医療用医薬品 : アルガトロバン |
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容量 | 1アンプル 20mL |
有効成分[1アンプル中] | 日局アルガトロバン水和物 10mg |
添加剤[1アンプル中] | D-ソルビトール 1.08g pH調節剤 |
剤形・性状 | 無色澄明の注射液(褐色アンプル入り) |
pH | 5.2〜7.2 |
浸透圧比(生理食塩液に対する比) | 約1 |
【色】
無色澄明
かっ色
【剤形】
/液剤/注射
販売名和名 : アルガトロバン注射液10mg「サワイ」
規格単位 : 10mg20mL1管
欧文商標名 : ARGATROBAN Injection[SAWAI]
規制区分
規制区分名称 : 処方箋医薬品注)
規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること
日本標準商品分類番号 : 87219
承認番号 : 22100AMX02333000
販売開始年月 : 2001年7月
貯法及び期限等
貯法 : 室温保存
有効期間 : 3年
3.組成・性状
3.1 組成
容量 | 1アンプル 20mL |
有効成分[1アンプル中] | 日局アルガトロバン水和物 10mg |
添加剤[1アンプル中] | D-ソルビトール 1.08g pH調節剤 |
添加剤 : D-ソルビトール
添加剤 : pH調節剤
3.2 製剤の性状
剤形・性状 | 無色澄明の注射液(褐色アンプル入り) |
pH | 5.2〜7.2 |
浸透圧比(生理食塩液に対する比) | 約1 |
【色】
無色澄明
かっ色
【剤形】
/液剤/注射
規格単位毎の効能効果及び用法用量
効能効果対用法用量
4.効能又は効果
○下記疾患に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持、食事)の改善
発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)
○慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善
○下記患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
先天性アンチトロンビンIII欠乏患者
アンチトロンビンIII低下を伴う患者
(アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し、かつ、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの)
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者
○ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止
○ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制
6.用法及び用量
<脳血栓症急性期(ラクネを除く)>
通常、成人に、はじめの2日間は1日6管(アルガトロバン水和物として60mg)を適当量の輸液で希釈し、24時間かけて持続点滴静注する。その後の5日間は1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を適当量の輸液で希釈し1日朝夕2回、1回3時間かけて点滴静注する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
<慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)>
通常、成人1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を輸液で希釈し、1日2回、1回2〜3時間かけて点滴静注する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
<血液体外循環>
通常、成人に、体外循環開始時に1管(アルガトロバン水和物として10mg)を回路内に投与し、体外循環開始後は毎時2.5管(アルガトロバン水和物として25mg)より投与を開始する。凝固時間の延長、回路内凝血(残血)、透析効率及び透析終了時の止血状況等を指標に投与量を増減し、患者毎の投与量を決定するが、毎時0.5〜4管(アルガトロバン水和物として5〜40mg)を目安とする。
<HIT II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止>
本剤をそのまま又は適当量の輸液で希釈し、通常、成人にアルガトロバン水和物として0.1mg/kgを3〜5分かけて静脈内投与し、術後4時間までアルガトロバン水和物として6μg/kg/分を目安に静脈内持続投与する。その後抗凝固療法の継続が必要な場合は、0.7μg/kg/分に減量し静脈内持続投与する。なお、持続投与量は目安であり、適切な凝固能のモニタリングにより適宜調節する。
<HIT II型における血栓症の発症抑制>
本剤をそのまま又は適当量の輸液で希釈し、通常、成人にアルガトロバン水和物として0.7μg/kg/分より点滴静注を開始し、持続投与する。なお、肝機能障害のある患者や出血のリスクのある患者に対しては、低用量から投与を開始すること。活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を指標に投与量を増減し、患者毎の投与量を決定する。
5.効能又は効果に関連する注意
<血液体外循環>
5.1 播種性血管内血液凝固症候群(DIC)に伴うアンチトロンビンIII低下患者では、血液体外循環時に投与した経験がないので、投与しないことが望ましい。
<HIT II型における血栓症の発症抑制>
5.2 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型の患者のうち、脳塞栓又は脳塞栓のおそれのある患者に対しては、治療上の有益性と出血性脳梗塞等の危険性を十分に勘案し、適応を検討すること。
5.3 播種性血管内血液凝固症候群(DIC)に対する本剤の有用性は確認されていないので、基礎疾患、合併症等を十分に確認し、鑑別を行うこと。
7.用法及び用量に関連する注意
<慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)>
7.1 4週間を超えて投与した経験は少ないので、本剤の投与期間は4週間以内をめどとすること。
<HIT II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止>
7.2 本剤の投与開始から10分程度で活性化全血凝固時間(ACT)を測定し、術後4時間まではACTが250〜450秒となるように持続投与量を調節すること。患者の状態により、術後4時間以降の抗凝固療法の継続の要否を判断するが、その後も抗凝固療法の継続が必要な場合は、0.7μg/kg/分に減量後、適宜aPTTを測定し、aPTTが投与前値の1.5〜3倍程度となるよう持続投与量を適宜調節し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。
7.3 本剤のクリアランスが低下している肝機能障害のある患者に対して術後4時間以降も抗凝固療法が必要な場合は、0.2μg/kg/分に減量するなど注意すること。aPTTが目標とする範囲に達するまでは、適宜aPTTを測定し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。
7.4 本剤による治療開始及び投与量変更時には、以下の表を参考に投与すること。
本剤を希釈せずに、6μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 6μg/kg/分 | |
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | |
40kg | 14.4 | 28.8 |
50kg | 18.0 | 36.0 |
60kg | 21.6 | 43.2 |
70kg | 25.2 | 50.4 |
本剤を希釈せずに、0.7μg/kg/分あるいは0.2μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 0.7μg/kg/分 | 0.2μg/kg/分 | ||
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | |
40kg | 1.7 | 3.4 | 0.5 | 1.0 |
50kg | 2.1 | 4.2 | 0.6 | 1.2 |
60kg | 2.5 | 5.0 | 0.7 | 1.4 |
70kg | 2.9 | 5.8 | 0.8 | 1.6 |
7.5 術後4時間以降も抗凝固療法を継続する必要があり、本剤を0.7μg/kg/分に減量後、aPTTが投与前値の3倍を超えた場合は、本剤の投与を中止すること。本剤投与を再開する場合には、aPTTが治療域(投与前値の1.5〜3倍以下)に回復したことを確認し、再開時の投与量は、投与中止前の1/2の用量を目安にすること。
<HIT II型における血栓症の発症抑制>
7.6 本剤のクリアランスが低下している肝機能障害のある患者、又は出血のリスクのある患者に対しては、低用量(0.2μg/kg/分)から投与を開始するなど注意すること。
7.7 本剤による治療開始時には、以下の表を参考に投与を開始すること。
本剤を希釈せずに、0.7μg/kg/分あるいは0.2μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 0.7μg/kg/分 | 0.2μg/kg/分 | ||
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | |
40kg | 1.7 | 3.4 | 0.5 | 1.0 |
50kg | 2.1 | 4.2 | 0.6 | 1.2 |
60kg | 2.5 | 5.0 | 0.7 | 1.4 |
70kg | 2.9 | 5.8 | 0.8 | 1.6 |
7.8 本剤投与開始後は、aPTTを投与前値の1.5〜3倍の範囲かつ100秒以下となるように用量を調節すること。なお、出血のリスクのある患者ではaPTTが、投与前値の1.5〜2倍となるように用量を調節すること。[8.3参照]
7.9 本剤投与開始2時間後及び本剤の投与量の変更2時間後を目安にaPTTを測定し、投与量を調節する。肝機能障害がある患者又は出血のリスクがある患者に対しては、本剤投与開始あるいは投与量変更6時間後にもaPTTを測定することが望ましい。aPTTが目標とする範囲に達するまでは、適宜aPTTを測定し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。[8.3参照]
7.10 aPTTが投与前値の3倍又は100秒を超えた場合は、本剤の投与を中止すること。
本剤投与を再開する場合には、aPTTが治療域(投与前値の1.5〜3倍かつ100秒以下)に回復したことを確認し、投与中止前の1/2の用量を目安に開始すること。[8.3参照]
7.11 本剤を使用することにより血小板数が回復し、安定した場合には、経口抗凝固薬(ワルファリン等)による治療の開始を考慮すること。なお、ワルファリンに切り替える場合は、本剤とワルファリンを5日間程度併用すること。
本剤とワルファリンとの併用時は、aPTT及びプロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)をモニタリングすること。なお、本剤とワルファリンとの相互作用によりPT-INRが延長することから、本剤中止後にPT-INRが短縮することに注意すること。[10.2参照]
7.12 経口抗凝固療法への移行が困難な患者を除き、本剤を漫然と使用しないこと(国内外の臨床試験において本剤投与期間はおおむね7〜14日間であった。また、国内で実施された臨床試験では、ワルファリンへの切り替えができなかった患者1例での投与期間は最長35日であった)。
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/06/18 版 |