医療用医薬品 : ウブレチド

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医薬品情報


総称名 ウブレチド
一般名 ジスチグミン臭化物
欧文一般名 Distigmine Bromide
製剤名 ジスチグミン臭化物(Distigmine Bromide)製剤
薬効分類名 緑内障治療剤
調節性内斜視治療剤
重症筋無力症(眼筋型)治療剤
薬効分類番号 1312
ATCコード N07AA03
KEGG DRUG
D01228 ジスチグミン臭化物
KEGG DGROUP
DG03201 眼圧降下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ウブレチド点眼液1% UBRETID OPHTHALMIC SOLUTION 1% 鳥居薬品 1312704Q2020 164円/mL 毒薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 前駆期緑内障の患者[眼圧上昇を来すおそれがある。]
2.2 脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

緑内障、調節性内斜視、重症筋無力症(眼筋型)

6. 用法及び用量

1回1滴を1日1〜2回点眼する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 閉塞隅角緑内障の患者(急性又は慢性うっ血性緑内障)
眼圧上昇を来すことがある。
9.1.2 気管支喘息の患者
気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 消化器の機能亢進状態の患者
消化管機能を更に亢進させ、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4 胃・十二指腸潰瘍の患者
消化管機能を亢進させ潰瘍の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5 徐脈・心臓障害のある患者
心拍数低下、心拍出量低下を起こすおそれがある。
9.1.6 てんかんの患者
てんかんの症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7 パーキンソン症候群の患者
パーキンソン症候群の症状を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.7 小児等
長期連用時に虹彩嚢腫があらわれることがあるので、この場合は休薬するか、アドレナリン、フェニレフリンの点眼を行うこと。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム塩化物水和物
スキサメトニウム注、レラキシン注
2.2参照]
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強するおそれがある。1)脱分極性筋弛緩剤はコリンエステラーゼにより代謝されるため、本剤により代謝が阻害されることが考えられる。
2)本剤による直接ニコチン様作用には脱分極性筋弛緩作用がある。
10.2 併用注意
副交感神経抑制剤
アトロピン硫酸塩水和物
相互に作用を拮抗する。本剤のムスカリン様作用と拮抗することが考えられる。
コリン作動薬
ベタネコール塩化物
相互に作用を増強する。本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。
コリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル塩酸塩
相互に作用を増強する可能性がある。本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
流涙、結膜炎、結膜充血、視矇眼痛、異物感、眼圧逆上昇、虹彩嚢腫注) 
消化器 下痢腹痛、口渇
皮膚  発疹、皮膚乾燥

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

16. 薬物動態

16.3 分布
3H-ジスチグミン臭化物を白色家兎に点眼した結果、投与後約20分で眼内組織濃度は最高となり、以後0.3〜0.45/hrの割合で指数関数的に減少した1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績
疾患名\1日投与回数有効率%(有効例/症例数注)
1回/日2回/日
緑内障64.3
(45/70)
68.6
(35/51)
66.1
(80/121)
調節性内斜視56.1
(32/57)
58.0
(51/88)
57.2
(83/145)
重症筋無力症(眼筋型)100.0
(1/1)
80.0
(12/15)
81.3
(13/16)
60.9
(78/128)
63.6
(98/154)
62.4
(176/282)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は、コリンエステラーゼを阻害し、局所のアセチルコリン濃度を高めることにより、コリン作動性神経を刺激する。
18.2 眼圧に対する作用
広隅角緑内障患者に本剤の1%液1滴点眼したところ、眼圧は1時間後に下降し始め、12時間後には最低眼圧となり、24時間後までこれが持続され、84時間後でも点眼前の眼圧より低かった2)
18.3 瞳孔に対する作用
ネコに本剤の1%液を点眼したところ、縮瞳は24時間以上持続し、アトロピンによる散瞳に対しても著明に拮抗した3)
18.4 コリンエステラーゼ阻害作用
本剤100μg/kg及びネオスチグミン100〜400μg/kgをラットに1回腹腔内投与したとき、血中コリンエステラーゼ活性はそれぞれ約80%及び30〜60%阻害された3)
18.5 アセチルコリン作用の増強
ラットの血涙反応では、対照値のアセチルコリンED50値を1/5に減ずるに要する用量は、本剤で8.6μg/kg、ネオスチグミンで16.6μg/kgであった。また、本剤の作用は、投与後2時間で最大となり、少なくとも48時間以上持続した3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジスチグミン臭化物

一般的名称 ジスチグミン臭化物
一般的名称(欧名) Distigmine Bromide
化学名 3,3'-[Hexane-1,6-diylbis(methyliminocarbonyloxy)]bis(1-methylpyridinium)dibromide
分子式 C22H32Br2N4O4
分子量 576.32
融点 約150℃(分解)
物理化学的性状 本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸に溶けにくい。本品の水溶液(1→100)のpHは5.0〜5.5である。本品はやや吸湿性である。本品は光によって徐々に着色する。
KEGG DRUG D01228

22. 包装

5mL×5本

23. 主要文献

  1. 三島済一ほか, 眼科臨床医報, 64 (5), 406-411, (1970)
  2. 塚原重雄, 臨床眼科, 24 (2), 291-296, (1970)
  3. 社内資料:ウブレチドの薬理学的研究

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
電話:0120-316-834
FAX:03-3231-6890
製品情報問い合わせ先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
電話:0120-316-834
FAX:03-3231-6890

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鳥居薬品株式会社
東京都中央区日本橋本町3-4-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版