医療用医薬品 : TRH

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医薬品情報


総称名 TRH
一般名 プロチレリン
欧文一般名 Protirelin
製剤名 プロチレリン注射液
薬効分類名 TSH・プロラクチン分泌ホルモン剤
薬効分類番号 7223
ATCコード V04CJ02
KEGG DRUG
D00176 プロチレリン
KEGG DGROUP
DG01171 プロチレリン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年4月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
TRH注0.5mg「ニプロ」 TRH Injection ニプロ 7223402A1044 3528円/管 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

○下垂体TSH分泌機能検査
正常反応は個々の施設によって設定されるべきであるが、通常、正常人では投与後30分で血中TSH値がピークに達し、ラジオイムノアッセイによる血中のそれは10μU/mL以上になる。
しかし、投与後30分の血中TSH値だけで十分な判定ができないと考えられる場合は、投与後経時的に測定し、判定することが望ましい。
なお、皮下注射時の血中TSH反応は、静脈内注射時のそれより低いと考えられるので判定にあたってはこの点を考慮することが望ましい。
○下垂体プロラクチン分泌機能検査
正常反応は個々の施設によって設定されるべきであるが、通常、正常人では投与後15〜30分までに血中プロラクチン値がピークに達し、ラジオイムノアッセイによる血中のそれは20ng/mL以上になる。
しかし、投与後30分までの血中プロラクチン値だけで十分な判定ができないと考えられる場合は、投与後経時的に測定し、判定することが望ましい。

6. 用法及び用量

<下垂体TSH分泌機能検査>
通常成人には、1回本剤1mL(プロチレリンとして0.5mg)を皮下又は静脈内に注射する。
静脈内注射の場合は、生理食塩液、ブドウ糖注射液あるいは注射用水5〜10mLに混じて、徐々に注射する。
<下垂体プロラクチン分泌機能検査>
通常成人には、1回本剤0.2〜1mL(プロチレリンとして0.1〜0.5mg)を生理食塩液、ブドウ糖注射液あるいは注射用水5〜10mLに混じて、徐々に静脈内に注射する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 下垂体線腫患者11.1.1参照]
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 下垂体卒中(0.1%未満)
下垂体腺腫患者に投与した場合、頭痛、視力・視野障害等を伴う下垂体卒中があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には外科的治療等適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満0.1%未満
消化器 悪心胸やけ、空腹感
循環器 動悸、胸部圧迫感一過性の血圧低下、顔面蒼白、冷汗等の軽度ショック様症状
精神神経系 熱感、頭痛、めまい冷感、のぼせ、ふるえ、脱力感、痙攣
その他尿意・陰部異和感  

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 皮下に投与する場合には、神経及び血管を避けて慎重に投与すること。なお、幼小児においては、特に注意すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
外国人のデータでは、健康成人にTRH(400μg)を静脈内投与した場合、血中半減期は約5分、60分後にはほとんど消失する1)
16.5 排泄
外国人のデータでは、健康成人にTRH(400μg)を静脈内投与した場合、尿中へのTRH排泄は静注90分後までみられ、投与量の5.5%が排泄される1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
TRH(500μg)負荷による血中TSH反応パターンよりの障害部位鑑別
16機関、920例の臨床試験成績は下表のとおりである。
TRH投与前TRH投与後(30分)
TSH値(μU/mL)反応の有無TSH値(μU/mL)
正常人10未満10〜40
甲状腺機能低下症   
 視床下部性10未満(低値)±〜+10〜40
 下垂体性10未満(低値)10未満(低値)
 原発性10以上40以上
甲状腺機能亢進症10未満(低値)10未満(低値)
(参考)
(1)TRH(500μg)静脈内負荷による血中TSHの正常反応
6機関における健康成人男女55例の成績は下表のとおりである。
血漿TSH値(m±SE)単位 μU/mL
前値30分後60分後90分後120分後180分後
3.39±0.6218.22±1.7712.67±1.4711.54±1.836.46±1.312.19±1.15
(2)TRH(500μg)静脈内負荷による血中プロラクチンの正常反応
健康成人男子8機関71例、女子10機関85例の成績は下表のとおりである。
血漿プロラクチン値(m±SE) 単位ng/mL
前値15分後30分後60分後90分後120分後
9.48±1.3442.20±2.3837.29±2.3525.12±1.9020.78±1.8814.44±1.62
8.77±1.1957.92±3.9952.73±3.0836.07±2.3727.67±2.2518.76±1.57

18. 薬効薬理

18.1 測定法
下垂体前葉を刺激してTSH(thyroid stimulating hormone)及びプロラクチンの分泌を促進する2)3)4)5)6)
18.2 TSH分泌促進作用
健康成人500μg皮下及び静脈内投与により、血中TSH値は15分後より上昇し、30分後に最大(10〜40μU/mL)に達し、以後漸減する2)
18.3 プロラクチン分泌促進作用
健康成人500μg静脈内投与により、血中プロラクチン値は15分後に最大(51〜59ng/mL)に達し、以後漸減する4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. プロチレリン

一般的名称 プロチレリン
一般的名称(欧名) Protirelin
化学名 5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-prolinamide
分子式 C16H22N6O4
分子量 362.38
物理化学的性状 ・白色の粉末である。
・水、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。
・吸湿性である。
旋光度 〔α〕20D:ー66.0〜−69.0°(脱水物に換算したもの、0.1g、水、20mL、100mm)
理化学知見その他 0.20gを水10mLに溶かした液のpHは7.5〜8.5である。
KEGG DRUG D00176

22. 包装

1mL×5管[アンプル]

23. 主要文献

  1. Bassiri,R.M.et al., J.Clin.Invest., 52, 1616-1619, (1973) »PubMed
  2. 宮井 潔 他, ホルモンと臨床, 19, 427-434, (1971) »PubMed
  3. 入江 実 他, 診療と新薬, 10 (3), 604-606, (1973)
  4. 加藤 譲 他, 日本内分泌学会雑誌, 49 (9), 1215-1222, (1973) »DOI
  5. 紫芝良昌 他, 日本内分泌学会雑誌, 47 (10), 654-657, (1972) »DOI
  6. 仁瓶禮之 他, 日本内分泌学会雑誌, 49 (4), 698-706, (1973) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939
製品情報問い合わせ先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/06/18 版