イホスファミドによる泌尿器系障害に対する有効性、安全性及び有用性を評価する目的で、プラセボを対照とする二重盲検比較試験を実施した。
イホスファミドは1日2g/m
2(体表面積)、5日間の連日点滴静注を行い、本剤はイホスファミドの20%相当量(400mg/m
2)を1日3回(直後、4時間後、8時間後)、5日間静注した。なお、両群共に1日2Lの輸液を併用した。
91例の完全例(メスナ群:45例、プラセボ群:46例)中、メスナ群では中等度以上の排尿痛及び残尿感の発現が認められなかったのに対し、プラセボ群では各々19.6%(9例)、15.2%(7例)の頻度で発現し、メスナ群の発現率は有意に低かった(排尿痛:p=0.0003、残尿感:p=0.0009)。また、中等度以上の血尿の発現率はメスナ群が6.7%(3例)であり、プラセボ群の32.6%(15例)よりも有意に低かった(p=0.0008)。有用度判定では、「有用である」としたものがメスナ群では80.0%(36例)であり、プラセボ群の34.8%(16例)に比べ有意に高かった(p<0.0001)
7)。
安全性評価対象45例において、副作用は認められなかった。
表17-1 二重盲検比較試験における有用度
群 | 有用性評価対象例数 | 有用度判定(例数) | 有用例数/有用性評価対象例数 | 有用度(%) | 検定結果注 |
有用 | どちらともいえない | 有用でない |
メスナ | 45 | 36 | 5 | 4 | 36/45 | 80.0 | z=−4.679 p<0.0001 |
プラセボ | 46 | 16 | 5 | 25 | 16/46 | 34.8 |