9.1.1 ベンゾジアゼピン系薬剤を長期間にわたり高用量投与している患者
急激な投与を避け、緩徐に静脈内投与するよう注意すること。離脱症状があらわれた場合はベンゾジアゼピン系薬剤を緩徐に静脈内投与するなど適切な処置を行うこと。急速に静脈内投与すると、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が出現することがある。
9.1.2 手術前あるいは鎮静される前の不安の程度が高い患者、特に冠動脈疾患を有する患者
少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること。早期に覚醒させるよりもある程度鎮静状態を保つほうが良い場合が多い。
9.1.3 ICU領域における高血圧を有する患者
少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること。覚醒時に血圧上昇がみられることがある。
9.1.4 ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている重症頭部外傷患者又は不安定な頭蓋内圧を有する患者
ベンゾジアゼピン系薬剤の解除に伴い、頭蓋内圧亢進が起こることがある。
9.1.5 ベンゾジアゼピン系薬剤と三(四)環系抗うつ剤を服用している患者
ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い、抗うつ剤の中毒症状(自律神経系症状等)が顕在化することがある。[
10.2参照]
覚醒後も患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。ベンゾジアゼピン系薬剤の作用消失時間の延長が考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。高齢者はベンゾジアゼピン系薬剤の作用に対し感受性が高い。