医療用医薬品 : ケフレックス

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医薬品情報


総称名 ケフレックス
一般名 セファレキシン
欧文一般名 Cefalexin
薬効分類名 持続性経口用セフェム系抗生物質製剤
薬効分類番号 6132
ATCコード J01DB01
KEGG DRUG
D00263 セファレキシン
KEGG DGROUP
DG01488 セフェム系抗生物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
L−ケフレックス顆粒 L-Keflex Granules 共和薬品工業 6132002E2030 121.4円/g 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.1参照]

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
○表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
○外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎
○咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
○膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)
○バルトリン腺炎
○涙嚢炎、麦粒腫
○外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、抜歯創・口腔手術創の二次感染

5. 効能または効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、成人及び体重20kg以上の小児にはセファレキシンとして1日1g(力価)を2回に分割して、朝、夕食後に経口投与する。
重症の場合や分離菌の感受性が比較的低い症例にはセファレキシンとして1日2g(力価)を2回に分割して、朝、夕食後に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。[11.1.1参照]
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.3 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。[2.参照]
9.1.2 ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.3 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.4 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎障害のある患者
投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
・ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも0.1%未満)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがある。[8.1参照]
11.1.2 急性腎障害(0.1%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.3 溶血性貧血(0.1%未満)
11.1.4 偽膜性大腸炎(0.1%未満)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも0.1%未満)
11.1.6 間質性肺炎、PIE症候群(いずれも0.1%未満)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症  発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱、リンパ腺腫脹、関節痛等
血液 顆粒球減少、好酸球増多、血小板減少 
肝臓 黄疸、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇 
消化器悪心、嘔吐、下痢、軟便、腹痛、食欲不振、胃不快感等  
菌交代症 口内炎、カンジダ症 
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) 
その他 頭痛、めまい、全身倦怠感 

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

12.1 テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 原則としてSP包装のまま調剤すること。SP包装を開封して調剤すると2種類の顆粒が偏析を起こし、混合比率が変化することがあるので注意すること。
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 かまずに服用するように注意すること。
14.2.2 制酸剤を配合したり、同時に服用すると、本剤の腸溶性が損なわれるおそれがあるので避けることが望ましい。やむを得ず併用するときは十分に服用間隔をあけること。
14.2.3 牛乳、ジュース等に懸濁したまま放置しないように注意すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に、セファレキシン複合顆粒500mg(力価)(n=5)を食後単回経口投与したときの血中濃度及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す2)
図16-1 経口投与時の血中濃度
表16-1 薬物動態パラメータ
投与量nCmax(μg/mL)AUC0-10(μg・hr/mL)
500mg(力価)55.3±2.929.8±15.6
16.3 分布
血清蛋白結合率
限外ろ過法にて測定されたセファレキシンの血清蛋白結合率は約15%であった3)(外国人データ)。
16.4 代謝
健康成人にセファレキシンカプセル経口投与後、生体内で代謝されず未変化のまま尿中に排泄された4)
16.5 排泄
健康成人にセファレキシン複合顆粒500mg(力価)(n=5)を食後単回経口投与したときの12時間までの平均尿中回収率(mean±S.E.)は、56.3±8.0%を示した2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 一般臨床試験
有効性評価対象例は1650例(顆粒、カプセル、カプセル125を含む)であり、有効率は85.4%(1409例)であった。(※L-ケフレックスカプセル、カプセル125は販売中止)
臨床成績を表17-1に示す。
表17-1 臨床成績
疾患有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
皮膚科領域感染症143/15592.3
外科領域感染症25/2792.6
呼吸器感染症285/35979.4
尿路感染症604/68488.3
産婦人科領域感染症11/11100
眼科領域感染症81/8496.4
耳鼻科領域感染症45/6965.2
歯科・口腔外科領域感染症215/26182.4

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し、その作用は殺菌的である5)
18.2 抗菌作用
試験管内でブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリスに抗菌力を示す6)7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. セファレキシン

一般的名称 セファレキシン
一般的名称(欧名) Cefalexin
略号 CEX
化学名 (6R,7R)-7-[(2R)-2-Amino-2-phenylacetylamino]-3-methyl-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid
分子式 C16H17N3O4S
分子量 347.39
融点 約170℃(分解)
物理化学的性状 白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)又はN,N-ジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。
吸湿性である。
分配係数 0.14[pH7.2、1-オクタノール/緩衝液]
KEGG DRUG D00263

22. 包装

100g[1g(SP)×100包]

23. 主要文献

  1. 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
  2. 上田泰,他, 最新医学, 32 (6), 1189-1194, (1977)
  3. Kind,A.C.et al., Antimicrob.Agents Chemother., 361-365, (1968) »PubMed
  4. 西村治雄,他, 最新医学, 24 (9), 1983-1989, (1969)
  5. 上田泰,他, 化学療法ハンドブック, 16-18, (1975), (永井書店.東京)
  6. 西野武志,他, Chemotherapy., 27 (S-7), 38-58, (1979) »DOI
  7. 中沢昭三,他, Jpn.J.Antibiot., 22 (4), 269-275, (1969) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
電話:0120-041-189
FAX:06-6121-2858
製品情報問い合わせ先
共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
電話:0120-041-189
FAX:06-6121-2858

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版