医療用医薬品 : シアリス

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医薬品情報


総称名 シアリス
一般名 タダラフィル
欧文一般名 Tadalafil
製剤名 タダラフィル錠
薬効分類名 勃起不全治療剤
薬効分類番号 2590
KEGG DRUG D02008
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
シアリス錠5mg Cialis 日本イーライリリー 259000CF1023 処方箋医薬品
シアリス錠10mg Cialis 日本イーライリリー 259000CF2020 処方箋医薬品
シアリス錠20mg Cialis 日本イーライリリー 259000CF3026 処方箋医薬品

警告

本剤と硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。[「禁忌」の項参照]

死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。[「禁忌」の項及び「副作用」の項参照]

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者

不安定狭心症のある患者又は性交中に狭心症を発現したことのある患者

コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50mmHg)又はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100mmHg)のある患者

心筋梗塞の既往歴が最近3ヵ月以内にある患者

脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者

重度の肝障害のある患者

網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)

用法用量

通常、成人には1日1回タダラフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口投与する。10mgの投与で十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。軽度又は中等度の肝障害のある患者では10mgを超えないこと。なお、いずれの場合も1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。
中等度又は重度の腎障害のある患者では、5mgから開始し、投与間隔は24時間以上とすること。なお、中等度の腎障害のある患者では最高用量は10mgを超えないこととし、10mgを投与する場合には投与間隔を48時間以上とすること。重度の腎障害のある患者では5mgを超えないこと。

使用上の注意

慎重投与

陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者[性行為が困難であり痛みを伴う可能性がある。]

持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者

PDE5阻害剤又は他の勃起不全治療剤を投与中の患者[これらの薬剤との併用使用の経験がない。]

出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者[in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。]

高齢者(65歳以上)[「高齢者への投与」の項参照]

α遮断剤を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

チトクロームP450 3A4(CYP3A4)を強く阻害する薬剤を投与中の患者[本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、低用量(5mg)から開始し、投与間隔を十分にあける(10mgを投与する場合は投与間隔を48時間以上)など慎重に投与すること。なお、投与量は10mgを超えないこと。(「相互作用」の項参照)]

重要な基本的注意

投与に際しては、勃起不全及びその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定すること。

性行為は心臓へのリスクを伴うため、また、重度勃起不全患者においては心血管系イベントの危険因子を有する割合が高いと考えられるため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと。

コントロールが十分でない高血圧患者においては、本剤の血管拡張作用により血圧下降を生じる可能性があるので注意すること。

4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。

本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない。

本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[「その他の注意」の項参照]

臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主にCYP3A4により代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

硝酸剤及びNO供与剤
ニトログリセリン
亜硝酸アミル
硝酸イソソルビド等
併用により、降圧作用を増強するとの報告がある[1] [2] [3]NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
sGC刺激剤
リオシグアト(アデムパス)
併用により、血圧低下を起こすおそれがある。併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。

併用注意

CYP3A4阻害剤
ケトコナゾール
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
テラプレビル
グレープフルーツジュース等
強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある[4]。[「薬物動態」の項参照]CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
インジナビル
サキナビル
ダルナビル等
リトナビルとの併用により、本剤のAUCが124%増加するとの報告がある[4]。[「薬物動態」の項参照]CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。
CYP3A4誘導剤
リファンピシン
フェニトイン
フェノバルビタール等
リファンピシンとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある[5]CYP3A4誘導によるクリアランスの増加。
α遮断剤
ドキサゾシン
テラゾシン等
ドキサゾシンとの併用により、立位収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg下降するとの報告がある[6]。[「薬物動態」の項参照]
また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。
本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤
アムロジピン
メトプロロール
エナラプリル
カンデサルタン等
アンジオテンシンII受容体拮抗剤(単剤又は多剤)との併用により、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降するとの報告がある[7]本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
カルペリチド併用により降圧作用が増強するおそれがある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

国内データ

承認時までに、国内用量反応試験において本剤5mg〜20mg群に割り付けられた総症例257例中70例(27.2%)に副作用が認められた。主な副作用は頭痛29例(11.3%)、潮紅13例(5.1%)、ほてり9例(3.5%)、消化不良6例(2.3%)等であった。

外国データ

外国で実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(13試験)において、本剤2.5mg〜20mg群に割り付けられた総症例2047例中599例(29.3%)に副作用が認められた。主な副作用は頭痛258例(12.6%)、消化不良139例(6.8%)、背部痛63例(3.1%)、筋痛57例(2.8%)、潮紅51例(2.5%)、鼻閉35例(1.7%)、四肢痛34例(1.7%)等であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

過敏症(発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

本剤の投与により発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等の過敏症が、ごくまれに報告されている。このような症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 1%以上0.2〜1%未満0.2%未満頻度不明注1)
循環器潮紅動悸、ほてり血管拡張、心拍数増加、胸痛、狭心症、頻脈、高血圧、低血圧心筋梗塞注2)、心臓突然死注2)、失神、起立性低血圧
感覚器 霧視、眼の充血、眼の異常感耳鳴、視覚障害、眼痛、流涙増加、眼刺激、結膜充血、視野欠損、結膜炎、乾性角結膜炎眼瞼腫脹、色覚変化、回転性眩暈、網膜静脈閉塞、非動脈炎性前部虚血性視神経症注3)、網膜動脈閉塞
消化器消化不良上腹部痛、悪心、胃食道逆流性疾患、下痢、口内乾燥、胃炎、嘔吐、腹痛、胃(胸部)不快感便秘、腹部膨満、軟便、胃刺激症状、嚥下障害食道炎
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇を含む)ALP上昇 
腎臓  腎機能障害、尿酸値上昇 
筋骨格背部痛、筋痛、四肢痛関節痛、筋痙攣(筋収縮)、筋骨格痛筋骨格硬直、頚部痛、殿部痛 
精神・神経系頭痛めまい、睡眠障害錯感覚、傾眠、不安脳卒中注2)、感覚鈍麻、片頭痛
泌尿・生殖器  排尿困難、勃起増強、意図しない勃起持続勃起症、勃起の延長
呼吸器鼻閉鼻炎、副鼻腔うっ血呼吸困難、喀血鼻出血、咽頭炎
皮膚  紅斑、多汗、爪囲炎そう痒症
その他 疲労、無力症、疼痛、体重増加、倦怠感熱感、末梢性浮腫、粘膜浮腫、口渇 
注1)自発報告等を含む情報であるため、頻度不明。注2)心筋梗塞、心臓突然死、脳卒中等の重篤な有害事象が本剤の投与後に報告されている。しかし、これらのほとんどの症例が本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象が本剤、性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定することはできない。注3)「その他の注意」の項参照

高齢者への投与

高齢者では一般に生理機能が低下しているため、慎重に投与すること。[「薬物動態」の項参照]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

女性に対する適応はない。

小児等への投与

小児等に対する適応はない。

過量投与

徴候・症状

外国において、健康成人に本剤を500mgまで単回投与した場合の副作用は、20mg以下の用量で認められた副作用の種類(頭痛、背部痛、消化不良、潮紅、筋痛等)と同様であった。

処置

過量投与の際の特異的な薬物療法はないが、適切な対症療法を行うこと。なお、腎透析によりクリアランスは促進されない。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

本剤は投与後36時間まで有効性が認められていることから[8][9][10]、その期間は安全性について十分配慮すること。

本剤は食事の有無にかかわらず投与できる。[「薬物動態」の項参照]

その他の注意

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与中に、まれに、視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されている[11][12]。これらの患者の多くは、NAIONの危険因子[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]を有していた[13]
外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害剤の投与から消失半減期(T1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている[14]

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている[15][16]

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている。これらの患者では、耳鳴りやめまいを伴うことがある。

本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない。

アルコール飲用時に本剤を投与した外国の臨床薬理試験において、アルコール血中濃度、本剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが、アルコールを高用量(0.7g/kg)飲用した被験者において、めまいや起立性低血圧が報告された[17][18]

25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3〜12ヵ月間連日経口投与した毒性試験において、精巣重量の低下、精細管上皮の変性、精巣上体の精子数の減少が認められたとの報告がある。ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度の減少が認められたが、精子運動率、精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった[19][20]

薬物動態

血漿中濃度

単回投与

日本人健康成人36例にタダラフィル5、10、20、40mgを単回経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与0.5〜4時間(Tmaxの中央値、3時間)の間にピークに達した後、消失した。消失半減期は約14〜15時間であった[21]

≪健康成人にタダラフィル5mg、10mg、20mg、40mgを単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

用量nAUC0-∞(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax注)(h)T1/2(h)
5mg241784(35.3)95.6(30.0)3.00(0.500〜4.00)14.2(19.9)
10mg233319(32.5)174(26.5)3.00(0.500〜4.00)14.6(20.9)
20mg245825(23.2)292(26.1)3.00(1.00〜4.03)13.6(17.1)
40mg2310371(32.3)446(20.2)3.00(0.500〜4.00)14.9(20.0)
幾何平均値(変動係数%)注)中央値(範囲)

≪健康成人にタダラフィル5mg、10mg、20mg、40mgを単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度推移≫

(注:40mgは国内承認用量と異なる。)

反復投与

日本人健康成人18例にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与4日目までに定常状態に達した。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは初回投与時と比べて約40%増加した[22]

≪健康成人にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

日数nAUC(μg・h/L)注1) Cmax(μg/L)Tmax(h)注2) T1/2(h)
1日目184478(14.9)339(16.3)3.00(1.00〜4.00)
10日目176430注3)(18.7)461注4)(18.4)3.00(2.00〜4.00)14.5(17.9)
幾何平均値(変動係数%)注1)投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積注2)中央値(範囲)注3)定常状態における投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積注4)定常状態における最高血漿中薬物濃度

血漿蛋白結合率

タダラフィルの血漿蛋白結合率は94%(in vitro、平衡透析法)であり[23]、主にアルブミン及びα1酸性糖蛋白と結合する[24]

吸収・代謝・排泄(外国人での成績)

健康成人6例に14C-タダラフィル100mgを単回経口投与したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた[25]。血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった[26]

(注:100mgは国内承認用量と異なる。)

食事の影響(外国人での成績)

健康成人18例にタダラフィル20mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった[27]

高齢者(外国人での成績)

健康高齢者12例(65〜78歳)及び健康若年者12例(19〜45歳)にタダラフィル10mgを単回経口投与したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった[28]

≪高齢者及び若年者にタダラフィル10mgを単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

 nAUC0-∞(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax(h)注) T1/2(h)
高齢者124881(31.7)196(26.9)2.00(1.00〜4.00)21.6(39.0)
若年者123896(42.6)183(25.5)2.50(1.00〜6.00)16.9(29.1)
幾何平均値(変動係数%)注)中央値(範囲)

腎障害患者(外国人での成績)

軽度及び中等度腎障害患者

健康成人12例、軽度腎障害患者(CLcr=51〜80mL/min)8例、中等度腎障害患者(CLcr=31〜50mL/min)8例にタダラフィル5mg及び10mgを単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約100%及び20〜30%増加した[26][28]

血液透析を受けている末期腎不全患者

血液透析を受けている末期腎不全患者16例にタダラフィル5mg、10mg及び20mgを単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約109%及び41%増加した[28]

肝障害患者(外国人での成績)

健康成人8例及び肝障害患者25例にタダラフィル10mgを単回経口投与したとき、軽度肝障害患者(Child-Pugh class A)と中等度肝障害患者(Child-Pugh class B)のAUC0-∞は健康成人とほぼ同様であった[28]

薬物相互作用試験(外国人での成績)

経口ケトコナゾール

健康成人12例にケトコナゾール400mg(1日1回経口投与、国内未発売)とタダラフィル20mgを併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ312%及び22%増加した[4]

健康成人11例にケトコナゾール200mg(1日1回経口投与)とタダラフィル10mgを併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ107%及び15%増加した[5]

リトナビル

健康成人16例にリトナビル500mg又は600mg(1日2回)とタダラフィル20mgを併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは30%低下したが、AUC0-∞は32%増加した[29]

健康成人8例にリトナビル200mg(1日2回)とタダラフィル20mgを併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した[4]

α遮断剤

ドキサゾシン

健康成人18例にドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル20mgを単回経口投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64mmHg及び2.78mmHgであった[6]

タムスロシン

健康成人18例にタムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル10mg又は20mgを単回投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3mmHg及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2mmHg及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった[6]

その他、他剤(ニザチジン、制酸配合剤)又はアルコールが本剤に及ぼす影響について検討した結果、ニザチジン、制酸配合剤又はアルコールによる本剤の薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった。また、本剤が他剤(ミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン及びアムロジピン)又はアルコールに及ぼす影響について検討した結果、本剤によるミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン、アムロジピン又はアルコールの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった[17][18][30][31][32][33][34][35]

臨床成績

本剤の臨床効果は、国内用量反応試験、外国第III相試験共に同一の指標を用いて評価を行った。主な指標はIIEF(International Index of Erectile Function:国際勃起機能スコア)質問票(15問)における勃起機能ドメイン(6問)注1)、SEP(Sexual Encounter Profile:患者日記中の性交に関する質問)注2)の質問2及び質問3に対する回答とした。

注1)IIEF勃起機能ドメインの質問と回答

質問番号質問回答選択肢(点)
1ここ4週間、性的行為におよんでいる時、何回勃起を経験しましたか。性的行為一度も無し注3) (0)
毎回又はほぼ毎回(10回中9回以上) (5)
おおかた毎回(半分よりかなり上回る回数:10回中7回程度) (4)
時々(10回中5回) (3)
たまに(半分よりかなり下回る回数:10回中3回程度) (2)
全くなし又はほとんどなし(10回中1回以下) (1)
注3)質問2では「性的刺激一度も無し」、質問3、4では「性交の試み一度も無し」
2ここ4週間、性的刺激による勃起の場合、何回挿入可能な勃起の硬さになりましたか。
3ここ4週間、性交を試みた時、何回挿入することが出来ましたか。
4ここ4週間、性交中、挿入後何回勃起を維持することが出来ましたか。
5ここ4週間で、性交中に、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか。性交の試み一度も無し (0)
困難でない (5)
やや困難 (4)
困難 (3)
かなり困難 (2)
ほとんど困難 (1)
15ここ4週間、勃起を維持する自信の程度はどれくらいありましたか。非常に高い (5)
高い (4)
普通 (3)
低い (2)
非常に低い (1)
勃起機能ドメイン 計30点

注2)SEPの質問と回答

質問番号質問回答
2パートナーの膣への挿入ができましたか?「はい」又は「いいえ」
3勃起は十分に持続し、性交に成功しましたか?

国内データ

国内用量反応試験において、タダラフィル5mg〜20mg投与によりIIEFの勃起機能ドメインスコア、SEPの質問2及び3に「はい」と回答した割合におけるベースラインからの変化量に、プラセボ投与との統計的な有意差が認められた[36]

≪国内用量反応試験におけるIIEFの勃起機能ドメインスコア並びにSEPの質問2及び3に「はい」と回答した割合のベースラインからの変化量≫

評価項目統計量注) ベースラインからの変化量
プラセボ群タダラフィル群
5mg群10mg群20mg群
IIEF勃起機能ドメイン最小二乗平均値2.057.519.109.38
(標準誤差)(0.71)(0.72)(0.71)(0.71)
[症例数][86][84][86][86]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
SEP質問2最小二乗平均値8.5928.5035.9736.52
(標準誤差)(2.99)(3.02)(2.99)(2.99)
[症例数][86][84][86][86]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
SEP質問3最小二乗平均値12.2934.3147.2650.80
(標準誤差)(3.46)(3.49)(3.46)(3.45)
[症例数][86][84][86][86]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
注)最小二乗平均値、標準誤差及びp値は、施設、治療法、ベースライン値を含む共分散分析により導いた。プラセボ群と各用量の多重比較ではDunnett法により調整を行った。

外国データ

外国で実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(第III相試験)の11試験(2266例)を併合解析した結果、タダラフィル5mg〜20mg投与によりIIEFの勃起機能ドメインスコア、SEPの質問2及び3に「はい」と回答した割合におけるベースラインからの変化量に、プラセボ投与との統計的な有意差が認められた。

≪外国プラセボ対照二重盲検比較試験におけるIIEFの勃起機能ドメインスコア並びにSEPの質問2及び3に「はい」と回答した割合のベースラインからの変化量≫

評価項目統計量注) ベースラインからの変化量
プラセボ群タダラフィル群
5mg群10mg群20mg群
IIEF勃起機能ドメイン最小二乗平均値1.035.026.798.94
(標準誤差)(0.30)(0.75)(0.57)(0.23)
[症例数][540][149][245][1179]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
SEP質問2最小二乗平均値2.6315.3725.5731.32
(標準誤差)(1.19)(2.94)(2.24)(0.92)
[症例数][547][149][247][1192]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
SEP質問3最小二乗平均値9.0826.4637.4844.26
(標準誤差)(1.34)(3.29)(2.51)(1.03)
[症例数][547][149][247][1192]
p値(対プラセボ群)<0.001<0.001<0.001
注)最小二乗平均値、標準誤差及びp値は、施設、治療法、ベースライン値を含む共分散分析により導いた。プラセボ群と各用量の多重比較ではBonferroni法により調整を行った。

薬効薬理

作用機序

性的刺激により一酸化窒素(NO)の局所的な遊離が生じる際に、タダラフィルは、cGMP分解酵素であるPDE5を阻害することにより海綿体のcGMP濃度を上昇させる。その結果、平滑筋が弛緩し、陰茎組織への血流が増大して勃起が達成される。

PDE5阻害作用(in vitro)

タダラフィルは選択的なPDE5阻害剤である。タダラフィルはヒト遺伝子組換えPDE5を約1nMのIC50値で阻害した。タダラフィルのPDE5に対する阻害効力は、PDE6及びPDE11と比較して、それぞれ700及び14倍であり、その他のPDEサブタイプとの比較では、9000倍以上であった[37]

陰茎海綿体内cGMP濃度上昇作用(in vitro)

タダラフィル(30nM)は、NO供与体であるニトロプルシドナトリウム(SNP)の存在下で、ヒト摘出陰茎海綿体平滑筋中のcGMP濃度を有意に上昇させた。

陰茎動脈及び海綿体の弛緩増強作用(in vitro)

タダラフィルはヒト摘出陰茎動脈及び海綿体平滑筋の弛緩を誘発(EC50値:それぞれ34及び13nM)し、また、SNP及びアセチルコリンの弛緩作用を増強させた(30nM)。

有効成分に関する理化学的知見

一般名タダラフィル
一般名(欧名)Tadalafil
化学名(6R,12aR)-6-(1,3-Benzodioxol-5-yl)-2-methyl-2,3,6,7,12,12a-hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione
分子式C22H19N3O4
分子量389.40
性状白色の粉末である。
ジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
分配係数2.89(1-オクタノール/水系)
KEGG DRUGD02008

包装

錠剤5mg

20錠PTP(10錠×2)

錠剤10mg

20錠PTP(10錠×2)、40錠PTP(10錠×4)

錠剤20mg

20錠PTP(10錠×2)、40錠PTP(10錠×4)

主要文献


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作業情報


改訂履歴

2015年2月 改訂
2016年4月 第8版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2016/11/24 版