医療用医薬品 : コントール

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医薬品情報


総称名 コントール
一般名 クロルジアゼポキシド
欧文一般名 Chlordiazepoxide
薬効分類名 マイナートランキライザー
薬効分類番号 1124
ATCコード N05BA02
KEGG DRUG
D00267 クロルジアゼポキシド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
5mgコントール錠 CONTOL TABLETS 武田テバ薬品 1124028F1030 10.1円/錠 向精神薬(第三種向精神薬), 処方箋医薬品注)
10mgコントール錠 CONTOL TABLETS 武田テバ薬品 1124028F2036 10.1円/錠 向精神薬(第三種向精神薬), 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.2 重症筋無力症の患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

4. 効能または効果

神経症における不安・緊張・抑うつ
うつ病における不安・緊張
○心身症(胃・十二指腸潰瘍、高血圧症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ

6. 用法及び用量

用量は患者の年齢・症状により適宜増減するが、通常下記のとおり経口投与する。
成人
1日クロルジアゼポキシドとして20〜60mgを2〜3回に分割経口投与する。
小児
1日クロルジアゼポキシドとして10〜20mgを2〜4回に分割経口投与する。

8. 重要な基本的注意

8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[11.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれる。
9.1.3 衰弱患者
作用が強くあらわれる。
9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.1 妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。
9.7 小児等
乳児、幼児において作用が強くあらわれる。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

10. 相互作用

10.2 併用注意
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体等
モノアミン酸化酵素阻害剤
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
アルコール(飲酒)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
マプロチリン塩酸塩1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作がおこる可能性がある。
1)相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることが考えられている。
ダントロレンナトリウム水和物筋弛緩作用が増強する可能性がある。相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 依存性、離脱症状(いずれも頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。[8.2参照]
11.1.2 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)
11.1.3 呼吸抑制(頻度不明)
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
精神神経系眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、頭痛、多幸症
肝臓黄疸
血液顆粒球減少、白血球減少
循環器血圧低下
消化器悪心、便秘、口渇
過敏症発疹、光線過敏症
骨格筋倦怠感、脱力感等の筋緊張低下症状
その他浮腫

13. 過量投与

13.1 処置
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は大脳辺縁系、とくに扁桃核、海馬に抑制作用を示し、不安・緊張等の情動異常を改善する。
一方、脳幹網様体−新皮質系に対する直接作用が少なく、意識水準には直接影響を与えないことが認められている1)2)3)4)(ラット、ネコ、サル)。
18.2 馴化静穏作用
本剤は鎮静作用を示す量以下で動物の攻撃性・狂暴性を抑制して馴化静穏作用を示す5)6)7)(マウス、ラット、サル)。
18.3 緊張除去作用
本剤はラットの回避反応試験8)、サルのdelayed matching行動試験3)等において、不安・緊張の除去作用を示す。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロルジアゼポキシド

一般的名称 クロルジアゼポキシド
一般的名称(欧名) Chlordiazepoxide
化学名 7-Chloro-2-methylamino-5-phenyl-3H-1,4-benzodiazepin-4-oxide
分子式 C16H14ClN3O
分子量 299.75
物理化学的性状 白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。光によって徐々に変化する。
KEGG DRUG D00267

22. 包装

<5mgコントール錠>
100錠[10錠(PTP)×10]
<10mgコントール錠>
100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. Carroll M.N.et al., Biochem Pharmacol., 8, 15, (1961)
  2. 中川園子, 精神神経学雑誌, 65, 963-973, (1963) »PubMed
  3. Scheckel C.L., Am Psychol., 17, 398, (1962)
  4. Haot J.et al., Arch Int Pharmacodyn., 148, 557-559, (1964)
  5. Randall L.O.et al., Curr Ther Res., 3, 405-425, (1961)
  6. Schallek W.et al., Ann N Y Acad Sci., 96, 303-314, (1962)
  7. Randall L.O., Dis Nerv Syst., 21, 7-10, (1960)
  8. Taber R.I.et al., Pharmacologist., 9, 200, (1967)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
武田テバ薬品株式会社 武田テバDIセンター
〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号
電話:0120-923-093 受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)
製品情報問い合わせ先
武田テバ薬品株式会社 武田テバDIセンター
〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号
電話:0120-923-093 受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

25. 保険給付上の注意

本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされている。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
武田テバ薬品株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
26.2 販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版