医療用医薬品 : ケトチフェン

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医薬品情報


総称名 ケトチフェン
一般名 ケトチフェンフマル酸塩
欧文一般名 Ketotifen Fumarate
製剤名 ケトチフェンフマル酸塩点鼻液
薬効分類名 アレルギー性鼻炎治療剤
薬効分類番号 1329
ATCコード R06AX17
KEGG DRUG
D01332 ケトチフェンフマル酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年7月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ケトチフェン点鼻液0.05%「VTRS」 (後発品) KETOTIFEN Nasal Solution ヴィアトリス・ヘルスケア 1329705Q1360 231円/瓶

4. 効能または効果

アレルギー性鼻炎

6. 用法及び用量

通常、1日4回(朝、昼、タ方及び就寝前)、1回各鼻腔に1噴霧(ケトチフェンとして0.05mg)ずつ、本剤専用の鼻用定量噴霧器を用いて噴霧吸入する。

8. 重要な基本的注意

8.1 眠気を催すことがあるので、本剤使用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
 0.1%〜5%未満0.1%未満
鼻腔鼻乾燥感、鼻刺激感
精神神経系眠気、脱力感頭痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
本剤に添付された患者用携帯袋に記載されている使用方法および注意事項にしたがって正しく噴霧吸入するよう患者を指導すること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
二重盲検比較試験を含むアレルギー性鼻炎におけるケトチフェン点鼻液の臨床効果判定は、鼻症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)及び鼻粘膜所見等の調査においてケトチフェン点鼻液の有用性が確認された1)2)3)4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
抗アレルギー作用及び抗ヒスタミン作用を有し、鼻汁中の好酸球数を減少させ、鼻粘膜の過敏性を減弱させる5)
18.2 抗アレルギー作用
ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応を抑制する(ラット)6)
ヒスタミン、SRS-A等ケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔肥満細胞、ヒト白血球中好塩基球・好中球in vitro6)7)8)
また、抗原及びPAF(血小板活性化因子)による好酸球の活性化を抑制する(モルモット9)、ヒヒ10))。
18.3 抗ヒスタミン作用
ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する6)
18.4 動物鼻炎モデルにおける作用
動物鼻炎モデルにおいてケトチフェンの投与により鼻汁分泌及び鼻汁中好酸球出現の抑制が認められている(モルモット)。
抗原誘発により生じる鼻粘膜組織中のSRS-A含量はケトチフェン前投与により減少する(モルモット、点鼻)11)
18.5 誘発試験による鼻粘膜反応の抑制
アレルギー性鼻炎患者において、ケトチフェンは抗原により誘発される鼻粘膜反応を抑制する(点鼻)1)。また、ヒスタミンによる鼻粘膜反応を抑制し、鼻粘膜の過敏性を減弱させる(点鼻)5)
18.6 生物学的同等性試験
18.6.1 鼻腔漏出色素量及びライソゾーム酵素活性を指標とした抗鼻炎作用
実験的ラットアレルギー性鼻炎モデルにおいて、抗原液灌流の前後にケトチフェン点鼻液及びザジテン点鼻液を各1回点鼻し、鼻汁中漏出色素量及び鼻汁中漏出β-glucuronidase 活性の抑制効果を比較したところ、色素液静注後より抗原液灌流30分後までのいずれの灌流段階においても両製剤ともおおむね相同する挙動を示した。また、両製剤間に統計学的な有意差は認められず、アレルギー性鼻炎モデルにおける抗アレルギー作用について、両剤の生物学的同等性が確認された12)
18.6.2 左右鼻翼電極間のインピーダンス変化を指標とした抗鼻閉作用
受動感作モルモットにおいて、抗原液滴下の前後にケトチフェン点鼻液及びザジテン点鼻液を各1回点鼻し、左右鼻翼電極間のインピーダンス変化を測定して鼻閉に対する抑制効果を比較したところ、両製剤の鼻閉回数はほぼ相同する挙動を示した。また、両製剤間に統計学的な有意差が認められず、両剤の生物学的同等性が確認された12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ケトチフェンフマル酸塩

一般的名称 ケトチフェンフマル酸塩
一般的名称(欧名) Ketotifen Fumarate
化学名 4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H-benzo[4,5]cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H)-one monofumarate
分子式 C19H19NOS・C4H4O4
分子量 425.50
融点 約190℃(分解)
物理化学的性状 白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。
メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、水、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。
KEGG DRUG D01332

22. 包装

8mL×10瓶

23. 主要文献

  1. 奥田稔ほか, 耳鼻咽喉科展望, 32 (S5), 395-406, (1989)
  2. 馬場駿吉ほか, 耳鼻咽喉科展望, 33 (S1), 23-32, (1990)
  3. 黒野祐一ほか, 耳鼻と臨床, 35 (5), 933-939, (1989) »DOI
  4. 佐川充ほか, 診療と新薬, 26 (6), 1033-1042, (1989)
  5. 今野昭義ほか, 耳鼻と臨床, 36 (2), 252-257, (1990) »DOI
  6. Martin U,et al., Arzneim -Forsch Drug Res., 28 (5), 770-782, (1978)
  7. 熊谷朗ほか, メディカルサンド., 8 (2), 87-93, (1980)
  8. 岸本真知子ほか, アレルギーの臨床, 4 (2), 149-151, (1984)
  9. Morley J,et al., Agents Actions Suppl., 23 (S), 187-194, (1988)
  10. Arnoux B,et al., Am Rev Respir Dis., 137 (4), 855-860, (1988) »PubMed
  11. 今野昭義ほか, 耳鼻咽喉科臨床, 82 (6), 879-886, (1989) »DOI
  12. 社内資料:生物学的同等性試験(ケトチフェン点鼻液0.05%「VTRS」)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部
〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号
電話:フリーダイヤル 0120-419-043
製品情報問い合わせ先
ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部
〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号
電話:フリーダイヤル 0120-419-043

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社
東京都港区麻布台一丁目3番1号
26.2 販売元
ヴィアトリス製薬合同会社
東京都港区麻布台一丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版