医療用医薬品 : コンサータ

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医薬品情報


総称名 コンサータ
一般名 メチルフェニデート塩酸塩
欧文一般名 Methylphenidate Hydrochloride
製剤名 メチルフェニデート塩酸塩徐放錠
薬効分類名 中枢神経刺激剤
薬効分類番号 1179
ATCコード N06BA04
KEGG DRUG D01296 メチルフェニデート塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 長期投与医薬品に関する情報 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
コンサータ錠18mg Concerta Tablets ヤンセンファーマ 1179009G1022 337.8円/錠 劇薬 , 向精神薬 , 処方箋医薬品
コンサータ錠27mg Concerta Tablets ヤンセンファーマ 1179009G2029 374.3円/錠 劇薬 , 向精神薬 , 処方箋医薬品
コンサータ錠36mg Concerta Tablets ヤンセンファーマ 1179009G3025 402.6円/錠 劇薬 , 向精神薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤の投与は、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと。

禁忌

次の患者には投与しないこと

過度の不安、緊張、興奮性のある患者[中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがある。]

緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]

不整頻拍、狭心症のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]

重症うつ病の患者[抑うつ症状が悪化するおそれがある。]

褐色細胞腫のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]

モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者[「相互作用」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

効能効果に関連する使用上の注意

6歳未満の幼児における有効性及び安全性は確立していない。[「臨床成績」の項参照]

AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM*)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

*Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

用法用量

18歳未満の患者

通常、18歳未満の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量、18〜45mgを維持用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は54mgを超えないこと。

18歳以上の患者

通常、18歳以上の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は72mgを超えないこと。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は中枢神経刺激作用を有し、その作用は服用後12時間持続するため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。

初回用量

本剤投与前に他のメチルフェニデート塩酸塩製剤を服用している場合には、その用法・用量を考慮し、本剤の初回用量を18歳未満の患者では18〜45mg、18歳以上の患者では18〜72mgの範囲で決定する。ただし、本剤若しくは他のメチルフェニデート塩酸塩製剤の服用を1ヵ月以上休薬した後に本剤を服用する場合は、18mgを初回用量とすること。

本剤は徐放性製剤であるため分割して投与することは適切でなく、本剤は18mg錠、27mg錠及び36mg錠の3種類のみで18mgが最小単位であるため、9mg単位の増減量が必要な場合には錠剤の種類を変更して投与すること。

使用上の注意

慎重投与

てんかん又はその既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させ、発作を誘発させるおそれがある。]

高血圧、心不全、心筋梗塞を起こしたことのある患者[血圧又は心拍数を上昇させるおそれがある。]

脳血管障害(脳動脈瘤、血管炎、脳卒中等)のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状を悪化又は再発させることがある。]

下記の精神系疾患のある患者[行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。]

統合失調症、精神病性障害、双極性障害

薬物依存又はアルコール中毒等の既往歴のある患者[慢性的乱用により過度の耐性及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じる可能性がある。]

心臓に構造的異常又は他の重篤な問題のある患者[因果関係は確立していないが、中枢神経刺激作用を有する薬剤の投与による突然死の報告がある。]

高度な消化管狭窄のある患者[本剤は消化管内でほとんど変形しない錠剤であり、本剤の服用により、まれに閉塞症状が報告されている。(「適用上の注意」の項参照)]

重要な基本的注意

本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ、依存性等を含む本剤のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用法について指導すること。

小児に中枢神経刺激剤を長期投与した場合に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている[1][2][3][4]。本剤の投与が長期にわたる場合には患児の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくない時は投与を中断すること。[「小児等への投与」の項参照]
また、成人においても体重減少が報告されているので、観察を十分に行い、体重減少が著しい場合には投与を中断するなど、適切な処置を行うこと。

本剤を長期間投与する場合には、個々の患者に対して定期的に休薬期間を設定して有用性の再評価を実施すること。また、定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。

患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。

心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与期間中は、定期的に心拍数(脈拍数)及び血圧を測定すること。

まれに視覚障害の症状(調節障害、霧視)が報告されている。視覚障害が認められた場合には、眼の検査を実施し、必要に応じて投与を中断又は中止すること。

めまい、眠気、視覚障害等が発現するおそれがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

攻撃性はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動の発現又は悪化について観察すること。

通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。

相互作用

併用禁忌

MAO阻害剤
セレギリン
(エフピー)
MAO阻害剤の作用を増強させ、高血圧が起こることがある。本剤は交感神経刺激作用を有するため。

併用注意

昇圧剤昇圧作用を増強することがある。本剤は交感神経刺激作用を有するため。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがある。クマリン系抗凝血剤の半減期を延長させる。
抗痙攣剤
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
抗痙攣剤の作用を増強することがある。本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害すると考えられる。
三環系抗うつ剤
イミプラミン等
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
フルボキサミン
パロキセチン
セルトラリン
三環系抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤の作用を増強することがある。本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害すると考えられる。
選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
アトモキセチン
本剤の作用が増強するおそれがあるため、注意して投与すること。ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。
クロニジンメチルフェニデート塩酸塩製剤との併用により、突然死の報告がある[5]。[「その他の注意」の項参照]機序不明
アルコール精神神経系の副作用を増強することがある。アルコールは本剤の精神神経系の作用を増強させる。

副作用

副作用発現状況の概要

<小児AD/HD承認時>

AD/HD患児を対象として国内で実施した第II相試験、第III相試験及び長期投与試験の総症例216例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は174例(80.6%)に認められた。その主なものは、食欲減退91例(42.1%)、不眠症40例(18.5%)、体重減少26例(12.0%)、頭痛18例(8.3%)、腹痛12例(5.6%)、悪心12例(5.6%)、チック11例(5.1%)、発熱11例(5.1%)であった。

<成人AD/HD承認時>

成人AD/HD患者を対象として国内で実施した第III相試験及び長期投与試験の総症例272例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は209例(76.8%)に認められた。その主なものは、食欲減退108例(39.7%)、動悸59例(21.7%)、体重減少54例(19.9%)、不眠症49例(18.0%)、悪心45例(16.5%)、口渇40例(14.7%)、頭痛29例(10.7%)であった。

<小児AD/HD再審査終了時>

AD/HD患児を対象とした特定使用成績調査における副作用(臨床検査値異常を含む)は、1385例中529例(38.2%)に認められた。その主なものは、食欲減退386例(27.9%)、不眠症69例(5.0%)、体重減少69例(5.0%)、チック47例(3.4%)、睡眠障害42例(3.0%)、頭痛37例(2.7%)、腹痛25例(1.8%)、悪心23例(1.7%)であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

剥脱性皮膚炎(0.1%)

広範囲の皮膚の潮紅、浸潤、強いそう痒等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

狭心症(頻度不明)

症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)

発熱、高度の筋硬直、CK(CPK)上昇等があらわれることがあるので、このような場合には体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。

脳血管障害(血管炎、脳梗塞、脳出血、脳卒中)(頻度不明)

症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝不全、肝機能障害(頻度不明)

肝不全(急性肝不全等)、肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 1%以上1%未満頻度不明
感染症 鼻咽頭炎、胃腸炎、鼻炎、ヘルペスウイルス感染、インフルエンザ、麦粒腫、中耳炎、咽頭炎上気道感染、副鼻腔炎
血液障害 血小板減少症白血球減少症、汎血球減少症、血小板減少性紫斑病
免疫系障害 季節性アレルギーアナフィラキシー反応、過敏症反応、耳介腫脹、水疱形成、表皮剥脱
代謝障害食欲減退(31.2%)体重増加不良、食欲亢進 
精神障害不眠症、チック、睡眠障害不安、抑うつ気分、攻撃性、激越、うつ病、抜毛、幻聴、気分変動、過覚醒、感情不安定、精神病性障害、妄想、神経過敏、落ち着きのなさ、緊張、怒り、無感情、歯ぎしり、幻視、リビドー減退、多弁、気分動揺涙ぐむ、錯乱状態、失見当識、幻覚、躁病、パニック発作、リビドー亢進
神経系障害頭痛、浮動性めまい振戦、鎮静、傾眠、体位性めまい、ジスキネジー、痙攣、自律神経失調、錯感覚、緊張性頭痛精神運動亢進、大発作痙攣、嗜眠
眼障害 ドライアイ、アレルギー性結膜炎、結膜充血、近視、眼そう痒症霧視、複視、散瞳、視覚障害
耳障害 難聴、耳痛、回転性めまい 
心臓障害動悸、頻脈徐脈、上室性期外収縮期外収縮、上室性頻脈、心室性期外収縮
血管障害 ほてり、高血圧、血圧変動レイノー現象
呼吸器障害 呼吸困難、上気道の炎症、喘息、咳嗽、アレルギー性鼻炎、鼻漏、咽頭紅斑咽喉頭疼痛
胃腸障害悪心、腹痛、口渇、嘔吐、下痢腹部不快感、口内乾燥、口内炎、便秘、上腹部痛、消化不良、腹部膨満、異常便、歯肉腫脹 
皮膚障害 発疹、蕁麻疹、湿疹、脱毛症、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、多汗症、そう痒症、接触性皮膚炎斑状皮疹、紅斑
筋骨格系障害 筋緊張、関節痛、筋痙縮、筋痛、四肢痛筋攣縮
泌尿器系障害 頻尿 
生殖系障害 精巣上体炎、陰茎癒着、勃起不全持続勃起症
全身障害発熱、倦怠感易刺激性、胸部不快感、無力症、悪寒、疲労、胸痛異常高熱
臨床検査体重減少血圧上昇、拡張期血圧上昇、脈拍異常、QT延長、異常Q波、白血球数減少、好中球数減少、好酸球数増加、血中アミラーゼ増加、CK(CPK)増加、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、肝機能異常、血中ビリルビン増加、トリグリセリド増加、血糖増加、血中尿素増加、血中尿酸増加、蛋白尿、尿中ケトン体陽性、尿潜血心雑音、ALP増加、肝酵素上昇、血小板数減少、白血球数異常
傷害、中毒 足骨折、手骨折 

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与する場合には注意すること。[高齢者を対象とした試験は実施されていない。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ウサギ)において、最大推奨用量の約100倍に相当する200mg/kg/日の投与により催奇形性が報告されている。]

授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトでメチルフェニデートが、乳汁中に移行するとの報告がある[6][7]。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。[6歳未満の患者を対象とした試験は、実施されていない。]

長期投与時に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている[1][2][3][4]。[「重要な基本的注意」の項参照]

過量投与

徴候、症状

主として中枢神経系の過刺激及び過度の交感神経作用に起因する以下の徴候及び症状があらわれることがある。

嘔吐、激越、振戦、反射亢進、筋攣縮、痙攣(昏睡を続発することがある)、多幸感、錯乱、幻覚、せん妄、発汗、潮紅、頭痛、高熱、頻脈、動悸、不整脈、高血圧、散瞳、粘膜乾燥

処置

症状に応じた適切な支持療法を行うこと。自傷行為及び過刺激症状を悪化させる外部刺激を排除するように留意すること。必要に応じて胃洗浄によって胃内容物を除去する、又は活性炭や下剤の投与を行うこと。激越や発作がある場合には、胃洗浄の前にコントロールを行い、気道を確保すること。十分な血液循環及び呼吸を維持するために集中治療を行うこと。高熱に対しては物理的な解熱処置をとること。過量投与に対する腹膜透析又は血液透析の有効性は確立していない。過量投与患者の治療に際しては、メチルフェニデートが長時間かけて放出されることを考慮すべきである。

適用上の注意

薬剤交付時

PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりせず、必ず飲み物と一緒にそのまま服用するよう指導すること。

本剤の外皮は内部の不溶性の成分と一緒に糞便中に排泄されるが、正常なことであり心配する必要はないことを説明すること。

薬剤服用時

本剤が消化管内に滞留した可能性がある場合には、腹部デジタルX線において可視化できるので、必要に応じて滞留の有無を確認すること。

その他の注意

因果関係は確立していないが、メチルフェニデート塩酸塩製剤とクロニジンとの併用により、突然死が報告されている[5]

メチルフェニデート塩酸塩の長期発癌性試験の結果、F344/Nラットを用いた試験では癌原性は認められなかった。B6C3F1マウスを用いた試験では、雌雄両性で肝細胞腺腫の増加、約60mg/kg/日投与群の雄で肝芽腫の発現がみられている[8]

メチルフェニデート塩酸塩は、Salmonella typhimuriumを用いたAmes試験では突然変異誘発性は認められなかった。チャイニーズハムスターの培養卵細胞を用いた試験では姉妹染色分体変換と染色体異常の増加がみられ、弱い染色体異常誘発性が認められている[8]

薬物動態

血漿中濃度

健康成人男性に本剤18、36及び54mg(18mg錠×1、2及び3錠)を単回経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度は、投与後まず薬物コーティング部分の溶解による速やかな上昇を示した後、内部充填された薬物が浸透圧変化で徐々に放出されることにより緩やかな上昇を示した。血漿中メチルフェニデートのほとんどはd-異性体であり、l-異性体はほとんどが定量下限未満であった。d-異性体は投与5〜8時間後にCmaxを示し、約4時間のt1/2で消失し、本剤18〜54mg/日の用量範囲内で用量比例性を示した[9]

健康成人男性に本剤18、36及び54mgを単回経口投与したときのメチルフェニデートの血漿中濃度推移

[平均値+S.D.、(n=6)]

また、健康成人男性(n=7)に本剤36、54及び72mg(36mg錠×1錠、18mg錠×3錠及び36mg錠×2錠)を単回経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度も同様の推移を示し、投与剤型による大きな差異はなく、本剤36〜72mg/日の用量範囲内で用量比例性を示した[10]

健康成人男性に本剤18mg/日を1日1回、4日間反復経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度は1日目と4日目で類似しており、本剤の反復投与による蓄積性は認められなかった。また、メチルフェニデートから主代謝物α-フェニル-2-ピペリジン酢酸(PPA)への代謝において反復投与による影響は認められなかった[9]

健康成人男性に本剤18mg/日を反復経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの薬物動態パラメータ[平均値±S.D.、(n=6)]

対象試験日Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)t1/2(hr)AUC比蓄積率
メチルフェニデート1日目3.12±0.588.7±2.142.6±7.04.3±0.2
4日目3.97±1.218.0±2.546.5±9.6注) 4.1±0.41.09±0.09
PPA1日目92.9±9.819.0±1.71797.1±354.28.8±1.50.025±0.007
4日目106.1±16.59.0±2.81772.3±319.4注) 9.0±0.70.027±0.0090.99±0.07
AUC比:メチルフェニデートのAUC/PPAのAUC蓄積率:4日目のAUC/1日目のAUC注)AUC(0→24)

AD/HD患児を対象に本剤18、27、36、45又は54mg/日を反復経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの各血漿中濃度は健康成人よりも高値を示すが、用量に比例した増加を示した[11]

食事による影響(外国人)

外国人AD/HD患児及び健康被験者を対象に、本剤を空腹時、普通食後又は高脂肪食後にそれぞれ単回経口投与したときの薬物動態に差は認められず、食事による影響は認められなかった[12][13]

分布[14]

ヒト血漿蛋白結合率

メチルフェニデート約15〜16%(in vitro、平衡透析法)

代謝

ヒトにおいて、メチルフェニデートはエステラーゼにより脱エステル化され、薬理学的活性をほとんど有さないPPAに代謝される。健康成人並びにAD/HD患児に本剤を経口投与したとき、血漿中に認められるメチルフェニデートはd-異性体であり、l-異性体はほとんどが定量下限未満であることから、代謝における立体選択性が示唆される[9][11]

排泄

健康成人男性に本剤を単回(18、36及び54mg/日)及び反復(18mg/日、4日間)経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの累積尿中排泄率(単回:投与後48時間、反復:初回投与後120時間)はそれぞれ投与量の約1%及び約73〜78%であり、増量や反復経口投与による影響は認められなかった[9]

臨床成績

<小児を対象とした臨床試験>

国内でDSM-IV診断基準に基づき、AD/HDと診断された6〜12歳の患児を対象に、第III相プラセボ対照ランダム化治療中止試験を実施した[15]。FAS 89例において、主要評価項目であるWash-in期と二重盲検期のADHD Rating Scale-IV日本語版(ADHD RS-IV-J)のトータルスコアの変化量(平均値±S.D.)は、親評価では本剤投与群−15.6±10.8、プラセボ投与群−8.0±9.7、教師評価では本剤投与群−12.6±10.5、プラセボ投与群−3.6±9.3と、いずれの評価も本剤投与群でプラセボ投与群に比し、有意な低下が認められた(p=0.0008、p<0.0001;t検定)。

ADHD RS-IV-Jのトータルスコアの変化量(第III相プラセボ対照ランダム化治療中止試験での二重盲検期とベ−スラインにおけるスコアの差を表示;平均値−S.D.)

親評価(家庭版)

教師評価(学校版)

また、国内で実施した長期投与試験[16]99例において、ADHD RS-IV-Jのトータルスコアの変化量(平均値±S.D.)は、親評価では投与6ヵ月後−17.7±11.3、12ヵ月後−17.9±12.5、18ヵ月後−19.8±12.6、教師評価では投与6ヵ月後−15.3±12.7、12ヵ月後−13.0±14.5(18ヵ月後は実施せず)と、いずれの評価もベースラインに比し、有意な低下が認められた(いずれもp<0.0001;対応のあるt検定)。

長期投与試験におけるADHD RS-IV-Jのトータルスコアの変化量(投与6ヵ月後、12ヵ月後及び18ヵ月後の各評価時期とベースラインにおけるスコアの差を表示)

評価評価時期例数平均値±S.D.[95%信頼区間]
親評価投与6ヵ月後88−17.7±11.3[−20.1,−15.3]
投与12ヵ月後80−17.9±12.5[−20.7,−15.1]
投与18ヵ月後49−19.8±12.6[−23.4,−16.2]
教師評価投与6ヵ月後50−15.3±12.7[−18.9,−11.7]
投与12ヵ月後58−13.0±14.5[−16.8,−9.2]

<成人を対象とした臨床試験>

国内でDSM-IV-TR診断基準に基づき、AD/HDと診断された18〜64歳の患者を対象に、第III相プラセボ対照ランダム化二重盲検試験を実施した[17]。FAS 283例において、主要評価項目である最終評価時のCAARS-O:SV(日本語版)のDSM-IV Total ADHD Symptomsスコアのベースラインからの変化量(平均値±S.D.)は、本剤投与群−12.5±9.3、プラセボ投与群−7.9±9.6と、本剤投与群でプラセボ投与群に比し、有意な低下が認められた(p<0.0001;共分散分析)。

CAARS-O:SV(日本語版)のDSM-IV Total ADHD Symptomsスコアの変化量(第III相プラセボ対照ランダム化二重盲検試験での最終評価時とベースラインにおけるスコアの差を表示;平均値−S.D.)

また、国内で実施した長期投与試験[18]253例において、CAARS-O:SV(日本語版)のDSM-IV Total ADHD Symptomsスコアのベースラインからの変化量(平均値±S.D.)は、投与4週後−14.7±8.8、12週後−15.8±9.4、24週後−16.7±9.8、36週後−17.5±9.8、48週後−18.3±9.9と、いずれの評価時もベースラインに比し、スコアの低下が認められた。

長期投与試験におけるCAARS-O:SV(日本語版)のDSM-IV Total ADHD Symptomsスコアの変化量(投与4週後、12週後、24週後、36週後及び48週後の各評価時期とベースラインにおけるスコアの差を表示)

評価時期例数平均値±S.D.[95%信頼区間]
投与4週後248−14.7±8.8[−15.8,−13.6]
投与12週後240−15.8±9.4[−17.0,−14.6]
投与24週後218−16.7±9.8[−18.0,−15.4]
投与36週後211−17.5±9.8[−18.9,−16.2]
投与48週後205−18.3±9.9[−19.6,−16.9]

薬効薬理

AD/HDモデルに対する作用(ラット)[19]

AD/HDのモデル動物である幼若期の脳卒中易発症性自然発症高血圧ラットにメチルフェニデート塩酸塩0.01〜0.1mg/kgを単回腹腔内投与したところ、多動性の指標となる新奇環境における自発運動量の減少が認められた。また、注意力(集中力)の指標としての短期記憶をY字迷路を用いた自発的交替行動法により評価したところ、0.01〜1mg/kgにおいて用量依存的に自発的交替行動率の増加が認められ短期記憶の改善が認められた。

作用機序[20]

メチルフェニデートは、ドパミン及びノルアドレナリントランスポーターに結合し再取り込みを抑制することにより、シナプス間隙に存在するドパミン及びノルアドレナリンを増加させて神経系の機能を亢進するものと考えられているが、AD/HDの治療効果における詳細な作用機序は十分に解明されていない。

光学異性体の薬理活性[21]

メチルフェニデートは、d-体とl-体からなるラセミ混合物であり、ドパミントランスポーターに対しd-体はl-体よりも約12倍強い結合能を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般名メチルフェニデート塩酸塩
一般名(欧名)Methylphenidate Hydrochloride
化学名Methyl α-phenyl-2-piperidineacetate hydrochloride
分子式C14H19NO2・HCl
分子量269.77
性状白色〜ほとんど白色の粉末
溶解性水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、クロロホルム又はアセトンに溶けにくい。
KEGG DRUGD01296

承認条件

本剤の投与が、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるとともに、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

包装

コンサータ錠18mg

100錠(10錠×10)

コンサータ錠27mg

100錠(10錠×10)

コンサータ錠36mg

100錠(10錠×10)

長期投与医薬品に関する情報

本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬期間は1回30日間分を限度とされています。

主要文献


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作業情報


改訂履歴

2014年11月 改訂
2016年2月 第8版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/7/19 版