医療用医薬品 : クロマイ

List   Top

医薬品情報


総称名 クロマイ
一般名 クロラムフェニコール
フラジオマイシン硫酸塩
プレドニゾロン
欧文一般名 Chloramphenicol
Fradiomycin Sulfate
Prednisolone
製剤名 クロラムフェニコール・フラジオマイシン硫酸塩軟膏
薬効分類名 抗生物質配合剤(合成副腎皮質ホルモン含有)
薬効分類番号 2639
ATCコード D07CA03
KEGG DRUG
D04753 クロラムフェニコール・フラジオマイシン硫酸塩・プレドニゾロン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クロマイ−P軟膏 CHLOMY-P Ointment アルフレッサファーマ 2639802M1026 20.7円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 クロラムフェニコール・フラジオマイシン耐性菌又は非感性菌による皮膚感染のある場合[感染症を増悪させる。]
2.2 皮膚結核、単純疱疹、水痘、帯状疱疹、種痘疹[副腎皮質ステロイドは免疫機能を抑制するため、感染症を増悪させる。]
2.3 真菌症(白癬、カンジダ症等)[副腎皮質ステロイドは免疫機能を抑制するため、感染症を増悪させる。]
2.4 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[副腎皮質ステロイドの血管新生及び肉芽増殖に対する抑制作用により上皮化が抑制され、鼓膜穿孔が拡大したり自然閉鎖が阻害されるおそれがある。]
2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.6 フラジオマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン等のアミノ糖系抗生物質、又はバシトラシン、クロラムフェニコールに対し過敏症の既往歴のある患者
2.7 潰瘍(ベーチェット病を除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[副腎皮質ステロイドの血管新生及び肉芽増殖に対する抑制作用により上皮化が抑制されるおそれがある。熱傷・凍傷については真皮に障害の及ぶ第2度以上を禁忌としている。ベーチェット病については副腎皮質ステロイド剤の使用が必要な場合もあるため除いている。]

4. 効能または効果

<適応菌種>
クロラムフェニコール/フラジオマイシン感性菌
<適応症>
○深在性皮膚感染症、慢性膿皮症
○湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
○外傷・熱傷及び手術創等の二次感染

6. 用法及び用量

通常、1日1〜数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には使用を中止すること。
8.2 長期間連用しないこと。[11.2参照]
8.3 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
8.4 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
8.5 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来たすおそれがある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
皮膚の感染症クロラムフェニコール・フラジオマイシン耐性菌又は非感性菌による感染症
真菌症(白癬、カンジダ症等)
ウイルス感染症
過敏症皮膚の刺激感
発疹
接触性皮膚炎
その他の皮膚症状注1)長期連用による
ステロイドざ瘡(尋常性ざ瘡に似るが、白色の面皰が多発する傾向がある)
ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
魚鱗癬様変化
色素脱失
紫斑
多毛
下垂体・副腎皮質系機能大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)による
下垂体・副腎皮質系機能抑制
眼瞼皮膚への使用による
眼圧亢進
緑内障
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)による
後のう白内障
緑内障
長期連用注2)腎障害
難聴
その他注2)クロラムフェニコールの長期連用による内服、注射等全身投与の場合と同様な症状

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう注意すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
細菌の蛋白合成を阻害することにより、クロラムフェニコールでは静菌的に1)、フラジオマイシン硫酸塩では殺菌的に2)作用する。また、合成副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンは、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用をあらわすと考えられる3)
18.2 抗菌作用
クロラムフェニコールは、ブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、腸球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニーに抗菌力を有する1)4)in vitro)。
フラジオマイシン硫酸塩はグラム陽性・陰性菌、抗酸菌、放線菌、レプトスピラに対して抗菌活性を示す2)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロラムフェニコール

一般的名称 クロラムフェニコール
一般的名称(欧名) Chloramphenicol
略号 CP
化学名 2,2-Dichloro-N-[(1R,2R)-1,3-dihydroxy-1-(4-nitrophenyl)propan-2-yl]acetamide
分子式 C11H12Cl2N2O5
分子量 323.13
融点 150〜155℃
物理化学的性状 白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
理化学知見その他 19.1 クロラムフェニコール
KEGG DRUG D00104

19.2. フラジオマイシン硫酸塩

一般的名称 フラジオマイシン硫酸塩
一般的名称(欧名) Fradiomycin Sulfate
化学名 (フラジオマイシンB硫酸塩)
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-β-L-idopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
(フラジオマイシンC硫酸塩)
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
分子式 C23H46N6O13・3H2SO4
分子量 908.88
物理化学的性状 白色〜淡黄色の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
理化学知見その他 19.2 フラジオマイシン硫酸塩
KEGG DRUG D01618

19.3. プレドニゾロン

一般的名称 プレドニゾロン
一般的名称(欧名) Prednisolone
化学名 11β,17,21-Trihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
分子式 C21H28O5
分子量 360.44
融点 約235℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、酢酸エチルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
結晶多形が認められる。
理化学知見その他 19.3 プレドニゾロン
KEGG DRUG D00472

22. 包装

25g×5[アルミチューブ]

23. 主要文献

  1. 第十八改正 日本薬局方解説書, C1808-1812, (2021), (廣川書店)
  2. 第十八改正 日本薬局方解説書, C4770-4773, (2021), (廣川書店)
  3. 第十八改正 日本薬局方解説書, C4346-4353、4944-4952, (2021), (廣川書店)
  4. グッドマン・ギルマン, 薬理書[下]薬物治療の基礎と臨床 第12版, 1970-1974, (2013), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212
製品情報問い合わせ先
アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話:06-6941-0306
FAX:06-6943-8212

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版