医療用医薬品 : コンバントリン

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医薬品情報


総称名 コンバントリン
一般名 ピランテルパモ酸塩
欧文一般名 Pyrantel Pamoate
製剤名 ピランテルパモ酸塩ドライシロップ
薬効分類名 広域駆虫剤
薬効分類番号 6429
ATCコード P02CC01
KEGG DRUG
D00486 ピランテルパモ酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年8月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
コンバントリンドライシロップ100mg COMBANTRIN DRY SYRUP 100mg 佐藤製薬 6429001R1032 106.7円/g 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 ピペラジン系駆虫薬(ピペラジンリン酸塩水和物)を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

回虫鉤虫蟯虫東洋毛様線虫の駆除

6. 用法及び用量

通常小児に対し体重1kg当りピランテルとして10mgを1回経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 体重換算による服用量の概算は、次表の通りである。
体重10kg20kg30kg40kg50kg以上
服用量1包2包3包4包5包
7.2 下剤を使用する必要はない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
少数例に一過性の軽微なAST上昇の報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
ピペラジン系駆虫薬
ピペラジンリン酸塩水和物
2.2参照]
両剤の駆虫作用が減弱するおそれがある。両剤の駆虫作用が拮抗したとの報告がある1)

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上0.1〜1%未満0.1%未満頻度不明
精神・神経系頭痛めまい 嗜眠、不眠
消化器腹痛、悪心・嘔吐下痢、食欲不振  
肝臓   AST上昇
過敏症  発疹掻痒、蕁麻疹
その他 倦怠感 冷汗、多汗

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
本剤は、用時適量の水を加えシロップ剤として投与するが、そのまま経口投与することもできる。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性5例にピランテルパモ酸塩を体重1ポンド当り5mg注)を単回経口投与した場合、3時間後に血中にピランテル関連物質として0.2〜1.1μg/mLが検出されたが、そのほとんどは代謝物と考えられ、5時間以内にほぼ消失した3)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性5例にピランテルパモ酸塩500mg注)(ピランテルとして)を単回経口投与した場合、糞中には4例で60〜65%、1例で約93%の排泄率を示し、尿中には全例とも1〜3%の排泄率を示し、いずれもその大部分が48時間以内に排泄された4)
注)承認された用法及び用量は、体重1kg当りピランテルとして10mgを1回経口投与である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
コンバントリン錠100mgの各種寄生虫症に対する臨床試験の成績は次表の通りである。
寄生虫別疾患名陰転率
蟯虫症5)6)7)8)90.8%(177/195)
回虫症9)10)11)93.7%(252/269)
鉤虫症 (ズビニ鉤虫)12)13)97.4%(37/38)
鉤虫症 (アメリカ鉤虫)14)15)16)78.7%(207/263)
東洋毛様線虫症17)93.3%(83/89)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤の駆虫効果は、虫体の神経−筋伝達を遮断して運動麻痺を起こすことによるものと考えられている1)
18.2 駆虫効果
ピランテルパモ酸塩は、イヌ回虫あるいはイヌ鉤虫による感染動物(イヌ)及びネズミ蟯虫による感染動物(マウス)のいずれに対しても、1回投与により駆虫効果を示している18)19)20)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ピランテルパモ酸塩

一般的名称 ピランテルパモ酸塩
一般的名称(欧名) Pyrantel Pamoate
化学名 1-Methyl-2-[(1E)-2-(thien-2-yl)vinyl]-1,4,5,6-tetrahydropyrimidine mono[4,4'-methylenebis(3-hydroxy-2-naphthoate)]
分子式 C11H14N2S・C23H16O6
分子量 594.68
融点 256〜264℃(分解)
物理化学的性状 ピランテルパモ酸塩は、淡黄色〜黄色の結晶性粉末で、におい及び味はない。N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、水、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00486

22. 包装

1g×60包

23. 主要文献

  1. Aubry M L,et al., Br.J.Pharmacol., 38, 332-344, (1970) »PubMed
  2. 厚生省薬務局:医薬品副作用情報, (36), (日本医事新報No.2871:108,1979)
  3. 社内資料:Pyrantel pamoateのヒトにおける代謝研究
  4. 木村 義尚ほか, 応用薬理, 5, 347-358, (1971)
  5. 堀 栄太郎, 寄生虫学雑誌, 20, 142-147, (1971)
  6. 社内資料:広島県豊浜町における蟯虫症集団治療の試み
  7. 横川 宗雄ほか, 寄生虫学雑誌, 19, 593-597, (1970)
  8. 山本 久ほか, 寄生虫学雑誌, 20, 359-365, (1971)
  9. 小林 昭夫ほか, 寄生虫学雑誌, 19, 296-300, (1970)
  10. 社内資料:Pyrantel pamoateとPiperazine malateによる回虫駆除効果比較
  11. 石崎 達ほか, 医学のあゆみ, 83, 106-114, (1972)
  12. 堀 栄太郎, 寄生虫学雑誌, 20, 87-90, (1971)
  13. 社内資料:Pyrantel pamoateに依る鉤虫治療成績
  14. 石崎 達ほか, 寄生虫学雑誌, 20, 164-169, (1971)
  15. 横川 宗雄ほか, 寄生虫学雑誌, 19, 301-306, (1970)
  16. 社内資料:Pyrantel pamoateのアメリカ鉤虫(Necator americanus)集団駆除効果について
  17. 谷 重和ほか, 秋田県農村医学会雑誌, 21, 11-15, (1975)
  18. 尾崎 文雄ほか, 寄生虫学雑誌, 20, 188-194, (1971)
  19. 林 滋生ほか, 寄生虫学雑誌, 20, 195-204, (1971)
  20. 影井 昇ほか, 寄生虫学雑誌, 20, 222-227, (1971)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656
製品情報問い合わせ先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
佐藤製薬株式会社
東京都港区元赤坂1丁目5番27号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版