医療用医薬品 : ヘパティメージ

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医薬品情報


総称名 ヘパティメージ
薬効分類名 放射性医薬品
肝胆道系疾患及び機能診断薬
薬効分類番号 4300
KEGG DRUG
D08758 N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファンテクネチウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2022年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヘパティメージ注 Hepatimage Injection 日本メジフィジックス 4300415A1022 80.5円/MBq 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

肝胆道系疾患及び機能の診断

6. 用法及び用量

通常,成人には本剤74〜185MBqを静脈内に注射し,投与直後から適当な間隔をおいて経時的に肝胆道系シンチグラムを撮る。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
循環器動悸
精神神経系痙攣

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
血中総ビリルビンが1.0mg/dL以下の患者に本剤を静注したときの血中半減期は2.86±1.30分であった1)
健常者に本剤を静注したときの血中半減期は3.3±0.5分であった2)
健常者,び漫性肝疾患患者及び軽度胆道系疾患患者について血中停滞率と累積尿中排泄率を求めた結果,下表のように,び漫性肝疾患の血中停滞率は健常者に比し有意(p<0.01)な上昇を示した3)
血中停滞率(%)
10分40分
健常者(11例)8.20±1.562.38±0.44
び漫性肝疾患(8例)24.2±9.810.1±4.6
軽度胆道系疾患(4例)9.23±2.452.64±1.03
16.3 分布
16.3.1 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
 吸収線量(mGy/37MBq)
肝臓0.5
胆のう26.6
小腸2.9
大腸上部4.1
大腸下部3.0
腎臓0.2
卵巣0.9
精巣0.04
膀胱(壁)0.3
赤色骨髄0.3
全身0.2
16.5 排泄
血中総ビリルビンが1.0mg/dL以下の患者に本剤を静注したときの投与後2時間での累積尿中排泄率は2.10±0.91%であった1)。健常者に本剤を静注したときの投与後90分までの累積尿中排泄率は2.1±0.3%であった2)
累積尿中排泄率(%)
60分
健常者(11例)1.86±0.61
び漫性肝疾患(8例)2.50±0.84
軽度胆道系疾患(4例)1.67±0.54

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
本剤が有効と報告された適応症は以下のとおりである。全例については良好なシンチグラムが得られた。
・肝胆道系の形態及び機能の診断
肝炎,肝硬変,肝癌,胆のう炎,胆石症(胆のう結石,胆管結石),胆管癌,総胆管癌,胆道ジスキネジー,胆道拡張症,胆道閉鎖症,他
疾患名有効例数/症例数有効率
肝炎急性肝炎11/11100%
慢性肝炎20/20100%
乳児・新生児肝炎2/2100%
その他注112/12100%
肝硬変28/28100%
肝癌(転移癌を含む)22/22100%
胆のう炎5/5100%
胆石症注253/5498.1%
胆管癌,総胆管癌17/17100%
胆道ジスキネジー3/3100%
先天性胆道拡張症6/6100%
先天性胆道閉鎖症16/16100%
・高度肝機能障害例における病変部の把握
・乳児肝炎と先天性胆道閉鎖症の鑑別
・完全閉塞か不完全閉塞かの鑑別
・PTCD後・内瘻術後のドレナージ効果の判定

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
本剤は,静脈内投与されると,迅速に血中から消失し,肝・胆道系へ移行した後小腸へ排出される。腸管からの再吸収(腸肝循環)は認められず,また,尿中排泄は少ない。
血清ビリルビンに対する低い拮抗性を有し,高度黄疸例にも適用することができる。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1.

核物理学的特性
99mTcとして):
・物理的半減期:6.0067時間
・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
理化学知見その他 19.1 N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファンテクネチウム(99mTc)

20. 取扱い上の注意

本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。

22. 包装

185MBq(2mL)[1バイアル]

23. 主要文献

  1. 渡辺幸康,他, 核医学, 19, 1589-1593, (1982) »PubMed
  2. 大竹英二,他, 画像診断, 3, 265-270, (1983)
  3. 中村和義,他, 基礎と臨床, 17, 1227-1231, (1983)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)
製品情報問い合わせ先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本メジフィジックス株式会社
東京都江東区新砂3丁目4番10号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版