2.1 狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因のある患者[急性閉塞隅角緑内障の発作を起こすことがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
8.1 シクロプロパン、ハロタン等で全身麻酔する前には、本剤の投与を休止すること。
8.2 本剤を投与した患者には散瞳が回復するまで自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。また、サングラスを着用するなど太陽光や強い光を直接見ないよう注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高血圧症のある患者
急激な血圧上昇作用があらわれるおそれがある。本剤の血管収縮作用による。
9.1.2 動脈硬化症のある患者
閉塞性血管障害が促進されるおそれがある。本剤の血管収縮作用による。
9.1.3 冠不全又は心不全等の心臓疾患のある患者
9.1.4 糖尿病又は甲状腺機能亢進症のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
全身の副作用が起こりやすい。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
15.1 臨床使用に基づく情報
長期にわたり散瞳していると虹彩が癒着するという報告がある。
18.1 作用機序
フェニレフリン塩酸塩は選択的α1受容体刺激作用薬であり、瞳孔散大筋の収縮により散瞳作用を示す。
18.2 散瞳作用
眼疾患を有しない成人5例に5.0%フェニレフリン塩酸塩溶液1滴を点眼したとき、点眼10分後から散瞳しはじめ、40〜60分で最大に散瞳し、その後約30分持続してから徐々に縮瞳しはじめ、5〜6時間で点眼前の大きさに戻った
1)。
20.1 開封後は酸化をうけやすいので、密栓し、遮光して保存すること。
20.2 変色したり、沈殿を生じたものを使用しないこと。