医療用医薬品 : オキサリプラチン

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3. 組成・性状


3.1 組成

オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」1バイアル(10mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 50mg
1バイアル(10mL)中
リン酸 適量

オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」1バイアル(20mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 100mg
1バイアル(20mL)中
リン酸 適量

オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」1バイアル(40mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 200mg
1バイアル(40mL)中
リン酸 適量

3.2 製剤の性状

オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射


規格単位毎の明細 (オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」)

販売名和名 : オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

規格単位 : 50mg10mL1瓶

欧文商標名 : Oxaliplatin I.V.Infusion

基準名 : オキサリプラチン注射液

規制区分

規制区分名称 : 毒薬

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注)

規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 874291

承認番号 : 22600AMX01093

販売開始年月 : 2014年12月

貯法及び期限等

貯法 : 室温保存

有効期間 : 3年

3.組成・性状

3.1 組成

オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」1バイアル(10mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 50mg
1バイアル(10mL)中
リン酸 適量

添加剤 : リン酸

3.2 製剤の性状

オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能・効果

○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

○結腸癌における術後補助療法

○治癒切除不能な膵癌

○胃癌

○小腸癌

6.用法・用量

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、結腸癌における術後補助療法及び胃癌にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。

A法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

B法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

5.効能・効果に関連する注意

<結腸癌における術後補助療法>

5.1 国内での術後補助療法に関する検討は行われていない。[17.1.12、17.1.13参照]

5.2 臨床試験の投与対象及び病期ごとの結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.12、17.1.13参照]

<治癒切除不能な膵癌>

5.3 患者の病期、全身状態、UGT1A1注)遺伝子多型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.14、17.1.15参照]

注)イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素の一分子種である。

5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

7.用法・用量に関連する注意

<効能共通>

7.1 本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤に応じて選択すること。[17.1.3-17.1.16参照]

7.2 国内臨床第I相試験において、単剤では130mg/m2(体表面積)の耐容性が認められているが1)、本剤を単剤で用いた場合は、その有用性は確立していない2)。[17.1.2参照]

7.3 国内臨床第I/II相試験において、本剤は、レボホリナート及びフルオロウラシルの急速静脈内投与法での併用療法は、耐容性が認められているが、その有用性は確立していない3)。[17.1.1参照]

7.4

米国の添付文書中には、本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法注1)を行う場合、以下のような投与スケジュール(FOLFOX4法)を2週毎に行うことが推奨されるとの記載がある4)

第1日目別々のバッグから5%ブドウ糖注射液250〜500mLに溶解した本剤85mg/m2及び5%ブドウ糖注射液に溶解したホリナート200mg/m2注2)を120分かけて同時に点滴静注する。その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与し、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。
第2日目ホリナート200mg/m2注2)を120分かけて点滴静注し、その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。

また、米国の添付文書中には、次表の投与可能条件、減量基準の記載がある。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準(前回の投与後に発現した有害事象により判断する)

種類最悪時の程度次回投与量
好中球数500/mm3未満本剤を65mg/m2注5)又は75mg/m2注6)に減量
フルオロウラシルを20%減量(300mg/m2の急速静脈内投与及び500mg/m2の22時間持続静注)
発熱性好中球減少症注3)
血小板数50,000/mm3未満
消化器系の有害事象(予防的治療の施行にもかかわらず発現)Grade 3注4)以上

注1)国内において、ホリナート注射剤の「結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強」に関する効能・効果は承認されていない。

注2)レボホリナート100mg/m2に相当する。

注3)発熱性好中球減少症が発現した場合は、次回投与量に従い減量する。

注4)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合はNCI-CTC version 2.0(1998年)。「結腸癌における術後補助療法」の場合はNCI-CTC version 1(1982年)。

注5)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合。

注6)「結腸癌における術後補助療法」の場合。

7.5 カペシタビンとの併用療法(XELOX法)を行う場合には、次の投与可能条件及び減量基準を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準

種類最悪時の程度次回投与量
前回の投与後に発現した有害事象Grade 3注7)以上1回目発現時:本剤を100mg/m2に減量
2回目発現時:本剤を85mg/m2に減量
注7)CTCAE version 3.0(2003年)。

<結腸癌における術後補助療法>

7.6 レボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用では投与期間が12サイクル、カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。

<治癒切除不能な膵癌>

7.7 イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

副作用注8)程度減量方法
好中球減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)500/mm3未満が7日以上持続
3)感染症又は下痢を併発し、かつ1,000/mm3未満
4)発熱性好中球減少症
イリノテカン塩酸塩水和物を優先的に減量する。
ただし、イリノテカン塩酸塩水和物の投与レベルが本剤より低い場合は、イリノテカン塩酸塩水和物と同じレベルになるまで本剤を減量する。
下痢発熱(38℃以上)を伴う
Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
血小板減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)50,000/mm3未満
本剤を優先的に減量する。
ただし、本剤の投与レベルがイリノテカン塩酸塩水和物より低い場合は、本剤と同じレベルになるまでイリノテカン塩酸塩水和物を減量する。
総ビリルビン上昇2.0mg/dL超3.0mg/dL以下イリノテカン塩酸塩水和物を120mg/m2に減量する。
3.0mg/dL超イリノテカン塩酸塩水和物を90mg/m2に減量する。
粘膜炎Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
手足症候群
注8)複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。注9)CTCAE version 4.0(2009年)。

減量時の投与量(本剤85mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、フルオロウラシル持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)

投与レベル本剤イリノテカン塩酸塩水和物フルオロウラシル持続静注
−165mg/m2150mg/m21,800mg/m2
−250mg/m2120mg/m21,200mg/m2
−3中止中止中止

<胃癌における術後補助療法>

7.8 A法を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

7.9 カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。

規格単位毎の明細 (オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」)

販売名和名 : オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」

規格単位 : 100mg20mL1瓶

欧文商標名 : Oxaliplatin I.V.Infusion

基準名 : オキサリプラチン注射液

規制区分

規制区分名称 : 毒薬

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注)

規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 874291

承認番号 : 22600AMX01094

販売開始年月 : 2014年12月

貯法及び期限等

貯法 : 室温保存

有効期間 : 3年

3.組成・性状

3.1 組成

オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」1バイアル(20mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 100mg
1バイアル(20mL)中
リン酸 適量

添加剤 : リン酸

3.2 製剤の性状

オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能・効果

○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

○結腸癌における術後補助療法

○治癒切除不能な膵癌

○胃癌

○小腸癌

6.用法・用量

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、結腸癌における術後補助療法及び胃癌にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。

A法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

B法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

5.効能・効果に関連する注意

<結腸癌における術後補助療法>

5.1 国内での術後補助療法に関する検討は行われていない。[17.1.12、17.1.13参照]

5.2 臨床試験の投与対象及び病期ごとの結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.12、17.1.13参照]

<治癒切除不能な膵癌>

5.3 患者の病期、全身状態、UGT1A1注)遺伝子多型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.14、17.1.15参照]

注)イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素の一分子種である。

5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

7.用法・用量に関連する注意

<効能共通>

7.1 本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤に応じて選択すること。[17.1.3-17.1.16参照]

7.2 国内臨床第I相試験において、単剤では130mg/m2(体表面積)の耐容性が認められているが1)、本剤を単剤で用いた場合は、その有用性は確立していない2)。[17.1.2参照]

7.3 国内臨床第I/II相試験において、本剤は、レボホリナート及びフルオロウラシルの急速静脈内投与法での併用療法は、耐容性が認められているが、その有用性は確立していない3)。[17.1.1参照]

7.4

米国の添付文書中には、本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法注1)を行う場合、以下のような投与スケジュール(FOLFOX4法)を2週毎に行うことが推奨されるとの記載がある4)

第1日目別々のバッグから5%ブドウ糖注射液250〜500mLに溶解した本剤85mg/m2及び5%ブドウ糖注射液に溶解したホリナート200mg/m2注2)を120分かけて同時に点滴静注する。その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与し、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。
第2日目ホリナート200mg/m2注2)を120分かけて点滴静注し、その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。

また、米国の添付文書中には、次表の投与可能条件、減量基準の記載がある。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準(前回の投与後に発現した有害事象により判断する)

種類最悪時の程度次回投与量
好中球数500/mm3未満本剤を65mg/m2注5)又は75mg/m2注6)に減量
フルオロウラシルを20%減量(300mg/m2の急速静脈内投与及び500mg/m2の22時間持続静注)
発熱性好中球減少症注3)
血小板数50,000/mm3未満
消化器系の有害事象(予防的治療の施行にもかかわらず発現)Grade 3注4)以上

注1)国内において、ホリナート注射剤の「結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強」に関する効能・効果は承認されていない。

注2)レボホリナート100mg/m2に相当する。

注3)発熱性好中球減少症が発現した場合は、次回投与量に従い減量する。

注4)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合はNCI-CTC version 2.0(1998年)。「結腸癌における術後補助療法」の場合はNCI-CTC version 1(1982年)。

注5)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合。

注6)「結腸癌における術後補助療法」の場合。

7.5 カペシタビンとの併用療法(XELOX法)を行う場合には、次の投与可能条件及び減量基準を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準

種類最悪時の程度次回投与量
前回の投与後に発現した有害事象Grade 3注7)以上1回目発現時:本剤を100mg/m2に減量
2回目発現時:本剤を85mg/m2に減量
注7)CTCAE version 3.0(2003年)。

<結腸癌における術後補助療法>

7.6 レボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用では投与期間が12サイクル、カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。

<治癒切除不能な膵癌>

7.7 イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

副作用注8)程度減量方法
好中球減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)500/mm3未満が7日以上持続
3)感染症又は下痢を併発し、かつ1,000/mm3未満
4)発熱性好中球減少症
イリノテカン塩酸塩水和物を優先的に減量する。
ただし、イリノテカン塩酸塩水和物の投与レベルが本剤より低い場合は、イリノテカン塩酸塩水和物と同じレベルになるまで本剤を減量する。
下痢発熱(38℃以上)を伴う
Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
血小板減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)50,000/mm3未満
本剤を優先的に減量する。
ただし、本剤の投与レベルがイリノテカン塩酸塩水和物より低い場合は、本剤と同じレベルになるまでイリノテカン塩酸塩水和物を減量する。
総ビリルビン上昇2.0mg/dL超3.0mg/dL以下イリノテカン塩酸塩水和物を120mg/m2に減量する。
3.0mg/dL超イリノテカン塩酸塩水和物を90mg/m2に減量する。
粘膜炎Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
手足症候群
注8)複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。注9)CTCAE version 4.0(2009年)。

減量時の投与量(本剤85mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、フルオロウラシル持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)

投与レベル本剤イリノテカン塩酸塩水和物フルオロウラシル持続静注
−165mg/m2150mg/m21,800mg/m2
−250mg/m2120mg/m21,200mg/m2
−3中止中止中止

<胃癌における術後補助療法>

7.8 A法を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

7.9 カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。

規格単位毎の明細 (オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」)

販売名和名 : オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」

規格単位 : 200mg40mL1瓶

欧文商標名 : Oxaliplatin I.V.Infusion

基準名 : オキサリプラチン注射液

規制区分

規制区分名称 : 毒薬

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注)

規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 874291

承認番号 : 22700AMX00359

販売開始年月 : 2015年6月

貯法及び期限等

貯法 : 室温保存

有効期間 : 3年

3.組成・性状

3.1 組成

オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」

販売名有効成分添加剤
オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」1バイアル(40mL)中
日本薬局方 オキサリプラチン 200mg
1バイアル(40mL)中
リン酸 適量

添加剤 : リン酸

3.2 製剤の性状

オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」

販売名pH浸透圧比性状
オキサリプラチン点滴静注液200mg「ニプロ」4.0〜4.4約0.04
(生理食塩液に対する比)
無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能・効果

○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

○結腸癌における術後補助療法

○治癒切除不能な膵癌

○胃癌

○小腸癌

6.用法・用量

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、結腸癌における術後補助療法及び胃癌にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。

A法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

B法

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

5.効能・効果に関連する注意

<結腸癌における術後補助療法>

5.1 国内での術後補助療法に関する検討は行われていない。[17.1.12、17.1.13参照]

5.2 臨床試験の投与対象及び病期ごとの結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.12、17.1.13参照]

<治癒切除不能な膵癌>

5.3 患者の病期、全身状態、UGT1A1注)遺伝子多型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.14、17.1.15参照]

注)イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素の一分子種である。

5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

7.用法・用量に関連する注意

<効能共通>

7.1 本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤に応じて選択すること。[17.1.3-17.1.16参照]

7.2 国内臨床第I相試験において、単剤では130mg/m2(体表面積)の耐容性が認められているが1)、本剤を単剤で用いた場合は、その有用性は確立していない2)。[17.1.2参照]

7.3 国内臨床第I/II相試験において、本剤は、レボホリナート及びフルオロウラシルの急速静脈内投与法での併用療法は、耐容性が認められているが、その有用性は確立していない3)。[17.1.1参照]

7.4

米国の添付文書中には、本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法注1)を行う場合、以下のような投与スケジュール(FOLFOX4法)を2週毎に行うことが推奨されるとの記載がある4)

第1日目別々のバッグから5%ブドウ糖注射液250〜500mLに溶解した本剤85mg/m2及び5%ブドウ糖注射液に溶解したホリナート200mg/m2注2)を120分かけて同時に点滴静注する。その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与し、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。
第2日目ホリナート200mg/m2注2)を120分かけて点滴静注し、その後フルオロウラシル400mg/m2を2〜4分間で急速静脈内投与、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。

また、米国の添付文書中には、次表の投与可能条件、減量基準の記載がある。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準(前回の投与後に発現した有害事象により判断する)

種類最悪時の程度次回投与量
好中球数500/mm3未満本剤を65mg/m2注5)又は75mg/m2注6)に減量
フルオロウラシルを20%減量(300mg/m2の急速静脈内投与及び500mg/m2の22時間持続静注)
発熱性好中球減少症注3)
血小板数50,000/mm3未満
消化器系の有害事象(予防的治療の施行にもかかわらず発現)Grade 3注4)以上

注1)国内において、ホリナート注射剤の「結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強」に関する効能・効果は承認されていない。

注2)レボホリナート100mg/m2に相当する。

注3)発熱性好中球減少症が発現した場合は、次回投与量に従い減量する。

注4)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合はNCI-CTC version 2.0(1998年)。「結腸癌における術後補助療法」の場合はNCI-CTC version 1(1982年)。

注5)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合。

注6)「結腸癌における術後補助療法」の場合。

7.5 カペシタビンとの併用療法(XELOX法)を行う場合には、次の投与可能条件及び減量基準を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準

種類最悪時の程度次回投与量
前回の投与後に発現した有害事象Grade 3注7)以上1回目発現時:本剤を100mg/m2に減量
2回目発現時:本剤を85mg/m2に減量
注7)CTCAE version 3.0(2003年)。

<結腸癌における術後補助療法>

7.6 レボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用では投与期間が12サイクル、カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。

<治癒切除不能な膵癌>

7.7 イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。

2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)

種類程度
好中球数1,500/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上

減量基準前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

副作用注8)程度減量方法
好中球減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)500/mm3未満が7日以上持続
3)感染症又は下痢を併発し、かつ1,000/mm3未満
4)発熱性好中球減少症
イリノテカン塩酸塩水和物を優先的に減量する。
ただし、イリノテカン塩酸塩水和物の投与レベルが本剤より低い場合は、イリノテカン塩酸塩水和物と同じレベルになるまで本剤を減量する。
下痢発熱(38℃以上)を伴う
Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
血小板減少以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2サイクル目以降の投与可能条件を満たさず投与を延期
2)50,000/mm3未満
本剤を優先的に減量する。
ただし、本剤の投与レベルがイリノテカン塩酸塩水和物より低い場合は、本剤と同じレベルになるまでイリノテカン塩酸塩水和物を減量する。
総ビリルビン上昇2.0mg/dL超3.0mg/dL以下イリノテカン塩酸塩水和物を120mg/m2に減量する。
3.0mg/dL超イリノテカン塩酸塩水和物を90mg/m2に減量する。
粘膜炎Grade 3注9)以上フルオロウラシル持続静注を減量する。
手足症候群
注8)複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。注9)CTCAE version 4.0(2009年)。

減量時の投与量(本剤85mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、フルオロウラシル持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)

投与レベル本剤イリノテカン塩酸塩水和物フルオロウラシル持続静注
−165mg/m2150mg/m21,800mg/m2
−250mg/m2120mg/m21,200mg/m2
−3中止中止中止

<胃癌における術後補助療法>

7.8 A法を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

7.9 カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版