿酸排泄促進剤の作用が抑制される。
カルバマゼピン症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。ナトリウム排泄作用が増強され,低ナトリウム血症が起こる。
その他の強心剤
コルホルシンダロパート塩酸塩
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがある。本剤により電解質失調が引き起こされ,併用により不整脈が発現する可能性がある。
シクロスポリン痛風性関節炎を起こすおそれがある。フロセミドによって引き起こされる高尿酸血症とシクロスポリンによる尿酸塩排泄阻害により,副作用が悪化する。
V2-受容体拮抗剤
モザバプタン塩酸塩
利尿作用が増強するおそれがある。血圧,脈拍数,尿量,血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし,脱水症状の発現に注意すること。利尿作用を増強させる。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

ショック,アナフィラキシー

ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,赤芽球癆

再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,赤芽球癆があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

水疱性類天疱瘡

水疱性類天疱瘡があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

難聴

難聴をきたすことがあるので,静脈注射又は点滴静脈注射する場合は,用法及び用量に従い毎分4mg以下となるよう投与速度を調節すること。このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症

中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

心室性不整脈(Torsades de pointes)

低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

間質性腎炎

間質性腎炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

間質性肺炎

間質性肺炎があらわれることがあるので,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
血液注1)白血球減少,好酸球増加,溶血性貧血,貧血
代謝異常注2)低カルシウム血症,代謝性アルカローシス,高血糖症,高トリグリセリド血症,高コレステロール血症,偽性バーター症候群,高尿酸血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症
皮膚注1)発疹,蕁麻疹,発赤,光線過敏症,そう痒症,水疱性皮膚炎,紫斑,苔癬様皮疹
消化器食欲不振,悪心・嘔吐,口渇,下痢,膵炎注3)(血清アミラーゼ値上昇)
肝臓注1)黄疸,肝機能異常,胆汁うっ滞
腎臓注4)BUN上昇,クレアチニン上昇
精神神経系めまい,耳鳴り,知覚異常,聴覚障害,頭痛
その他脱力感,筋肉痛,けん怠感,起立性低血圧,筋痙攣,味覚異常,血管炎,発熱,体熱感,四肢振戦
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。注2)異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。注3)膵炎があらわれるとの報告があるので,血清アミラーゼ値の上昇に注意すること。注4)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には,次の点に注意し,少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

高齢者では急激な利尿は血漿量の減少をきたし,脱水,低血圧等による立ちくらみ,めまい,失神等を起こすことがある。

特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし,脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]

高齢者では低ナトリウム血症,低カリウム血症があらわれやすい。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊娠初期又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠初期の投与に関する安全性は確立していない。]

本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中に移行する。]

小児等への投与

低出生体重児

生後数週間以内の呼吸窮迫症の低出生体重児では,動脈管開存のリスクが増加する可能性がある。
動脈管開存及び硝子膜症のため浮腫を生じた重度の低出生体重児に投与したところ腎石灰化症があらわれたとの報告があるので慎重に投与すること。

乳児

乳児では電解質バランスがくずれやすいため,慎重に投与すること。

過量投与

徴候,症状

電解質及び体液喪失により血圧低下,心電図異常,血栓症,急性腎障害,譫妄状態等を起こす可能性がある。

処置

患者の状態を観察しながら水分及び電解質の補充を行う。
本剤は血液透析によって除去できない。

適用上の注意

静脈注射時

緩徐に投与すること。特に,大量静脈注射の必要がある場合には,毎分4mg以下となるよう投与速度を調節すること。[大量を急速に静脈注射した場合に難聴があらわれやすい。]

筋肉内注射時

筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
同一部位への反復注射は行わないこと。
特に新生児,低出生体重児,乳児,小児には注意すること。

神経走行部位を避けること。

注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること。

注射部位に疼痛,硬結をみることがある。

アンプルカット時

本品はワンポイントアンプルであるが,アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

その他の注意

ヨード造影剤による造影剤腎症の発症リスクの高い患者に本剤を投与した時,造影剤投与前に輸液のみ行った群に比べ,造影剤投与後の腎機能悪化の割合が高かったとの報告がある。

薬効薬理

ループ利尿薬である。近位尿細管から有機アニオン輸送系を介して分泌され,ヘンレ係蹄上行脚の管腔側から作用してNa+-K+-2Cl−共輸送体を阻害することによりNaClの再吸収を抑制し,尿濃縮機構(対向流増幅系)を抑制することによって,ほぼ等張の尿を排泄させる。また,血管拡張性プロスタグランジンの産生促進を介する腎血流量の増加も利尿効果に関与していると考えられている。1)

有効成分に関する理化学的知見

一般名フロセミド
一般名(欧名)Furosemide
化学名4-Chloro-2-[(furan-2-ylmethyl)amino]-5-sulfamoylbenzoic acid
分子式C12H11ClN2O5S
分子量330.74
融点約205℃(分解)
性状白色の結晶又は結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく,メタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,アセトニトリル又は酢酸(100)に溶けにくく,水にほとんど溶けない。
希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
光によって徐々に着色する。
KEGG DRUGD00331

取扱い上の注意

安定性試験

長期保存試験の結果より,フロセミド注射液20mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。2)

包装

フロセミド注射液20mg「日医工」

20mg/2mL×50管

主要文献


1. 第十七改正日本薬局方解説書,  C-4776,  (2016)  廣川書店,東京
2. 日医工株式会社 社内資料:安定性試験

作業情報


改訂履歴

2018年1月 改訂
2019年8月 改訂 (第6版)

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
日医工株式会社
930-8583
富山市総曲輪1丁目6番21
0120-517-215

業態及び業者名等

製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/12/16 版