医療用医薬品 : セフポドキシムプロキセチル

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医薬品情報


総称名 セフポドキシムプロキセチル
一般名 セフポドキシム プロキセチル
欧文一般名 Cefpodoxime Proxetil
薬効分類名 経口用セフェム系抗生物質製剤
薬効分類番号 6132
ATCコード J01DD13
KEGG DRUG
D00920 セフポドキシム プロキセチル
KEGG DGROUP
DG01488 セフェム系抗生物質
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
セフポドキシムプロキセチル錠100mg「トーワ」 (後発品) CEFPODOXIME PROXETIL TABLETS 100mg“TOWA” 東和薬品 6132011F1110 28.1円/錠 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

5. 効能または効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはセフポドキシム プロキセチルとして1回100mg(力価)を1日2回食後経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減するが、重症又は効果不十分と思われる症例には、1回200mg(力価)を1日2回食後経口投与する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。[11.1.1参照]
8.3 急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.1.2 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者
投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。本剤は腎排泄型の抗生物質のため排泄遅延が起こる。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中へ移行する2)
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
・ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

10. 相互作用

10.2 併用注意
アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤本剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。機序は不明であるが、本剤の吸収が阻害されるとの報告がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、不快感、口内異常感、喘鳴、めまい、便意、耳鳴、発汗、発疹等)を起こすことがある。[8.2参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.3 偽膜性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(初期症状:腹痛、頻回の下痢)があらわれることがある。
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.7 汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)
11.1.8 痙攣(頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜2%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒、発熱蕁麻疹、紅斑、リンパ腺腫脹、関節痛
血液好酸球増多血小板減少顆粒球減少
肝臓AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇 肝機能障害
腎臓BUN上昇血中クレアチニン上昇血尿
消化器下痢、胃部不快感、悪心、軟便、胃痛、食欲不振嘔吐、腹痛、便秘 
菌交代症 口内炎カンジダ症
ビタミン欠乏症  ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 めまい、頭痛浮腫、しびれ感

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

12.1 テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
セフポドキシムプロキセチル錠100mg「トーワ」とバナン錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セフポドキシム プロキセチルとして100mg(力価))健康成人男子に絶食単回経口投与して活性代謝物であるセフポドキシムの血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。3)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-12(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
セフポドキシムプロキセチル錠100mg「トーワ」7.235±1.9261.317±0.3322.32±0.642.18±0.14
バナン錠100mg7.369±1.4781.335±0.2082.82±0.812.11±0.18
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度腎機能障害患者(A群:7例)及び中等度腎機能障害患者(B群:2例)に、セフポドキシム プロキセチル錠200mgを食後30分に経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、Cmaxの増加、Tmaxの延長、AUC0-12の増加が認められた。
尿中濃度は、A群で4〜6時間にピークを示し、12時間までの尿中回収率は33.8±3.8%であった。またB群で8〜12時間にピークを示し、12時間までの尿中回収率は17.5%であり、腎機能の低下に伴い尿中への排泄遅延が認められた。4)9.2.1参照]
 クレアチニンクリアランス(mL/min)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-12(μg・hr/mL)
A群(n=7)54±53.9±0.33.7±0.33.6±0.428.3±2.2
B群(n=2)364.873.434.0

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. セフポドキシム プロキセチル

一般的名称 セフポドキシム プロキセチル
一般的名称(欧名) Cefpodoxime Proxetil
化学名 (1RS)-1-[(1-Methylethoxy)carbonyloxy]ethyl(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-methoxymethyl-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate
分子式 C21H27N5O9S2
分子量 557.60
物理化学的性状 白色〜淡褐白色の粉末である。アセトニトリル、メタノール又はクロロホルムに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
KEGG DRUG D00920

22. 包装

100錠[10錠×10:PTP、乾燥剤入り]
500錠[10錠×50:PTP、乾燥剤入り]

23. 主要文献

  1. 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
  2. 山元貴雄ほか, 日本化学療法学会雑誌(Chemotherapy), 36 (S-1), 967-978, (1988) »DOI
  3. 社内資料:生物学的同等性試験
  4. 植田省吾ほか, 日本化学療法学会雑誌(Chemotherapy), 36 (S-1), 859-867, (1988) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版