医療用医薬品 : ブロムヘキシン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 ブロムヘキシン塩酸塩
一般名 ブロムヘキシン塩酸塩
欧文一般名 Bromhexine Hydrochloride
製剤名 ブロムヘキシン塩酸塩錠
薬効分類名 気道粘液溶解剤
薬効分類番号 2234
ATCコード R05CB02
KEGG DRUG
D01778 ブロムヘキシン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ブロムヘキシン塩酸塩錠4mg「日医工」 (後発品) Bromhexine Hydrochloride Tablets 日医工 2234001F1355 5.3円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記疾患の去痰
急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後

6. 用法及び用量

通常成人1回1錠(ブロムヘキシン塩酸塩として4mg)を1日3回経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難、そう痒感等があらわれることがある。
注)再評価結果を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
消化器悪心、食欲不振、胃部不快感、腹痛 下痢、嘔気、嘔吐
精神神経系頭痛  
過敏症  発疹、蕁麻疹
その他 血痰 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
喀痰量の一時的増加を来し神経質な患者では不安感を訴えることがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
動物実験で大量を長期間にわたり連続投与した場合に血清トランスアミナーゼ値の上昇することが報告されている。

16. 薬物動態

16.3 分布
経口投与した場合、各臓器へ分布したが、特に肺、肝、副腎皮質、眼窩内涙腺、腎及び血液に高濃度に認められた(ラット)1)。胎児へはほとんど移行しなかった(マウス)1)
16.5 排泄
健康成人に経口投与した場合、120時間で88%が尿中に、4%が糞中に排泄される2)(外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
気道粘膜及び粘膜下気管腺の分泌を活性化し、漿液性分泌を増加させる。また、気管分泌細胞リソソーム顆粒から遊離されたリソソーム酵素の関与で酸性糖蛋白の線維網を溶解低分子化する。肺表面活性物質の分泌促進作用や繊毛運動亢進作用を有する3)
18.2 漿液性分泌増加作用
Perry及びBoydの方法により、漿液性分泌増加作用が認められている(ウサギ)4)。また、走査電子顕微鏡により形態学的に観察した試験で、気管支粘膜及び粘膜下気管腺の分泌が活性化し、漿液性分泌の増加が認められている(イヌ)5)
18.3 酸性糖蛋白溶解・低分子化作用
健康成人において、酸性糖蛋白の線維網が溶解低分子化することが顕微鏡下に認められている6)。この作用は、気管分泌細胞内で発現し、その機序は、リゾゾーム顆粒から遊離されたリゾゾーム酵素が関与すると考えられている(イヌ)7)
18.4 肺表面活性物質の分泌促進作用
肺胞II型細胞内層状封入体(ラット)8)及び肺のリン脂質含量(ウサギ)9)の増加が認められている。
18.5 繊毛運動亢進作用
In vitroの試験で、気管繊毛のビート回数及び振幅を増大させることが認められている(イヌ)10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブロムヘキシン塩酸塩

一般的名称 ブロムヘキシン塩酸塩
一般的名称(欧名) Bromhexine Hydrochloride
化学名 2-Amino-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-methylbenzylamine monohydrochloride
分子式 C14H20Br2N2・HCl
分子量 412.59
融点 約239℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
ギ酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に溶けにくい。
KEGG DRUG D01778

22. 包装

100錠[10錠×10;PTP]

23. 主要文献

  1. Kopitar Z., et al., Arzneimittelforschung., 21, 914-918, (1971) »PubMed
  2. Jauch R., et al., Arzneimittelforschung., 25, 1954-1958, (1975) »PubMed
  3. 第十八改正日本薬局方解説書, C5118-C5122, (2021), (廣川書店)
  4. Engelhorn R., et al., Arzneimittelforschung., 13, 474-480, (1963)
  5. 原田康夫 他, 耳鼻臨床, 69, 553-562, (1976) »DOI
  6. Bruce R. A., et al., Br. J. Clin. Pract., 22, 289-292, (1968) »PubMed
  7. Takeda H., et al., Jpn. J. Pharmacol., 33, 455-461, (1983) »PubMed
  8. Gil J., et al., Respiration., 28, 438-456, (1971) »PubMed
  9. Wichert P. V., et al., Pneumonologie., 144, 323-327, (1971)
  10. Yanaura S., et al., Jpn. J. Pharmacol., 31, 957-965, (1981) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
製品情報問い合わせ先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版