医療用医薬品 : デスパ

List   Top

医薬品情報


総称名 デスパ
一般名 クロルヘキシジン塩酸塩
ヒドロコルチゾン酢酸エステル
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
濃ベンザルコニウム塩化物液50
欧文一般名 Chlorhexidine Hydrochloride
Hydrocortisone Acetate
Diphenhydramine Salicylate
Benzalkonium Chloride Concentrated Solution 50
製剤名 クロルヘキシジン塩酸塩・ヒドロコルチゾン酢酸エステル・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・濃ベンザルコニウム塩化物液50配合口腔用クリーム
薬効分類名 口内炎・歯周炎治療剤
薬効分類番号 2399
KEGG DRUG
D04425 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ヒドロコルチゾン酢酸エステル・ベンザルコニウム塩化物・クロルヘキシジン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2020年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
デスパコーワ口腔用クリーム DESPA KOWA ORAL CREAM 興和 2399800X1033 27.3円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 口腔に結核性、ウイルス性、その他化膿性の感染症がある場合[感染症を悪化させるおそれがある。][8.1参照]
2.2 本剤の成分又はクロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者[8.3参照]

4. 効能または効果

アフタ性口内炎、孤立性アフタ、褥瘡性潰瘍、辺縁性歯周炎

6. 用法及び用量

本剤の適量を1日3〜4回炎症部位に塗布する。

8. 重要な基本的注意

8.1 重篤な感染を伴う場合には使用しないこと。やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)等による治療を行うか又はこれらとの併用を行うこと。[2.1参照]
8.2 連用に際しては、副作用の発現に注意し、必要最小限の使用にとどめること。
8.3 ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。[2.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。また、長期使用を避けること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
長期連用により発育障害を来すおそれがある。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
 0.1〜5%未満頻度不明
口腔舌のしびれ、味覚異常、口内炎、黒舌症等真菌性感染症注2)、細菌性感染症注2)
過敏症 過敏症状
下垂体・副腎皮質系機能 下垂体・副腎皮質系機能の抑制(長期連用による)
消化器胃部不快感、胃部膨満感、嘔吐、下痢等 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
使用後はしばらく飲食を避けさせること。
14.2 薬剤投与時の注意
眼科用として使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
一般臨床試験の概要は次のとおりであった1)2)3)4)5)6)
表 対象疾患別の有効率
疾患名有効率
アフタ性口内炎・孤立性アフタ77.9%(162/208例)
褥瘡性潰瘍92.9%(26/28例)
辺縁性歯周炎55.2%(111/201例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 クロルヘキシジン塩酸塩
口腔内感染予防・治療薬である。抗菌薬中、広範囲微生物作用部類に属し、特にブドウ球菌等のグラム陽性球菌に低濃度で迅速な殺菌作用を示す。大腸菌等のグラム陰性菌にも比較的低濃度で作用するが、グラム陽性菌に比べ感性に幅がある。真菌類の多くも感性を示すが、細菌類より抵抗性がある。
18.1.2 ヒドロコルチゾン酢酸エステル
起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用をあらわすと考えられる。
18.1.3 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
ヒスタミンH1受容体を遮断することにより、H1受容体を介するヒスタミンによるアレルギー性反応(毛細血管の拡張と透過性亢進、知覚神経終末刺激によるそう痒等)を抑制する。
18.1.4 濃ベンザルコニウム塩化物液50
タンパク変性及び酵素の切断、糖の分解と乳酸の酸化等代謝への作用、膜透過性障害による溶菌、リン及びカリウムの漏出、解糖の促進、原形質膜の活動を支える酵素に対する作用により、殺菌作用をあらわすと考えられる。
18.2 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩の血管透過性抑制作用
ラットの背の片側に本剤を、もう一方に本剤からジフェンヒドラミンサリチル酸塩を除いたものを塗布した比較試験で本剤の方がより強力な抗炎症作用を示した7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロルヘキシジン塩酸塩

一般的名称 クロルヘキシジン塩酸塩
一般的名称(欧名) Chlorhexidine Hydrochloride
化学名 1,1'-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide]dihydrochloride
分子式 C22H30Cl2N10・2HCl
分子量 578.37
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸にやや溶けやすく、メタノール又は温メタノールに溶けにくく、水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって徐々に着色する。
理化学知見その他 クロルヘキシジン塩酸塩
KEGG DRUG D01345

19.2. ヒドロコルチゾン酢酸エステル

一般的名称 ヒドロコルチゾン酢酸エステル
一般的名称(欧名) Hydrocortisone Acetate
化学名 11β,17,21-Trihydroxypregn-4-ene-3,20-dione 21-acetate
分子式 C23H32O6
分子量 404.50
融点 約220℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
理化学知見その他 ヒドロコルチゾン酢酸エステル
KEGG DRUG D00165

19.3. ジフェンヒドラミンサリチル酸塩

一般的名称 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
一般的名称(欧名) Diphenhydramine Salicylate
化学名 2-Benzhydryloxy-N,N-dimethylethylamine monosalicylate
分子式 C17H21NO・C7H6O3
分子量 393.48
融点 107〜109℃
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は初めはないが、後にわずかに苦く舌を麻ひする。メタノール、酢酸(100)又はアセトンに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。光によって徐々に変化する。
理化学知見その他 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
KEGG DRUG D02419

19.4. 濃ベンザルコニウム塩化物液50

一般的名称 濃ベンザルコニウム塩化物液50
一般的名称(欧名) Benzalkonium Chloride Concentrated Solution 50
分子式 [C6H5CH2N(CH3)2R]Clで示され、RはC8H17〜C18H37で、主としてC12H25及びC14H29からなるものの水溶液。
分子量 定量するとき、50.0超〜55.0%のベンザルコニウム塩化物(C22H40ClN:354.01として)を含む。
物理化学的性状 無色〜淡黄色の液又はゼリー様の流動体で、特異なにおいがある。水又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水を加えた液は振ると強く泡立つ。
理化学知見その他 濃ベンザルコニウム塩化物液50
KEGG DRUG D00857

22. 包装

アルミチューブ
5g×10

23. 主要文献

  1. 松田登他., 歯界展望., 22, 256-9., (1963)
  2. 竹腰洋三他., 歯界展望., 23, 302-6., (1964)
  3. 大沢林之助他., 臨床と研究., 43, 803-5., (1966)
  4. 可児瑞夫., 歯界展望., 31, 1071-4., (1968)
  5. 朝倉昭人他., 歯界展望., 59, 619-25., (1982)
  6. 志村介三他., 基礎と臨床., 15, 5163-7., (1981)
  7. 興和(株)社内資料:血管透過性抑制作用

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
興和株式会社 くすり相談センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話:0120-508-514
03-3279-7587
製品情報問い合わせ先
興和株式会社 くすり相談センター 受付時間 9:00〜17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話:0120-508-514
03-3279-7587

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
興和株式会社
東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版