医療用医薬品 : エンシュア

List   Top

医薬品情報


総称名 エンシュア
薬効分類名 経腸栄養剤(経口・経管両用)
薬効分類番号 3259
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2023年1月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エンシュア・H ENSURE H アボットジャパン 3259114S1026 0.91円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシーを引き起こすことがある。]
2.3 たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期の患者[9.2.1参照]
2.4 悪心、嘔吐、下痢を合併している心不全患者[病態が悪化するおそれがある。][9.1.1参照]
2.5 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性へのビタミンA 5,000IU/日以上の投与[9.5.1参照]

4. 効能または効果

一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難で、単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤を必要とする下記の患者の経管栄養補給に使用する。
○水分の摂取制限が必要な患者(心不全や腎不全を合併している患者など)
○安静時エネルギー消費量が亢進している患者(熱傷患者、感染症を合併している患者など)
○経腸栄養剤の投与容量を減らしたい患者(容量依存性の腹部膨満感を訴える患者など)
○経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者(口腔外科や耳鼻科の術後患者など)

6. 用法及び用量

標準量として成人には1日1,000〜1,500mL(1,500〜2,250kcal)を経管又は経口投与する。1mL当たり1.5kcalである。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
経管投与では本剤を1時間に50〜100mLの速度で持続的又は1日数回に分けて投与する。なお、消化吸収障害がなく経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者には1時間に400mLの速度まで上げることができる。経口投与では1日1回又は数回に分けて投与する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は1mL当たり1.5kcalに調製されているため、本剤を投与する場合、低濃度(1kcal/mL以下)の他の経腸栄養剤を投与し、下痢等の副作用が発現しないことを確認すること。また、消化吸収障害がない患者では当初から本剤を投与してもよい。
8.2 ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。長期投与中にセレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重症心不全患者(悪心、嘔吐、下痢を合併している心不全患者を除く)
下痢等の副作用が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。しばしば脂肪吸収障害がみられる。[2.4、9.8参照]
9.1.2 短腸症候群などの高度の腸管機能障害を有する患者
下痢を起こすおそれがある。
9.1.3 糖代謝異常の患者
高血糖になるおそれがある。
9.1.4 水分の補給に注意を要する以下の患者
・昏睡状態の患者
・意識不明の患者
・口渇を訴えることのできない患者
・高熱を伴う患者
・重篤な下痢など著しい脱水状態の患者
・腎障害のある患者
脱水状態になる、又は脱水状態が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期の患者
投与しないこと。病態が悪化するおそれがある。[2.3、9.8参照]
9.2.2 腎障害のある患者(たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期の患者を除く)
観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。血清カリウムやBUNが上昇することがある。[9.8参照]
9.4 生殖能を有する者
[9.5.1参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性
ビタミンA 5,000IU/日以上は投与しないこと。投与する場合は、用法及び用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3カ月から妊娠初期3カ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある。[2.5、9.4参照]
9.5.2 妊婦(妊娠3カ月以内の女性を除く)
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
例えば1時間に50mLの低速度から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。[9.1.1、9.2.1、9.2.2参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上0.1〜5%未満頻度不明
消化器下痢胃部不快感、腹部膨満感、悪心、嘔吐 
肝臓  肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ALP上昇等)
代謝・栄養 BUN上昇、血中カリウム上昇、LDH上昇、アミラーゼ上昇 
過敏症  発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与容器は清潔なものを用いること。
14.1.2 本剤を経管投与する場合、内径2mm以上のチューブを使用することが望ましい。
14.1.3 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。
14.1.4 静脈内等には投与しないこと。
14.1.5 標準速度は1時間に50〜100mLであるが、通常は、低速度から投与を開始し、徐々に標準速度に達するようにすること。下痢等の副作用が発現した場合には、速度を下げ症状の改善を待つ。その後、標準速度に達するようにすること。
14.1.6 本剤は水で希釈することなく使用すること。
14.1.7 分割投与の開始時、又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。
14.1.8 経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少量の水でチューブをフラッシングすること。
14.1.9 本剤は開缶直前によく振ってから使用すること。使用時に白色の浮遊物又は沈殿物(脂肪あるいはカルシウム)がみられることがあるが、品質の異常ではない。
14.1.10 本剤を加温する場合は、未開缶のまま微温湯(30〜40℃)で行い、直火での加温は避けること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 上部消化器術後患者における国内比較試験
Rapid turnover protein、NI値等よりみて35例中26例(74.3%)に中等度以上の栄養改善効果が認められた。また、エンシュア・リキッドとの比較において、本剤は同等もしくはそれ以上の成績を示した1)。
40例中5例(12.5%)に副作用がみられた。その内訳は下痢3例(7.5%)、腹部膨満感2例(5.0%)等の消化器症状が主であった。臨床検査値の異常ではアミラーゼの上昇が1例(2.5%)みられた。
17.1.2 口腔外科術後患者における国内一般臨床試験
Rapid turnover protein、NI値等よりみて118例中88例(74.6%)に中等度以上の栄養改善効果が認められた2)。
124例中18例(14.5%)に副作用がみられた。その内訳は下痢12例(9.7%)、胃部不快感3例(2.4%)等の消化器症状が主であった。臨床検査値の異常ではBUNの上昇が3例(2.4%)、血中カリウム、LDHの上昇が各1例(0.8%)みられた。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はたん白質、炭水化物、脂質、電解質、エネルギー、ビタミン、ミネラル及び水分の補給効果を示す。
18.2 たん白質
18.2.1 本剤のたん白質源は、アミノ酸補足効果と効率的利用を考慮し、乳たん白質と大豆たん白質を86.7:13.3の割合で配合したもので、250mL中13.2g(エネルギー構成比14.0%)を含有する。
18.2.2 たん白質中の必須アミノ酸/総アミノ酸比は0.409であり、アミノ酸スコアは100である。
18.2.3 NPC/N比(非たん白カロリー/窒素比)は157である。
18.3 糖質
本剤の糖質源はデキストリンと精製白糖を81:19の割合で配合したもので、250mL中51.5g(エネルギー構成比54.5%)を含有する。また、乳糖を含まないので、乳糖不耐症にも使用できる。
18.4 脂質
本剤の主要な脂肪源はトウモロコシ油であり、250mL中13.2g(エネルギー構成比31.5%)を含有する。トウモロコシ油は必須脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸を含む。本剤2,000kcal中のコレステロール含量は20mg以下である。また、均一微細で、かつ安定な懸濁液となっている。
18.5 水分量
本剤250mL中の水分量は194mLである。

20. 取扱い上の注意

20.1 開缶後は密閉し、冷蔵庫内に保存すること。開缶48時間以内に使用すること。
20.2 本剤を冷凍するのは避けること。

22. 包装

24缶[250mL(缶)×24]

23. 主要文献

  1. 平松義文,ほか, 基礎と臨床, 24, 5533, (1990)
  2. 菅原利夫,ほか, 日本口腔外科学会雑誌, 36, 2879, (1990) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アボットジャパン合同会社 お客様相談室
〒108-6305 東京都港区三田三丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-964-930
製品情報問い合わせ先
アボットジャパン合同会社 お客様相談室
〒108-6305 東京都港区三田三丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-964-930

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アボットジャパン合同会社
東京都港区三田三丁目5番27号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版