医療用医薬品 : ハーボニー

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医薬品情報


総称名 ハーボニー
一般名 レジパスビル アセトン付加物, ソホスブビル
欧文一般名 Ledipasvir Acetonate, Sofosbuvir
製剤名 レジパスビル/ソホスブビル配合錠
薬効分類名 抗ウイルス剤
薬効分類番号 6250
ATCコード J05AX65
KEGG DRUG D10578 レジパスビル・ソホスブビル
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハーボニー配合錠 HARVONI Combination Tablets ギリアド・サイエンシズ 6250107F1026 54796.9円/錠 処方箋医薬品

警告

本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

重度の腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73m2)又は透析を必要とする腎不全の患者(【薬物動態】の項参照)

次の薬剤を投与中の患者

カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

効能効果に関連する使用上の注意

本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により非代償性肝硬変でないことを確認すること。

用法用量

通常、成人には1日1回1錠(レジパスビルとして90mg及びソホスブビルとして400mg)を12週間経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は、有効成分としてレジパスビル及びソホスブビルを含有した配合錠である。本剤の有効成分であるソホスブビルを含む製剤と併用しないこと。

使用上の注意

慎重投与

B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者〔再活性化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)

重要な基本的注意

本剤とアミオダロンの併用投与により、徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあり、海外の市販後において死亡例も報告されていることから、本剤とアミオダロンの併用は可能な限り避けること。ただし、やむを得ず併用する場合には、患者又はその家族に対して併用投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、不整脈の徴候又は症状(失神寸前の状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)が認められた場合には、速やかに担当医師に連絡するよう指導すること。また、併用投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、退院後少なくとも2週間は患者又はその家族等が心拍数を連日確認し、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。
なお、アミオダロンを長期間投与した際の血漿からの消失半減期は19〜53日と極めて長いため、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、上記の対応を実施すること。

注:β遮断剤を投与中の患者、又は心疾患、重度の肝疾患を有する患者では、アミオダロンの併用により徐脈等の不整脈の発現リスクが増加するおそれがある。

B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

相互作用

相互作用序文

レジパスビル及びソホスブビルはトランスポーター(P糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP))の基質である(【薬物動態】の項参照)。

薬物代謝酵素用語

トランスポーター(P糖蛋白(P-gp))

薬物代謝酵素用語

トランスポーター(乳癌耐性蛋白(BCRP))

併用禁忌

リファンピシン
(リファジン)
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤の強力なP-gpの誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェニトイン
(アレビアチン)
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤の強力なP-gpの誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤の強力なP-gpの誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。

併用注意

制酸剤
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
レジパスビルの血漿中濃度が低下し、レジパスビルの効果が減弱するおそれがある。レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
H2受容体拮抗剤
ファモチジン等
レジパスビルの血漿中濃度が低下し、レジパスビルの効果が減弱するおそれがある。本剤と併用する場合は、H2受容体拮抗剤を本剤と同時に投与又は本剤投与と12時間の間隔をあけて投与すること(【薬物動態】の項参照)。レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール等
レジパスビルの血漿中濃度が低下し、レジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤投与前にプロトンポンプ阻害剤を投与しないこと。本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること(【薬物動態】の項参照)。レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。
アミオダロン徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあることから、やむを得ず本剤とアミオダロンを併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。機序は不明である。
ジゴキシンジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。本剤と併用する場合は、ジゴキシンの血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。レジパスビルの腸管でのP-gpの阻害作用により、ジゴキシンのバイオアベイラビリティが増加する。
リファブチンレジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これら薬剤のP-gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある。
フェノバルビタールレジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これら薬剤のP-gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤と本剤との併用により、テノホビルの血漿中濃度が上昇する(【薬物動態】の項参照)。作用機序は不明であるが、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が基質となるP-gp及びBCRPに対するレジパスビルの阻害作用が関与すると考えられる。
ロスバスタチンロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し、横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある。レジパスビルのBCRP阻害作用により、ロスバスタチンのバイオアベイラビリティが増加する。

副作用

副作用発現状況の概要

ジェノタイプ1のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象に本剤の単独投与における有効性及び安全性を評価した国内第3相臨床試験において、157例中34例(21.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒症5例(3.2%)、悪心及び口内炎各4例(2.5%)等であった。(承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

高血圧(頻度不明)

高血圧があらわれることがあり、収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されているので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること。異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

脳血管障害(頻度不明)

脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注)発現頻度は、国内臨床試験成績に基づき算出した。自発報告又は海外の臨床試験において報告された副作用は頻度不明とした。

その他の副作用

 5%未満頻度不明
血液・リンパ系貧血 
神経系頭痛 
循環器 徐脈、房室ブロック、心房細動
消化器悪心、便秘、口内炎、腹部不快感 
皮膚及び皮下組織そう痒症、発疹血管性浮腫
その他 疲労
注)発現頻度は、国内臨床試験成績に基づき算出した。自発報告又は海外の臨床試験において報告された副作用は頻度不明とした。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、レジパスビルの乳汁中への移行が示唆されており[1]、ソホスブビルの主要代謝物であるGS-331007の乳汁中への移行が認められている[2]。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

徴候、症状

健康成人にレジパスビル120mgを1日2回10日間投与(59例)又はソホスブビル1200mgを単回投与(59例)したときの有害事象の発現頻度及び重症度は、プラセボ投与時に報告されたものと同様であり、これら過量投与による有害な作用は確認されていない[3][4]

処置

本剤の過量投与に対する特別な解毒剤はない。過量投与の場合には、バイタルサインのモニタリングや患者の臨床状態の観察等の一般的な支持療法を考慮すること。レジパスビルは血漿蛋白との結合率が高いため血液透析により除去できる可能性は低いが、循環血液中のソホスブビルの主要代謝物であるGS-331007は、血液透析により53%が除去される(ソホスブビル400mgを投与した場合、4時間の血液透析により投与量換算で約18%)[5](【薬物動態】の項参照)。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

薬物動態

本剤の有効成分であるレジパスビルは、経口投与後、その大部分は未変化体として血中に存在する。もう一方の有効成分、ソホスブビルは経口投与後、速やかに代謝を受け、血中で約85%が主要代謝物GS-331007として存在する。ヌクレオチドプロドラッグであるソホスブビルは肝細胞内で活性代謝物に代謝されることが示されており、ヒトの血中からは活性代謝物は検出されていない。本剤の薬物動態に関して、レジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007に関する成績を以下に示す。

血中濃度

健康成人における薬物動態[6][7]

外国人健康成人被験者28例に、本剤(レジパスビル90mg及びソホスブビル400mgを含有する配合錠)又はレジパスビル90mg及びソホスブビル400mg(それぞれ単剤を併用)を空腹時単回経口投与したときのレジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態は、本剤投与と各単剤併用投与で類似していた。

日本人健康成人被験者8例に、本剤を空腹時に単回経口投与したときのレジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータを表1に示す。

表1 日本人健康成人被験者に本剤を空腹時単回投与したときの薬物動態パラメータ

 レジパスビルc ソホスブビルc GS-331007c
Cmax(ng/mL)a 421(49.0%)1320(34.1%)877(35.8%)
tmax(h)b 5.00(5.00,5.00)0.53(0.50,2.10)2.50(1.00,3.05)
AUC0-inf(ng・h/mL)a 14,000(53.6%)1580(51.5%)12,100(29.8%)
t1/2(h)b 50.0(33.9,62.3)0.38(0.35,0.66)27.7(24.0,48.6)
a:平均値(CV%)、b:中央値(範囲)、c:8例

C型慢性肝炎患者における母集団薬物動態解析[8]

ジェノタイプ1の日本人C型慢性肝炎患者の血漿中濃度データ(ソホスブビル:147測定点、GS-331007:2994測定点及びレジパスビル:2997測定点)を用いて母集団薬物動態解析を実施した。定常状態におけるAUCtau及びCmaxの平均値(CV%)は、レジパスビル(318例)でそれぞれ11,700ng・h/mL(56.4%)、488ng/mL(48.9%)、GS-331007(318例)でそれぞれ12,500ng・h/mL(24.1%)、716ng/mL(21.7%)、ソホスブビル(51例)でそれぞれ1570ng・h/mL(47.6%)、556ng/mL(45.5%)であった。レジパスビル、GS-331007及びソホスブビルの薬物動態に対するクレアチニン・クリアランス、年齢、性別、BMI、代償性肝硬変の有無、前治療又はリバビリン併用の影響は認められなかった。

食事の影響(外国人のデータ)[6]

外国人健康成人被験者29例に、本剤を空腹時及び食後に単回経口投与したときの、レジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータを表2に示す。

表2 外国人健康成人被験者に本剤を空腹時及び食後に単回投与したときの薬物動態パラメータ

 レジパスビルソホスブビルGS-331007
空腹時(29例)食後(29例)空腹時(29例)食後(29例)空腹時(29例)食後(29例)
Cmax(ng/mL)a 324(44.8%)255(25.9%)1240(49.6%)1350(42.5%)865(26.6%)600(22.9%)
tmax(h)b 4.50(4.50,20.0)5.00(4.50,10.0)1.00(0.25,3.00)2.00(0.50,4.50)3.50(2.00,6.00)4.50(2.50,8.00)
AUC0-inf(ng・h/mL)a 10,600(57.2%)9220(36.1%)1520(39.5%)2570(34.0%)11,800(23.0%)12,900(18.5%)
t1/2(h)b 48.5(29.6,117)44.9(23.5,69.2)0.45(0.33,0.75)0.55(0.37,2.72)25.7(11.7,36.8)29.0(16.8,41.5)
高脂肪食(約1000kcal、約50%脂肪)摂取時の結果a:平均値(CV%)、b:中央値(範囲)

腎機能障害を有する被験者における薬物動態(外国人のデータ)[5][9]

HCV感染を伴わない重度腎機能障害を有する被験者[クレアチニン・クリアランス(CLcr)<30mL/分]に、レジパスビル90mgを単回経口投与したとき、レジパスビルのAUC0-infは、腎機能正常被験者と類似していた。

HCV感染を伴わない腎機能障害を有する被験者にソホスブビル400mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(eGFR>80mL/分/1.73m2)に比して、軽度(eGFR≧50かつ≦80mL/分/1.73m2)、中等度(eGFR≧30かつ<50mL/分/1.73m2)又は重度(eGFR<30mL/分/1.73m2)の腎機能障害を有する被験者では、ソホスブビルのAUC0-infはそれぞれ61%、107%、171%高く、GS-331007のAUC0-infはそれぞれ55%、88%、451%高かった。また、血液透析を要する末期腎不全の被験者では、腎機能正常被験者に比して、ソホスブビルのAUC0-infは、透析前投与で28%、透析後投与で60%高かったのに対し、GS-331007のAUC0-infは、透析前投与で1280%、透析後投与で2070%高い値を示した。末期腎不全の被験者ではGS-331007の除去には血液透析が必要であり、4時間の血液透析で投与量の約18%のGS-331007が除去された。

肝機能障害を有する被験者における薬物動態(外国人のデータ)[10][11]

HCV感染を伴わない肝機能障害を有する被験者(Child-Pugh分類C)にレジパスビル90mgを単回投与したとき、レジパスビルのAUC0-infは、肝機能正常被験者と類似していた。

中等度又は重度肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)を有するHCV感染症患者に対し、ソホスブビル400mgを7日間投与したとき、肝機能正常患者に比し、ソホスブビルのAUCtauはそれぞれ126%、143%高く、GS-331007のAUCtauはそれぞれ18%、9%高かった。

分布、代謝、排泄(外国人のデータ)[12][13][14]

14C標識レジパスビル90mgを健康成人男性被験者に単回経口投与したとき、尿中及び糞中にそれぞれ1.2%及び86%排泄され、糞中には主に未変化体で排泄された。また、レジパスビルのヒト血漿蛋白結合率は99.9%以上であった。

14C標識ソホスブビル400mgを健康成人男性被験者に単回経口投与したとき、本剤は速やかに吸収され、ヌクレオシド誘導体であるGS-331007として主に尿中に排泄され、尿中、糞中及び呼気中にそれぞれ80%、14%及び2.5%排泄された。また、ソホスブビルのヒト血漿蛋白結合率は61〜65%、GS-331007のヒト血漿蛋白結合率は3.1〜7.2%であった。

薬物相互作用

In vitro試験成績[15][16]

レジパスビル及びソホスブビルはともにP-gp及びBCRPの基質であることから、これらの阻害剤又は誘導剤との併用によりレジパスビル及びソホスブビルの腸管内での吸収が増加又は減少する可能性がある。さらに、レジパスビルはP-gp及びBCRPに対する阻害作用を有するため、P-gp及びBCRPの基質となる薬剤との併用により、それら薬剤の腸管内での吸収を増加させる可能性がある。レジパスビル及びソホスブビルはCYP又はUGT1A1に対して阻害作用及び誘導作用を有さない。

臨床成績(外国人のデータ)[17]

表3 レジパスビル、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態に及ぼす併用薬の影響a

併用薬併用薬の投与量(mg)LDVの投与量(mg)SOFの投与量(mg)例数LDV、SOF及びGS-331007の薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時(90%信頼区間)
 CmaxAUCCmin
アバカビル/ラミブジン600/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
13LDV1.10(1.01,1.19)1.18(1.10,1.28)1.26(1.17,1.36)
SOF1.08(0.85,1.35)1.21(1.09,1.35)NA
GS1.00(0.94,1.07)1.05(1.01,1.09)1.08(1.01,1.14)
アタザナビル/リトナビル300/100
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
30LDV1.98(1.78,2.20)2.13(1.89,2.40)2.36(2.08,2.67)
SOF0.96(0.88,1.05)1.08(1.02,1.15)NA
GS1.13(1.08,1.19)1.23(1.18,1.29)1.28(1.21,1.36)
アタザナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300/100+200/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
24LDV1.68(1.54,1.84)1.96(1.74,2.21)2.18(1.91,2.50)
SOF1.01(0.88,1.15)1.11(1.02,1.21)NA
GS1.17(1.12,1.23)1.31(1.25,1.36)1.42(1.34,1.49)
ダルナビル/リトナビル800/100
1日1回
90
1日1回
23LDV1.45(1.34,1.56)1.39(1.28,1.49)1.39(1.29,1.51)
400
単回
18SOF1.45(1.10,1.92)1.34(1.12,1.59)NA
GS0.97(0.90,1.05)1.24(1.18,1.30)NA
ダルナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩800/100+200/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
23LDV1.11(0.99,1.24)1.12(1.00,1.25)1.17(1.04,1.31)
SOF0.63(0.52,0.75)0.73(0.65,0.82)NA
GS1.10(1.04,1.16)1.20(1.16,1.24)1.26(1.20,1.32)
ドルテグラビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩50+200/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
29LDV0.85(0.81,0.90)0.89(0.84,0.95)0.89(0.84,0.95)
SOF1.06(0.92,1.21)1.09(1.00,1.19)NA
GS0.99(0.95,1.03)1.06(1.03,1.09)1.06(1.03,1.10)
エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩b 600/200/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
14LDV0.66(0.59,0.75)0.66(0.59,0.75)0.66(0.57,0.76)
SOF1.03(0.87,1.23)0.94(0.81,1.10)NA
GS0.86(0.76,0.96)0.90(0.83,0.97)1.07(1.02,1.13)
エルビテグラビル/コビシスタット150/150
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
29LDV1.63(1.51,1.75)1.78(1.64,1.94)1.91(1.76,2.08)
SOF1.33(1.14,1.56)1.36(1.21,1.52)NA
GS1.33(1.22,1.44)1.44(1.41,1.48)1.53(1.47,1.59)
エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩200/25/300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
15LDV1.01(0.95,1.07)1.08(1.02,1.15)1.16(1.08,1.25)
SOF1.05(0.93,1.20)1.10(1.01,1.21)NA
GS1.06(1.01,1.11)1.15(1.11,1.19)1.18(1.13,1.24)
リルピビリン25
1日1回
400
単回
17SOF1.21(0.90,1.62)1.09(0.94,1.27)NA
GS1.06(0.99,1.14)1.01(0.97,1.04)NA
ラルテグラビル400
1日2回
90
1日1回
28LDV0.92(0.85,1.00)0.91(0.84,1.00)0.89(0.81,0.98)
400
単回
19SOF0.87(0.71,1.08)0.95(0.82,1.09)NA
GS1.09(0.99,1.19)1.03(0.97,1.08)NA
ファモチジン40
単回
本剤と同時投与
90
単回
400
単回
12LDV0.80(0.69,0.93)0.89(0.76,1.06)NA
SOF1.15(0.88,1.50)1.11(1.00,1.24)NA
GS1.06(0.97,1.14)1.06(1.02,1.11)NA
40
単回
本剤投与12時間前
12LDV0.83(0.69,1.00)0.98(0.80,1.20)NA
SOF1.00(0.76,1.32)0.95(0.82,1.10)NA
GS1.13(1.07,1.20)1.06(1.01,1.12)NA
オメプラゾール20
1日1回
本剤と同時投与
90
単回
400
単回
16LDV0.89(0.61,1.30)0.96(0.66,1.39)NA
SOF1.12(0.88,1.42)1.00(0.80,1.25)NA
GS1.14(1.01,1.29)1.03(0.96,1.12)NA
20
1日1回
レジパスビル単剤投与2時間前c
30
単回
16LDV0.52(0.41,0.66)0.58(0.48,0.71)NA
メサドン30〜130
1日量
400
1日1回
14SOF0.95(0.68,1.33)1.30(1.00,1.69)NA
GS0.73(0.65,0.83)1.04(0.89,1.22)NA
リファンピシンd 600
1日1回
90
単回
31LDV0.65(0.56,0.76)0.41(0.36,0.48)NA
400
単回
17SOF0.23(0.19,0.29)0.28(0.24,0.32)NA
GS1.23(1.14,1.34)0.95(0.88,1.03)NA
シメプレビル150
1日1回
30
1日1回
22LDV1.81(1.69,2.94)1.92(1.77,2.07)NA
シクロスポリン600
単回
400
単回
19SOF2.54(1.87,3.45)4.53(3.26,6.30)NA
GS0.60(0.53,0.69)1.04(0.90,1.20)NA
タクロリムス5
単回
400
単回
16SOF0.97(0.65,1.43)1.13(0.81,1.57)NA
GS0.97(0.83,1.14)1.00(0.87,1.13)NA
LDV:レジパスビル、SOF:ソホスブビル、GS:GS-331007、NA:該当なし、−:投与せずa:薬物相互作用試験は健康被験者で実施、b:配合錠(国内未承認)として投与、c:空腹時にオメプラゾールを1日1回6日間反復投与後、最終投与2時間後の食後にLDVを単回投与、d:他のHCV直接作用型抗ウイルス薬2剤との併用

表4 併用薬の薬物動態に及ぼすレジパスビル及びソホスブビルの影響a[17]

併用薬併用薬の投与量(mg)LDVの投与量(mg)SOFの投与量(mg)例数併用薬の薬物動態パラメータ比
LDV、SOF又は本剤投与時(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アバカビル/ラミブジンアバカビル 600
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
150.92(0.87,0.97)0.90(0.85,0.94)NA
ラミブジン 300
1日1回
0.93(0.87,1.00)0.94(0.90,0.98)1.12(1.05,1.20)
アタザナビル/リトナビルアタザナビル 300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
301.07(1.00,1.15)1.33(1.25,1.42)1.75(1.58,1.93)
リトナビル 100
1日1回
0.93(0.84,1.02)1.05(0.98,1.11)1.56(1.42,1.71)
アタザナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩アタザナビル 300
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
241.07(0.99,1.14)1.27(1.18,1.37)1.63(1.45,1.84)
リトナビル 100
1日1回
0.86(0.79,0.93)0.97(0.89,1.05)1.45(1.27,1.64)
エムトリシタビン 200
1日1回b
0.98(0.94,1.02)1.00(0.97,1.04)1.04(0.96,1.12)
テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 300
1日1回b
1.47(1.37,1.58)1.35(1.29,1.42)1.47(1.38,1.57)
ダルナビル(ブースター:リトナビル)800/100
1日1回
90
1日1回
231.02(0.88,1.19)0.96(0.84,1.11)0.97(0.86,1.10)
400
単回
180.97(0.94,1.01)0.97(0.94,1.00)0.86(0.78,0.96)
ドルテグラビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩ドルテグラビル 50
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
291.15(1.07,1.23)1.13(1.06,1.20)1.13(1.06,1.21)
エムトリシタビン 200
1日1回b
1.02(0.95,1.08)1.07(1.04,1.10)1.05(1.02,1.09)
テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 300
1日1回b
1.61(1.51,1.72)1.65(1.59,1.71)2.15(2.05,2.26)
ダルナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩ダルナビル 800
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
231.01(0.96,1.06)1.04(0.99,1.08)1.08(0.98,1.20)
リトナビル 100
1日1回
1.17(1.01,1.35)1.25(1.15,1.36)1.48(1.34,1.63)
エムトリシタビン 200
1日1回b
1.02(0.96,1.08)1.04(1.00,1.08)1.03(0.97,1.10)
テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 300
1日1回b
1.64(1.54,1.74)1.50(1.42,1.59)1.59(1.49,1.70)
エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩c エファビレンツ 600
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
150.87(0.79,0.97)0.90(0.84,0.96)0.91(0.83,0.99)
エムトリシタビン 200
1日1回
1.08(0.97,1.21)1.05(0.98,1.11)1.04(0.98,1.11)
テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 300
1日1回
1.79(1.56,2.04)1.98(1.77,2.23)2.63(2.32,2.97)
エルビテグラビル/コビシスタットエルビテグラビル 150
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
290.88(0.82,0.95)1.02(0.95,1.09)1.36(1.23,1.49)
コビシスタット 150
1日1回
1.25(1.18,1.32)1.59(1.49,1.70)4.25(3.47,5.22)
エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩エムトリシタビン 200
1日1回
90
1日1回
400
1日1回
141.02(0.98,1.06)1.05(1.02,1.08)1.06(0.97,1.15)
リルピビリン 25
1日1回
0.97(0.88,1.07)1.02(0.94,1.11)1.12(1.03,1.21)
テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 300
1日1回
1.32(1.25,1.39)1.40(1.31,1.50)1.91(1.74,2.10)
リルピビリン25
1日1回
400
単回
171.05(0.97,1.15)1.06(1.02,1.09)0.99(0.94,1.04)
ラルテグラビル400
1日2回
90
1日1回
280.82(0.66,1.02)0.85(0.70,1.02)1.15(0.90,1.46)
400
単回
190.57(0.44,0.75)0.73(0.59,0.91)0.95(0.81,1.12)
R-メサドン30〜130
1日量
400
1日1回
140.99(0.85,1.16)1.01(0.85,1.21)0.94(0.77,1.14)
S-メサドン0.95(0.79,1.13)0.95(0.77,1.17)0.95(0.74,1.22)
ノルエルゲストロミンノルゲスチメート 0.180/0.215/0.250/エチニルエストラジオール 0.025
1日1回
90
1日1回
151.02(0.89,1.16)1.03(0.90,1.18)1.09(0.91,1.31)
400
1日1回
1.07(0.94,1.22)1.06(0.92,1.21)1.07(0.89,1.28)
ノルゲストレル90
1日1回
1.03(0.87,1.23)0.99(0.82,1.20)1.00(0.81,1.23)
400
1日1回
1.18(0.99,1.41)1.19(0.98,1.45)1.23(1.00,1.51)
エチニルエストラジオール90
1日1回
1.40(1.18,1.66)1.20(1.04,1.39)0.98(0.79,1.22)
400
1日1回
1.15(0.97,1.36)1.09(0.94,1.26)0.99(0.80,1.23)
シメプレビル150
1日1回
30
1日1回
282.61(2.39,2.86)2.69(2.44,2.96)NA
シクロスポリン600
単回
400
単回
191.06(0.94,1.18)0.98(0.85,1.14)NA
タクロリムス5
単回
400
単回
160.73(0.59,0.90)1.09(0.84,1.40)NA
LDV:レジパスビル、SOF:ソホスブビル、NA:該当なし、−:投与せずa:薬物相互作用試験は健康被験者で実施、b:エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の配合錠として投与、c:配合錠(国内未承認)として投与

心電図に対する影響(外国人のデータ)[3][4]

外国人健康成人被験者59例を対象にレジパスビル120mg1日2回10日間投与により心電図に対する影響を評価したとき、QTc間隔の延長は示されなかった。また、外国人健康成人被験者59例を対象にソホスブビル400mg及び1200mg単回投与により心電図に対する影響を評価したとき、QTc間隔の延長は示されなかった。

臨床成績

日本人における試験成績(第3相試験)[8]

未治療又は前治療(ペグ化インターフェロン、リバビリン及びプロテアーゼ阻害剤による併用療法を含む)のあるジェノタイプ1(1a及び1b)のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象として、リバビリン併用下/非併用下における本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした第3相臨床試験(無作為化非盲検並行群間比較試験)を実施した(12週間投与)。主要評価項目は、投与終了から12週間後のHCV RNA量が定量下限値未満の割合(SVR12率)であり、リバビリン非併用下における本剤投与時の結果を表5に示す。

表5 全体及び部分集団におけるSVR12率

対象SVR12率
未治療患者全体100%(78/78例)
代償性肝硬変注) なし100%(65/65例)
あり100%(13/13例)
年齢65歳未満100%(56/56例)
65歳以上100%(22/22例)
IFN適格性適格100%(74/74例)
不適格100%(4/4例)
前治療のある患者全体100%(79/79例)
代償性肝硬変注) なし100%(52/52例)
あり100%(27/27例)
年齢65歳未満100%(44/44例)
65歳以上100%(35/35例)
前治療に対する反応性無効100%(25/25例)
再燃/ブレイクスルー100%(39/39例)
IFN不耐容100%(15/15例)
注)肝硬変の判定基準には、肝生検又はFibroscanの結果(>12.5kPa)を用いた。

薬効薬理

作用機序

In vitro耐性発現試験及び交差耐性試験の結果から[18]、レジパスビルは、HCVの複製及びHCV粒子の会合に必須である非構造タンパク質(NS)5Aを標的とする抗HCV剤であると考えられる。

ソホスブビルは、肝細胞内で活性代謝物であるウリジン三リン酸型に変換されるヌクレオチドプロドラッグであり、活性代謝物は、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須であるHCV非構造タンパク質5B(NS5B)RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。活性代謝物のHCVジェノタイプ1b、2a、3a及び4a由来NS5Bポリメラーゼに対する50%阻害濃度(IC50値)は0.36〜3.3μmol/Lであった[19]。活性代謝物はヒトDNA及びRNAポリメラーゼを阻害せず、ミトコンドリア生合成も阻害しない[20]

In vitro抗HCV活性

HCVジェノタイプ1a及び1bレプリコン細胞に対するレジパスビルの50%有効濃度(EC50値)の平均値はそれぞれ0.031及び0.004nmol/Lであった[21]。HCVジェノタイプ1a(30例)及び1b(3例)臨床分離株由来のNS5A領域含有レプリコン細胞に対するレジパスビルのEC50値(中央値)は、それぞれ0.018及び0.006nmol/Lであった[22]。また、レジパスビルはジェノタイプ2〜6レプリコン細胞に対しても抗ウイルス活性を示し、そのEC50値は0.15〜530nmol/Lであった[21]。40%ヒト血清存在下で、HCVジェノタイプ1aレプリコン細胞に対するレジパスビルの活性は約1/12に低下した[23]

ソホスブビルは、HCVジェノタイプ1〜6のレプリコン細胞におけるRNA複製を阻害した。HCVジェノタイプ1〜6レプリコン細胞に対するソホスブビルのEC50値(平均値)は0.014〜0.11μmol/Lであった[24]。また、HCVジェノタイプ1a(67例)、1b(29例)、2(15例)及び3a(106例)臨床分離株由来のNS5B領域含有レプリコン細胞に対するソホスブビルのEC50値(中央値)は、それぞれ0.062、0.10、0.029及び0.081μmol/Lであった[25]

ソホスブビル/レジパスビル併用により、HCVジェノタイプ1a及び1bレプリコン細胞に対する相加的な抗ウイルス作用が認められた[26][27]

薬剤耐性

HCVジェノタイプ1a及び1bレプリコン細胞を用いたレジパスビルのin vitro耐性発現試験において、Y93Hが主な耐性変異として検出され、レジパスビルに対する強い耐性を示した。また、HCVジェノタイプ1aではQ30E耐性変異も検出された[28]。一方、ソホスブビルの主な耐性変異S282Tを含め、報告されているNS3プロテアーゼ阻害剤(PI)並びに核酸型NS5B阻害剤及び非核酸型NS5B阻害剤関連耐性変異は、いずれもレジパスビルに対して交差耐性を示さなかった[29][30][31]

HCVジェノタイプ1〜6レプリコン細胞を用いたソホスブビルのin vitro耐性発現試験において、全てのジェノタイプレプリコン細胞株でNS5B領域のS282T変異が認められた[30]。S282T変異を導入したすべてのジェノタイプレプリコン細胞でソホスブビルに対する感受性が低下し、対応する野生型と比較した場合、S282T変異型に対するEC50値は2.4〜18.1倍増加した[31]。また、リバビリン、非核酸型NS5B阻害剤、NS3プロテアーゼ阻害剤又はNS5A阻害剤の耐性に関連した変異を含むレプリコン細胞において、ソホスブビルの活性は保持された[31][32]

国内第3相臨床試験では、23.3%(74/318例)の患者でベースライン時にNS5A耐性変異が検出された(本剤単独投与群41例、本剤とリバビリンの併用投与群33例)。これら74例の患者のうち本剤単独投与群では41例全ての患者がSVR12を達成し、本剤とリバビリンの併用投与群では33例中32例がSVR12を達成した。本試験で本剤とリバビリンの併用投与により再燃に至った1例では、ベースライン時及びウイルス学的治療不成功が認められた時点で、Y93HのNS5A耐性変異が検出されたが、ソホスブビルに対する耐性と関連するNS5B変異の出現は認められなかった[8]

有効成分に関する理化学的知見

一般名レジパスビル アセトン付加物
一般名(欧名)Ledipasvir Acetonate
化学名Methyl{(1S)-1-[(1R,3S,4S)-3-(5-{9,9-difluoro-7-[2-((6S)-5-{(2S)-2-[(methoxycarbonyl)amino]-3-methylbutanoyl}-5-azaspiro[2.4]hept-6-yl)-1H-imidazol-4-yl]-9H-fluoren-2-yl}-1H-benzimidazol-2-yl)-2-azabicyclo[2.2.1]heptane-2-carbonyl]-2-methylpropyl}carbamate monoacetonate
分子式C49H54F2N8O6・C3H6O
分子量947.08
融点融解する前に脱溶媒和する。
性状白色〜わずかに着色した粉末
溶解性ジメチルスルホキシド、エタノール(99.5)、メタノールに溶けやすく、アセトンに溶けにくい。
分配係数log P=6.9(1-オクタノール/pH7.4の緩衝液)
理化学知見その他レジパスビル
KEGG DRUGD10599

有効成分に関する理化学的知見

一般名ソホスブビル
一般名(欧名)Sofosbuvir
化学名1-Methylethyl N-[(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-dioxo-3,4-dihydropyrimidin-1(2H)-yl)-4-fluoro-3-hydroxy-4-methyltetrahydrofuran-2-yl]methoxy}phenoxyphosphoryl]-L-alaninate
分子式C22H29FN3O9P
分子量529.45
融点約125℃
性状白色から微黄白色の粉末
溶解性メタノール、アセトン、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けやすく、2-プロパノールにやや溶けやすく、酢酸エチルにやや溶けにくく、トルエン、ジクロロメタン又はヘプタンにほとんど溶けない。
分配係数log P=1.62(1-オクタノール/0.15mol/L塩化カリウム溶液)
理化学知見その他ソホスブビル
KEGG DRUGD10366

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

ハーボニー配合錠

28錠瓶

14錠(7錠×2)PTP

主要文献


1. 社内資料(レジパスビルの出生前及び出生後の発生並びに母体機能に関する試験:TX-256-2020)
2. 社内資料(ソホスブビルの胎盤通過及び乳汁移行に関する試験:SA-PSI-7977-11-0008)
3. 社内資料(レジパスビルのQTcに対する影響及び臨床用量を超える用量の影響を検討した試験:GS-US-344-0109)
4. 社内資料(ソホスブビルのQTcに対する影響及び臨床用量を超える用量の影響を検討した試験:P7977-0613)
5. 社内資料(ソホスブビルの腎機能障害患者における薬物動態試験:P7977-0915)
6. 社内資料(相対的バイオアベイラビリティ及び食事の影響を検討した試験:GS-US-337-0101)
7. 社内資料(健康被験者における薬物動態試験:GS-US-334-0111)
8. 社内資料(国内第3相臨床試験:GS-US-337-0113)
9. 社内資料(レジパスビルの腎機能障害患者における薬物動態試験:GS-US-344-0108)
10. 社内資料(レジパスビルの肝機能障害患者における薬物動態試験:GS-US-344-0101)
11. 社内資料(ソホスブビルの肝機能障害患者における薬物動態試験:P2938-0515)
12. 社内資料(レジパスビルのin vitro及び健康被験者における薬物動態試験:AD-256-2094、GS-US-256-0108、AD-256-2098、AD-256-2137、AD-256-2084、AD-256-2128)
13. 社内資料(ソホスブビルのマスバランス試験:P7977-0312)
14. 社内資料(血漿蛋白結合率:PC-PSI-7977-11-0001)
15. 社内資料(In vitro薬物相互作用試験:PC-PSI-7977-11-0006)
16. 社内資料(In vitro薬物相互作用試験:AD-256-2144、AD-256-2150、AD-256-2109、AD-334-2020、AD-334-2022、PC-PSI-7977-10-0005、AD-256-2096、AD-256-2133、AD-256-2132、AD-256-2097、AD-256-2146)
17. 社内資料(健康被験者における薬物相互作用試験:GS-US-337-0128、GS-US-344-0102、GS-US-337-1306、P7977-1819、GS-US-334-0131、GS-US-337-0127、P7977-0814、GS-US-248-0125、GS-US-256-0129、GS-US-334-0146、GS-US-334-1344、GS-US-337-1501)
18. 社内資料(GS-US-256-0102試験におけるレジパスビルのウイルス学的検討:PC-256-2029)
19. 社内資料(ソホスブビルのレプリコン細胞を用いたin vitro耐性発現試験:PC-334-2010)
20. 社内資料(ソホスブビルのHCV NS5Bポリメラーゼ及びミトコンドリアに対する作用を検討した試験:PC-334-2013、PC-334-2012、PC-334-2015)
21. 社内資料(レジパスビルのHCVレプリコン細胞株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-256-2037)
22. 社内資料(レジパスビルの臨床分離株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-256-2032)
23. 社内資料(レジパスビルの活性に対する血漿中タンパク結合の影響を検討した試験:PC-281-2007)
24. 社内資料(ソホスブビルのHCVレプリコン細胞株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-334-2005)
25. 社内資料(ソホスブビルの臨床分離株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-334-2016)
26. 社内資料(レジパスビル/ソホスブビルのGT 1aレプリコン細胞株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-334-2004)
27. 社内資料(レジパスビル/ソホスブビルのGT 1bレプリコン細胞株に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-334-2014)
28. 社内資料(レジパスビルに対する耐性発現を検討した試験:PC-256-2016、PC-256-2031)
29. 社内資料(レジパスビルの他の抗HCV薬との交差耐性を検討した試験:PC-256-2017、PC-256-2033)
30. 社内資料(ソホスブビルの耐性発現に関する試験:PC-334-2010)
31. 社内資料(ソホスブビルのNS5A/NS5B変異レプリコン細胞に対する抗ウイルス作用を検討した試験:PC-334-2006)
32. 社内資料(ソホスブビルの他の抗HCV薬との交差耐性を検討した試験:PC-334-2017、PC-334-2020)

作業情報


改訂履歴

2017年2月 改訂
2017年4月 第6版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ギリアド・サイエンシズ株式会社
100-6616
東京都千代田区丸の内一丁目9番2号 グラントウキョウサウスタワー
フリーダイアル 0120-506-295

業態及び業者名等

製造販売元
ギリアド・サイエンシズ株式会社
100-6616
東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2017/9/20 版