医療用医薬品 : アレグラ

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医薬品情報


総称名 アレグラ
一般名 フェキソフェナジン塩酸塩
欧文一般名 Fexofenadine Hydrochloride
製剤名 フェキソフェナジン塩酸塩製剤
薬効分類名 アレルギー性疾患治療剤
薬効分類番号 4490
ATCコード R06AX26
KEGG DRUG D00671 フェキソフェナジン塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アレグラ錠30mg allegra サノフィ 4490023F2020 45.4円/錠
アレグラ錠60mg allegra サノフィ 4490023F1024 57.4円/錠
アレグラOD錠60mg allegra サノフィ 4490023F3027 57.4円/錠

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能又は効果

アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒

用法及び用量

通常、成人にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口投与する。

通常、7歳以上12歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mgを1日2回、12歳以上の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口投与する。

なお、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

アレグラOD錠60mg

OD錠は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込むこと。[「9.適用上の注意」の項参照]

使用上の注意

重要な基本的注意

本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

相互作用

併用注意

制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)本剤の作用を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。[【薬物動態】の項参照]水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムが本剤を一時的に吸着することにより吸収量が減少することによるものと推定される。
エリスロマイシン本剤の血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。[【薬物動態】の項参照]P糖蛋白の阻害による本剤のクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。

副作用

副作用発現状況の概要

<成人>

国内・外の臨床試験において、総症例6,809例(国内1,060例、海外5,749例)中、1,093例(16.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は頭痛310例(4.6%)、眠気158例(2.3%)、嘔気83例(1.2%)等であった。(効能・効果追加承認時)

使用成績調査及び特別調査において、総症例3,876例中、61例(1.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気19例(0.5%)、腹痛8例(0.2%)、めまい、倦怠感各5例(各0.1%)等であった。(再審査終了時)

<小児>

国内臨床試験において、総症例158例中、13例(8.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気5例(3.2%)、ALT(GPT)上昇3例(1.9%)、γ-GTP上昇2例(1.3%)、喘息増悪2例(1.3%)等であった。(用法・用量追加承認時)

使用成績調査において、総症例3,313例中、23例(0.69%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は眠気6例(0.18%)、腹痛2例(0.06%)、胃腸炎2例(0.06%)等であった。

4週間を超える長期投与症例174例において副作用は認められなかった。製造販売後臨床試験において、総症例304例中、10例(3.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用はAST(GOT)上昇5例(1.6%)、ALT(GPT)上昇2例(0.7%)等であった。(再審査終了時)

なお、比較試験において副作用の発現率にはプラセボとの差はなかった。

「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、成人の効能・効果追加承認時までの国内外の臨床試験、小児の用法・用量追加承認時までの国内臨床試験及び製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)の結果を合わせて算出した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(頻度不明注))

ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下、意識消失、血管浮腫、胸痛、潮紅等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸(頻度不明注))

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

無顆粒球症(頻度不明注))、白血球減少(0.2%)、好中球減少(0.1%未満)

無顆粒球症、白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

 頻度不明注3) 0.1〜5%未満0.1%未満
精神神経系 頭痛、眠気、疲労、倦怠感、めまい、不眠、神経過敏悪夢、睡眠障害、しびれ感
消化器 嘔気、嘔吐、口渇、腹痛、下痢、消化不良便秘
過敏症注1)血管浮腫そう痒蕁麻疹、潮紅、発疹
肝臓注2) AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇 
腎臓・泌尿器排尿困難 頻尿
循環器  動悸、血圧上昇
その他  呼吸困難、味覚異常、浮腫、胸痛、月経異常
注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。注2)このような異常があらわれた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。注3)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

高齢者では腎機能が低下していることが多く、腎臓からも排泄される本剤では血中濃度が上昇する場合があるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前から本剤の投与を中止すること。

過量投与

過量投与に関する報告は限られており、外国での過量服用症例報告には用量が不明な症例が多いが、最も高用量を服用した2例(1800〜3600mg)では、症状はないかあるいはめまい、眠気及び口渇が報告されている。過量投与例においては、吸収されずに残っている薬物を通常の方法で除去すること及び、その後の処置は対症的、補助的療法を検討すること。なお、本剤は血液透析によって除去できない。

適用上の注意

アレグラ錠30mg、錠60mg

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

アレグラOD錠60mg

薬剤交付時

以下の点について、指導すること。

ブリスターシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

ブリスターシートからの取り出しは、裏面のシートを完全に剥がした後、錠剤を取り出すこと。OD錠は錠剤と比べて性質上柔らかく、割れることがあるので、裏面のシートを剥がさずに押し出さないこと。

欠けや割れが生じた場合は全量服用すること。

吸湿性を有するため、服用直前にブリスターシートから取り出すこと。

服用時

本剤は舌の上にのせ唾液を浸潤させ、崩壊後唾液のみで服用可能である。また、水で服用することもできる。

本剤は寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。

薬物動態

血中濃度

成人[1](フェキソフェナジン塩酸塩60mg)

健康成人男子8例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル60mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジン濃度は、すみやかに上昇し、投与後2.2時間で最高血漿中濃度248ng/mLに達した。血漿中濃度消失半減期は9.6時間であった。反復投与時には蓄積傾向はみられなかった。

フェキソフェナジン塩酸塩カプセル単回投与後のフェキソフェナジンの血漿中濃度

血漿中濃度パラメータ

投与量AUC0-∞
(ng・hr/mL)
tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(L/h)
60mg1445±5172.2±0.8248±1129.6±5.744.4±18.2
120mg3412±9691.9±0.7564±22113.8±8.935.0±9.3
(平均±SD)

小児[2](フェキソフェナジン塩酸塩30mg、60mg)

小児の通年性アレルギー性鼻炎患者にフェキソフェナジン塩酸塩錠30mg(7〜11歳:50例)及び60mg(12〜15歳:19例)を1日2回28日間反復経口投与したとき、最終回投与時のフェキソフェナジンのAUC0-∞はそれぞれ851ng・hr/mL及び1215ng・hr/mL、Cmaxは150ng/mL及び185ng/mLであった。

小児アレルギー性鼻炎患者にフェキソフェナジン塩酸塩を投与したときのフェキソフェナジンの血漿中濃度(日本人:シミュレーション、外国人:実測平均値)

血漿中濃度パラメータ

対象患者年齢(歳)投与量症例数AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(L/hr)
日本人小児患者a) 7-1130mg50851±325150±7715.8±10.840.1±14.6
12-1560mg191215±269185±7712.3±9.251.6±10.9
外国人小児患者b)
(参考)
7-1230mg141091±400184±888.8±3.029.1±10.5
(平均±SD)(注)各パラメータの算出方法a:NONMEMによるベイズ推定、b:ノンコンパートメント解析

成人[3](OD錠60mg)

クロスオーバー法により、日本人健康成人男子に、OD錠60mg又はアレグラ錠60mgをそれぞれ空腹時単回経口投与したとき、フェキソフェナジンの血漿中濃度及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。OD錠60mgは、水なしで服用又は水とともに服用した場合のいずれにおいても、アレグラ錠60mgと生物学的に同等であることが確認された。

OD錠又はアレグラ錠60mgを投与したときのフェキソフェナジンの血漿中濃度

血漿中濃度パラメータ

投与製剤Cmax
(ng/mL)
AUC0-72
(ng・hr/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
OD錠60mg
(水なしで服用)
243±90.31650±5042.019.0±47.6
OD錠60mg
(水とともに服用)
280±95.81820±5671.516.6±19.0
アレグラ錠60mg278±1241790±6312.016.6±21.1
(平均±SD、tmaxは中央値)

吸収・代謝・排泄

健康成人男子8例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル60mgを単回経口投与したときの投与後48時間までの尿中フェキソフェナジンの平均累積回収率は、11.1%であった[1]

外国人健康成人男子に14C-フェキソフェナジン塩酸塩溶液60mgを単回経口投与したとき、投与後11日までの尿及び糞中の回収率は91.5%で、放射能を示す分画のほとんどはフェキソフェナジンであり、糞中に約80%、尿中に約11.5%排泄された[4]

蛋白結合率[5]

フェキソフェナジンのin vivoにおける血漿蛋白との結合率は、13〜7359ng/mLの濃度範囲で60〜82%(69.4±5.9%)であった。

高齢者での体内動態(外国人データ)[6]

65歳以上の健康高齢者20例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mgを単回投与したときのフェキソフェナジンのAUC0-∞は2906ng・hr/mL、Cmaxは418ng/mL、t1/2は15.2hrであった。これらの値は健康若年者における値のそれぞれ1.6、1.6、1.1倍であった。なお、忍容性は良好であった。

(注)成人における本剤の承認された用量は1回60mg、1日2回である。

腎機能障害患者における体内動態(外国人データ)[7]

成人の腎機能障害患者29例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mgを単回投与したとき、クレアチニンクリアランス41〜80mL/min及び11〜40mL/minの患者におけるフェキソフェナジンのCmaxは健康成人に比し、それぞれ1.5倍及び1.7倍高く、平均消失半減期はそれぞれ1.6倍及び1.8倍長かった。また、透析患者(クレアチニンクリアランス:10mL/min以下)におけるフェキソフェナジンのCmaxは健康成人に比し、1.5倍高く、平均消失半減期は1.4倍長かった。なお、忍容性は良好であった。

(注)成人における本剤の承認された用量は1回60mg、1日2回である。

肝機能障害患者における体内動態(外国人データ)[8]

成人の肝機能障害患者17例(アルコール性肝硬変10例、ウイルス肝炎5例、その他2例)にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mgを単回投与したとき、肝機能障害患者におけるフェキソフェナジンの薬物動態は、被験者間の分散も大きく、肝障害の程度による体内動態の差はみられなかった。Child-Pugh分類でB又はC1であった患者のフェキソフェナジンのAUC0-∞は2176ng・hr/mL、Cmaxは281ng/mL、t1/2は16.0hrであった。これらの値は健康若年者における値のそれぞれ1.2、1.1、1.2倍であった。なお、忍容性は良好であった。

(注)成人における本剤の承認された用量は1回60mg、1日2回である。

食事の影響(外国人データ)[9]

健康成人男子22例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食)にフェキソフェナジン塩酸塩錠120mgを単回経口投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ15%及び14%減少した。日本人においても、クロスオーバー法による検討ではないが、フェキソフェナジン塩酸塩円形錠を食後投与したときのAUC0-∞及びCmaxから外国人と同様の食事の影響が推察された。

薬物相互作用

健康成人男子を対象にした薬物相互作用の検討について以下に示した。併用により血漿中フェキソフェナジン濃度が約2倍に上昇した場合においてもQTcなどの心電図を含め安全性に問題はみられなかった。Cmaxが承認用量投与時の10倍以上となる条件下での検討[10]も行われたが、同様に心電図への影響はなく、有害事象の増加も認められず、薬物相互作用による血漿中フェキソフェナジン濃度の上昇に起因する安全性への影響はないと考えられた。

エリスロマイシン[11][12]

健康成人男子18例にフェキソフェナジン塩酸塩円形錠1回120mg1日2回とエリスロマイシン1回300mg1日4回7日間併用して反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジンのCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約2倍に上昇した。一方、血漿中エリスロマイシン濃度には、併用による影響はなかった。
海外における同様の試験(n=19)でも、同程度の血漿中フェキソフェナジン濃度の上昇が見られた。この血漿中フェキソフェナジン濃度上昇の機序は動物試験から、P糖蛋白の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定された。

健康成人男子にフェキソフェナジン塩酸塩円形錠120mg1日2回とエリスロマイシン300mg1日4回7日間併用して反復経口投与したときのフェキソフェナジンの血漿中濃度

ケトコナゾール[13]

健康成人男子23例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル1回120mg1日2回とケトコナゾール錠400mg1日1回7日間併用して反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジン濃度はフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約2倍に上昇したが、血漿中ケトコナゾール濃度には、併用による影響はなかった(外国人データ)。血漿中フェキソフェナジン濃度上昇の機序はエリスロマイシンと同様と推定された。

オメプラゾール[14]

健康成人男子23例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル120mgの投与11時間前と1時間前にオメプラゾールカプセルをそれぞれ40mg及び20mgを単回投与したとき、フェキソフェナジン塩酸塩の薬物動態に影響はなかった(外国人データ)。

水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤[14]

健康成人男子22例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル120mgの投与15分前に水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤を単回投与したとき、フェキソフェナジンのAUC0-30及びCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約40%減少した(外国人データ)。これは水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムがフェキソフェナジンを一時的に吸着することにより吸収量が減少することによるものと推定された。

(注)成人における本剤の承認された用量は1回60mg、1日2回である。なお、【薬物動態】の項に示したカプセル又は円形錠とアレグラ錠60mgは生物学的に同等であった。

臨床成績

国内臨床成績

成人

成人の慢性蕁麻疹患者を対象とした用量検索試験(解析対象214例)及び成人の季節性アレルギー性鼻炎患者を対象とした用量比較試験(解析対象307例)が実施された。蕁麻疹の試験では、かゆみ及び発疹の合計症状スコアの変化量を、鼻炎の試験では、くしゃみ発作、鼻汁、眼症状の合計症状スコアの変化量を主要評価項目として評価した[15][16]

国内主要試験成績(1)(症状スコア変化量 平均±SE)

対象患者投与群症例数投与前変化量検定(共分散分析)
慢性蕁麻疹10mg745.68±0.25−2.12±0.34p=0.0042
60mg686.40±0.21−3.53±0.33
季節性アレルギー性鼻炎プラセボ1056.74±0.140.07±0.18p=0.0244
60mg1006.64±0.14−0.36±0.18
注:上記試験において慢性蕁麻疹は1回10mg、60mg、120mgの1日2回投与、季節性アレルギー性鼻炎はプラセボ、1回60mg、120mgの1日2回投与の3群比較で実施されたが、解析結果には慢性蕁麻疹は10mgと60mgの比較のみを、季節性アレルギー性鼻炎はプラセボと60mgの比較のみをそれぞれ示した。

成人のアトピー性皮膚炎を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験は、かゆみスコアの変化量を主要評価項目として実施した[17]

国内主要試験成績(2)(かゆみスコア変化量 平均±SE)

対象患者投与群症例数投与前変化量検定(共分散分析)
アトピー性皮膚炎プラセボ1994.79±0.05−0.50±0.06p=0.0005
60mg2014.68±0.05−0.75±0.07

また、成人の湿疹・皮膚炎及び皮膚そう痒症を対象に行われた一般臨床試験において、投与前後のかゆみスコア変化量として、それぞれ−1.89(95%信頼区間:[−2.26,−1.52])及び−2.85(95%信頼区間:[−3.50,−2.20])の改善がみられた[18][19]

小児[20][21]

小児の通年性アレルギー性鼻炎患者及びアトピー性皮膚炎患者を対象に、本剤(7〜11歳は1回30mg1日2回、12〜15歳は1回60mg1日2回)あるいは対照薬としてケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ(1回1g1日2回)を投与した二重盲検比較試験が実施された。通年性アレルギー性鼻炎の試験では、くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉の合計スコアの変化量を、アトピー性皮膚炎の試験ではかゆみスコアの変化量を主要評価項目として評価した。その結果から、対照薬に対する本剤の非劣性が検証された。

小児 国内主要試験成績(スコア変化量平均±SE)

対象患者投与群症例数投与前変化量解析結果(共分散分析)
通年性アレルギー性鼻炎フェキソフェナジン塩酸塩646.09±0.20−2.06±0.19差の点推定値:−0.227
95%片側信頼限界上限:0.172
(非劣性限界値=0.9)
ケトチフェンフマル酸塩636.10±0.19−1.83±0.20
アトピー性皮膚炎フェキソフェナジン塩酸塩772.32±0.05−0.50±0.06差の点推定値:0.050
95%片側信頼限界上限:0.185
(非劣性限界値=0.37)
ケトチフェンフマル酸塩852.38±0.05−0.58±0.06
*:投与前スコア及び年齢層を共変量とした共分散分析を行い、調整済みの2群の差の点推定値及びその95%片側信頼限界上限を示した。

海外臨床成績[22][23]

海外で成人を対象に実施したプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤はプラセボに比し症状スコアの有意な減少が示された。

海外主要試験成績(症状スコア変化量 平均±SE)

対象患者投与群症例数投与前変化量検定(共分散分析)
慢性蕁麻疹プラセボ901.92±0.09−0.47±0.07p=0.0001
60mg861.98±0.10−1.07±0.07
季節性アレルギー性鼻炎プラセボ1418.88±0.14−1.56±0.20p=0.0001
60mg1418.81±0.14−2.64±0.20
注:上記海外主要試験(12〜15歳を含む)はプラセボを対照として3〜4用量を用いて1日2回投与の比較を行っているが、解析結果にはプラセボと60mgの比較のみを示した。

精神運動能に対する影響[24][25][26]

健康成人にフェキソフェナジン塩酸塩120mg、第一世代の抗ヒスタミン薬及びプラセボを二重盲検、3剤3期クロスオーバーでそれぞれ単回投与し、ワープロ入力試験に及ぼす影響を検討したとき、その影響は第一世代の抗ヒスタミン薬に比べ有意に小さく、プラセボと同様であった。

健康成人にフェキソフェナジン塩酸塩120mg、第二世代の抗ヒスタミン薬及びプラセボを二重盲検、クロスオーバーでそれぞれ単回投与し、ポジトロン放出断層撮影法(PET)を用いて脳への移行性を検討した結果、フェキソフェナジンによる大脳皮質のヒスタミンH1受容体の占拠はほとんどみられなかった。また、視覚刺激反応時間検査においてプラセボと差がなかった。

ブタクサアレルギー患者に、フェキソフェナジン塩酸塩60mg、第一世代の抗ヒスタミン薬、アルコール及びプラセボを二重盲検、4剤4期クロスオーバーでそれぞれ単回投与し、シミュレーター上での自動車運転能力に及ぼす影響を検討したとき、運転能力に及ぼす影響は第一世代の抗ヒスタミン薬に比べ有意に小さく、プラセボと同様であった(外国人データ)。

心血管系へ及ぼす影響[10][27][28]

成人の季節性アレルギー性鼻炎患者にフェキソフェナジン塩酸塩を1回240mgまで1日2回2週間投与したとき、プラセボと比較して、QTc間隔の有意な変化は見られなかった(外国人データ)。また、健康成人にフェキソフェナジン塩酸塩を1回60mg1日2回6ヵ月、1回400mg1日2回6.5日間及び240mg1日1回1年間投与しても、プラセボに比して、QTc間隔の有意な変動はみられなかった(外国人データ)。さらに、フェキソフェナジン塩酸塩にはクローン化したヒト心筋遅延整流K+チャネルに対する影響は認められていない。

薬効薬理

フェキソフェナジン塩酸塩は、主な作用として選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有し、さらに炎症性サイトカイン産生抑制作用、好酸球遊走抑制作用及びケミカルメディエーター遊離抑制作用を有する薬剤である。

ヒスタミンH1受容体拮抗作用[29]

フェキソフェナジン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体においてヒスタミンと拮抗し、モルモット摘出回腸標本及び気管標本におけるヒスタミン誘発収縮を抑制した(10−7〜3×10−6M)。また、全身投与でモルモット・ヒスタミン誘発気道収縮及び皮膚反応を抑制した。なお、フェキソフェナジン塩酸塩にはアドレナリン、アセチルコリン、セロトニン及びタキキニンの各受容体並びにL型カルシウムチャネルに対する親和性は認められていない。

I型アレルギー病態モデル動物に対する作用[29]

フェキソフェナジン塩酸塩は、モルモット抗原誘発アレルギー性鼻炎、ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応、ラット抗原誘発全身性アナフィラキシー反応及びモルモット抗原誘発即時型喘息反応を抑制した。

好酸球、炎症性サイトカイン及び細胞接着分子に対する作用[30]

フェキソフェナジン塩酸塩は、季節性アレルギー性鼻炎患者由来鼻粘膜上皮細胞培養上清により誘発されるヒト好酸球の遊走を10−6M以上で抑制した。また、季節性アレルギー性鼻炎患者由来鼻粘膜上皮細胞を活性化ヒト好酸球とともに培養したときに培養上清中に遊離される炎症性サイトカインであるIL-8及びGM-CSFをそれぞれ10−6M以上及び10−9M以上で抑制し、細胞接着分子であるsICAM-1を10−9M以上で減少させた。

ケミカルメディエーター遊離抑制作用[29]

フェキソフェナジン塩酸塩は、健康成人の末梢血好塩基球及びアトピー性皮膚炎患者の末梢血白血球からの抗ヒトIgE抗体刺激によるヒスタミン遊離を抑制した(10−6〜10−5M)。また、モルモット抗原誘発即時型喘息モデルにおいて気管支肺胞洗浄液(BALF)中のロイコトリエン量を減少させた。

有効成分に関する理化学的知見

一般名フェキソフェナジン塩酸塩
一般名(欧名)Fexofenadine Hydrochloride
化学名2-(4-{(1RS)-1-Hydroxy-4-[4-(hydroxydiphenylmethyl)piperidin-1-y1]butyl}phenyl)-2-methylpropanoic acid monohydrochloride
分子式C32H39NO4・HCl
分子量538.12
性状本品は白色の結晶性の粉末である。
本品はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。
本品のメタノール溶液(3→100)は旋光性を示さない。
本品は結晶多形が認められる。
分配係数2.0(pH7、水−オクタノール系)
KEGG DRUGD00671

包装

アレグラ錠30mg

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]

アレグラ錠60mg

100錠[10錠(PTP)×10]、140錠[14錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠(バラ)、700錠[14錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]

アレグラOD錠60mg

100錠[10錠(ブリスター)×10]、500錠[10錠(ブリスター)×50]

主要文献


1. 社内資料:健康成人における薬物動態
2. 社内資料:小児における薬物動態
3. 社内資料:OD錠の健康成人における薬物動態
4. 社内資料:健康成人における代謝
5. 社内資料:健康成人における蛋白結合
6. 社内資料:高齢者における薬物動態
7. 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態
8. 社内資料:肝機能障害患者における薬物動態
9. 社内資料:食事の影響
10. 社内資料:健康成人における高用量の心電図の試験
11. 浦江明憲 他,  臨床薬理,  31 (5),  639,  (2000) »J-STAGE
12. 社内資料:エリスロマイシンとの相互作用
13. 社内資料:ケトコナゾールとの相互作用
14. 社内資料:オメプラゾール及び水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウムとの相互作用
15. Kawashima,M.,et al.,  Int.Arch.Allergy Immunol.,  124,  343,  (2001) »PubMed
16. 社内資料:季節性アレルギー鼻炎患者における用量比較試験
17. Kawashima,M.,et al.,  Br.J.Dermatol.,  148 (6),  1212,  (2003) »PubMed
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20. 馬場廣太郎,  耳鼻咽喉科臨床,  100 (2補冊119),  1,  (2007)
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29. 社内資料:薬効薬理の検討
30. Abdelaziz,M.M.,et al.,  J.Allergy Clin.Immunol.,  101,  410,  (1998) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2013年1月 改訂(第十六改正日本薬局方第一追補に伴う改訂)
2013年5月 第16版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版