2.1 高血圧症の患者[高血圧症を悪化させる。]
2.2 甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症を悪化させる。]
2.3 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
2.4 閉塞隅角緑内障の患者[急激な眼圧上昇をきたすおそれがある。]
2.5 残尿を伴う前立腺肥大のある患者[尿閉をきたすおそれがある。]
本態性低血圧、起立性低血圧、透析施行時の血圧低下の改善
<透析施行時の血圧低下の改善>
透析中に血圧が低下したために透析の継続が困難となることが確認されている慢性腎不全患者のみを対象とすること。
<本態性低血圧、起立性低血圧>
通常、成人にはアメジニウムメチル硫酸塩として、1日20mgを1日2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<透析施行時の血圧低下の改善>
通常、成人にはアメジニウムメチル硫酸塩として、透析開始時に1回10mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な心臓障害のある患者
本剤の交感神経機能亢進作用を介する心臓刺激作用により、心臓障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
乳児及び幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与に際しては少量から開始するなど用量に留意すること。生理機能(腎機能、肝機能)が低下していることが多い。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(健康成人6例、空腹時10mg1回経口投与後の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ)
1)
Tmax(h) | Cmax(ng/mL) | t1/2β(h) |
2.7±0.4 | 25.3±1.4 | 13.6±2.5 |
(透析患者5例、20mg1回
注)経口投与後の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ)
2)3)
測定日 | Tmax(h) | Cmax(ng/mL) | t1/2(h) |
非透析日 | 4.4±0.7 | 82.0±4.9 | 25.9±3.9 |
透析日※) | 3.6±0.7 | 70.7±5.7 | 19.2±2.7 |
16.1.2 効果発現時間
16.2 吸収
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
20.7%(健康成人、10mg1回投与2時間後、限外ろ過法)
5)
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝産物及び代謝経路
ごく一部分がピリダジノン体となり、硫酸抱合される
6)。
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
16.5.2 排泄率
投与後48時間までの尿中には、投与量の33〜40%が未変化体として、1〜2%が代謝物として排泄された
1)(健康成人、空腹時10〜20mg1回
注)投与)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
投与後の時間 | 血漿中未変化体濃度(ng/mL) |
動脈血漿(透析器通過前) | 静脈血漿(透析器通過後) |
1h | 1.9±1.4 | 0.9±0.9 |
2h | 9.7±2.0 | 5.6±1.3 |
3h | 19.6±3.8 | 9.9±1.8 |
4h | 26.6±5.8 | 14.8±4.0 |
注)本剤の承認された用法及び用量は、本態性低血圧、起立性低血圧は1日20mgを1日2回分割経口投与、透析施行時の血圧低下の改善は透析開始時に1回10mg経口投与である。