皮膚潰瘍患者を対象にトレチノイン トコフェリル軟膏の0.5%、0.25%製剤及びプラセボを用いて1日1回6週間投与した群間二重盲検比較試験により治療効果、安全性及び有用性について至適濃度を検討した結果、軟膏の至適濃度は0.25%が0.5%及びプラセボ群と比較して優れていることが認められた。
0.25%の軟膏による治療により、各皮膚潰瘍における最終全般改善率(「改善」以上の改善率%)は、褥瘡26/35(74.3%)、熱傷潰瘍11/11(100.0%)、糖尿病性潰瘍2/4(50.0%)及び下腿潰瘍1/2(50.0%)であった。0.25%の軟膏では、副作用は認められなかった。
17.1.2 国内第III相試験(比較臨床試験)3)4)
皮膚潰瘍患者を対象にトレチノイン トコフェリル軟膏と対照薬(塩化リゾチーム軟膏あるいはベンダザック軟膏)を1日1回6週間投与した比較臨床試験により有効性及び安全性について検討し、対照薬と比較して優れていることが認められた。
各皮膚潰瘍における最終全般改善率(「改善」以上の改善率%)は、褥瘡73/94(77.7%)、熱傷潰瘍40/44(90.9%)、糖尿病性潰瘍6/9(66.7%)及び下腿潰瘍8/17(47.0%)であり、本剤による副作用及び臨床検査値異常は認められなかった。
17.1.3 国内第III相試験(一般臨床試験)5)6)7)8)
皮膚潰瘍患者を対象に一般臨床試験によりトレチノイン トコフェリル軟膏の有効性及び安全性について検討した結果、各種の皮膚潰瘍に対して有用であることが認められた。
各皮膚潰瘍における最終全般改善率(「改善」以上の改善率%)は、褥瘡21/30(70.0%)、熱傷潰瘍21/23(91.3%)、糖尿病性潰瘍43/54(79.6%)及び下腿潰瘍8/25(32.0%)であった。本剤による副作用は4/179(2.2%)にみられたが、本剤に起因する臨床検査値異常は認められなかった。