医療用医薬品 : ヴィアレブ

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3. 組成・性状


3.1 組成

成分・含量10mL中にホスレボドパ2400mg及びホスカルビドパ120mg(無水物として)を含有する。
添加物水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量

3.2 製剤の性状

形態注射剤(バイアル)
色・性状無色〜黄色又は褐色の澄明な液で、赤み若しくは紫みを帯びる又は僅かに乳白光を発することもある。
pH7.0〜7.8
浸透圧比7(生理食塩液に対する比)

【色】
無色〜黄色又はかっ色の澄明
帯赤色若しくは帯紫色又は微乳白光
【剤形】
/液剤/注射


規格単位毎の明細 (ヴィアレブ配合持続皮下注)

販売名和名 : ヴィアレブ配合持続皮下注

規格単位 : 10mL1瓶

欧文商標名 : VYALEV combination subcutaneous infusion

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注)

規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 871169

承認番号 : 30400AMX00457000

販売開始年月 : 2023年7月

貯法及び期限等

貯法 : 2〜8℃で保存

有効期間 : 18ヵ月

3.組成・性状

3.1 組成

成分・含量10mL中にホスレボドパ2400mg及びホスカルビドパ120mg(無水物として)を含有する。
添加物水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量

添加剤 : 水酸化ナトリウム

添加剤 : 塩酸

3.2 製剤の性状

形態注射剤(バイアル)
色・性状無色〜黄色又は褐色の澄明な液で、赤み若しくは紫みを帯びる又は僅かに乳白光を発することもある。
pH7.0〜7.8
浸透圧比7(生理食塩液に対する比)

【色】
無色〜黄色又はかっ色の澄明
帯赤色若しくは帯紫色又は微乳白光
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能又は効果

レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善

6.用法及び用量

本剤投与前の経口レボドパ量に応じて1時間あたりの注入速度を設定し、24時間持続皮下投与する。患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合には、持続投与開始前に負荷投与を行う。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。

通常、成人には、本剤を0.15〜0.69mL/時間(レボドパ換算量として約26〜117mg/時間)で持続投与する。負荷投与を行う場合は本剤0.6〜2.0mL(レボドパ換算量として約100〜350mg)を投与する。追加投与は本剤を1回あたり0.1〜0.3mL(レボドパ換算量として約17〜51mg)で投与する。
本剤の投与量は症状により適宜増減するが、1日総投与量は16.67mL(レボドパ換算量として2840mg)を超えないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 臨床試験において、本剤の投与により高頻度に注入部位関連事象が認められ、重篤な注入部位蜂巣炎や注入部位膿瘍により投与中止に至った例も報告されている。本剤の安全性、忍容性も十分に理解した上で本剤使用の適切性を慎重に判断すること。[8.2、11.1.7、17.1.1、17.1.2参照]

5.2 本剤は経口レボドパ含有製剤に対する治療反応性及び忍容性が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与には、専用の投与システム(輸液ポンプ(ヴィアフューザー)、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタ)を用いること。

7.2 本剤の投与開始時に使用中のすべてのレボドパ含有製剤及びCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害剤を中止すること。

7.3 本剤の投与は以下に従い行うこと。

7.3.1 レボドパ量の算出

本剤投与前の覚醒時間(通常16時間/日)に服用したすべてのレボドパ含有製剤(カルビドパ/レボドパ/COMT阻害剤の配合剤及びレボドパ・カルビドパ水和物経腸用液を含む)のレボドパ量の合計を算出する。覚醒時間以外の投与(夜間投与等)も含め、レスキュー薬のレボドパ製剤やその他のパーキンソン病治療薬は計算に含めない。COMT阻害剤を24時間以内に投与した場合、COMT阻害剤の用量にかかわらず、レボドパ量の合計に1.33を乗じること。

7.3.2 持続注入速度の決定

本剤の開始注入速度は、患者が覚醒時間に服用するレボドパ量を、24時間持続投与に換算することで決定する。算出したレボドパ量に基づき、表1に従い本剤の開始注入速度を設定する。
表1に示す本剤の1時間あたりの注入速度は、覚醒時間(通常16時間)における患者ごとのレボドパ量に基づく。16時間より長い又は短い覚醒時間に基づきレボドパ量を算出する場合、レボドパ量を16時間に換算する。16時間に換算するため、患者の通常の覚醒時間でレボドパ量を割り16を乗じて16時間のレボドパ量に調整後、表1を参照し本剤の開始注入速度を決定すること。なお、ここで算出した注入速度は、ポンプの設定時に基本注入速度として入力すること。

表1 本剤の1時間ごとの推奨開始注入速度

覚醒時間(16時間)に投与したすべての経口レボドパ含有製剤に基づくレボドパ量(mg)24時間投与における、本剤の推奨開始注入速度(mL/時間)a)
400未満0.15
400-4990.15-0.17
500-5990.17-0.20
600-6990.20-0.24
700-7990.24-0.27
800-8990.27-0.30
900-9990.30-0.34
1000-10990.34-0.37
1100-11990.37-0.40
1200-12990.40-0.44
1300-13990.44-0.47
1400-14990.47-0.51
1500-15990.51-0.54
1600-16990.54-0.57
1700-17990.57-0.61
1800-18990.61-0.64
1900-19990.64-0.68
2000以上0.69
a)1時間あたりの投与速度は以下の式を用いて算出する。Xはレボドパ量を決定するために使用する患者の覚醒時間数(例:上の表ではX=16)とする。
1時間あたりの注入速度(mL/時間)=[(レボドパ量×0.92×1.41)/240]/X

7.3.3 負荷投与量の決定

(1)本剤の投与は、患者のオフ状態、オン状態のいずれの状態でも開始できる。オン状態で本剤の投与を開始する場合、負荷投与なしに持続投与を開始することができる。

(2)患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合(又はポンプが3時間以上停止しており、かつレボドパ含有製剤を服用していない場合)は、症状を速やかにコントロールするために、持続投与を開始する直前に負荷投与を行う。負荷投与は、ポンプの機能又は経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤の服用のいずれで実施してもよい。なお、負荷投与量は、本剤での治療開始前の1日のうち最初の経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤の投与量に基づき決定する。ポンプに設定する本剤の推奨負荷投与量(mL)及びおおよそのレボドパ換算量(mg)を表2に示す。

表2 本剤の推奨負荷投与量

本剤の負荷投与量(mL)おおよそのレボドパ換算量(mg)
0.6100
0.9-1.2150-200
1.5-1.8250-300
2.0350
本剤0.1mL中にホスレボドパ24mgを含有する(レボドパとして約17mgに相当)。
ポンプは0.1mL単位で負荷投与量を設定することができる。

7.3.4 持続注入速度の調節

患者が最適な治療効果が得られるように、注入速度を調整し、その注入速度で24時間にわたり持続的に投与する。注入速度は0.01mL/時間(レボドパとして約1.7mg/時間に相当)単位で調節できる。
基本注入速度に加え、ポンプにはさらに2種類の注入速度(低又は高)を追加で設定できる。医師が予め設定した2種類の追加の注入速度から、活動量に応じて、夜間に投与量を減量する、又は長時間の活動のために投与量を増量するなど、患者が選択できる。

7.3.5 追加投与

持続投与中に発現する急性のオフ症状を管理するため、患者自身が追加投与できるよう、医師はポンプに追加投与機能を設定できる。追加投与量は表3に示す5つから1つを選択し設定する。1時間あたりの追加投与は1回を超えないこととし、1日24時間の投与期間中に5回以上の追加投与が行われた場合は、基本注入速度の変更を検討すること。

表3 本剤の追加投与量の選択肢

本剤の追加投与量(mL)おおよそのレボドパ換算量(mg)
0.1017
0.1525.5
0.2034
0.2542.5
0.3051

7.4 本剤の投与を1時間以上中断した場合は、輸液セットの汚染や閉塞のリスク低減のため、新しい輸液セットを使用し、投与部位を変えることが望ましい。3時間を超えて投与を中断した場合は、患者自身で負荷投与を行い、速やかに症状をコントロールするよう指導すること。本剤の投与を長時間(24時間超)中断又は中止した場合は、適切なドパミン作動薬(経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤等)を投与すること。

7.5 投与開始時及び増量時には特に副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量等の適切な処置を行うこと。


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版