医療用医薬品 : ミケラン |
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総称名 | ミケラン |
一般名 | カルテオロール塩酸塩 |
欧文一般名 | Carteolol Hydrochloride |
製剤名 | カルテオロール塩酸塩点眼液 |
薬効分類名 | 緑内障・高眼圧症治療剤 |
薬効分類番号 | 1319 |
ATCコード | S01ED05 |
KEGG DRUG |
D00599
カルテオロール塩酸塩
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ミケラン点眼液1% | Mikelan ophthalmic solution 1% | 大塚製薬 | 1319701Q1021 | 170.8円/mL | |
ミケラン点眼液2% | Mikelan ophthalmic solution 2% | 大塚製薬 | 1319701Q2028 | 224.6円/mL |
次の患者には投与しないこと
コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)、心原性ショックのある患者[β-受容体遮断による刺激伝導系抑制作用・心拍出量抑制作用により、これらの症状が増悪するおそれがある。]
気管支喘息、気管支痙攣又はそれらの既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、これらの症状が増悪するおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与
肺高血圧による右心不全の患者[心機能を抑制し症状が増悪するおそれがある。]
うっ血性心不全の患者[心機能を抑制し症状が増悪するおそれがある。]
コントロール不十分な糖尿病の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]
糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
重要な基本的注意
全身的に吸収され、β遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。
相互作用
併用注意
β遮断剤 (全身投与) | 全身的なβ遮断作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。 | 相加的にβ遮断作用を増強させる。 |
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤 レセルピン等 | 過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意すること。 | 相加的に交感神経抑制作用を増強させる。 |
カルシウム拮抗剤 ベラパミル塩酸塩 ジルチアゼム塩酸塩 | 徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全等があらわれることがある。併用する場合には用量に注意すること。 | 相互に作用が増強される。 |
アドレナリン | 類薬(チモロールマレイン酸塩点眼液)でアドレナリンの散瞳作用が助長されたとの報告がある。 | アドレナリンのβ作用のみが遮断され、α作用が優位になる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
調査症例3,440例中148例(4.30%)に副作用が認められている(承認時及び再審査終了時)。
本剤及びミケランLA点眼液1%・2%で報告されている副作用は次のとおりである。
以下の副作用には別途市販後に報告された頻度の算出できない副作用を含む。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
喘息発作(頻度不明*)
喘息発作を誘発することがあるので、咳・呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
失神(頻度不明*)
高度な徐脈に伴う失神があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症(頻度不明*)
房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
類薬で、眼類天疱瘡、脳虚血、脳血管障害、全身性エリテマトーデス(頻度不明*)の報告がある。
*:自発報告、海外又は類薬において認められた副作用のため頻度不明。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明* | |
眼 | 眼刺激症状(しみる感じ、疼痛、灼熱感、かゆみ、乾燥感等)、霧視、異物感、眼脂、結膜炎、眼瞼炎、眼瞼腫脹、羞明感、角膜障害(角膜炎、角膜びまん性混濁、角膜びらん等)、視力異常 | 眼瞼発赤等 | 眼底黄斑部の浮腫・混濁注1) |
循環器 | 徐脈、不整脈、動悸 | 胸痛等 | 低血圧 |
呼吸器 | 呼吸困難、咳 | 咽喉頭症状(違和感等) | 鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり) |
その他 | 頭痛、不快感、倦怠感、めまい、悪心、味覚異常(苦味等)、皮膚炎、発疹 | 血糖値の低下、筋肉痛、こわばり(四肢等)、脱力感、抑うつ、重症筋無力症の増悪注2) |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。(食事摂取不良等体調不良の状態の患児に本剤を投与した症例で低血糖が報告されている。低血糖症状があらわれた場合には、経口摂取可能な状態では角砂糖、あめ等の糖分の摂取、意識障害、痙攣を伴う場合には、ブドウ糖の静注等を行い、十分に経過観察すること。)
適用上の注意
投与経路
点眼用にのみ使用すること。
投与時
点眼に際して、患者は原則として仰向けの状態になり、患眼を開瞼し結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫した後開瞼すること。
点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
血漿中濃度
カルテオロール塩酸塩2%点眼液を健康成人の両眼に20μLずつ点眼したところ、血漿中カルテオロール濃度は投与後15分に最高値1.33ng/mLを示し、減衰期の消失半減期は13.8時間であった1)。
カルテオロール塩酸塩2%点眼液を原発開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者(7例)の両眼に1滴単回点眼後の最高血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準誤差)は1.180±0.384ng/mL(点眼30分後)であった。
カルテオロール塩酸塩2%点眼液を原発開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者(両眼に1日2回、12例)に8週間点眼後の血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準偏差)は、3.198±1.500ng/mL(点眼2時間後)であった2)。
尿中排泄
カルテオロール塩酸塩2%点眼液を健康成人の両眼に1滴ずつ点眼したところ、点眼後24時間までに点眼量の約16%がカルテオロールとして尿中に排泄され、この時のカルテオロール尿中排泄速度の半減期は約5時間であった3)。
薬物の肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種
主としてCYP2D64)
国内42施設で総計852例について実施された、多施設共同二重盲検比較試験を含む臨床試験のうち、緑内障及び高眼圧症患者779例において、総効果判定眼数1,425眼中1,150眼(80.7%)が、有効と規定した21mmHg以下の眼圧に調整された。なお、二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。
視野への効果9)
正常眼圧緑内障患者22例を対象にカルテオロール塩酸塩2%点眼液1日2回18カ月間点眼群(10例)と無治療経過観察群(12例)でのハンフリー視野計による視野測定値を比較検討した。その結果、カルテオロール塩酸塩点眼群は無治療経過観察群に比較し視野の指標であるMean deviation(MD)及びCorrected pattern standard deviation(CPSD)の悪化を有意に抑制した。
眼圧下降作用10)
ウサギにカルテオロール塩酸塩0.25〜2%液を点眼した場合、用量依存的で持続的な眼圧下降が認められている。
ウサギの水負荷眼圧上昇試験において、カルテオロール塩酸塩0.1〜2%液点眼により眼圧上昇の有意な抑制が認められている。
ビーグル犬にカルテオロール塩酸塩1〜4%液を1回0.1mL、1日2回、連続8週間点眼しても眼圧下降作用の減弱は認められていない。
アドレナリン性β受容体遮断作用
カルテオロール塩酸塩は内因性交感神経刺激様作用を有するβ受容体遮断薬である11)。
健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果、並びに緑内障及び高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験の結果から、カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されている。
眼底血流増加作用
ミケラン点眼液1%
5mL×10
ミケラン点眼液2%
5mL×10
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改訂履歴 |
2017年4月 改訂 (第15版) |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 提携 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2020/12/16 版 |