医療用医薬品 : クロミッド

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医薬品情報


総称名 クロミッド
一般名 クロミフェンクエン酸塩
欧文一般名 Clomifene Citrate
薬効分類名 排卵誘発剤
薬効分類番号 2499
ATCコード G03GB02
KEGG DRUG D00962 クロミフェンクエン酸塩
商品一覧 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 原則禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クロミッド錠50mg Clomid 富士製薬工業 2499009F1080 104円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

卵巣腫瘍及び多嚢胞性卵巣症候群を原因としない卵巣の腫大のある患者[卵巣過剰刺激作用により更に卵巣を腫大させるおそれがある。]

肝障害又は肝疾患のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

妊婦[「重要な基本的注意」の(2)の項参照]

原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

児を望まない無排卵患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

排卵障害に基づく不妊症の排卵誘発

用法用量

無排卵症の患者に対して本剤により排卵誘発を試みる場合には、まずGestagen、Estrogen testを必ず行って、消退性出血の出現を確認し、子宮性無月経を除外した後、経口投与を開始する。

通常、第1クール1日クロミフェンクエン酸塩として50mg5日間で開始し、第1クールで無効の場合は1日100mg5日間に増量する。
用量・期間は1日100mg5日間を限度とする。

使用上の注意

慎重投与

子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]

子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]

乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。]

乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状が増悪するおそれがある。]

肝障害・肝疾患の既往歴のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

多嚢胞性卵巣のある患者[卵巣過剰刺激症候群が起こりやすい。]

未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため。]

重要な基本的注意

霧視等の視覚症状があらわれることがあるので、服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

動物試験で胎児毒性並びに催奇形作用が認められており、またヒト妊卵に対する安全性は確立されていないので、妊娠中には絶対に投与しないこと。したがって妊娠初期の不注意な投与を避けるため、次の点に注意すること。

投与前少なくとも1ヵ月間及び治療期間中は基礎体温を必ず記録させ、排卵誘発の有無を観察すること。

無月経患者においては投与前にGestagen testを行い、消退性出血開始日を第1日として5日目に、また投与前に自然出血(無排卵周期症)があった場合はその5日目に投与を開始すること。

投与後基礎体温が高温相に移行した場合は、投与を中止し、必ず妊娠成立の有無を確認すること。

本療法の対象は間脳又は下垂体前葉の機能障害に由来する性腺刺激ホルモン低分泌無排卵患者であるので、次の患者には投与しないこと。

原発性卵巣不全による尿中性腺刺激ホルモン分泌の高い患者

副腎及び甲状腺機能の異常による無排卵患者

頭蓋内に病変(下垂体腫瘍等)のある患者

無排卵症以外の不妊症患者

本療法の卵巣過剰刺激による副作用を避けるため、投与前及び治療期間中は毎日内診を行い、特に次の点に留意し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。

患者の自覚症状(特に下腹部痛)の有無

卵巣腫大の有無

基礎体温異常上昇の有無(毎日測定させること。)

頸管粘液量とその性状

卵巣過剰刺激は用量に依存する可能性があるので、用量・期間は、1周期につき1日100mg、5日間を限度とすること。[「用法・用量」の項参照]

卵巣過剰刺激の結果としての多胎妊娠の可能性があるので、その旨をあらかじめ患者に説明すること。

無月経患者においては、投与前にGestagen testにより、第1度無月経を確認し、Estrogen testにより子宮性無月経を除外すること。

一般に3クール反復投与しても排卵性月経の全くみられない場合には投与を中止すること。

産婦人科・内分泌専門医師の管理のもとに投与すること。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時における安全性評価対象例339例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は64例(18.9%)に認められた[1]

市販後調査における安全性評価対象例3823例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は276例(7.22%)に認められた[1]

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

卵巣過剰刺激症候群(頻度不明)

本剤を投与した場合、並びに、卵胞刺激ホルモン製剤(FSH製剤)、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(hMG製剤)、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤(hCG製剤)を本剤の投与に引き続き用いた場合又は本剤とこれらの製剤を併用した場合、卵巣腫大、卵巣茎捻転、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水・胸水の貯留を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。これに伴い、血液濃縮、血液凝固能の亢進、呼吸困難等を併発することがあるので、直ちに投与を中止し、循環血液量の改善に努めるなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
虚血性視神経症霧視等の視覚症状 
過敏症発疹等  
精神神経系精神変調頭痛、情動不安等 
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇 5%以上のBSP排泄遅延
消化器 悪心・嘔吐、食欲不振等 
その他 顔面潮紅、尿量増加、口渇、疲労感 

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦には投与しないこと。[「重要な基本的注意」の(2)の項参照]

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

外国で本剤の長期投与により、卵巣腫瘍の発症の危険性を増加させるとの疫学的調査結果が報告されている。

血栓症の素因のある患者において、本剤の投与後、脳梗塞、静脈血栓症が発現したとの報告がある。

生後4日のラットにクロミフェン2、4、8mg/kgを経口投与した実験において、10週齢における観察で8mg/kg投与群の雄ラットに精巣及び精巣上体の病理組織学的変化、生殖器重量の減少、全投与群の雌ラットに卵巣及び子宮の病理組織学的変化が認められたとの報告がある。

遺伝毒性に関して、ラットを用いた骨髄小核試験において陽性の結果が報告されている。

薬物動態

吸収

消化管から速やかに吸収され、腸肝循環が認められる[2]。血漿中からの消失半減期は5〜7日である。(外国人によるデータ)

代謝

主に肝臓で代謝され、主要代謝物はA環の炭素4位の水酸化体で、クロミフェンクエン酸塩より強い抗エストロゲン活性を持ち[3]、長時間作用する[2]。(外国人によるデータ)

排泄

患者6例に、14C-標識クロミフェンクエン酸塩を経口投与したとき、5日間で平均51%が排泄された。主に糞便中に排泄され、投与後6週間までは糞便中濃度が尿中濃度を超えていた。このことは、未変化体及び代謝物が腸肝循環でゆっくりと排泄されたことを示している[4]。(外国人によるデータ)

臨床成績

承認時における一般臨床試験での排卵誘発率を指標とした有効性評価対象例は49例であり、有効率は44.9%(22例)であった[5]

表1 臨床成績

疾患名有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
第1度無月経9/1656.3
第2度無月経1/175.9
無排卵周期症12/1675.0

薬効薬理

薬理作用

クロミフェンクエン酸塩は、ごく弱いエストロゲン作用を有し、そのエストロゲン活性は、エストラジオール-17β(E2)の1〜2%である[6]

作用機序

クロミフェンクエン酸塩は、内因性エストロゲンのレベルが保たれている無排卵症婦人に投与すると、間脳に作用して内因性エストロゲンと競合的に受容体と結合し、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)を分泌させる。その結果、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が分泌され、卵巣を刺激して排卵が誘発される[7]

有効成分に関する理化学的知見

一般名クロミフェンクエン酸塩
一般名(欧名)Clomifene Citrate
化学名2-[4-(2-Chloro-1,2-diphenylvinyl)phenoxy]-N,N-diethylethylamine monocitrate
分子式C26H28ClNO・C6H8O7
分子量598.08
融点約115℃
性状白色〜微黄白色の粉末で、においはない。
メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
光によって徐々に着色する。
KEGG DRUGD00962

包装

クロミッド錠50mg

PTP30錠(10錠×3)

主要文献


1. 厚生省薬務局安全課:医薬品副作用情報 No.12,  67,  (1975)
2. Geier,A.et al.,  Fertil.Steril.,  47 (5),  778,  (1987) »PubMed
3. Drug Evaluations Subscription,  2,  7:11-7:12,  (1994)  American Medical Association
4. Schreiber,E.et al.,  Clin.Res.,  14,  287,  (1966)
5. 植田安雄ほか,  日本産科婦人科学会雑誌,  18 (6),  555,  (1966)
6. 寺川直樹,  臨床婦人科産科,  42 (3),  247,  (1988)
7. 青野敏博,  産婦人科の進歩,  28 (5),  407,  (1976) »J-STAGE

作業情報


改訂履歴

2015年10月 作成
2016年5月 第2版 改訂

文献請求先

富士製薬工業株式会社
939-3515
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
076-478-0032

業態及び業者名等

製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/11/22 版