医療用医薬品 : セルニルトン

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医薬品情報


総称名 セルニルトン
一般名 セルニチンT60
セルニチンGBX
製剤名 セルニチンポーレンエキス
薬効分類名 前立腺疾患治療剤
薬効分類番号 2590
KEGG DRUG
D04711 セルニチンポーレンエキス
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年8月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
セルニルトン錠 Cernilton Tablets 東菱薬品工業 2590003F1023 19円/錠

4. 効能または効果

○慢性前立腺炎
○初期前立腺肥大症による次の諸症状
排尿困難、頻尿、残尿及び残尿感、排尿痛、尿線細小、会陰部不快感

6. 用法及び用量

1回2錠、1日2〜3回経口投与する。
症状に応じて適宜増減する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
皮膚 発疹、蕁麻疹等の過敏症状
消化器嘔気、食欲不振、胃部不快感、便秘等 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
比較試験を含む国内臨床試験報告23報、総計498症例における有効率は前立腺肥大症67.5%(135/200)、慢性前立腺炎63.8%(190/298)で、排尿困難、残尿感、排尿痛等の自覚症状及び他覚所見に改善が認められた1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)15)16)17)18)19)20)21)22)23)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確になっていない。
18.2 抗炎症作用
18.2.1 前立腺炎に対する作用
去勢ラットに17β-エストラジオールを投与し誘発した非細菌性前立腺炎モデルにおいて、腺上皮細胞の低下した分泌機能を回復させ、腺腔内・間質への炎症性細胞の浸潤を抑制した24)
18.2.2 炎症に対する作用
ラットにおける卵白アルブミンによる急性足蹠浮腫並びにろ紙ペレット法による肉芽増殖を抑制した。
In vitroの試験において、ウシ血清アルブミンの熱変性、ラット赤血球の熱溶血をそれぞれ抑制した25)
18.3 排尿促進作用
18.3.1 膀胱機能に対する作用
無麻酔ラットを用いて測定した膀胱内圧曲線(シストメトログラム)において、排尿時の膀胱最大内圧を増大させた。なお、排尿回数、排尿直前の排尿閾値圧にはほとんど影響しなかった26)
18.3.2 下部尿路平滑筋に対する作用
In vitroの試験において、マウスの摘出膀胱筋を収縮させ、この作用はセルニチンT60に基づくものであった。一方、マウスの尿道筋ではノルエピネフリン収縮を抑制し、また、セルニチンGBXはブタの摘出尿道筋を直接弛緩させた27)
18.4 抗前立腺肥大作用
正常ラット及びテストステロンを投与した去勢ラットで前立腺の重量増加をそれぞれ抑制した。一方、精嚢、睾丸、副腎等の他臓器の重量及び病理組織学的所見に著変はなかった28)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. セルニチンT60

一般的名称 セルニチンT60
物理化学的性状 黄白色の粉末で、特異なにおいがあり、わずかに酸味がある。水に溶けやすく、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは3.5〜5.0である。吸湿性である。

19.2. セルニチンGBX

一般的名称 セルニチンGBX
物理化学的性状 暗緑色〜緑かっ色で常温では粘稠性の液で、冷所で凝固する。特異なにおいがあり、味は苦い。エタノール、ジエチルエーテル、クロロホルム又はアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。

20. 取扱い上の注意

本剤は吸湿性が強いので、アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。吸湿により変色する。

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
1000錠[10錠(PTP)×100]
1050錠[21錠(PTP)×50]

23. 主要文献

  1. 斉藤 泰, 臨床と研究, 44 (6), 1301-1305, (1967)
  2. 斉藤 泰, 臨床と研究, 44 (12), 2688-2689, (1967)
  3. 社内資料:前立腺炎に対する花粉製剤セルニルトンの使用経験
  4. 社内資料:慢性前立腺炎に於けるCerniltonの使用知見
  5. 社内資料:慢性前立腺炎に対するセルニルトンの使用経験(1)
  6. 社内資料:慢性前立腺炎に対するセルニルトンの使用経験(2)
  7. 社内資料:慢性前立腺炎に対するCerniltonの臨床経験
  8. 大北健逸 他, 新薬と臨床, 17 (10), 1361-1364, (1968)
  9. 社内資料:花粉製剤セルニルトンの前立腺肥大症に対する効果に就いて
  10. 社内資料:花粉製剤セルニルトンの前立腺肥大症に対する効果について(追補)
  11. 稲田 務 他, 泌尿器科紀要, 13 (6), 466-469, (1967)
  12. 社内資料:セルニルトンの使用経験
  13. 社内資料:前立腺炎に対するCerniltonの使用経験
  14. 社内資料:慢性前立腺炎に対するCerniltonの使用経験
  15. 加藤哲郎 他, 泌尿器科紀要, 16 (4), 192-195, (1970)
  16. 川倉宏一, 診療と新薬, 7 (6), 1215-1218, (1970)
  17. 城代明仁 他, 泌尿器科紀要, 34 (3), 561-568, (1988)
  18. 竹内弘幸 他, 泌尿器科紀要, 27 (3), 317-326, (1981)
  19. 北野太路 他, 泌尿器科紀要, 28 (3), 325-331, (1982)
  20. 上田公介 他, 泌尿器科紀要, 31 (1), 187-191, (1985)
  21. 堀井明範 他, 泌尿器科紀要, 31 (4), 739-746, (1985)
  22. 林 淳二 他, 泌尿器科紀要, 32 (1), 135-141, (1986)
  23. 鈴木孝憲 他, 泌尿器科紀要, 38 (4), 489-494, (1992)
  24. 花本美津恵 他, 薬理と治療, 26 (11), 1807-1815, (1998)
  25. 伊藤隆太 他, 応用薬理, 28 (1), 55-65, (1984)
  26. 永嶌晃子 他, 薬理と治療, 26 (11), 1801-1806, (1998)
  27. 木村正康 他, 医学と薬学, 15 (2), 521-532, (1986)
  28. 伊藤隆太 他, 応用薬理, 31 (1), 1-11, (1986)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東菱薬品工業株式会社 安全性情報課
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-3-1
電話:03-6304-5403
FAX:03-6304-5932
製品情報問い合わせ先
東菱薬品工業株式会社 安全性情報課
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-3-1
電話:03-6304-5403
FAX:03-6304-5932

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東菱薬品工業株式会社
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号
26.2 販売元
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版