2.1 アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、前立腺癌)及びその疑いのある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[
9.5参照]
メテノロン酢酸エステルとして、通常、成人1日10〜20mgを2〜3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 男性に投与する場合は、定期的に前立腺の検査を行うこと。
8.2 女性に投与する場合は、変声の可能性のあることを告げておくこと。
8.3 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、特に長期投与する場合には、定期的に臨床検査(肝機能検査等)を行うこと。[
9.3.1、
11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 前立腺肥大のある患者
9.1.2 心疾患のある患者
9.1.3 癌の骨転移のある患者
9.1.4 糖尿病の患者
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。女性胎児の男性化を起こすおそれがある。[
2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
観察を十分に行い慎重に投与すること。
骨端の早期閉鎖、性的早熟を来すことがある。
9.8 高齢者
慎重に投与すること。アンドロゲン依存性腫瘍が潜在している可能性があること、及び一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。[
8.3、
9.3.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 |
過敏症 | 過敏症状 |
肝臓 | AST上昇、ALT上昇 |
胃腸 | 悪心、嘔吐 |
その他(女性) | 嗄声(進行すると回復困難な場合がある。通常、月経異常が先発する例が多いとの報告がある。)、多毛、ざ瘡、色素沈着、月経異常、陰核肥大、性欲亢進 |
その他(男性) | ざ瘡、陰茎肥大、陰萎、持続性勃起、大量継続投与による精子減少・精液減少等の睾丸機能抑制 |
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
18.1 作用機序
本剤は、肝及び各組織において生体内蛋白合成を促進させるとともに、生体における体蛋白の異化を抑制する。また、Ca、Pの組織への沈着を促進させる。
18.2 N貯留作用
健康人、骨粗鬆症、性腺機能不全及び筋疾患患者にメテノロン酢酸エステル20〜30mg/日(総量330mg)を経口投与すると47.1mg/kg/日のNを貯留した
5)。
18.3 Ca、P貯留作用
健康人、骨粗鬆症、性腺機能不全及び筋疾患患者にメテノロン酢酸エステル20〜30mg/日(総量300〜360mg)を経口投与すると1.26mg/kg/日のCaを貯留し、2.75mg/kg/日のPを貯留した
5)。
18.4 造血作用
健康人、骨粗鬆症、性腺機能不全及び筋疾患患者にメテノロン酢酸エステル20mg/日を28日間経口投与すると、ヘモグロビン量、赤血球数が増加した
6)。
20.1 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2 小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。