医療用医薬品 : グルコジン

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医薬品情報


総称名 グルコジン
一般名 クロルヘキシジングルコン酸塩
欧文一般名 Chlorhexidine Gluconate
製剤名 クロルヘキシジングルコン酸塩製剤
薬効分類名 外用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2619
ATCコード A01AB03 B05CA02 D08AC02 D09AA12 R02AA05
KEGG DRUG
D00858 クロルヘキシジングルコン酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
0.05%グルコジンR水 0.05% Glucodine R Water ヤクハン製薬 2619702Q6053 0.58円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者[8.参照]
2.2 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
2.3 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。][14.3.2参照]
2.4 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。][14.3.3参照]

4. 効能または効果

○皮膚の創傷部位の消毒
○手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

6. 用法及び用量

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。[2.19.1.111.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)[8.参照]
9.1.2 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。[8.参照]
注)発現頻度は文献、自発報告等を参考にした。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満
過敏症発疹、じん麻疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用すること。
14.1.2 綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意すること。
14.2 薬剤使用前の注意
14.2.1 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
14.2.2 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。
14.3 薬剤使用時の注意
14.3.1 外用にのみ使用すること。
14.3.2 産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。[2.3参照]
14.3.3 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。[2.4参照]
14.3.4 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
14.3.5 本剤に含有される界面活性剤は、長期保存の間に接着剤を侵すことがあるため、接着剤を使用したガラス器具等の長期保存には使用しないこと。
14.4 薬剤使用後の注意
本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある1)

16. 薬物動態

16.2 吸収
5例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。14C標識物質は塗布後6時間及び24時間後の血中から検出されなかった2)(外国人データ)。
16.5 排泄
5例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。塗布後10日間の糞尿中の14C標識物質の総量の測定では、尿中から検出されず、2例の糞便中から塗布量の0.009%以下の14C標識物質が検出された2)(外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている3)
18.2 抗菌作用
広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうちAlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロルヘキシジングルコン酸塩

一般的名称 クロルヘキシジングルコン酸塩
一般的名称(欧名) Chlorhexidine Gluconate
化学名 1,1'-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate
分子式 C22H30Cl2N10・2C6H12O7
分子量 897.76
物理化学的性状 クロルヘキシジングルコン酸塩液は、無色〜微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
水又は酢酸(100)と混和する。
1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
光によって徐々に着色する。
KEGG DRUG D00858

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤は滅菌製剤なので、開封時及び開封後は、微生物による汚染に注意すること。
20.2 使用期限内であっても容器開封後はなるべく速やかに使用すること。

22. 包装

500mL[ポリ容器]

23. 主要文献

  1. Ohtoshi T., et al., Clin. Allergy., 16, 155-161, (1986) »PubMed
  2. Case D. E., R. Soc. Med. Int. Congr. Symp. Ser., (23), 39-43, (1980)
  3. 第十八改正日本薬局方解説書, C1877-C1881, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
製品情報問い合わせ先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ヤクハン製薬株式会社
北海道北広島市北の里27番地
26.2 販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版