医療用医薬品 : デヒドロコール酸

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医薬品情報


総称名 デヒドロコール酸
一般名 精製デヒドロコール酸
欧文一般名 Purified Dehydrocholic Acid
薬効分類名 利胆剤
薬効分類番号 2362
KEGG DRUG
D01693 デヒドロコール酸
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
10%デヒドロコール酸注「ニッシン」 10% Dehydrocholic Acid Inj."NISSIN" 日新製薬-山形 2362400A2026 480円/管 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 完全胆道閉塞のある患者[9.3.1参照]
2.2 急性期の肝・胆道疾患のある患者[9.3.2参照]
2.3 重篤な肝障害のある患者[9.3.3参照]
2.4 気管支喘息、アレルギー性疾患のある患者[胆汁酸及びその塩を静脈内注射すると、喉頭痙攣、全身の硬直、痙攣、血圧低下を伴うショックの起こることが報告されている。]

4. 効能または効果

下記疾患における利胆
胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患

6. 用法及び用量

デヒドロコール酸として、通常成人1日100〜1,000mgを1〜3日間隔で静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 完全胆道閉塞のある患者
投与しないこと。本剤により分泌増量した胆汁は胆道内圧を上昇させ、疼痛を起こし、かえって病像を悪化させることが考えられる。[2.1参照]
9.3.2 急性期の肝・胆道疾患のある患者
投与しないこと。急性期の炎症が存在する場合は、本剤による大量の胆汁の排出が炎症にかえって悪影響を与えることが考えられる。[2.2参照]
9.3.3 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝細胞障害時には、肝血流量、胆汁流出量を著しく増加させる本剤の使用は、肝細胞の疲憊を増強させることが考えられる。[2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児(12歳以下)への投与は、観察を十分に行うなど慎重に投与すること。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
血圧低下、喉頭痙攣、呼吸困難、全身硬直、痙攣、頻脈等があらわれるとの報告がある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
消化器悪心・嘔吐、軟便、下痢
皮膚発赤、全身そう痒感
その他悪寒、発熱、咳嗽、頭痛、不快感

13. 過量投与

大量投与を避けること。原疾患を悪化させるおそれがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤はアルカリ性であり、酸性の注射液(ビタミンB1、ビタミンC等)と混合するとデヒドロコール酸が析出するので避けること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤の静注により苦味感を感じるが、これはブドウ糖注射液(10〜20%)10〜30mLで希釈し、緩徐に静注すれば、通常和らげられる。
14.2.2 静脈内注射にあたっては、できるだけゆっくり静脈内に投与すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
デヒドロコール酸は強力な速効性の胆汁分泌促進薬で、胆汁量は増加するが、胆汁中の固形分の増加は伴わない。したがって低比重の胆汁分泌が起こる1)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 精製デヒドロコール酸

一般的名称 精製デヒドロコール酸
一般的名称(欧名) Purified Dehydrocholic Acid
化学名 3,7,12-Trioxo-5β-cholan-24-oic acid
分子式 C24H34O5
分子量 402.52
融点 237〜242℃
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。アセトンにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
KEGG DRUG D01693

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

10mL×10管(ガラスアンプル)

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C3379-3385, (2021), (東京:廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp
製品情報問い合わせ先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/05/22 版